二人は狭いベッドの上に並んで腰掛けていた。
リヒトは彼女のデカチチを持ち上げると、もにもにと揉みながら、エロビキニの先端から飛び出ている乳首にちゅっ、と口付けをする。
「ふふ、マスター、いかがでしょうか?♡」
「うん、素敵だよ……ルナジリオの大きなおっぱいにエッチなヒモがむちむちに食い込んでて……凄い……」
リヒトは改めて凄い水着だと感動しつつ、彼女を抱きしめる。暴力的なまでの豊満な肉体に、そのいやらしさを最大限引き出すエロビキニ。
まさに鬼に金棒である。少年は魅了されて仕方なかった。
「マスター、先ほど私の事を、ルナ、と呼んでくださいましたね」
「え、そうだっけ……? まぁ、呼んだ気がしなくもないかな……なんで? そっちの方がいい?」
聞き返すと、ルナジリオはこくこくと激しく頷く。
「是非是非っ!♡ 是非に!♡♡ 愛するマスターにそう呼ばれた時、ここがとてつもなくきゅんきゅんして、どうにかなりそうでした……♡」
手を掴まれると、彼女のおまんこの部分に連れて行かれる。そこはとんでもない洪水になっていて、見なくても触れただけでそれが分かった。
リヒトはデカパイに顔埋めながら、「分かったよ」と頷いた。
「ルナ、僕の可愛いルナ……」
「はぁぅっ──♡♡ マスター、マスターさまぁ♡♡ 我が愛しのマスター、どうか、これからもお側にお仕えることを許可してください……♡♡♡」
「うん、いいよ、ずっと一緒にいよう。僕ももう手加減しないから。したい事は、全部ルナに言うから……手伝ってもらうよ」
「お任せください♡ 貴方様が欲しいと仰るのであれば国であろうとなんであろうと、我が身の力の全てを以って用意させていただきます♡」
「そんなのは要らないけど……今は、ルナが欲しいかな」
「くぅぅぅぅぅ──♡♡ 今すぐにでも、マスター♡♡ 貴方様専用のおちんぽ入れまんこケースは準備万端です♡♡」
股をパックリと開くと、彼女は見せつけるように陰唇を開いて見せた。早く早くと急かすような美女の鼻息に、思わず苦笑する。
リヒトは頷き、彼女に覆い被さりながら、肉棒を彼女に突き立てようとして、
──彼女の瞳に殺意が燃えている事に気がついた。
「っ──」
思わず、息を呑む。
ルナジリオの纏う空気が変わった。
何もかも違う。つい一瞬前とは別人のようだ。
真冬のような、冷たい目だった。
その瞳は、戦士のものだった。戦う人の、殺意を露わにした表情だった。
戦士として、この場において打倒すべき敵を見据えている。
「──誰だ」
ルナジリオは、虚空を見つめていた。虚空の中にいる何かを見つめているのだ。
「……っ」
リヒトは彼女の突然の豹変に、何が起こったのか分かっていない。
およそ優しさという感情が排斥された、鋼鉄のような冷たさが彼女の視線に現れる。敵意と殺意の入り混じった濃厚な視線だ。
「誰でもいいが、マスターと過ごすこの黄金よりも貴重な時間を邪魔するのであれば──殺す」
力強い腕で、リヒトの身体は豊満な女体に抱き抱えられる。
「な、なに、なに、なにが……?」
リヒトは目を白黒させていた。おっぱいに顔が沈んでいくが、到底味わえるような空気ではない。
なんだ、何が起こっている。
「大丈夫ですマスター──すぐに掃除致します」
ルナジリオは胸に抱いたご主人様を守護するように身体を丸めながら、天井に手を伸ばした。
『
彼女の呟きに呼応して、何もないところから透き通るような日本刀が姿を表す。
まさしく魔法のような出現だった。無から有を生み出す、奇跡のような魔法。
そして、目にも止まらぬ速さでそれが振るわれると、次の瞬間、女性の悲鳴と共に鮮血が飛び立った。
「きゃぁっ──!」
「えっ、誰!?」
その場にぼとりと、何者かの右手が落ちた。
そう、右手だ。肘の下からバッサリと一太刀で切り飛ばされた、生きた人間の右腕。
間違いなく、何もないところからそれが発生して、それはルナジリオによって切り落とされていた。
その手の出現元に目を凝らすと、ぼたぼたと大量の血が垂れる。
ぷん、と、鼻に鉄の匂いがついた。
「いたた……」
やがてゆっくりと人形の境界線が見えるようになる。それは映画のように、ぼんやりとCGの輪郭がはっきりしていくような映像だった。
あまりに非現実的な事象に、目を丸くする。
「──透明人間……?」
言い表すならばそうとしか言いようのない何かがそこにいた。しかし、切り落とされた右手は、どうみても人間の女性の物だった。
ならば、ここにいるのは人かもしれない。
それも、女性である。
「この場から逃げ
「──ちょ、ちょっと、降参よ、もう!」
ルナジリオが再びその刃を振り上げると、その透明人間が声と共に姿を表す。
切り落とされた右手も合わせて両手を上げ、服従の意を示している。ぽたぽたと右腕の傷口から血が大量に垂れている。
現れたのは、先ほど下の階にいた、妙にスケベな格好をした女性客だった。
「──ん? あ……」
リヒトは、彼女の姿を目の当たりにして、ようやく彼女の事が何故気になったのか理解することになった。
ーーーーーーー
「痛いわねえ、もう……『治癒』」
ぶつくさ文句を言いながら、彼女は何事もないように切り落とされた手を再び『生やした』。何もないところに骨が形成され、肉が盛り上がり、血肉が通い、皮膚に覆われる。高位の魔術は、こうして目にしてみるとまさしく魔法、魔術であった。
このゲームでは部位欠損などはなく、回復魔法も体力というゲーム上の数値が回復するだけで、このように傷が塞がっていくような演出はない。ましてや腕が生える現象など、現実世界であっても見れないものだ。
だが、ゲームを現実にすると、こんな事も描写されるらしい。
リヒトはその冒涜的とも神秘的とも取れる光景に、思わず息を呑んだ。
……ちなみに切り捨てられた手はいつの間にか消え去っていた。これも彼女の力だろうか。
「ふん、魔術師か……」
ドアの前には、いつもの服を来たルナジリオが、今にも彼女の首を切り飛ばさんと抜き身の剣を構えていた。その立ち居振る舞いは、外敵を前にした番犬のようだ。決して許すつもりはないと言外に態度で物語っている。
リヒトは苦笑しながら、改めて正面から透明人間だった女性を見据える。
一言で言い表すなら、紛れもない痴女。
それが透明人間の正体だった。
群青色の緩いウェーブの掛かった短髪。そして美しく、大人の色気たっぷりの顔立ち。神秘的ながら、どこかいやらしく、目元の泣きぼくろが未亡人のような雰囲気を出していた。
そして何より目を引くのがその衣装と体つきだろう。白くハリのある柔肌で、その女体はルナジリオに引けを取らない爆乳に、デカケツ。くびれるところはくびれて、後はむっちりと肉付きが良い。まさに神の至宝のような肉体美。
そんな恵体が身に纏うのは、もはや服とは呼べない布切れだった。
一体どうやって付けているのか。風によってヒラヒラと揺れる純白の前掛け。それが三枚、女性の局部を隠すようにごく小さく張り付いていた。彼女の装いはたったそれだけで、後は肩にスケスケのケープを掛けているくらいのものである。
まさしく痴女としか言いようのない。三枚の布は張り付いていると言うよりも、暖簾か何かのように掛かっているだけで、めくれば簡単に見えてしまいそうだ。しかもそもそも布地が小さすぎるあまり、乳輪や陰毛がはみ出してしまっている。
ドスケベ魔術師。一言で言い表すならそんなような女性だった。
「それで、貴様の目的は」
ルナジリオが剣のような鋭い声で問いかけた。リヒトと二人きりの時とは大違いの、剣呑な態度だった。
当然だろう、彼女からすれば目の前の得体の知れない痴女は、二人の愛の営みを魔法で盗み見る変質者でしかないのだから。
故に、待ったを掛けた慈悲深きご主人様に改めての敬意を表しながら、しぶしぶ彼女を殺すのを待っている状態である。
対する彼女も、ルナジリオに対しては非難の視線を向けていた。何せ回復したとはいえ片腕を切り落とした相手である、そう易々といい顔は出来まい。
しかしこの場は無言で佇んでいても切り抜けられないと悟ったのか、彼女はゆっくり口を開いた。
「目的も何も、どうしても確かめる必要があったのよ……だってこの子は私の……」
言い淀む。言葉を選ぶというよりは、確信があるのにどう表現していいのか分からないと言った様子だ。
答えが目の前にあるのに、その答えが理解出来ない。そんな表情だった。
だがら、彼女が言い終わる前に、『我が子』を愛しむようにリヒトは頷いた。
「そうだよ、フゥリィ──『僕が君を作った』」
リヒトはなんでもないように言ってのけた。
一方の彼女は、信じられなような瞳でリヒトを見つめ返すと、ごくりと唾を飲み込んだ。
「──本当に、坊やが? 私を……『作った』のね……?」
「うん、そうだよ、初めましてフゥリィ」
そこでしまったという顔をしたリヒトは、改めて二人に向き直った。
あろうことかルナジリオにも名前を名乗っていなかった事を思い出したのだ。
「僕の名前はリヒト。『君達』を作った『作者』だよ」
リヒトは恥ずかしげに鼻の頭を掻いた。