ヒーローの性欲解消が俺のヒーロー活動です 作:雄英高校サポート科
工口出好有はサポート科1年H組に所属する雄英生徒のひとりである。
幼いころからヒーローではなく、ヒーローを外部から補佐する発明家になることを志し、卒業生のプロヒーローとして活躍するヒーロー科がある雄英高校へと進学した。
『ヒーローに癒しを!』をテーマに日々サポートアイテムの開発に勤しむ彼だが、そのテーマを掲げたのは雄英入学後であり、それ以前は他のサポート科の多くと同様に、戦闘用のサポートアイテム開発に取り組んでいた。
そんな彼がいかにして変わったのか……はこの場では割愛しよう。
ともあれ、彼はサポート科で出会った天才にして協力者、発目明と共に今日も発明に勤しんでいる──
「出来たぞ発目ェ! 相澤先生から着想を得た、超高機能寝袋『見える! 動ける! パーフェクトシュラフDX』だ!!」
「ほう! 好有君の新しいベイビーですね!」
「おう! ヒーローはいつでも家に帰れるとも限らない。野宿することもあれば、相澤先生のように空き時間で少しでも体力を回復するため、合理的にその場で睡眠を取ることもある! その睡眠の質を高めるために発明したものだ!」
「ほほう、確かに学園内で寝袋で休んでいる人のは見たことがあります! あれは相澤先生というのですね!」
「そこはまあいいがそうだ! ヒーローは常在戦場、もしも休んでいる時に悲鳴が聞こえれば寝袋を破り捨てでも急いで現場に向かわなくてはならない。人々の声を聞き逃さないため、せっかくの寝袋でも頭まですっぽりと覆って休むことはできないはずだ! しかしそれでは寒冷地などではしっかりとした暖を取ることはできない!」
「成程! 耳まで覆えば周囲の状況把握に差し支えてしまうからですね!」
「うむ! そこで開発したこのシュラフ! とにもかくにも入ってみてくれ!」
「はい! それでは失礼します!」
「このシュラフには軽量モニターとスピーカーを上部に搭載し、頭まで寝袋に入っても目を開ければすぐに外の景色を確認可能! 集音機能のあるスピーカーにより、外部の音もすぐに聞き取れる! さらに特殊なノイズキャンセリングのカスタマイズも搭載し、周辺の音を記録し、そのデータから逸脱した音だけを聞き分け、異常を──」
「好有君!!」
「どうした発目ェ!」
「この構造だとモニターが邪魔で内側からファスナーを上げきれませんね!」
「…………圧倒的盲点!!」
これまでの好有と発目の経験上、作業台や机の上で寝落ちするか、床で寝落ちするか大人しくベッドの上で寝るか。そもそもわざわざ寝袋で寝る経験がなかったが故の失敗であった。
「ですがこの拘束感と、高性能モニターとスピーカーによる臨場感。ホラー映画などの鑑賞に向いているかもしれませんね!」
「ふむ、VR機器的な方向か……あまり食指の動かない分野ではあるが、それは有りかもしれない。何かのイベントの時の罰ゲーム用にもいいな。文化祭の時の展示に回してみるか。前に作った奴よりはサイズも手ごろで置き場所にも困らないだろう」
「パワーローダー先生にやりすぎと叱られたアレですね!」
「ああ、あれも一応改良を加えたんだが、サイズはどうにもならん。遊園地かゲーセンのアトラクションとしては有用かもしれないが──」
「ねえ、今ホラー映画って聞こえたけど……」
「うん? 誰だ君は!? 今度こそ発目の知り合いか!」
「いえ、知りません!」
「そうか! では自己紹介を頼む!」
「1年B組の柳レイ子」
(おじゃましまーす)
ヒーロー科1年B組、柳レイ子。個性:ポルターガイスト。
ホラーをこよなく愛する謎多き怪しい美少女!
「そうか! 俺はH組の工口出。こっちは同クラの発目だ。よろしく頼む」
「よろしく。ごめんね、急に話しかけて。この部屋の前を通りがかったらホラー映画がどうこうって聞こえたから、つい。私、ホラー映画が好きだからさ」
「む、音漏れとは吹き飛んだドアの溶接が甘かったか……?」
「きっと度重なる爆発のせいで壁が傷んでしまったせいですね! 後で補修しておきましょう! パワーローダー先生にバレる前に!」
「そうだな。で、ホラー映画の話だが、俺のベイビー……失敗した発明品の使い道の案として発目が出してくれたというだけで、映画談義をしていたわけではないぞ」
「発明品がホラー映画に?」
「このモニターとスピーカー付シュラフに入って、身動きが取れない状態でホラー映画を流せば恐怖感が増すんじゃないかって話だな」
「へえ……確かに、それはすごくウラメシそう」
「ウラメシ? まあ、興味があるなら貸すぞ。使い方は──」
「でも、もっとすごいのがあるって話もしてた」
「意外としっかり聞いているな! ふむ、寝袋を持ち帰るのも手間だろうし、時間と興味があるなら体験してみるか? アレを」
「いいの?」
「勿論だ。アレがあのまま埋もれていくのも惜しいからな。ついてきてくれ」
興味津々な様子のレイ子はこくこくと頷き、好有の後に続く。
そして、珍しいことに明も好有の横に並んでラボを出た。
「発目? ベイビー開発はいいのか?」
「改良を加えたというアレに興味があります!」
「そうか。なら順番に体験してもらおう。柳には従来のモードで、発目には改良モードでな」
「……その改良モードはもっとウラメシい……怖い?」
「ああ、ウラメシいって怖いって意味なのか……ふむ、どうだろうな。人によるだろうが──」
「ええ、私が保障しましょう! 好有君の発明したアレなら間違いなく安全で恐ろしい体験が出来ます!」
「そう……私、その改良モードがやりたいんだけど」
「そうか? 柳が良いなら俺はどっちでも構わないぞ。従来の方はテストも終わってるから、新しいデータは特に必要ないしな」
~マッサージ同好会・部室~
倉庫兼部室に入ると好有が奥に鎮座しているドーム状の何かに掛かった布をはぎ取ると、その装置の外観が露わになる。
銀色のメタリックな外装とその形状は一見するとUFOを思わせる。
「サポート科の実技課題で作った、ヴィランの口を割らせ、情報を聞き出すための尋問装置だ」
「サポート科でもそういう授業があるんだ」(へー)
「ああ。何も戦闘用アイテムの開発だけがサポート科の進路じゃない。とはいえ見ての通り、結構なサイズでな。逮捕して移送した後ならともかく、急を要する現場での尋問には不向きなんだ」
「パワーローダー先生から発想は褒められていましたね!」
「想定が甘いともな。シチュエーションは指定されていなかったとはいえ、ヒーローのサポートで考えるならその場での尋問であると考えるべきだった。現場以外でのサポートアイテムを開発してばかりいるが故の視野狭窄だったともいえる。反省だ」
「それで……これがウラメシいの?」
「ああ。発表当時の従来モードを体験したクラスメイトは阿鼻叫喚だった……が、凶悪なヴィランの口を割るかというとな。結局は作り物、軽犯罪者ならともかく、イカれたヴィランには通じないだろう」
飾り気のない扉を開くと、中には手足や胴体を拘束する円卓状の台と、それを取り囲むようにアームが配置されている。雰囲気はどこか手術室のようにも見える。
「天井はモニターになっていて、ヴィランをこの台に拘束し、恐怖心を掻き立てる映像を流し、映像に合わせて周囲のアームで刺激を加えて臨場感を高める。水を垂らすようなことは拷問に当たるから禁止されているが、それでも中々の恐怖を味わえるが……どうだ? やるか?」
「やる」
「良し。じゃあ拘束用のベルトはヴィラン用に頑丈に作ってあるから、ヒーロー科でも脱出は難しい。だから初めにセーフワードを設定しておこう。万が一耐えられなくなった時は……そうだな、『オールマイト』と言ってくれ。それで装置は止まり、拘束も外れる」
「わかった。こんな大がかりな装置でホラーを見るのは初めて。せっかくだから最後まで堪能させてもらう」
「いや改良モードはホラーというわけじゃ──」
「それでは私が拘束させてもらいますので、この上に大の字で仰向けに寝てください!」
「うん、お願い」
「好有君は装置のスタンバイをお願いします!」
「お、おう。じゃあ頼むわ」
先ほどからあえて自身の発言を遮るように口を開く明の態度に首を傾げつつ、好有は装置の外に出て、セッティングを進める。
何種類か作った従来モード用の映像と違い、改良モードはとりあえずで作成した一種類しかない。セッティングはすぐに終わる。
後はいつものように、被験者の反応を見ながらその場で改良を加えていけばいい。
「それではごゆっくりどうぞ! それから防音も完璧ですので、いくら叫んでいただいても私たちには聞こえません! 遠慮なくどうぞ!」
「ふふ……叫び声を上げられるぐらいウラメシい体験、楽しみにしてる」
「ではごゆっくり!」
(ホラーはそんなに得意じゃないし、私も出てよっと)
ガチャン、とドームの扉を閉め、ウキウキとした様子で明が好有の横に並んだ。
「始めましょうか、好有君!」
「ああ。けど、どうして改良モードを柳に? ホラー好きというなら従来モードの方が楽しめるだろうし、癒しになり得るはずだが」
「私も詳しくはありませんが、恐怖とは未知のこと。ホラー映画好きだというなら従来の映像では恐怖を掻き立てることは難しいでしょう。予想だにしない映像と体験こそ、柳さんの癒しになるはずです!」
「……確かに! だから俺から事前に情報が漏れないようにしていたわけか! 納得だ、さすがは発目だな!」
「クライアントが真に求めるものを見抜いて提供するのができるデザイナーですからね!」
明の言葉にやはりこの同級生は天才だと内心で舌を巻きながら、好有は通話ボタンを押す。
「聞こえるか、柳。この装置は内部の人間が意識を失ったりした時のために、こちらから内部の映像が見えるようになっている。異変が起きない限りは音声は切ったままにしておくが、安全のためにこちらから内部が見えるままなのは承知してほしい」
「大丈夫、別にいいよ」
「ありがとう。それじゃ始めるぞ」
スイッチを押すと内部の照明が落ち、ブゥンという音と共に映像の再生が始まる。
ふたりの手元には台に拘束されたレイ子を映す内部モニターと再生されている映像が確認できるモニターのふたつがある。
刺激を与えるモニターの動きは映像に合わせてプログラミング済みだが、レイ子の反応に合わせて適宜調整と直接操作を加えるためだ。
「広がっているのは何かの生き物の中ですか?」
「ああ。母親の胎内やカンガルーの袋の中をイメージして作ったものだ。本来はもう少し淡い色合いだが、さっき調整を加えてより肉感的で生々しい質感に変えてある。その方がホラーっぽいだろう?」
「ふむ……以前、耳郎さんに貸したベイビー第十二子や先ほどの寝袋でも思いましたが、好有君は丸呑みフェチですか?」
「いや特にそんなことはないぞ。人間は狭いところに安心感を覚える者が多い。記憶になくとも母親の胎内を思い出すからな。癒しの発明にその感覚を利用しない手はないというだけだ」
「成程!」
これから繰り広げられるであろうレイ子の痴態を予期しながら、好有と明はいつも通りに会話を続けていた。
良識こそ持っているが、二人とも常識という名の偏見を脱ぎ捨てた科学者であり、だからこそ二人は対等な協力者として成り立っている──
………………。
…………。
……。
「ふぅん……」
再生が開始された映像を見て、第一印象としては拍子抜け、というのがレイ子の所感だった。
勿論、ハリウッドで作られたような大作ホラーを期待していたわけではないが、低予算なグロホラーを連想させる視界に広がる肉の壁に落胆は隠せなかった。
ホラー映画全般を愛するレイ子にとってはB級なエログロもスプラッターもすべからく愛しいものだが、それらが恐怖体験に紐づくかというと大概そうはならない。
(このまま呑み込まれて、溶かされていくみたいな流れとか? 消化液の分泌に合わせて霧吹きで水を掛けたりする感じかな)
発想は悪くはないと思うが、尋問のための装置であることを考えれば、単純に蟲の群れの映像を流して身体を這いずるように擽られた方が生理的嫌悪が生まれ、効果的なように思える。
とはいえ、そういうタイプの恐怖体験であればレイ子の趣味からは外れるので安堵感があったのもまた事実だ。
意識を上質なホラー映画向けから、B級向けを楽しむ気持ちに切り替えて、穏やかな気持ちでレイ子はその肉壺の中に吞まれていった。
(クトゥルフ系でコズミックホラーかな……)
生物の体内に呑み込まれ、落下していく映像に合わせてレイ子の全身に生温い温風が浴びせられる。
徐々に映像の視界が狭まっていく、どうやら自身が肉の壁に囲まれ、包まれていくイメージのようだ。
それに合わせ、全身につけられた拘束ベルトがじんわりと締まり、その圧迫感が映像体験の臨場感を高め、実際に怪物に呑まれたかのように錯覚させてくれた。
(ん……これ、あれだ。全身を血圧計で計ってるみたいな感覚。ちょっと癖になりそ)
定期的に狭まった肉壁が脈動し、心音を鳴らしながらさらに奥へ奥へとレイ子を呑み込んでいく。その度にベルトの締め付けが緩み、再び締め上げる。
緊張からの弛緩は心と体をリラックス状態に移行させるための基本パターン。レイ子はベルトが締まれば息を止め、緩まれば息を吐く、というリラックスのための呼吸法に自然と誘導されていた。
癖になっていくその感覚に、徐々にこれが恐怖体験のための装置であることを忘れそうになっていく。
緊張……弛緩。締まる……緩む。止めて……吐く。
何度も繰り返されるその動作に、レイ子の意識がぼんやりとしてくる。
そして──音もなく、突然映像が途切れ、ドーム内から明かりが消えた。
(もしかしてビックリ系の演出? でも気が緩みすぎててあんまり驚けなかったな)
次はまた突然映像が再開されて、何かに襲われるとかだろうか、と次の展開を予想する。
ビックリ系の演出は来ると分かっていても一定の恐怖は煽れるため、単純ではあるが効果的だ。ホラーのお約束を理解した作りだけに、この拘束ベルトによる緊張と弛緩は余計だったな、とレイ子は冷静に分析しながら、映像が再開されるのを待った。
──好有の開発するサポートアイテムは癒しに特化している。さらに言えば、ヒーローが溜めがちな性欲の発散という方向での癒しを好有は重要視していた。
そこに下心は一切なく、あるのは衆目に晒されるヒーロー文化のアンタッチャブルに切り込んでいくという開拓者と、ヒーローを癒したいという奉仕者の精神である。
そのため、ホラー映画のお約束演出を映像に盛り込むような真似はしない。
モニターの電源を落とし、暗闇に包む演出は明の操作によるものだ。
本来の改良モードは胎内をイメージした映像と心音、ベルトの締め付けによって胎内回帰によるリラックス状態へと導き、じわじわと包み込まれるような穏やかな快感を与えることを目的としたモードであり、男でいえば夢精、女でいえば甘イキのような快感の中で性欲を発散させつつ安眠へと移行させる。
それをもうひとりの天才少女は映像と器具の動作を書き換え、不意打ちのような激しい快感を与えるよう改変を加えていた。
「え?」
照明がついた瞬間、レイ子の視界に広がったのは肉壺の映像ではなく、映像から飛び出してきたような生物的な質感を持つ、けばけばとしたイソギンチャクのようなブラシだった。
そのホラー映画のお手本のような不意打ちを見て、好有は明の多才さに舌を巻いていた。
「ひっ、あ……っ!?」
如何に臨場感に優れていても、あくまでモニターの向こうの光景でしかなかったものが目の前に質量を持って現れ、自身の身体へと纏わりつく。
予想を越えた不意打ちに、レイ子は思わず悲鳴を上げた。
恐怖からではなく、ぞわぞわとした鳥肌が立つような快感にである。
リラックス状態に落ちていた身体と心に与えられる、不意の刺激を快感と捉えられる程度にレイ子の心身は健康であった。
『ゆっくり溶かすような快感ではなく、ジェットコースターのような一気に叩き落すような快感こそ、彼女には相応しいでしょう!』(うわわっ……!)
レイ子には届かないドームの外側で、明は楽し気だった。
それもそのはずで、授業で作ったこの装置は元は明も加わったグループ課題であったからだ。
好有の発想を基に完成させ、課題として提出を終えてからは明が興味を示すことはなかったが、それはそれとして披露するからにはそのポテンシャルを引き出し、クライアントの要望を満たすことがデザイナーの役目であり、楽しみである。
それ故に明は今回同行し、レイ子の真に望むものを理解しきれなかった
好有の許可を得て、装置の操作を代行していた。
その隣で映像を見せる装置でその映像を落とし、二次元から三次元に体験を跳び越えさせるという明の手法に好有は舌を巻いている。
「ちょっ、待──ひぁぅ……っ!」
レイ子の身体は拘束台とブラシに挟まれ、圧迫される。その強さは拘束ベルトの圧迫に近しく、ここまでの圧迫と解放によって条件付けされたレイ子の身体はそれを苦通ではなく甘い快感として受け入れた。
「ゃ、う……っ♡ これっ、なんかちが……あっ♡」
身動きが取れない状態で全身を圧迫され、加えて微振動によって蠢くブラシがレイ子の敏感な部分に満遍なく刺激を加える。
奇しくもそれは明が怪しんだ丸呑みフェチが喜ぶシチュエーションの再現であった。
「あっ……!? なんか、ぬるぬるしたのが出て……!? あっ、ひぅぅ♡」
ブラシの隙間からは人肌よりも僅かに高い温度で温められたローションが分泌され、加えて拘束台からはプシューとスモークが噴出する。
胎内をイメージしたシチュエーションは、完全に怪物の胃袋の中で溶かされるシチュエーションへと様変わりしていた。
脱出不可能な密閉空間で身体を溶かされる錯覚、根源的な恐怖を引き起こすこの状況に、しかしホラー映画をこよなく愛する彼女は快感を見出してしまう。
「あっあっ♡ ぃや、うそ♡ あつっ♡ だ、だめ♡ あっ、あぁっ♡」
甘い悲鳴を上げながら、彼女の口元は緩み、期待を隠しきれていない。
やはり正解だったと明は笑みを深めて、さらにブラシの動作を早めていった。
「ぇぶ♡ ぉ♡ んぶぅぅぅっ♡」
窒息しないよう注意を払いながらブラシを前後させ、レイ子の口元までをブラシで包み、思考を溶かしていく。
意識が朦朧とし、ふわふわとした思考の中、大の字に開かれた身体の下半身へとブラシが集中する。
好有と違い、性的な方面にそこまで明るくない明は知らないことだが、レイ子の秘所を責めるブラシの形状は、ハケ水車と称されるアダルトグッズに酷似した形状をしていた。
「んっ♡ んっ♡ んんんんぅぅっ♡ んあっ♡ はっ♡ ぁぶ♡ ぅ、あっ♡ あっ、ああぁぁ♡」
敏感な秘所を何度もブラシが往復し、レイ子の身体は跳ね上がろうとするが全身を圧迫するブラシがそれを許さず、快感が余すことなくレイ子の身体に叩きこまれていく。
深い絶頂の予感を感じながら、レイ子は事前に設定したセーフワードの存在を思い出す。けれど、ぼんやりとした思考は平時では決して至らない思考……即ち、勿体ないという答えをレイ子に導かせた。
こんな大がかりな装置によって与えられる快感は、今まで自分が経験したことのない、飛ぶような絶頂を齎すだろう。それは多感な時期のレイ子にとって、想像するだけでとてもウラメシい体験だった。
「ひぐっ♡ ぉ♡ んっ♡ ふぁっ♡ あっあっ♡ だめっ♡ きちゃっ♡ あっ♡ くるっ、くるっ♡ ぉ♡ ぇぶうぅぅぅぅっ♡♡♡」
絶頂の期待に震える彼女の身体を、ついに頭までブラシが覆った。呼吸が満足にできない圧迫拘束、命の危険を感じさせる危機的状況。
その中で与えられるブラシの全身刺激が、レイ子を人生最大の絶頂へといざなっていく。
「んぼっ♡ ぉぐ♡ お゛っ♡ んぶぅ♡ ふぐっ♡ ぉ♡ おっ♡ おっ──んぶぅううぅぅうぅぅぅっ♡♡♡」
反射的に必死に全身を悶えさせ、拘束から逃れようともがきながらも決して逃れられない中での絶頂は、レイ子の期待通り、とても恐ろしく、そして癖になりそうなほど激しく、幸福感に満ちたものだった。
「お゛っ♡ お゛っ♡ ぇぶ♡ んぉ゛っ♡ お゛っ……ほ、おぉぉぉ……っ♡」
ブラシが逆回転し、絶頂に酔いしれるレイ子の身体を舐めるようにしながらゆっくりと頭から足へ、水音を立てながら遠退いていく。
その刺激に身体は小刻みな絶頂を繰り返し、レイ子を深い絶頂感から下ろしてくれない。
完全にブラシが身体から離れた後も、レイ子は散発的に痙攣を繰り返し、手足と腰を跳ねさせていた。
「ぁ、はぁ……っ♡ はぁ……♡ ん、はぁぁぁ……♡」
そして、全身に付着したローションを洗い流すための洗浄機能が作動し終え、拘束が自動的に外れた後でもレイ子はしばらく拘束台から起き上がることはなかった──
………………。
…………。
……。
「ということでいかがでしたか、柳さん! 改良モード改め、丸呑みモードの具合は!」
「心拍数の上昇具合から、決して健康的とはいえないがホラー好きならばむしろ良い体験だったはずだ! 暴飲暴食を例に、時にストレス解消には不健康な体験こそが有効なのは確かだからな!」
「…………」
経験したことのない深い絶頂の後の倦怠感に襲われながらもドームから退室したレイ子を出迎えたのは、悪びれる様子もない、ぺかーっとした笑顔の明と子どものように目を輝かせる好有だった。
同じ女性の明だけであっても決して許すべきではない体験をさせされたレイ子だったが、しばらくの沈黙の後、そのふたりの様子にため息とともに眉を下げた。
ふたりからは下心はまるで感じられず、良質なホラー映画を鑑賞し終えた後の自分と同じような、満足感と喜びだけが目に取れたからだった。
明が出場した先の体育祭の件からも、サポート科には常識から外れた生徒が在籍しているということは見て取れる。
仕方ないと自分に言い訳して、レイ子は頬を赤らめ、目を逸らしながらも口元に弧を描いた。
「すごく……ウラメシかった……♡」
■工口出 好有(くぐちで すくう)
・オリキャラ
・サポート科1年H組、発目明のクラスメイト
・発目と付き合っているわけではない。
・発目を世紀の天才と尊敬している。
・丸吞みフェチではない。
■発目明
・サポート科1年H組、好有のクラスメイト
・好有と付き合っているわけではない。
・好有の発想に感心している。
■柳レイ子
・ヒーロー科1年B組。今回の被害者。
・元々ホラー映画でエログロ耐性は強め。
・ふたりの下心のなさに呆れ、今回の件について教師陣への報告は行っていない。
・今回の体験で丸吞みフェチに目覚めつつある。
・今後、期待を隠しながら時折サポート科のラボにエログロ強めのホラー映画の布教に訪れるようになるが、上記ふたりには特に刺さることはなかった。
■葉隠透
・今回も見てた。