「んふー♡ リヒト、リヒト……♡」
満足げな顔でハバキは微笑むと、リヒトの後頭部に鼻を押し当てては「くんくん♡」と匂いを嗅いでだらしない顔していた。
リヒトは背中に広がるおっぱいの感触を楽しみながら、可愛い美女になすがままにされていた。さながら人形を抱き抱える少女のような構図だ。
ルナジリオやフゥリィと同じく、彼女もまたリヒトを探し続けて果てのない旅を続けた一人なのだ。目一杯甘やかしてやりたかった。
「ごめんね、もっと元気だったらエッチ出来るのに……」
「いんだよ、そんなのは♡ ここから出て、元気な時にたっぷりパコろうぜ♡ 楽しみだなぁ、リヒトとの生活……朝起きたらパコって、飯食いながらパコって、しょんべんしながらパコって……湯浴みしながら、どぴゅどぴゅパコって……でへへ……♡」
なんだか危ない顔つきで妄想の世界に意識を飛ばすハバキ。リヒトはそんな彼女の頭を撫でてやる。近くで見ると刺さるような髪型だが、リヒトが撫でると、まるで大切なご主人様傷つけないようにと先端が丸まり、不思議と触り心地の良い髪質になる。妙に癖になる触り心地だった。
「あー、やっと見つけたんだ、ほんとにいたんだ……もう離さないぞ……リヒトぉ……♡」
「ふふ、どこにも行かないよ。ハバキはもう僕のものだよ、いっぱいエッチしようね」
「おう♡」
ブンブンと音が鳴るくらい激しく頷いていた。リヒトは思わず苦笑する。とんでもない美貌の持ち主なのに、可愛らしく頷く姿は少女そのものだ。
──絶対元気になったら一番におまんこパンパンする。
早く元気になろうと心に決めたリヒトだった。
「ん──リヒト、誰か来るぞ」
そうしてハバキは、しばらくにこやかに少年を吸っていたが──何かに気がついたらしく、突然顔色を変えた。
深刻な声音でそっとリヒトに耳打ちする。
「誰だろ……ってか今更だけどここどこか知ってる? 僕の記憶にないマップなんだよね、そもそも全部覚えてないし」
「ああ、後で教える……来るぞ」
ハバキの言う通り、それから十秒と立たず一人の男が来た。
その男の手には、二本の鎖が握られている。
「──おら、大人しくしてろよ」
「きゃぁっ──!」
「げほっ──!?」
牢屋の檻を開けて押し込まれたのは、二人の女性だった。リヒト達と同じようなボロ切れを着せられていて、二人とも頬に一筋の切り傷が刻まれていた。赤い血が滴っている。
「ん──?」
男は物のように鎖を放り捨てると、それから──べったりと恋人のようにくっついているリヒト達を見た。
「──まぁいいか」
男は特に気にした様子もなく、首を左右に振って出て行った。
今更ながらここは何の施設なんだとリヒトの不安が鎌首を持ち上げた。大変なところに連れてこられてしまった。
「いたた……」
「くっ……だ、大丈夫ですか、ロウ……?」
「ええ、気にしないでくだせぇ……」
女性達はノロノロとした動作で起き上がると、それぞれ支え合うようにして抱きしめあった。
「それより、カータさんの方も、お怪我は……?」
一人は赤茶色の短髪を結った大柄な女性だった。多少ばた臭い顔をしているが十分美人の範囲である。ワガママボディとでも言えばいいのか、筋肉はないが胸とお尻についたお肉がとんでもなかった。
「ええ、大丈夫です……ありがとう、ロウ」
もう一人は茶髪で、丸眼鏡をつけた勤勉そうな女性だった。やつれた様子は徹夜明けのOLのようだが、目鼻立ちの整った綺麗な顔立ちをしていて、身体つきの方はというとこれまた非現実的なほどメリハリのついた肉体をしている。
「でもごめんなさい、『握り』すぎて指が動かないの……お願い出来るかしら」
「ええ、大丈夫です……脚、開きますよ」
ロウと呼ばれた大きな女性は、疲れ果てた女性を座らせると、股を開かせた。
ぼーぼーに生え放題の陰毛には、真っ白な液体がこびりついている。ロウは太い指で丹念にそれらを払うと、「入れますよ」と一言前置きして膣内に指を差し込んだ。
「んっ──く──」
くちゅくちゅと水音がなる。
二本指を曲げて掻き出すように膣内を出し入れすると、ゼリー状のプルプルした白い物が大量に排出される。
「はーっ、はーっ──♡」
ちょっとだけとろんとした顔で、眼鏡の女性はもう一人の胸元に顔を埋めた。
「ごめんなさい、少しこのまま……」
「大丈夫です、毎回明らかにカータさんの方が多いですから……」
そう言いながら、今度は自身の膣を弄ると、くちゅくちゅと似たような仕草で自らの分も掃除する。
「んっ──ふぅ──♡」
ぼちゃりと、その場に大量の白い液体が落ちた。
それらを忌々しげに睨みつけながら、顔をあげたところで──
「あれ──?」
そこで初めて、ロウの視界が牢屋の奥に居る二人の事を捉えた。
凄まじく気まずいタイミングであった。
「ど、どうも……」
リヒトは「見つかっちゃった」という顔をしながら頭を下げた。
ーーーーーーー
「初めまして、私はカータ。そして、こちらはロウです」
「どうも」
眼鏡の女性──カータが足を崩して座りながら頭を軽く下げる。それに倣ってロウの方も小さく頷いた。
「えっと、僕はリヒトです」
「アタシはハバキ……ま、見たら分かるだろうけどお仲間だ」
とりあえず同様に自己紹介を返すと、「そうでしょうね」と暗い顔で頷かれた。
カータ達はすぐにリヒトに目を向けた。
「それにしても可哀想に。まだ子供でしょう貴方……」
「どう見ても……お嬢様の一つ二つくらい下ですかね?」
「ええ、それくらいでしょう」
二人はリヒトを憐憫の目で見つめた。
と、そこで何かに気が付いたようにカータが眼鏡を持ち上げた。視線の先にはリヒトの股間があった。
「……失礼、暗くてよく見えなかったのですが、もしかして男の子、でしょうか?」
「え? あ、はい、そうです、けど……?」
リヒトはハバキの涎まみれになったペニスを布切れで隠した。ハバキの方が堂々と乳房や秘所を晒しているので油断していたが、普通に変態になるところであった。
危ない危ない。
「なんか重要なのか、それ?」
「重要も何も、ここは性奴隷が入れられる牢屋ですぜ」
ハバキの問いかけに、ロウが答える。
リヒトは彼女達を見て、言いづらいがそういう扱いを受けていることは一目で分かった。だが、性奴隷の牢屋とはどういう事だろうか。なら何故リヒトはここに入れられたのか。訳がわからない。
しかし聞きづらすぎてリヒトは何も言えない。デリケートすぎる話題だった。
無言で話の流れを伺っていると、カータが頭の痛そうな顔で項垂れた。
「まぁ関係ないでしょう。恐らく誰かに『ヤレる』と判断されたのかと……」
「カータさん、そんな言い方……」
「おっと、申し訳ありません……流石に何ヶ月も下品な男たちに囲まれていると口調も移ってきてしまい……失礼いたしました」
ぺこりと頭を下げられるが、内心複雑なリヒトだった。答えは分かったが、同時に理解できなかったからだ。
よく分からないが、リヒトの身体つきはどうやらここの山賊?達からすると基準値を満たしていたらしい。この世界は皆肉感的な体付きの女性が多いので、もしかするとそっち側の趣味の人が男に手を出すくらい飢えている可能性もあった。
嫌なところでMODの被害を受けつつ、とりあえずなるほどと頷いておいた。少なくともこの場では出ない答えだろう。
「それにしても、先ほどはお見苦しいところをお見せしました……」
カータが再三頭を下げる。先ほどとは当然、リヒト達に気がつく前に行われていた行為だろう。
何をしていたのかは聞くまでもないので、リヒトは黙って頷いた。
「ここの男達は『出しっぱなし』ですから、レディに対する扱いなど期待出来る訳もなく──ああして気持ち程度の『事後処理』をするしかないのです」
「二人もすぐにわかると思いますぜ」
目の前の二人は暗い面持ちで俯いた。その様子は深い絶望と悲しみ……そして諦めが渦巻いている。
「もう二ヶ月になりますか。先月は『当たらなかった』ようですが、この分だと山賊達の誰かのややこを孕むのも時間の問題でしょうか……」
「アタイはもうとっくに諦めてますよ……でもそれ以上にお嬢様が不憫で不憫でならねぇ……」
「そうですね……
「っ……」
恐ろしい事をさらりと話す彼女達。
リヒトは詳細聞くのも躊躇われたため、口をつぐんでしまう。酷すぎる会話だった。
嫌な妄想が頭の中で無限に広がる。彼女達が陵辱されているのはこの状況で想像しない方が無理な話だった。
「わりぃ、聞きづらいこと聞いてもいいか?」
一方ハバキは真剣な顔で口を開いた。
「ええ、何か?」
「ここに連れてこられて二ヶ月……その間、毎日何してたんだ?」
「何と聞かれると……そうですねぇ、『お掃除』というところでしょうか」
自嘲気味にカータが笑うと、「あー、悪い」とハバキが首を振った。
「内容について聞きたかったわけじゃねぇんだ。もっと素直に聞くぜ。『この洞窟の地形』については把握出来るくらいあちこち連れ回されたか?」
質問の意図を理解できなかったロウが半眼でこちらを見返した。
「そりぁもう、朝から晩まで連れ回して
「ロウ」
生々しい台詞を途中で遮ると、カータは静かにハバキに頷き返した。
「──ええ、ハバキさん。おおよそ部屋の位置関係……そして出口の目星はついています」
「へっ、やっぱりな。あんた中々頭が回りそうだからな」
ハバキは「話が早い」と笑うが、その視線は鋭く、獲物を見つけた獣のように輝いていた。
「あんたら──ドーザー・ランス家の人達だな?」
核心をつくような彼女の言葉に、一人は鳩が豆鉄砲を食ったような顔して頷き、もう一人は眼鏡をクイと持ち上げて肯定した。
「な、どうしてそれを……!?」
「──はい、我々はドーザー・ランス家のメイドです」
その言葉を聞いて、褐色美女は不敵に笑った。
「リヒト──すぐ出られそうだぜ。こいつらアタシが探してた貴族の付き人だ」