ゼータに案内された家。
そこの家での生活はかなり快適であった。
これまでの旅での疲れもあったが、何よりも現代の日本に近い家という事で、転移してきた俺、師匠、シノンにとってはありがたいものであった。
特に、師匠に関しては、その身体が人から剣になった事もあり、もう日本に戻ってもこうしてのんびり出来るとは考えていなかった。
しかし、そんな中でも、シノンだけは少し違った。
「けれど、このままここに居て良いのかな」
「どうしたんだ、いきなり」
シノンの一言に対して、俺は疑問と共にシノンに視線を向ける。
「ゼータは、ここで暮らしたらと提案したわ。けれど、ここで暮らしていたとしても、果たして転移者である私達が平穏に暮らせると思うの」
「・・・それは」
シノンの言葉を確かに正しい。
この世界において、俺達の扱いは、家畜のようだ。
俺達の心臓や様々な部位を武器に変えて、この世界の住人達は武器にしている。
その最もな例が、目の前にいる剣となった師匠だ。
師匠は、その身をまさしく剣で出来ているようなものだ。
そして、俺とシノンに関してもそうだ。
この世界で生きていくには、それなりの覚悟が必要だ。
「・・・だからこそ、疑問に思った。ゼータ達は、一体、何を企んでいるのかしら」
「それは、前世で俺が助けたとしか聞いていないから」
「・・・ここまで連れてきてか?」
そう、師匠は、口を開いた。
そして、その言葉にシノンも首を縦に振る。
「確かに、何よりも、元の世界に戻る手段は」
「そんなの、あると思うのかい?」
そう話していると、ゼータが部屋に入ってきた。
その表情はどこか怪しげであり、何かを企んでいた。
「元に戻る手段は、ないのか?」
「さぁね、あったとしても、戻すと思うかい」
それと共にゼータは呟く。
「・・・どういう事?」
「別にシノンやそこにいる剣は、別に良いよ。けどね、主、君は駄目だ」
「俺は?」
ゼータは、そのまま頷く。
「主、私は言ったはずだ、ずっと待っていたって。なのに、元の世界に戻ったら、それこそ別れる事になる。そんなの、私は嫌だね」
「ゼータ、まさか、あんたは最初から、こいつを監禁する為に」
「そんなの、他の国の奴らと同じじゃないか」
そう、シノンと師匠は、そのままゼータを睨む。
「そうかな?他の奴らは武器にしたり消耗品扱いをしているけど、私は主をそんな風には考えていない。けれど、離れるつもりだったら、そう考えられないようにするだけだよ」
それと共にシノンも師匠も警戒態勢だった。
だけど、俺は。
「うぅん、それは少し無理かもしれないな」
「・・・理由は聞くけどなんでだい?」
ゼータは、そのまま絶対零度と思えるような視線で、俺を見つめる。
それに対する答えは。
「このままここにいたい気持ちはあるけど、猫達が心配だから」
次回作品の中心になる種族は?
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