盗賊の襲撃が終わった後、俺達は盗賊達が寝泊まりしていた場所で休む事にした。
先程まで生きていた痕跡は残っていた。
「それで、えっと、師匠だったか?聞きたいけど、もしかしてあんたは」
『まぁ、お前が考えている通り、転移者であり、心臓を抜かれて、こうして剣になってしまったんだ』
そう盗賊に囚われていた少女を助けると共に、彼女と一緒にいた剣から事情を聞いた。
本当だったら剣が喋る事など不可能なはずだったが、目の前にいる師匠と名乗る剣は、なんと喋る事が出来る。
「本当に、そんな事があり得るのか?」
『いや、実際に目の前で起きているだろ。第一、この世界でそんな事を考えても無駄だろう』
「まぁ、それは」
実際にこの世界では、俺の常識を疑うような出来事が数々起きている。
だが、そうだとしてもなぜ。
「元は、転移者の力を利用して作られている武器だと考えれば、むしろ意思があっても可笑しくないわね」
そうシノンも疑問に思いながらも、俺の考えに合わせて言ってくれる。
「何よりも、強いスキルはその分、転移者の意思と繋がっている可能性があるわ。故に、それらを作った場合、たまにだけど武器に転移者の意識が出てくる事はあるわ。そういう部類は呪われた武器って言って、嫌われているけどね」
「・・・なんだか、それって理不尽過ぎないか」
向こうの都合で勝手に呼び出しておいて、武器に作り変える。
それで、自分達に都合が悪かったら呪われた武器扱い。しかも今回は、人を殺した武器ではなく、助けるために殺した武器なのに。
『気にするな。俺だって最初は信じられなかったさ。ただ、実際、こうして存在している以上受け入れるしかない。それに私は、こうして生きているだけで満足しているしな』
「でも、それは、貴方が望んでの事じゃないでしょう」
『それでもだ。あの時はどうしようもなかった。それに、俺自身は俺の使い手として、彼女がいてくれたおかげで助かったからな』
「使い手か」
そうして少女の方を見る。
黒猫族である少女は、もぐもぐとパンを食べていた。
その様子は可愛らしく、どこか小動物を連想させる。
「・・・可愛い子だよな」
『ああ、確かに可愛いよな』
師匠の言葉を聞きながら、俺は少女を見つめる。
「・・・そういう意味では、幸運だったかもしれないな」
『あぁ、本当に、俺の使い手であるフランは最高だ』
師匠の言葉に、俺は頷いてしまう。
そう考えていると、フランがこちらに寄ってきた。
「師匠!師匠!」
『どうしたんだ、フラン?』
「さっき黒歌から聞いたけど、黒猫族が強化する方法を教えて貰った」
『ほぅ、それは一体何なんだ?』
「なんだか、せっくすをするんだって?そこの人と?師匠、そのせっくすってなに?」
「「『何を教えているんだぁ!!』」」
その言葉を聞いた瞬間、俺とシノンと師匠は、その場で頭を抱えた。
次回作品の中心になる種族は?
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エルフ
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ドラゴン