ヒーローの性欲解消が俺のヒーロー活動です 作:雄英高校サポート科
ヒーロー育成高校のトップと名高い雄英高校。
しかしその雄英にはヒーロー科のみならず、普通科と経営科、そしてサポート科が存在する。
戦闘向きではない個性を持つ者、あるいはプロヒーローとは別の道を志す
者たちがそれぞれの学科に通い、各々のヒーロー活動に邁進している。
サポート科に通う一年生、
彼はヒーローの戦闘のためのサポートアイテムではなく、多忙なヒーローの疲れを癒すヒーリングサポートアイテムを専門に開発しており、『ヒーローに癒しを!』を合言葉に日々ラボに籠って発明を行う発明家だった。
先日行われた体育祭での成績は振るわなかったが、事前に敗退者向けに開発したマッサージ用品を提供し、来場していた一般向けメーカーから注目を浴びている。
なおヒーローやサポート企業からの注目度は今のところほぼない。
「出来たぞ発目ェ! 人体工学に則って作った超絶癒しマッサージ器具『動けるマッサージスーツ・マークⅡ』!」
「ほう! これが好有君の新しいベイビーですか!」
発目明──個性:ズーム。
好有と同じサポート科所属の一年生でクラスメイト。
体育祭ではサポート科唯一のトーナメント出場を果たし、ヒーロー科A組生徒を言葉巧みにかどわかし、自身の開発したサポートアイテムのプレゼンに利用した知恵者。
発明大好きな天才少女であり、好有の協力者兼メインテスターでもある。
「おう! 多忙を極めるプロヒーロー、満足に家に帰って休むことも出来ないそんなあなたに贈る、軽量化を極めてなおかつ人体の動きを阻害しない、スーツタイプの電気マッサージ機だ! 完全防水、水難現場での救助活動にも対応! 着用者の筋肉疲労を検知してそれに応じたマッサージを自動で施す優れモノだ! ヒーローは疲れた顔も見せられないからな! こいつを着てれば疲労を隠しがちなヒーローを癒し尽くせるぜ! 試しに着てみてくれ!」
「それでは……わあ! すごいブルブルしますね!」
「サポート科も力仕事だからな! お前に溜まった疲労を検知してマッサージが始まったのさ!」
「やや! 身体が勝手に動き出しましたよ、好有君! これは一体……!?」
「それはずっと同じ体勢で発明を続けてたお前の身体が伸びを求めてるからだな! 全身余すことなく伸ばしてもらえ!」
「成程! ところで好有君!」
「おう!」
「人体が私の可動域を越えて伸び切ろうとしています! ちぎれそうです!!」
「なぁーにぃー!? やっちまったなぁ!! 緊急停止!」
BAGOONG!!
「ふむ……疲れをほぐすためなら人体の限界を超える……か、改善点だな! いくらヒーローが屈強で柔軟な身体を持っていても、活動中に自身の意思に反した伸びやほぐしを強要されれば活動に支障が出る!!」
「お腹と背中がくっつくかと思いました! 比喩的な意味ではなく!!」
「正直すまなかった!」
「いえ! 発明と挑戦に失敗は付き物ですから! 次のベイビーを作成した際にはまた是非お声がけを!」
「おう!!」
好有の失敗時には大きな負傷を負わない程度に爆発四散する。
クラスメイトの発目をリスペクトとした謎ギミックであった。
「──あのー……」
「だがやはり活動中の癒しサポートというのは俺には合わんな! 癒しというのはたとえ隙間時間の一瞬であっても仕事と切り離されているべきだ! 身体と共に心も癒すことが重要だからな!」
「発明家の拘りですね! 拘りこそが閃きに繋がりますから!」
「……あのー」
「ああ! こうしている間にもバンバン閃いてる! 早速次の試作に取り掛かるぞ! 発目もご苦労!」
「いえいえ、では私も次のベイビー作りに戻りますね!」
「あの!!」
「うおっ、誰だ君は! 発目の知り合いか!?」
「いえ! 知りません! 誰ですかアナタは!」
「……体育祭でもマイペースな奴だと思ってたけど、サポート科ってこんなのばっかなの?」
爆発で吹き飛んだ扉の向こうから顔を覗かせる少女に気付き、好有と明は顔を見合わせたが、知らんで意見が一致した。
「あー、ウチは耳郎響香。ヒーロー科の1年A組。体育祭でそこの子が広告塔に使った飯田のクラスメイト」
耳郎響香。個性:イヤホンジャック。
「! 彼にはお世話になりました! よろしくお伝えください! それでは私はベイビー開発に戻ります!」
「あ、おい待て発目ェ! 用件も聞かずに失礼だろうが! ……慌ただしくてすまないな、俺は工口出好有だ。よろしくお願いする」
「ん、一応知ってる。よろしく」
「それでヒーロー科が訪ねてきたということはサポートアイテムかコスチュームの相談かな? 生憎とパワーローダー先生は留守にしているが、話があれば俺が聞いて伝えよう」
「いや、そういうわけじゃないんだ。ウチが用があるのはあんた」
「俺に?」
「うん。あんた、体育祭の時にマッサージ機とか冷却スプレーとかを提供してたでしょ? あれ、ウチもお世話になってさ。特にマッサージ機がすごい効いたよ」
「ほう! 被検──もとい利用者だったか! それは良かった!」
「今被験者って言った?」
「気のせいだ! それで、わざわざお礼の言葉を?」
「あー、いや……それでもしよかったらまた使わせてもらえなかなって。まだちょっと疲労が残ってる感じするんだよな。もうすぐヒーロー科は職場体験だから、それまでに完璧に疲れを取っておきたいんだ」
「成程! 勿論構わないぞ! なら部室に向かおう!」
「部室?」
「ああ。ヒーロー科と違って俺たちは部活動を禁止されていないからな。マッサージ同好会を立ち上げ、ついでに自分の発明品の倉庫代わりに部室を使用しているんだ。自由が売りな校風なだけあって、一年でも部活を立ち上げて部室までもらえるとは流石雄英だ」
「へー。そっか、他の科は中学と同じで部活が出来るんだもんね。ちょっとうらやましいかも」
「部活に打ち込む余裕がないほどヒーロー科のスケジュールは過密だということだ。俺たちには一年じゃ職場体験もないし、夏休みの林間合宿もないからな」
「それは言えてる。部活を3年間ガチでやるのは無理かも。他の部員に迷惑掛けそうだし、仕方ないか」
………………。
…………。
……。
~マッサージ同好会・部室~
(お邪魔しまーす)
「それでマッサージ機だったな。体育祭の時に貸し出したのはハンディタイプのマッサージ機だったが、せっかくだ。チェアタイプを使って感想を聞かせてほしい。まあ貸す対価だと思ってくれ」
「別にいいけど。同好会とはいえ部活なんでしょ? 他の部員から感想は聞けてるんじゃないの?」
「部員は俺と発目のふたりだけだからな。その発目が使ったのも発明した時の一回切りだ。好評ではあったがあいつひとりじゃ圧倒的にデータが不足してる」
好有に案内された部室はまさに倉庫そのもので、中にはところせましと好有の発明品が並んでいる。先ほど見た乱雑な印象をぬぐいきれないラボとは異なり、綺麗に管理されていた。
響香は好有の指示に従い、倉庫の隅に鎮座するマッサージ機に腰掛けた。
「使い方は一般的なマッサージ機と変わらない。自由に調節して使ってくれ」
「うん…………あー、これこれぇ……やっぱり昔使ったお店のより断然効くや……」
「俺たちは工業科ではなくヒーローを補佐することを前提にしたサポート科だからな。ヒーローの役に立つと判断される設計だからこそ、開発費も下りる。市販品とはワケが違うさ。学校に有用性を証明して開発予算を取るまでも苦労がたくさんあった……と、世知辛い苦労話は余計だったな。癒しの邪魔だ」
「んーん、気にしないでいいよ。あんまり他の科の話聞ける機会ないしさ、新鮮だ」
「そうか? それなら良かった。だがやはりその話はやめにして、耳郎君。君の個性はその耳から伸びるコードイヤホンだな?」
「そ。ウチの個性のイヤホンジャック」
好有の声に応えるように響香は左右のイヤホンジャックを操作し、空中に線を描いた。
「来てくれたのが身体的に特徴の出る個性の君で良かった。俺も発目も外見は無個性と変わらないからな。異形系や特別な器官が出る個性用の発明が中々実践できないんだ」
好有は真剣な眼差しでイヤホンジャックを観察し、やがてPON!と手を叩く。
「ふむ、君はその個性を鞭のような単純な物理攻撃だけじゃなく、音波攻撃や接地させての索敵に使用していると見た」
「正解。すごいじゃん、見ただけで分かるんだ。そういう個性?」
「比較的想像しやすいというのもあるが、人体の延長線にある個性であれば普通の肉体と同じく疲労が表に出る。その疲労の具合からどういう使い方をしているのかを考えただけだ。俺の個性は何かを解析するような大したものじゃないよ」
感心する響香を他所に、好有は作業台に向かい、ガチャガチャと物凄い勢いで組み立てたそれを響香に見えるようにBAN!と掲げた。
「うわ、この一瞬で……ヘッドホンと、なにそれ?」
「イヤホンジャック対応耳マッサージ機だ!! 耳に関わる個性持ちの君なら鼓膜按摩や耳ツボ美容などは知っているだろう? このヘッドホン型の1号で耳を覆って刺激とヒーリング効果のある音を流して耳を癒しつつ、こっちの筒状の2号でイヤホンジャックを包み、そちらからも同様の刺激を与える」
「へえ……」(へー)
「差し支えなければ試してみてもらえないか? 先ほどのラボでの爆発が不安なら俺が最初に使ってみせても構わない」
「いーよ。このマッサージ機を作ったあんたを信用する。それにウチ専用のマッサージ機とか超気になるし」
「感謝する! では早速装着してみせてくれ! それから……アイマッサージャーは発目が持ち出したままか。仕方ない、市販のホットアイマスクしかないがこれをつけてリラックスしてくれればいい。大音量で音を流すなんてことはしないから安心してくれ」
「りょーかい……んっ……」
響香が頭とイヤホンジャックにマッサージ機を装着したのを確認してから、好有はスマホを操作し、マッサージ機から癒しの音を再生し始める。
静かな、耳を澄まさなければ聞こえない程度のさざ波がふたつのマッサージ機から流れ始めた。
(あ……いいかもこれ……)
ヘッドホンから聞こえてくる音に新鮮味はないが、確かにリラックスできる確かな理論に基づいた音楽。
響香が特に感動したのは、イヤホンジャックの方から伝わってくるより小さな音と微振動だ。
常人では耳を傾けても聞き取れない微細な音と振動が、イヤホンジャックを持つ響香にだけは分かるリラクゼーションを提供してくれている。
「気に入ってくれたみたいだな」
マッサージ機越しにくぐもって聞こえる好有の声に応え、響香は親指を立てた。
そしてそのまま音の海に夢中になって、意識がゆっくりと沈んでいく──
………………。
…………。
……。
「──よし、そろそろ十分にリラックスできただろう」
もう終わりか、とぼんやりした意識の中で響香は後ろ髪を引かれた。
下校時間もあるし、仕方のないことだと割り切ろうとした響香に好有は優しく声を掛けた。
「マッサージを次の段階に移行する。体の力を抜いて、リラックス状態を維持したまま、音と振動に身を委ねるんだ」
「ん……」
(…………)
良かった、まだ心地良い時間に浸っていられる。響香は僅かに表情を緩ませ、短く返事を返した。
さざ波の音がフェードアウトし、それを無意識に追いかけて耳をさらに澄ませた響香に届いた次の音は──
ぐっぽぉ……♡
「ひぁっ……!?」
(響香ちゃん……?)
突如流し込まれた粘着質な水音。耳かきに似た、けれど明らかに違う耳の中に何かを突っ込まれている感覚にびくりと響香の身体が跳ねる。
「ぇ、あ……っ?」
ぱくぱくと口を開閉させる響香だが、音と振動は止まらない。
ゆっくりと耳の中を這いずり回るように、粘着質な何かが侵入してくる錯覚が止まってくれない。
「ASMRという言葉は聞いたことがあるだろう。聴覚や視覚への刺激によって感じる、心地良い、脳がゾワゾワする反応・感覚のことだ。今、君の耳と個性に流れているのは俺が作ったASMR音源で、耳かきよりもさらに深く、じっくりとをテーマに開発したものだ」
好有の説明も止まらない水音に翻弄されている響香の意識にはぼんやりとしか届かない。これが実際に挿入されたものであれば、この水音の主は鼓膜に行き当たり、苦痛を齎すだろう。しかし実体のない音の触手は響香の奥へ奥へと止まることなく侵入を続けている。
加えて響香を前後不覚の朦朧とした状態に陥らせているのは、彼女の個性であるイヤホンジャックに装着されたマッサージ機からの音声だ。
耳よりも深く、敏感に振動を感じることのできるイヤホンジャックは、好有特製ASMR音源を余すことなく、誰よりも敏感に感じ取り、響香を悪寒と快感の狭間へと堕としていく。
「ひっ、あっ♡ ぅあっ♡ あっ♡ あっ♡」
(わぁ……っ!?)
音の触手が蠢く度、響香の口からは嬌声が漏れ出て、びくびくと小刻みに身体が跳ねる。それから逃れるのは簡単だ。マッサージ機を外し、好有に投げつけてしまえばそれでいい。
けれど、この未知の感覚から脱することを響香は無意識下で惜しいと感じていた。
身体に触れられたわけでも、卑猥な言葉を聞かせられているわけでもない。あくまで身体と心の癒しのためのマッサージの延長。これはセクハラでも卑猥な行為でもないという言い訳が出来ていた。
もっとも、それは響香の主観の話で、客観的に見て今の響香の姿は健全とは言い難かった。
マッサージチェアに座った響香の口からは艶めかしい声が漏れ出ており、口元には僅かに唾液が付着している。
両足はぴったりと閉じ、太ももをもじもじとすり合わせたり、ピンと足先を伸ばしたりと忙しなく、官能的な動きを繰り返している。
加えて、制服と下着に隠れてはいるが、その下では胸の先端が勃起し、自己主張を始めていた。
「んくっ♡ ぁ、は♡ はぁっ♡ はぁっ、んっ♡ ふぁ♡ あっあっ♡」
ずちゅずちゅと音の触手は響香の脳内を犯し続け、女性器を覆う下着は湿り気を帯び始めている。
敏感な反応を示す響香に好有は頷き、スマホを操作してマッサージチェアに新たな指令を送った。
「堪能してくれているようで何よりだ。しかし、これ以上は男の目に晒されていては十分にマッサージを満喫できないだろう。そんな時のためにその椅子には変形機能を搭載済みだ。カプセル型……少年漫画などでたまに見たことはないか、傷ついた身体を短期間で癒すための医療カプセルやコールドスリープ装置をイメージして仕上げたものだ」
好有の言葉通り、マッサージチェアの背部がせり上がり、響香の身体を覆い隠すように変形する。
核シェルターには及ばないものの、セメントスの生み出すコンクリートと同程度の強度を持つこのマッサージカプセルは使用者を誰にも邪魔されない癒しを提供するために好有が作り上げたベイビー、その第十二子だった。
「その中なら声が外に漏れ出ることはない。恥ずかしがらず、我慢せず、存分にマッサージに集中してくれ。タイマーは下校時刻前にセットしておこう。それではごゆっくり」
「へ、ぁ……っ? んぉ♡ あっ、あぁ♡ あーっ♡ あーっ♡」
好有の話の半分も理解できなかった響香だが、声を我慢する必要がなくなったという、自分にとって何よりも都合の良い部分だけは聞き逃さなかった。
先ほどよりも大きな嬌声を上げながら、響香はマッサージに没頭していった。
そして、既に互いの声が届かなくなった響香に、好有は解説を付け加えた。
「それからプライバシーが保護されるカプセル形態になると、隠し機能にして本命、性感マッサージ機能が解禁される。ヒーローとて性欲はあるし、性欲を溜め込むことはストレスに繋がり、ヒーロー活動に支障を来たす。俺の作るサポートアイテムはそんなヒーローのストレス解消用でもある。是非、そちらの感想も聞かせてくれ。では、俺は時間までラボに戻っている。ごゆっくり」
「んああぁぁっ♡♡♡」
(声は聞こえないけど、透けてるところから口だけは見える……)
カプセル内で音に犯される響香の制服の上から、どこからか伸びて来た機械のアームが正確に乳首を摘まむ。
身体が既に仕上がりつつある状況で、ここにきて直接的な性的刺激。響香は堪らず大きな声を上げて背中を逸らせる。
ばちばちと電流を流されるような鋭い快感が響香を襲い、焦らされ続けていた身体はそれだけで軽い絶頂を迎えた。
その絶頂に合わせるように、音の触手の動きも激しくなる。ぐちゅぐちゅ、ぐぽぐぽという音の刺激は、カプセル内という閉塞感も重なり、まるで触手の海に呑まれてしまったかのような錯覚を齎す。
平時であれば悍ましさが勝るその錯覚も、今の響香が受けるのは悪寒よりも快感が勝る。
響香は乳首を刺激される快感に翻弄されながら、流し込まれ続ける音の触手に自らふたつの耳を澄ませた。
「んぉっ♡ おっ♡ お゛っ♡ お゛ぉおぉぉっ♡♡♡ ぉ、ほっ♡ ひゅっ♡ ひ、ぎゅぅっ♡ おっ♡ ぉおぉおおぉぉっ♡♡♡」
(響香ちゃん、すごい気持ちよさそう……♡)
締まりのなくなった顔の筋肉は、快感に合わせて弛緩と窄まりを繰り返し、その口から発せられる嬌声はより下品なものへと変化していく。
絶対に誰にも聞かせられない声。誰が聞いていなくても出すべきではない声を、しかし誰にも聞こえることはないという免罪符が止める選択肢を選ばせない。
これまで味わったことのない強烈な快感の奔流はこの一時、ヒーローの卵をひとりのメスに堕とすには十分すぎた。
「イ、っく♡ イぐっ♡ ぉ♡ あっ、あああぁぁぁっ♡♡♡
なんかいもウチっ♡ イって♡ びんかんでっ♡ あっ、んあぁぁっ♡」
(ん……っ♡ わたしもイ、く……っ♡)
………………。
…………。
……。
好有はカプセル状態ではプライバシーが保護されるとは言ったが、それは正式な完成品での話である。
まだ試作段階で、これからいくつかの機能の追加と性能の向上を目指す必要がある現段階では使用者の脳波や電気信号、筋肉の具合などがモニタリングされ、好有のスマホへと届けられる。
余人から見れば小難しい数値の羅列でしかないそれは、好有にとっては非常に興奮させる垂涎もののデータだった。
「ふむ、30分で絶頂回数が20を超えた。それだけ彼女の個性のイヤホンジャックは敏感に振動を感じ取れるということか。この状況下でも個性が駄目にならずに振動をしっかりとキャッチできるのは流石ヒーロー科だな」
ラボに戻った好有はすぐさま送られてくるデータを基に音源を改良し、今の響香に最も効果的と思われる音を合成し、響香へと贈り続けていた。
そして、その横では──
「お゛っ♡ ぉ゛♡ お゛ぉぉぉっ♡♡♡ これすごっ♡ すごいですよっ、好有くん♡♡♡ 本当に頭を犯されているようなっ♡ ぉひ♡ 感覚っ、でぇ♡ これ以上の快感を味わえるあの方がっ♡ うらやまっ♡ んひぃっ♡」
「発目が他人の個性を羨ましがることがあるなんて意外だな。お前は個性なんてあれば便利程度にしか思っていないと思っていたが」
「そ、それはそうですっ、がっ♡ これ以上を感じられると思うとっ♡ 羨ましくなるのも当然♡ あっ♡ あっ♡」
「感想がよく聞こえないぞ発目ェ! 報告は分かりやすくはっきりと頼む!」
「あっあっ♡ はいぃ♡ 頭が犯されてるみたいでっ♡ んひっ♡ 新感覚っ♡ ヘッドセット型でなくともっ♡ 小型化してイヤホン型にすれ、ばぁっ♡ 多忙なヒーローもいつでも性欲を発散できるっ♡ よく考えられたベイビーかとっ♡ んぉ♡ おっ♡ お゛ほぉぉぉぉっ♡♡♡」
ラボに戻ってすぐ、発目が持ち出していたアイマスク型のマッサージ機を響香のデータを基にヘッドセット型に改良し、無断持ち出しの対価にテスターを命じられた発目は響香と同じようにだらしなく口を広げながら、テスターとしてリアルタイムで改良品のレビューと嬌声を垂れ流していた。
時折、これまでのテストで開発されきった敏感な女性器からぷしぷしと潮を噴き出す発目を横目で窺いながら、そういうものかと好有は納得してさらなる音源の改良を続けていく。
下校時刻までは残り約一時間、理想の高い発明家は目標を絶頂回数を100に設定しながら、止まることなく両手を動かし続けた──
■工口出 好有(くぐちで すくう)
・オリキャラ
・サポート科1年、発目明のクラスメイト
・ヒーローの戦闘用のサポートアイテムではなく、ヒーロー活動の疲れを癒すヒーリングサポートアイテムを専門に開発しており、『ヒーローに癒しを!』を合言葉に日々ラボに籠って発明をし続けている。
・体育祭での成績は振るわなかったが、敗退者向けに開発したマッサージ用品を提供し、来場していた一般向けメーカーから注目を浴びている。ヒーローやサポート企業からの注目度は今のところほぼない。
・ヒーローに対して下心は一切ない。
・発目と付き合っているわけではない。
■発目明
・サポート科1年、好有のクラスメイト
・好有の協力者兼サポートアイテムのテスター
・発明に没頭すると飲食や風呂を疎かにすることが多く、好有はご飯のパシリや自身が開発した水不要のシャンプーや消臭スプレーなどを提供している。
・協力者である好有の除籍を防ぐため、時折、好有の発明品を借りに来る女性のアフターフォローを行っている。
・好有と付き合っているわけではない。
■耳郎響香
・ヒーロー科1年A組。今回の被害者。
・下校時刻の10分前に解放されたが、腰砕けになってしばらく動けずにいた。
・迎えに行こうとした好有を止め、代わりに迎えにきた発目から好有の発明品について説明を受けた。
・ただのマッサージのつもりが性的なマッサージを勝手に施されたことに不満は残ったが、目的通り疲労は抜けたことと、発目のフォローにより好有の発明に関して糾弾することはしなかった。
・今後、定期的に好有がいないときを見計らい、発目を通して好有の発明品を借りに来るようになる。
■葉隠透
・ヒーロー科1年A組。
・耳郎がラボに入るのを偶然目撃。透明人間は全てを見ていた。
・今回の件はまだ誰にも言ってはいない。