師匠からの言葉を聞き、俺達は目的地へと向かう事になった。
だが、疑問なのは、その目的地に関してだった。
師匠の言葉。
ゼータを疑うべきではないか。
それに関しても、俺もまた、どこか疑いが出てしまった。
ゼータの、元々の猫としての倫理観が違うという言葉。
それで、俺はどこか納得していた。
けれど、同時にゼータは、俺に一体何を求めているのか。
それを、本人に聞いても、おそらくは、のらりくらりとやり過ごされるだろう。
だからこそ、聞くべきは。
「ゼータ、そう言えば、聞きたかったけど」
「何かな、主?」
「俺達が、向かっている国というのは、一体どんな所なんだ?」
少しでも情報を手に入れたい。
そう、俺が問いかけると、ゼータは、笑みを浮かべる。
「そうだねぇ、人間にはちょっと住みにくい場所かもしれないね。先日までいた国は人間主義の国だとすれば、あそこは獣人主義な場所。だからこそ、人間が住むには、少し不自由かもしれないね」
「・・・そうなのか、シノン?」
この中で、同じ現代から来たシノンからの言葉も聞いておきたい。
すると、シノンは。
「えぇ、そうね。けど、あえて違う所を言えば、あそこの国は転移者をあまり呼ばない場所という感じね」
「ん? どういう事だ?」
「あそこの国は、元々住んでいる住人もそうだけど、ほとんどの住人が人間を好きな連中があまりにも少ない。それこそ、人間を恨んでいる奴が大半だから」
「っ」
そんな所に行って、大丈夫なのか。
不安に駆られる。
だが。
「大丈夫大丈夫」
ゼータは、変わらない調子で言う。
「どうして、そう言えるの?」
シノンは、思わず尋ねるが。
「主に手を出す奴は、私が絶対に許さないから、かなぁ~」
とゼータは言う。
巫山戯たような言葉。
だけど、その瞳は、本気だと言うように真剣だった。
その言葉は、本物であり、嘘がないのは目を見れば、分かる。
だけど、それでも、どうしても不安になるのは仕方ないだろう。
だって相手はあのゼータなのだから。
「まあ安心してよ。もし主達に手を出そうとする奴がいたとしても私が守るからさ」
「それは頼もしい限りね」
シノンが微笑む。
「うんうん任せておいてよね。私はこれでも結構強いんだからね」
胸を張るゼータ。
それは、生まれ変わる前の彼女と変わりない姿だ。
だからこそ俺は思うのだ。
ゼータは、これから向かう国で一体、何を考えているのか。
それが分からなかった。ただ、分かる事は一つだけある。
それは俺達にとって良い状況にならないかどうか、向かわなければ分からない。
次回作品の中心になる種族は?
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