「…ゼータの言う通り、本当にとんでもない奴だな、こいつは」
「でしょ、そういう意味では協力する気になったでしょ」
彼女、ギレーヌとの性交は、ほとんど一日かけて、行われた。
その際、俺自身は、既に体力が尽きて、気絶してしまった。
だが、ギレーヌ自身は、俺が気絶した後も、その肉棒に夢中になっていた様子で、幾度も舐め続けたらしい。
「本当、帰ってきたら、ギレーヌの身体には、主の匂いがべったりで、嫌になったけどね」
「うるせぇ、それ言うお前は、ずっといなかったのは、何をしていたんだ?」
「決まっているでしょ、王都からの脱出の手段を確保する為に走っていたんだよ」
「王都」
その言葉で、ようやくこの場所がどのような場所なのか、知る事が出来た。
「そう、王都。正式な名前に関しては、別に知らなくても問題ないよ」
「そうか、けど、その、王都からの脱出って、難しいのか?」
「難しいな、はっきり言えば」
俺の言葉に対して、ギレーヌは、そうはっきりと言う。
それと共に、窓の外を見つめる。
俺もまた、それに合わせるように、そのまま窓の外を見る。
「これは」
見つめた先。
そこにあったのは巨大な壁。
その大きさはあまりにも大きすぎて、山と見間違える程の大きさ。
そう言っても、過言ではない。
「あんな壁が、この世界の普通」
「そんな訳ないだろ。普通に他の国ではあり得ないよ。この王都がどのように発展したのか、お前も知っているだろ」
「あっ」
「そっ、転移者を改造した武器。それを複数組み合わせて造り出したのさ。それに、建設知識もね」
「知識もなのか?」
それを言われてみれば、確かにそれを行う能力があっても、それを作り出す知識がないと不可能なはず。
だけど、それって、どうやって。
「転移者が全員が殺される訳じゃないんだよ。時折だけど、転移者の中で一人だけ生き残らせて、そこから知識を得るという方法もある。その際には拷問もあるし、異性からの誘惑もある。様々な方法でね」
「…それって、今の俺のような感じで」
恐る恐る、俺は尋ねてしまった。
ゼータが言っていた言葉。
それは、まるで俺に該当する。
すると、ゼータは笑みを浮かべた。
「まったく、何を言っているんだ主?主が生前はあんまりそういうのには詳しくないし、猫好きだという事は私は知っているから、はっきり言って、王都に役立つ要素は主にはないよ」
「うぐっ、そこまではっきりと言われたら」
「それに、王都が必要だろうと主を渡す訳ないじゃん。元の世界だろうとね」
「何か言ったか?」
「なんでもないよ、とにかく、ここから脱出するのには、色々と面倒な手段が必要な訳」
「私達だけだったら、なんとか出られるけど、お前も含めるとなるとなぁ」
「すいません」
「気にしない気にしない。それに、話はある程度は出来ているから」
「ある程度?」
そんな一言と共に、ゼータの言葉に誘われるように、向かった。
向かった先は、おそらくは路地裏。
周囲を見渡したら、表で見たような賑やかな雰囲気から一変。
何時、どこからでも襲ってきそうな気がする。
最も、近くにいるゼータとギレーヌの存在感もあってか、誰も襲い掛からない様子だが。
「さってと、ここら辺かな、久しぶりだねぇ」
すると、ゼータは、誰もいないはずの場所に向けて、話しかける。
最初は、俺は疑問に思ったが、ギレーヌはそこにいる何かの正体に気付いているのか、目を見開いていた。
「おい、ゼータ、まさか、こいつは」
「そういう事、けど、こいつの事を信用できるのか」
「にゃはは、そういうのを本人の前に言うかにゃ?」
それと共に、目の前にある光景。
首を傾げてしまうが、そこから霧のように、そこに現れたのは、黒い着物を身に纏った女性がいた。
その髪は、黒く、目が金色に染まっている。
そして、頭には猫の耳が生えている事もあって、彼女は猫の獣人だと分かる。
「彼女は?」
「黒歌、黒猫族の一匹だよ」
「黒猫族だと!?」
すると、ギレーヌは驚いた声を出した。
その意味に、俺は首を傾げる。
「黒猫族って、一体?」
見る限り、あまり変わった特徴は。
「黒猫族は簡単に言うと、この王都では狩りの対象の一つなんだ」
「狩りの、なんで」
驚きのあまり、俺は思わず叫んでしまった。
「この国は、人間という種族が中心に動いていて、獣人とエルフは下に見られている。その獣人の中でも転移者と交わった結果、生まれた子孫が黒猫族だ」
「それは、もしかして」
「実際には、どうかは分からない。だけど、それで狩りの対象をされた訳か」
それに、俺は納得する。
けど、一体。
「生き残る為には、様々な事が出来るようにならないといけないにゃ。私は器用だから色々と出来るけど、まさかゼータ。そこにいる人間を逃がす手伝いをしたいのかにゃ?」
「そうだよ、黒歌だったら、出来ると思ってね。まぁ、もしも断るんだったら」
「しないしない、あんたを敵に回すと面倒だからにゃ。けどまぁ、さっきからのその匂いは、もしかしてだけど」
そう、黒歌は俺に近づく。
「ふぅ、なるほど、ゼータ、これって良いという事にゃ?」
「はぁ、本当、ねこごろしには、嫌になるねぇ」
その言葉に、なんとなくだけど察してしまう俺が嫌になる。
次回作品の中心になる種族は?
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