ガールズ&パンツァー PINK! 作:Colonel.大佐
「これで今日の練習を終了する、解散」
「おつかれさまでした!」
先頭に立つ少女の掛け声の後に、幾多もの少女の声が重なる。
黒森峰学園艦上、広大な黒森峰の敷地内にある戦車道練習場には大量のドイツ製戦車と、それに乗る少女たちが整列していた。たった今、隊長の号令と共に今日一日の訓練が全て終了し、少女たちは規律ある険しい戦車乗りの顔から、歳相応の少女の顔へと戻っていく。唯一、隊長である少女――西住まほは違った。凜とした表情、一時も油断を見せないその姿は周りの少女たちと違い、どこか堅物で険しそうな雰囲気。彼女こそが日本の高校戦車道最強の看板を背負い、戦車道の名家の娘として生を受けた人物その人であった。
「隊長、今日の反省会はどうしますか?」
そんなまほの隣に控えるのは、副隊長の逸見エリカ。銀髪のセミロングを揺らすその少女に向き直ったまほは、淡々と指示を下す。
「8号車と9号車の車長と、いつもの面子でやる。呼んできて欲しい」
「はい、了解です」
エリカはそのまま、少女達の列を掻き分けて目当ての人物を探しに行く。
通り過ぎていく少女達の列を見ながら、まほは一息ついた。
ミーティングルームでの反省会を終えたまほ達一向が解散する頃には、すでに時刻は夕方6時を回っていた。
そのままロッカー室へと向かい、帰宅の準備をしながら、まほはこの後の予定を聞こうとしてエリカへ向き直る。
「エリ……」
エリカを呼び止めようとして、ふと思い立ったまほは口を閉じる。
既に帰りの支度を終えていたエリカが、鞄を持ちながら楽しそうに、仲間の少女たち――マウスの車長、パンター戦車の車長、三号戦車車長、そして赤星小梅や直下――と談笑している。まほの声は耳に入っていなかったようで、それから、ふとまほへ向き直ったエリカはまほに軽く一礼する。
「では隊長、お先に失礼します」
後の少女たちも同じく軽く一礼する。それから雑談を再開してエリカたちは、そのままロッカー室から退室していった。
「……」
まほはエリカたちを見送り終えると、少しだけ表情を硬くした。
(やっぱり……最近のエリカは様子が変だな……)
まほは薄々、最近のエリカの様子がおかしい事に気がつき始めていた。
戦車道に対して人一倍熱心であり、まほの傍を離れようとせず、副隊長として西住流を学ぼうとする熱心な少女――それがまほにとってのエリカのイメージであるが、あまり戦車道の時間以外ではまほと共に行動する機会が少なくなっていた。
特にここ一ヶ月は顕著で、毎週休みの日は殆ど姿を見せないし、放課後も練習を終わってからの自主座学も早めに切り上げ、まほではなく他の子――小梅や、直下といった仲間たちと一緒に下校している様子も、まほは度々目撃している。
黒森峰の機甲科では新入生によく見る「戦車道離れ」の傾向か、と考えるがまほは日頃のエリカの練習姿勢を見てそれを否定する。戦車道の時間であれば、エリカはいつもの副隊長としての顔を取り戻すし、来年に向けての戦車道に対する打ち込みようも本気である。
もしかして自分を嫌ったのか、等という突拍子もない仮説を立ててみるが、それもまほは否定した。全国大会後は塞ぎがちだったし、一ヶ月前はかなり様子が変だったものの、相変わらずエリカの態度は変わらない、むしろ態度が軟化したのではないかとすら思える。よく笑うようになり、他の生徒たちとも深く交流するようになった。
考えても考えても結論は出ないため、まほは考えるのを止めて帰りの支度をする事にした。
全ての仕事を終えて、寮の自室へと戻る頃には時計の針は夜の8時近くを示していた。
靴を脱ぎ、そのまま部屋にあがったまほは、いつもの店で買うテイクアウトのディナーを机に置いてから、真っ先にベッドの上に身体を預けた。
大の字に寝そべり、蛍光灯のついた天井とぼーっと眺める。
まほはこれからの事を考えながら、不意に溜息をついた。
戦車道家元の娘で、尚且つ長女であるまほにとっては、学校を卒業してからの進路はほぼ決まっているも同然であった。母を引き継ぎ、自分が戦車道の家元として、長く続いてきた西住流という看板を背負う。これは昔からまほも自負していた事であった。
しかし、自分も母と同じく結婚して子供を生むという道も、目の前にある事が悩ましかった。
母が父と長くにわたる恋愛の末に結ばれたという話は聞いてはいるものの、まほはこの18年間、男性というものを殆ど知らずに育ってきた。父という身近な存在こそいたものの、黒森峰の学園艦へ来てからというもの、彼女の周りにいるのはすべて女性であり、生まれてこの方男友達ですら出来ていないという状況であった。それでいながら、時間だけが淡々と過ぎていき、いつの間にか高校生を卒業し、進学という新しい人生の分岐点へ差し掛かっていた。
(私も……そのうち……)
まほも、何となく後輩や同級生たちの浮ついた話を風邪の便りで耳にしていた。
整備関係を通じて彼氏が出来た、恋人と付き合っている、許婚がいる――そういった話を耳にするたびに、どことなく取り残されている自分に焦燥感のようなものを感じているし、それでいて、恋という物にどこか漠然とした不安や期待を持っている。
更に、そういった異性と交際している子たちから聞く「性」についての話もまほには、密かに強い刺激となっていた。耳に入ってくる噂、おぼろげながら自分の中にある知識。それらに対する興味もまた、まほの心の中に存在していた。
彼女とて、戦車道を束ねる長ではあるが、それ以前に一人の“女の子”であった。
まほは一旦、そうした考えを追い払ってから、空腹を満たすために遅めの夕食をとる事にした。
翌日も、いつものように時間が流れ、いつも通りに戦車道の練習が終わった。
「本日の練習を終了する、解散」
「お疲れ様でした!」
いつも通りの号令、いつもの通りの解散。
しかし、いつになく少女達の足取りや声は軽い。明日が休みで練習もないからだろう、とまほは推測する。
帰宅する少女の波の中、まほもいつものように、ほぼ日課となった練習後の振り返りや今後の練習メニューの再考のため、少女達が向かう方向とは反対に、演習場にある戦車道用施設へと向かった。
まほが一通りの作業を終わらせる頃には、夕日はすっかり深く沈んでいた。
ロッカー室にある、自身のロッカーへ放り込んだ鞄や着替えを入れたバッグを整理していたまほは、そのまま帰宅しようとロッカー室を出ようとする。
「あ」
寮の設備点検があった事を思い出して、まほは不意にその足を止めた。ボイラーの点検で今日は冷たい水しか出ず、一度帰宅してしまえばシャワーは無しだ。
元々、戦車道用施設のシャワーは練習後には混雑し、まほもゆっくりとシャワーを浴びたいので倦厭していたが、寮では浴びることが出来ないとまほは少し悩んだ末に、今日だけは施設のシャワーを使う事にした。
(……仕方ないか、今日だけは)
そう思いながら、その足をシャワー室へと向けるまほだったが、それが大変な出来事に繋がるのか、まだ知るよしもなかった。
更衣室に入り、まほは制服を脱いでいく。
黒森峰のこの制服も、来年になったら二度と着る事はないんだろうか、と考えながらも上着を脱ぎ、スカートも脱ぎ取り、下着や靴下も脱いでいく。
タオルと石鹸、シャンプーの小さな容器を手に取ってから、まほはシャワー室のドアをあける。
シャワー室には先客がいるのか、シャワーの湯気と水音が部屋の片隅から聞こえている。まほは、なるべくその先客とかち合わないように気を使いながら、部屋の奥にあるシャワーの壁まで向かおうとする。
だが、足を踏み入れたその瞬間、まほの耳に微かな声が飛び込んできた。
「……?」
シャワーの音がかぶさっているものの、それは紛れもなく悲鳴のような少女の喘ぎ声。
何事か、と思いながらまほは足音を殺し、その声の主を確かめるべく、シャワー室の隅へと向かう。
仕切り板に隠れながら、こっそりとその声の元を覗いたまほは、息を呑んだ。
(何を……何をやってる……!?)
俄かに信じがたい光景を目の当たりにしたまほは、驚愕に満ちた顔でよく知る2人の少女の凝視した。
シャワー室の壁に手をつき、足を開き、腰を突き出している少女――くせっ毛で、人懐こい笑顔の――赤星小梅、そして、一心不乱彼女のお尻へ腰を打ちつける、副隊長の逸見エリカ。
タオルも纏わず、裸のまま、シャワーを浴びながら2人は痴態を繰り広げていた。
女同士の恋愛、そういった物が戦車道という界隈で根付く事は、まほも噂には聞いていた。しかし、それを実際に目撃したのは初めてであり、ましてや「本番行為」までありありと見せ付けられたまほはどうしていいのかわからない。悩んだまほは、ただただバレないようにその情事を眺めているしかなかった。
立ちバッグの姿勢で、エリカに犯される小梅は焦点の定まらない目で、だらしなく口を開けたまま蕩けた顔でエリカに突かれていた。
「はぁん、んっ、あぁん、うぅっ!!」
いつになく大きな、そして淫らな声で鳴く小梅とは正反対に、リズミカルに腰を振り、小梅のお尻を掴んで打ち付けるエリカも、だらしなく口をあけながら快楽を貪っている。
「エリカさんっ、ひゃっ、も、もっと奥ぅ…あぁん!つ、ついてっ」
「わかってるわよ、ほら!」
ずん、とエリカはその腰を深く小梅に打ちつける。小梅は身体に電流が走ったかのように仰け反ると、一際大きな嬌声を漏らした。
エリカの腰の動きが早まり、小梅もまた底から沸き上げる感覚に一際大きな声を上げていく。
「やぁっ、あんっ、んんっ、んぅぅぅぅぅっっ――!」
「出る、出るっ!」
エリカは目をきつく閉じ、歯を食いしばると小梅の奥底へ一際強く腰を押し付け、そのまま小梅は痙攣するように、快楽の絶頂に落ちていく。
腰を振っていたエリカもまた、そのまま止まってびくびくと身体を震わせ快楽を貪った。
それから、少しして、エリカは小梅の腰から自らの腰を離した。
(エリカ……!?)
まほは思わず息を呑む。小梅の中から引き抜いたのは、いわゆるディルドと呼ばれる張形や、いわゆるペニスバンドと呼ばれる物ではない――彼女の股から直接生えている男性器だった。それこそ、保健の教科書で見るようなデフォルメの利いた形や、医学書に載っているようなイラストではない、遠景ながら初めて見る生の男性器。
仰角を保ち、いきりたつエリカのモノは愛液と精液で濡れ、更にしゃくりあげるように鈴口から押し出された白濁を小梅の背中へぶちまける。エリカは気持ち良さそうな、どこか満足した顔を浮かべながらも、小梅の可愛らしいお尻へモノを擦り付けて余韻に浸っている。
その光景に呆気に取られていたまほは、急いで顔を物陰から引っ込めると、足早に隠れる事のできる場所を探す。
(エリカ……男だったのか?……いや、違う、そんなはずは、随分前にシャワー室で見た時は)
混乱する頭を整理しながら、まほは今起こった光景と状況を整理しようとする。一方で、すでに情事を終えた2人はいつものように会話を続ける。
「エリカさん、おつかれさま」
「……凄い良かったわ」
スッキリとした顔のエリカは、小梅の隣に立ってシャワーのノブを更に捻り、熱いシャワーを頭から浴びる。
「あっ、中からエリカさんのが溢れて……」
自らの秘所を指を伸ばしていた小梅の声に、エリカが思わず反応してしまう。
「何言ってるのよ、ま、またちょっと反応しちゃったじゃない!」
「もしかしてエリカさん、まだ物足りません?」
「もうっ……この後時間空いてる?」
小梅は笑ってから頷く。
「空けてますよ、エリカさんの部屋で沢山しましょうよ」
「うん……じゃあ、洗ったらいくわよ」
小梅も同じく、体にへばりついたエリカの精液と、体に浮いた汗を洗い流すようにシャワーを浴びる。息を殺しながら聞き耳を立てるまほは、2人の会話に「休み」「土曜日」「いつもの場所」「みんなと」という単語が混じってるのをかろうじて心の中に留めておいた。
それから数分ほどして、2人は身体を洗い終えてからシャワー室から出て行った。
「……」
タイル張りの床に座り込んでいたまほは、ようやく状況を整理し、ひと段落をつけた。
状況を整理する限りでは、解っているのはエリカは小梅と肉体関係を持っていて、エリカには男性器がついている、そして、それは知る限りでは前までは付いていなくて最近付いたものであり、2人はそれでセックスをしている、という事実だけ。
自分が見たのは一体何だったのかと途方にとれるまほだったが、やがてそれを振り払おうとするように、当初の目的である熱いシャワーを、頭から被った。
それからまほは帰宅し、いつものように夕飯を食べ、戦車道の書類仕事を終え、眠りについた。
ベッドに横たわり、布団に包まったまほだったが、意識はクリアであり睡眠をするには程遠い状態であった。
必死に頭の中を真っ白にしようにも、夕方に遭遇した強烈な光景が、頭の中で渦巻き、追い出せない状態だったのだ。
(エリカと小梅が……セックスを……)
頭の中にある知識をフルに引き出したまほは、夕方の痴態を鮮明に思い出す。
男と女で出来る事、情事、生殖行為、セックス――それは紛れも無いリアルであり、まほが体験する始めての光景だった。自分も、いつかあのように誰かに身体をゆだねて、滅茶苦茶に犯されて、子供を孕むのだろうか?と考えるたびに、眠気は吹き飛び、悶々としてしまう。
(……あれは幻なんかじゃない、現実だ、実際にあった事なんだ……)
自分の言い聞かせるように、信じられないような光景を正当化しようとする。
そして、頭の中で繰り返し思い返される2人の姿。
エリカも小梅も、まほにとってはよく知る人物であるし、戦車道でも馴染みの深い後輩である。彼女達の顔は今まで一杯見てきた、怒った顔、緊張した顔、泣いた顔、笑った顔。
しかし、今日見た彼女達の表情は、それらから遠くかけ離れたものであったが、確かなのは彼女たちが何かの悦び、気持ちよさで一杯だという事は確かだった。
そんな彼女達の姿と、激しい情事の光景を思い出したまほは、ふとその右手を自分の股間へと持って行く。
(ダメだ、こんな事しては、でも……)
少ししか知識がなく、今までほんの数回もやった事のない行為を試してみたくなる。やりたくなる。
既に火照った身体を止める術を知らず、まほは自分の身体を慰める事にした。
薄く生えた、産毛ほどの茂みの下にある自らの秘所に指先を伸ばす。
手の平で撫でるように、自らの秘所を刺激していく。敏感な箇所を愛撫していくうちに、次第に刺激が強くなっていき、手の先に汗とも尿とも違う、変な湿り気が伝わり始める。
「んっ……んっ……んんっ……」
思わず押し殺した声が漏れるが、それでも刺激を与えるのが止められず。絶えず刺激を与えていく。
無意識のうちに空いた左手もパジャマの下から潜り込ませ、自分の胸へと回していく。指先で乳房を揉み、胸から刺激を与えると快楽はより深みを増していく。
「はぁっ……ぅっ……んっ……」
すでに指先は愛液で濡れ、刺激によって秘所が開き始め、むくりとクリトリスも勃起する。
今までなら、これぐらいで怖くてやめていたまほだったが、思い切って刺激を続けていく。
(気持ちいい……ここって、こんなに弄ると気持ちいいんだ……)
今まで自分の体についていたものが与える「気持ちいい事」に改めて驚きながらも、脳内にぴりぴりと伝わる気持ちよさが、まほの正常な思考を奪っていく。
くちゅくちゅと音を立て、パンツを汚しながらもまほは自分の自慰を止めることも出来ず、波のように押し寄せてくる刺激の連続に思わず夢中になっていく。
「はぁっ、んんっ、んっ、ぅぅぅ……」
乳房も刺激しながら、上と下の両方で刺激を堪能していく。露出したクリトリスも刺激すると、体に電流が走ったかのような刺激と反応が駆け巡り、よりまほを夢中にさせていく。
「はぁっ、はっ、うっ、んぅぅぅ……――!!」
最後の大きな快楽の波に身を寄せ、自慰による絶頂を味わったところで、強張ったまほの身体はぷつりと糸が切れたように弛緩した。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
愛液でぐちょぐちょに濡れた秘所から手を引き抜く。
荒い呼吸を繰り返しながら、まほの頭の中には迷いはなく、ただただ、強い願望だけが渦巻いていた。
(気持ちよくなってみたい、あの時の小梅のように、狂うほど気持ちよくなってみたい、エリカが欲しい)
久しぶりの休日。
普段のまほなら、いつものように趣味のチェスや日課のジョギングなどに精を出す日ではあるが、今日は無理を押して早起きしていたまほは、整備から借りてきた車に乗り、路肩に駐車させ、エリカの女子寮の前で彼女を待っていた。いつもの制服姿で、座席のシートに腰掛けながら、退屈な学園艦のラジオを聴きながらまほはじっと、エリカを待ち続ける。
張り込みを続けて1時間。制服姿のエリカが寮から出てきた。
彼女もお堅い黒森峰らしく、休日だというのにいつもの制服姿であった。何ら警戒していないエリカは、そのまま歩道を歩きながら去って行こうとする。
まほはビートルから降りると、一目散にエリカの元へと駆けていく。
「エリカ!」
まほはエリカの背中にむけて声を投げかける。
反応したエリカは、背筋をびくっと震わせてから振り向いてまほを見た。
「た、隊長!?」
予期せぬ場所とタイミングで出会ったエリカらしい、当然な、驚きを含んだ反応。
まほへ向き直ったエリカだったが、やっとエリカに追いついたまほは、有無を言わさずにその手をエリカの下半身へ伸ばした。
スカートの上から彼女の股へ一目散に手を触れさせ、まさぐる。素早いスピードで掴まれ、何が起きたかわからないエリカだったが、まほの手は確実に目当てのものを掴む。
「ひゃっ!?」
いつものエリカからは想像し辛いような声が上がる。まほの手は、確実にぐにゃりとした何か――女子の股にはないであろうもの――を掴んだ。
「やっぱりそうか、そうなんだな、エリカ」
いつもより低い声で、それをスカートの上から握ったまほはエリカを真剣な眼差しで見る。
「た……た……た隊長、な、何を」
「何故黙っていた」
まほは真剣にエリカへと詰め寄る。
「こんなものをぶら下げて、一体誰と、何をしていた?答えろエリカ」
「い、いや、隊長、これは、その」
青ざめた顔のエリカは、うまく言葉が回らずしどろもどろになるが、次第にその反応が少し変化している事にまほは気が付く。
そして、手に握った「モノ」がむくむくと脈打ち始めている事にも気が付いた。
はっとしたまほは、すぐに手を放す。僅かに頬を赤く染めたまほは、呼吸を整えてから本題を切り出す。
「聞きたい事は山ほどあるが……とりあえず、私について来なさい」
まほは諭すようにエリカに命じる。
そして、まほからこれからの事を考えて――生唾を飲み込んだ。
<続く>