Z級エログロ(似非)SFホラー
バッドエンドです。アノス様が秒で敗けます。
タグに記載したようなことをされます。かわいそうに。
ミリティア世界付近に船籍不明の銀水船が停泊しているとの報せが入る。アノスはハイフォリアから高速艇とバルツァロンドの部下数名を借り受け、サーシャ、レイとともに不明船舶の調査へ向かう。
みたいな話です。
・バッドエンド
・魔王学院14章までに登場した情報のネタバレ
・女性の尊厳を破壊する行為
・バッドエンド、微リョナ、蟲姦、苗床化、ニプルファック、乳首出産、幼児退行
・キャラ崩壊
・バッドエンド
深闇で、その船は待っていた。かの人が懐へ踏み入る瞬間を、冷徹に監視していたのだ。今更、何もかもが手遅れだ。それでも決してあきらめることを己に許すこともできないまま、眼差しが無限の暗闇を探し求めるとき、後悔とともに思い出す。
彼方の闇にまたたく銀光は、全て世界だ。かつて天を見上げるばかりだった頃、夜の中に無数に散らばる星の瞬きを、サーシャは、空のずうっと遠くでも灯りをともしている人たちがいるのだろうかと思ったことがある。あれらはただの星でしかなくて、果て無く見えた闇は無限に閉じた天蓋で、それを更に超えた先にこそ、数多の世界を抱く本物のはてしない
ハイフォリア軍所属小型輸送艇内、コックピットの
「不安かい?」
サーシャは、柔らかく微笑む涼やかな美青年の蒼穹を思わせる瞳に目を合わせる。
「んー……まあ、いつものことよ」
「それはそうか、僕も何事もなければいいなあって、いつも思うんだ」
「――ほう?」
二人で苦笑いを交わしたとき、隣席から、少女魔王がひょっこりと身を乗り出してくる。
「今のやりとりは聞き捨てならぬな。この暴虐の魔王がついているというのに」
「それこそが問題なんでしょうが」
「嵐の目、っていうか、嵐の中に飛び込んでいって中心を乗っ取ってしまうからね、我らが魔王さまは」
「なに、どれほどの風が吹き荒れていようとも、自ら嵐となれば何も恐れることはない」
「何構文?」
サーシャは真顔でつっこむ。レイがなぜかけらけら笑った。
転生世界ミリティアの主戦力三名が、なぜ揃って“機上の人”となっているのか。それは、ミリティアの周縁を監視していた軍神が、突如、銀水船と思しき、所属不明船舶の出現を確認した、という連絡があったからだ。報告によれば、大きさは飛空城艦アゼッタと同程度、ディルヘイドが擁する航空兵力の現主力艦に匹敵する。といっても骨とう品もいいところではあるが、それでも一個の戦艦並の船舶が、何の魔力も察知させずに、いわば〈転移〉してきた、というのだから、これは緊急事態と言える。
主にバランディアスの協力で、銀水船の開発が急ピッチで進められているが、現段階では、ミリティア側に銀海へ漕ぎ出す手段は、ベルテクスフェンブレム以外にはない。パヴロヘタラに寄宿する形となっている魔王学院側から斥候を出す必要が生じた。
その
そんなときにバルツァロンドが要請してくれたことで、ハイフォリア軍がこの小型輸送艇レウルス=
パイロットのハイフォリア兵から声がかかった。
「皆さん、まもなくミリティア周縁部ですので、あと10分で視認可能宙域に入ります、シートベルトは外しても構いません。ノーマルスーツのチェックをお願いします」
「ありがとう、了解した」
アノスが応じる。
三人が身に着けているのはパヴロヘタラ共通規格の軍用船外服だ。創造魔法を取り入れた縫製により伸縮性のある生地は体型を選ばず、頭部を開放した状態で銀水環境下での活動を可能とし、戦闘にも対応している。
「ええと、手首のこのスイッチに魔力を流すのよね…」
サーシャが操作をすると、シューッ……と空気の抜けるような音がして、スーツが身体に密着する。背筋を伸ばされる感覚があったが、息苦しさや不快感はまったくない。年相応に女性的な肉付きになってきた胸の膨らみや、下肢のラインが露になるのは、多少気恥ずかしくもあったが、ここにいる異性と言えば、根っから恋人一筋の男とプロの軍人くらいだ。彼らこそ、このスーツを着た女性は見慣れているだろうから、気にし過ぎないことにする。
「へえ、これはいいね」
サーシャと同じようにノーマルスーツの機構を作動させたレイはそう言いながら、どこか感動した様子を見せつつ上半身の稼働を確認している。飾り気のない深い黒のスーツは、流麗さと戦士の強靭さとを奇跡的に実現させた青年の美をいっそう引き立てている。感心の目で眺めてしまったサーシャだったが。
「確かに、これは今までにない着心地だな。我がディルヘイドにも導入するか……」
そういいながら、隣で目を輝かせて身体各部を確かめるアノスの方をなんとなく見てしまったサーシャは、形容しがたい微妙な表情になった。
銀水聖海規格の戦闘服は創造魔法を取り入れた縫製により、体の線に完璧にフィットし、しかも体型を選ばない。
アノスの主な戦闘スタイルは、計測しようと考えるのもばからしいくらい膨大な魔力渦巻く根源、そこから引き出した魔力を気が遠くなるほど精密に操作し放つ出力自在な魔法攻撃と、魔力を纏いながらの徒手格闘だが、身の丈を超える得物を軽々と扱いもする。そんな彼女の肉体はネコ科の猛獣のように研ぎ澄まされていながら、女性らしく繊細でまろやかで、そして、その「女らしさ」が大惨事を引き起こしていた。細い首と華奢な肩、姿勢の良い背中が成す上半身の美しいシルエットとはアンバランスなほど大きく、大きい乳房。一般的にFカップが巨乳と言われるが、更に一回り二回りの質量があるのではないだろうか。もし街中ですれ違ったら男共は鼻の舌を伸ばすより先に驚愕に目を見開きそれでも視野から消えるまで決して目を離さないだろう。普通ならば乳牛のように重力に完全敗北して垂れさがってしまうはず。それなのに、もちろん着用しているスーツが支えているのもあるだろうが、乳頭がばいんと上を向いていて、大きすぎるのにちっとも醜さがないというのはいったいどういうことだ。意味がわからない。
もちろんこの魔王の胸がでかいのは今にはじまったことではない。普段制服のブレザーの胸元をはじけださんばかりに押し上げている白く輝く双丘……否霊峰が、常日頃から嫌でも目に入ってくる。だから見慣れたとサーシャは勘違いしていた。まだ制服だったから正気でいられたに過ぎなかったのだ。
愛らしくくびれた腰は、男性ならば思わず抱きしめたくなるだろう。すらりとしなやかに長い脚は、女性ならば誰もが羨望を抱かずにはいられないだろう。だというのに、視線を腰から下へやれば、あるいは膝から上へ移していけば、強靭な骨と筋肉とがなんとか引き締めようと頑張っているのに幾百幾千の種付けにも耐えられるのがどんな雄にも一目でわかる犯罪的な尻に出くわしてしまう。
人体の動作を決して阻害してはならない、重すぎる、あるいは軽すぎる、そのどちらの着用感も与えてはならない、そのような理念のもと開発されたスーツは、女体の起伏を余すことなく暴き立ててしまっている。両脚のつけねで、むっちりとした恥丘が淫猥な美観を呈している。いまだ誰にも暴かれてはいない、瑞々しい女肉の隆起、その柔らかそうな輪郭を目の当たりにすれば、どんな太さ長さ硬さの雄茎も隔てなくもてなし、精汁を精巣が空になるまで搾りだしてくれ、幾百幾千と元気な赤子を産み落としてくれるのが一目瞭然である。
「……シャ?サーシャ、さっきから何だ、何か言いたいことでもあるのか?」
かつて彼女は、“彼”であった。地を焼く死の焔であった自分に、落陽をもたらしに乗り込んできた男。そして、誕生以来最初で、そして最後の恋を植え付け、初めての口づけごと奪っていったのも。ああ、初恋なんて、やめられたらいいのに。
「二人とも似合ってるよ」
「お前こそ男振りが増したのではないか?今度ミサに見せてやるといい、また惚れ直すと思うぞ?」
「なるほど、なかなか最高の考えだね。検討してみようかな」
レイ・グランズドリィ、この男ときたら顔色ひとつ変えることなく、他意下心共にゼロでアノスと普通に見て普通に言葉を交わしている。一途の権化みたいな男の目には、恋人のミサ・イリオローグ以外の女性の“大きな胸”は“大きな胸”でしかなく、“尻”は“尻”でしかないということなのだろう。
アノスがいつも通りの態度なのもあって、絵面は見芽麗しい男女なのに、完全に男の友人同士の空気を出している。
「なんていうか、あなたたちがあなたたちで助かったわ」
サーシャが吐き出した言葉に、魔王と勇者は揃って不思議そうな顔になった。
「目標を視認しました。大きいですね……」
副操縦士が思わずそうつぶやいてしまったのも無理はない。キャノピーの向こうには巨艦と呼んでも差し支えない、黒々とした船が見えている。
「救難信号は?」
「確認できません」
ハイフォリア兵ふたりが言葉を交わすコックピットへ、アノスが軽く身を乗り出した。
「――失礼。あの船へ呼びかけられるか?」
「やってみましょう」
パイロットはオープンチャンネルに合わせ、通信機を手にする。
「――こちらハイフォリア軍レウルス=Ⅲ、停船中の船舶へ、船籍及び停船理由を告げよ。繰り返す――」
三度の呼びかけにも何の反応もない。
「…やはり、近くまで行って確かめるしかないか」
アノスは腕を組む。それを受けてレイが確認を投げる。
「必要なら内部へ?」
アノスが頷く。その場合潜入役は彼女が引き受けることになっていた。レイは船外で、船が敵対的な行動を見せた際は即座に破壊する役目を負っている。サーシャはレウルス=Ⅲに残り、パイロットの護衛及び、必要とあらばレイを援護する手はずとなっていた。
「こっちの攻撃で滅びないでよね?」
ふっ……と、魔王は麗しい微笑を返した。
「お前こそ、仕損じるなよ?」
眼前においてみると、その船は銀海の闇にあって、巨大な影を思わせた。明かりはひとつも見えない。ハイフォリア兵二人は、現段階で確認できた「不明船舶」の情報をパヴロヘタラ側へ照会してくれている。巨影に近づいていく魔王と勇者をサーシャは見守る。
見守っていたとき、船が消えた。
「消えた……?そんなばかな、何の反応もなかったぞ」
「――いえ、そもそもあの船が発見された時の状況も同じだったわ」
サーシャは、腹の底から焦燥が沸き上がってくるのを押し殺す。こういったわけのわからない事態に対処できる手段としては、サーシャの権能そのものである
「
「ええ、お願いします」
『――アノスッ!!どこだ、返事をしてくれっ!!』
「……レイ殿?」
それは通信機と、〈
「レイ?どうしたの?アノスに何かあったの?」
『レウルス=Ⅲ、そちらからアノスの姿か、魔力を補足できるかっ?彼…いや、彼女がいない、いなくなったんだ、あの船が消えた直後に気づいたらいなくなってた。……いや、すまない、そちらも危険な状態かもしれなかった』
彼の声は落ち着いていったが、それは、吹き荒れる冷たい恐怖を必死に抑えつけている響きをしていた。サーシャは自分が何か冷たいものを握りしめているのに気づいた。それは転倒防止用の手すりだった。ゆっくりと手を放す。船内から見晴るかせる、無限に広がる大海原。レイがいる。彼の後方には広大な銀色の光芒が、ミリティア世界が迫っている。遥か彼方に瞬く星々を思わせる世界の煌めきが。そして、それ以外、何もなかった。
アノスがいない。
「……………………………………………………………………………………アノス?」
わたしの魔王さまはどこ?
濃厚な雌の匂い、強靭ないのちの匂いが、『かれら』を歓喜させる。
雌。雌だ。
「こちらアノス・ヴォルディゴード、レウルス=
首元の通信機へ呼びかけるが、雑音すら返ってこない。繰り返し呼びかけるも結果は変わらず、通信は途絶したと判断する。薄暗い、静かな船内通路に警戒を緩めることなく魔眼と目を向けるのはやめず、アノスは今度は〈
〈レイ、サーシャ、聞こえるか?〉
無人の部屋に呼びかけているような気分になりながら、アノスは周囲を改めて見回す。どこから電力を供給されているのか知らないが、天井に等間隔で設置された照明が一部点灯している。照明といっても、その光ときたら、濁った血のような色合いで、なかには危なっかしく点滅しているのもあるせいで、かえって見通しが悪い有様だ。
狭い通路だった。床面は有孔鋼板というやつで下の暗がりがやけに強調されている。道幅は大人が身を縦にしてすれ違えるくらい。アノスは、女性としては高身長とはいえ、レイやクラスの他の男子生徒と会話するときは、男だった頃と比べると、やや視線をあげがちになる頻度は当然ではあるが、高い。その頭上すれすれまで、埃と錆に塗れた配管やらバルブやらが、迫っており、左右も同じような有様である。
通路をゆっくりと進むアノスを、無数の凝視が捉えている。あまりの冷たさがそうと悟らせない。
侵させろ、喰らわせろ、あれの
ダクトの中、ありとあらゆる配管内部、扉という扉の内側をみっしりと埋め尽くす『蟲』が、はやって暴れるたびに鈍い衝撃が響く。牙をがちがちと打ち鳴らす。
そして、こと獲物を確実に仕留めることにかけては、本能というものは、獣がどれほど飢え渇いていようとも、恐ろしいほどに自制させ、合理的にさせるのだ。
「少なくとも、この船が遭難して久しい、ということは、これではっきりしたが……」
金臭いような、生臭いような、汚水の中にいるかと思われるほど、空気がむわっとしていて、酷い匂いもしていた。
通路の両側には手すりらしい金属棒が伸びているが、それも得体のしれない汚れに塗れ、錆びだらけで、女性の身で生をうけてからも豪胆さは変わらない魔王といえど、流石にその手すりに触れるのはためらわれた。船内には、どこからか、ゴン…ゴツ…と、鈍い衝撃音が不規則に木霊している。
「〈
通路を進みながら、アノスは呟く。ぴちゃりと、冷たい感触が項に落ちる。ぴちゃり、ぴちゃり、と、滴る音がする。
かつて、何万年も、何億年もの過去において、■■■■■■■■■という名の世界があった。
小さく、弱く、それでも、美しい緑と生命とが溢れる豊かなところだった。
誰にも知られない、美しい庭であった。
強くなかったので、何万年も、何億年もの昔、ある日、“何か”に侵略された。
人の歴史のあずかり知らぬところで、蹂躙が行われた。
およそ1万年前、ある泡沫世界が死んだ。異形の大群が天地のあまねくすべてが食いつくし、男も女も犯し殺された。辛くも難を逃れた人々は、それらを「貪食」と呼んだ。
生存者はいない、と判断する。通路全体に漂う臭いのせいだ。鉄錆と何かの腐臭に混じって漂うそれは数週間前、アノスが、バルツァロンドの隊が乗り組む銀水船を追って、生身で無限の海原へ踏み出した際に嗅いだのと同じ、濃い銀水の臭い。そして船内の劣化具合から見て、整備が入らなくなって相当の年月が経っている。これは沈没船だ。
事故であれば保護・曳航、作為的なものであれば制圧し、事態の進行度によっては排除する、それがあらかじめ打ち合わせた対処方針だった。方法はさておいて内部を確認した段階で判断は下された。この船はここで破壊する。これをパヴロヘタラへ連れていけば、まだ種の状態とはいえ、ミリティアに降りかかった災いを、厚意を示してくれたハイフォリアや他の世界へばら撒くことになる。戦士の
〈
「〈
アノスの周囲に、蝋燭大の火球が現出する。外観は小さくとも、それらが有する熱量はまぎれもなく炎属性最上級魔法〈
沈没船の紅い暗闇が束の間、晴れる。
ただの魔力の解放だけで、巨船内部はいまや太陽の中心へ落ちたのと変わらぬ温度に達している。
〈
そう宣言しようとした彼女の子宮を不可視の毒針が穿った。
かつての美しい庭は、『貪食』に遭い、患い、侵し壊されてしまった。けれども■■■■■■■■■であることは失ってしまったけれど、生命の苗床たる本分を忘れはしない。『貪食』を取り込み、数多の生命を食らった。けれどやがて、このやり方を続けるだけでは、いのちは増えないと気づいた。
命を生めない。『貪食』は庭になっていた。生むものを、“母”を得るのだ。ヒト族の雌を選んだのは、ある世界を食らった際の記憶から。最初に、母にしようとした雌は、交尾自体に耐えられず、壊してしまった。次も、その次も、その次の次の次の次の次も
ざあざあと濁流に似た耳鳴りがする。ゴンッ、ガゴッ…ガッ…ゴツッ……打撃音が、増えている。
「―――――――く……ぁ……?」
かり……と、つま先が固いものをひっかく。半身が、頬が冷たいものに押し付けられている、倒れた、とアノスは気づく。起きなければ、そう思う。そう思うのだけれど
手足も、視界も小刻みに震えて、横たわったまま、みっともなく四肢が動くだけ。これでは、サーシャに怒られてしまう、酒に酔った彼女をときどきいじっていたから、けれども、指先がざわざわ痺れて(視界が、ゆれる)しびれる、(かゆい?)ぱちぱちとはじけるものが、のぼって、奥から、身体の下側から、(ひどくかゆい)(かゆい)(かゆい)(かゆい)(かゆい)(かゆい)押し寄せる、駆け上がってくる、痒い、かゆい、かゆい、熱い、灼ける、崩れる、崩れて――!
「……………………ひゅっ…ぅう゛う゛っ……!あっ…!ぐ、んぅぅう゛っ!」
アノスは、それを、無意識に歯を食いしばって堪えようとした。
けれど『貪食』はあきらめなかった。異種との交合に耐えうるように、雌の繁殖器官をつくりかえる薬液を生成した。生まれようとする幼生が胎を食い破って雌を死なせることがなくなった。
交接器を挿入する際に生じる痛み、出産が迫ってくると生じる陣痛で母体がショック死することが少なくなかった。
「……ッッッ………!!!!!~~~~~~~~~~~~~~~~~~~………!!!!」
がぐんっ!!!
狭い通路に倒れたままのアノスはひときわ大きく痙攣する。紅玉の瞳は焦点が定まらず、うっすらと潤みを帯びている。かたかたと震える唇から、弱りきった犬か猫のようなかぼそい呻きがぽろぽろこぼれ落ちる。太ももを擦り合わせる動き。少女は股間に湿り気を感じる。ひときわ大きな衝撃は、通り過ぎたようだった。
「……はぁーっ……はぁーっ……」
けれど呼吸が、自由にならない。幼い頃、熱病に罹ったことを思い出す。あのとき感じた、誰かの手の感触。硬くて荒れていたけれど、背中を拭いてくれたり、体を支えて粥を与えてくれた、それらの手。あの男たち、女たちは、どうなったのだろう……。臍の下にずっと熱いままの器官を意識する。今まで、考えたこともなかったそれが、子宮が、焼け爛れるように熱い。忘れていたことを、考えなかったことを咎めるように。思い出せと言わんばかりに。
“こどもたち”の中に、捕食する際獲物に強い快楽をもたらし、痛みを全て快感へ変換する体液を持つものがあった。そうして「媚毒スライム」とでもいうべきものが生まれた。透明な体から放たれる毒針に刺されると、いや、その針にふれられただけの場所がアクメに押し上げられてしまうので、弱い雌は絶頂死に追いやってしまった。50年前、この船を飲み込んで以来貯蔵していた最後の雌が死んだ。命は生まれたがっている。すでに生まれたこどもたちを飢えさせないために、新たな母を、強いいのちを、暗闇に探し求めていたが、ああ。何たる僥倖。生きた毒液が、アノスの汗ばんだ肌へ、
固いものを叩きつけるような音が、大きくなる。激しくなっている。増えてきている。首筋を冷たいものが登ってくる。(……雨、か?)まさか。少女の顔が、苦笑を形作る。雨など降るわけもないのに。それが、アノス・ヴォルディゴードの紡ぐことができた、最後の思考。媚毒の雫が一滴、耳に落とされて。
破砕音、天井が、通路が、壁が、突き破られる。
「――――――――――――――ぃ、あ」
押し寄せる、蜘蛛のようなもの、芋虫のようなもの、甲虫のようなもの、蛇のようなもの、犬のようなもの、
「――――――ぁぁあ゛あぁぁあ゛あ゛」
それらは脚が多すぎる、目が多すぎる、口が多すぎる、間接が多すぎる、大きすぎる――異形が群れを成して、弱弱しくもがくばかりのアノスをめがけ押し寄せる。少女が黒い奔流に飲み込まれていく。
「あああ゛ぁぁ゛ぁ゛ああぁぁぁぁぁあ゛あ゛ああぁぁ゛ぁーーーーーーっっっ!!!!」
快感、否。激感がアノスの五感を切り刻む。神経が、内臓が、骨が、臍の奥にあるそれが甘い灼熱に焼かれ沸騰している。
「ひあ゛あ゛あぁあっ!!!はぁぁ゛あっ!!ぅああ゛あぁ゛ぁぁあーーーっ!!!!」
何かを受け入れようとするように、拒絶するように膣内が激しく脈打つ。溢れ出した雌蜜がスーツの股間をぐっしょりと濡らし、強制的に開花させられ、腫れあがった花肉の形が布地越しに露だ。蜜をすすろうと群がるものたち、相伴に与れなかったものが少女の身体を踏み荒らし、無数の牙でスーツをめちゃくちゃに引き裂く。子宮を見つけたものたちが、臍の下にあるその臓器目がけて、鋭い口吻をいっせいに突き立てた。
「―――――ッッ!!、…………」
アノスの声がぴたりと止まった。気絶したのだ。肉体だけが、びくびくと痙攣している。それを残念がるように、あるいは面白がるように、今やまとうものと言えばスーツの残骸しかない少女の身体をふみつけ、つつきまわしていたモノ共が、やがて機械的な統制を見せて、無惨に晒された裸身を引きずっていく。魔王の残骸は、この沈没船の、ほんとうの暗がりへ飲み込まれていく。
……ぎち……ぎち…きちち、ち、ちち……ぞり……ぞりゅるる…ぞ、ぞぞ、ぞりり……ちき……ぐちぐちぐち…ぐちゅ、ぐちゅ……かり……かりかり……かりかり……(かゆい)ぎちちち……ずるる、ずちゅるるる……(かゆい)カチカチカチ……こり……かりかり……こちゅ……こりゅっ……ざわざわざわ……じゅる…ずちゅるる……ずるる…ずずず……(
くつくつ、男は笑声を漏らす。冷たい手が、子どもの頬を撫でる。汗ばむ額の髪をやさしいしぐさで払う。(かゆい)その掌の感触が、(痒い)(かゆい)なぜかひどくおぞましくて。はらいのけてしまいたいのに、(
「大丈夫、大丈夫だよ」おぞましく優しい声と、男の手の冷たさが、子どもの得られるただひとつ鮮明なもの。背中を横たえる寝台がとても固くて、埃っぽかったことを思い出す。その木の匂いのなつかしさも。その日は酷い寒さで、嵐が吹き荒れていたけれど、すこしも恐ろしくなかった。無骨だけど温かな手が、小さな体をさすってくれていた。温かいのは、暖炉の火の熱さだけではなかった。「何も怖がることはない、だってこれは君の夢なんだから」彼らはどこにいってしまったのだろう、(ぎり…ぎち、ぎち、きちち…)暖炉の火が燃える音に混じって低い声で大人同士の話をしていた男たちは。(かち、かち、ぞりぞり、かり、かりかり……)ざわめくものが押し寄せてくる。無機質なくせにそれらは舌なめずりをし、牙を打ち鳴らしているようだ。(ずるずる……ずる、じゅるるる、ざり、かちかち、きり、きり、ぎちぎちぎちぎちぎちぎちぎちぎちぎちぎちぎちぎちぎちぎち)
「起きなさい、アノス」
ど、
「――ぃっ」
じゅ。
「ぎ……ぃ……?」
陰核を“蛭”にしゃぶられた雌が反応を示した。その“蛭”の幼生は、雌の胎から出でた幾百目かの個体だった。他の赤子たちはみんな、ちゃんと“母”の乳を嗅ぎ分けて乳房へよじ登っていったというのに、陰核を乳首と間違えてしまったようだ。
無数の肉塊と蟲と触手が蠢くそこは、『貪食』の繁殖部屋だった。
「――く、ひぃ、ぅうっ…」
養分と媚毒を常に注入されているせいで、小指の先ほどくらいにまで肥大しているせいで。『貪食』は、陰核でも“授乳”可能なように創り変えることを検討する。陰核にされたのと、同じ処置を施されたせいで、臍が隠れるくらいまで膨れた乳房は、芳醇な魔力ののった乳を求めて多くの“こどもたち”――蛾や蝶、蛭に似たものや、百足や蜘蛛を思わせる巨大な多足生物、芋虫と犬のあいのこのようなもの――が集っている。
「あ、ぁあ゛っ…ひっ…な、あ?」
真っ白い豊満な雌果肉に口吻を突き刺し乳管から直飲みするものや、甘く牙をたててかじりついて汲めども尽きぬ魔力を含んだ体液を吸い上げるものがいる。
「な…にが…ぇ゛あっ、ぁあ゛っ、うぅ゛あっ」
長さ10センチくらいにまで勃起した乳首は争奪戦となっており、乳頭に口吻をつっこんだり、かぎづめのような脚で無理矢理広げて、欲張りにも内部に頭をつっこんで腹部を満足そうにどくどくと波打たせているものまで。
「ぐあぁ゛ッ…なに…ひぐっ…ぅぅう゛っ、おれ、は…あ、ぎぃ゛っ…?!」
まるまると肥えた幼生は、小さな柔らかい牙がずらりと並んだ丸い口で必死に肥大陰核にしがみつき、咥内に生えた数百本の繊毛状舌が先端部や、包皮がかぶさる根本、陰核小帯まであまさず潜り込み、つつきまわし、「ア゛ッ?!…んっくぅう゛っ…!」くすぐり、舐め、しゃぶる。「や゛あ゛っ…!ああ゛っ…!いだいっ…いたいぃ゛いっ…!」いたい。ヒトが苦痛を訴える際の鳴き声。だがこの若い雌の肉体反応も、魔力の波長も、苦痛の兆候を示していない。
「いああ゛っ…?!中ぁあっ、まだい゛る…やらああぁあっ…!」
膣口が激しく収縮する。「かっ…は…ぉ゛あっ…でて、くるう…」盛んに身をよじって体液と甲高い音声を発しながら続けざまに幼生は産まれてくる。
「ぉ゛ぁあ゛っ…でるな、でるなぁぁ゛あぁ゛あ゛っ?!」
鹵獲時に投与した体液と、母体として運用するために施した処置は十全に機能している。発達した乳房は母乳を生成し供給し続けるいわば貯乳槽に仕上がっている。「ひゃぅぅう゛うう゛ぅぅうぅうう゛う……!」乳頭から噴水のように母乳を噴出する。あらたな“こどもたち”は本能が命じるまま、“母”の体をよじ登っていく。
『貪食』は胎内で孵化したばかりの幼生といえど体毛や体表から媚毒体液を分泌している。雨粒程度の量でも触れた箇所を過敏にし、激烈な搔痒感と快感をもたらす。
「んひい゛っ?!かゆい、かゆい゛ぃっ!くるな゛ぁっ!かゆいい゛っ…ひぐぅうう゛っ!」
若い雌は、体の上を、媚毒を滴らせる“こどもたち”がわずかな擦過傷を刻みながら這い進んでくる感触で啼いている。乳房は場所取り合戦が激化している。触手が伸びてきて乳肉に突き刺さり体液を投与する。
「あぐぅぅぅぅぅうううう……!」
直後、乳首にかじりつくものたちをはじきとばすほどの勢いで母乳が噴き出す。これで乳房のどこに触れても母乳にありつける。そして幾百目かの産声。体長十センチほどの、これもまるまると肥え、たっぷりと媚毒体液をまとう蟲だ。ふさふさとした繊毛が全身に生えている。
「…ぁああ…はぁ…はぁ……あぎぃい゛い゛っ…?!」
びくん…びくん…と震えながら息をついていた雌が、また切羽詰まった鳴き声を発する。さきほど産まれたものが、誤って尿道に潜り込んでしまったのだ。
「あ゛お゛っ…!ぐぅう゛っ…!ひぐぅぅ゛っ…!」
幼生のサイズに比して、本来であれば狭すぎる孔は裂けることはなく柔軟に受け入れる。蟲がまとう大量の媚毒が、雌に苦痛を得ることを許さない。
腹が満ちた様子のものたちが、陰核に興味を示して寄ってくる。体表をこすりつけたり、舌を伸ばして先に生まれたきょうだいたちとわかちあうようにかわりばんこに嘗め回し、甘噛みを施す。
乳房は再現なく噴出する母乳に喜ぶこどもたちが憩う。そして膣が痙攣し、雌蜜と己の体液に塗れて赤子が出でる。尿道に迷い込んだ蟲が怒ったようにのたうちまわり、媚毒繊毛が尿道内壁に突き刺さる。若い雌は、いたいいたいと、鳴きながらアクメに達しーー
がくんっ、と頭が揺れて、アノスは遠のきかけた意識を繋ぎ留められる。
視界はぐちゃぐちゃに歪み、耳鳴りがごうごうと雷鳴のようだ。
「……ぁぁ゛ー…ひぁ…あ゛ぁ…ぅぁ……」
おわった…のか…?身中を真っ白な閃光が貫いた――そうとしか例えようがない衝撃は、鎮まりつつあるのは確かで。
訪れた束の間の“凪ぎ”は、もしも幼子であったなら、“わるいこと”は過ぎ去ったと、期待してしまうのは無理もない。けれども。
――ぞりゅ
「――――がっ…ぁ」
いる。なかにいる。
――ぐじゅ、ぐじゅぐじゅぐじゅぐじゅぐりゅりゅりゅりゅりゅりゅッッッ!!!!
「ぅあぁぁあ゛っ!や゛あアっ!やらぁあ゛あ゛っ…!!」
臍の奥がぐらぐらと煮えたぎる、頭の中で光の炸裂が幾度も幾度も起こる。それにあれが、体の中身全部をぐずぐずに爛れさせ、崩れさせるあれが、
「ぐぅう゛っ…!やあ゛っ…!んっ!ぐう゛ぅう゛っ…!はぁっ…くぅ…ぁ…――――あ、あ…?」
“彼”にはわからない。なぜならもう“アノス”は破片でしかない。犯し、壊しつくされたあとに残された最後の、いずれ踏み砕かれる小さな。そしてこの小さな破片は幼すぎた。物が言えるようになってからは闘いに明け暮れるばかりの、肉欲の訪れもまだの幼子に、わかるはずもない。いや、雌臓を媚毒を滴らせる異形の性器と赤子に貪られ、脳がミキサーにかけられ、内臓が崩壊させられるかと錯覚するほどの、無理やり押し付けられる灼熱を、“快感”だなどと、誰に理解できただろうか。幼い心にとって、過ぎた快感など、激痛と何の違いもありはしない。
――犯されては産み、犯されては産むことを強いられ続けて、(みぢ、みぢ、ごりゅごりゅごりゅぐりゅ)子宮をみっしりと占拠する幼生が蠢くのを垣間見れるくらい開ききった雌唇、(ぐちぐち、ぐりゅ、ぐじゅぐじゅじゅじゅ、ぎちぎちぎち)腫れあがったクリトリスは、舌や牙や触手で嘗め回され弄ばれるたびにぐにぐにと形を歪める。
何をされているのか、視ることを許される。アノスはそれらを“視”せられる
「んに゛ぃい゛っ…!(ごりゅごりゅっ)ぐぅう゛っ…あっ!くぅう゛…!(みぢ、ぐじゅるる)ぁあ゛あ゛っ!くあぁ゛っ…!」
――むっちりと肥えた媚毒蟲が踏み荒らしていった尿道は、ここに居心地が良さそうな穴があると知れ渡ったのかどうか、小さな芋虫や百足や蜘蛛があとからあとから潜り込んできて、(ぞりゅぞりゅぞりゅぞりゅぞりゅぞり、ぶじゅぶじゅ、ぶちっ、ぷちゅ)敏感な内壁を我が物顔で這いずり回り中で潰されてしまうのもいる。
「やめぇえ゛っ!はい゛るな゛、あづぃい゛っ!はいるなぁっ…!――ひぐっ、ひゃぅうぅう゛うう゛っ!やあ゛ぁ゛っ…!やあぁぁ゛ぁ゛あ…っ!」
ぶちまけられた体液が愛液とまざってとろとろと滴り落ちて、その濃厚な雌臭に異貌のものたちがよってたかってしゃぶりつく。むちむちと熟れた雌花肉をもぎゅもぎゅと咀嚼する、舌をつっこんで犯すようにほじくりかえす。
「ひああっ…!もう…するなぁあ゛っ!!あう゛っ!んくぅぅう゛う゛っ!!」
体長一メートル以上はある百足が、膨れ上がって母乳タンクみたいになった両乳肉を、一纏めに締めあげ、縊りだされた乳首は雌エキスをとろとろ零れさせている。密林に棲む大蛇のような触手が鎌首をもたげて、先端がぐっぱりと”咲く”。
『貪食』の媚毒体液でぬらぬらとひかる中身を、無数の蟲と触手がうぞうぞと蠢くその中身を、アノスは視た。視せられた。待て、あるいは、やめろ、と言おうとした。子宮にみちみちに詰まった『貪食』の幼生が(ぶぴゅるるっごりゅごりゅごりゅぐじゅくちゅくじゅちゅるるる)、媚毒体液をまき散らしながら暴れ出す。乳肉が(ばじゅぅ)大蛇に飲み込ま(ぐじゅぅぅううう)れる。
どじゅ、
「がはっ……、」
じゅぶぅぅぅう!
「んぐぅぅう゛う゛……?!」
細い管状の交接器が肥大乳首を貫いて、
「ひうぅぅぅぅぅう゛うぅ゛
(ぶじゅじゅじゅじゅじゅじゅじゅじゅぶびゅりゅるるるるるる)うぅぅぅう゛う゛うぅぅう゛(ぶばばばっぶじゅううううううううううっ)、」
蛇口を全開にしたように、
「――!!!!うう゛……!!!!んぐぅぅ゛ぅう゛うぅぅ゛うう゛うぅぅぅ゛」
射精と産卵が行われる。
「――――――うう゛う゛!!!!(びゅるるるるっ)ぅぅぅ゛うう゛ぅ゛ぅぅぅ゛うう゛う゛(びゅるぅぅうっぶじゃぁぁぁああぁぁあっ)うぅぅ゛う゛う゛う゛!!!!!!」
乳房に種付けされてアクメする、そんな異常な事態にアノスはただただ歯を食いしばる。本来はもちろんそんなことは不可能だ。たとえ『貪食』から解放され、もといた世界に戻されたとしても、二度とヒトの赤子に乳を与えることはできない器官になってしまったという、ただそれだけの話。
「ふぅぅ゛う゛っ!んあうぅぅ゛う……あぁぁ゛あ、はぁー……はぁー……」
やがて流入は止まっても乳房を咥えこんだ触手は離れていかないし、乳首に挿入された交接器は抜かれない。受精・孵化するまでは孵卵器を保護する必要がある。『貪食』の“こどもたち”は成長が早い。
ごちゅ、ぷりゅ、ぐにゅぐにゅぐにゅ、
「うあぁあ゛…あ…ぐ…あぅ……くふぅう゛ぅ……」
内部にみっしりと詰まった卵と媚毒精液とがぷりゅぷりゅとこすれ合う。本来の授乳器官が一時的に使用できなくなる。
「ふうぅ゛うっ!ん…んん…っ、――はっ…あっ、ぁぁ゛あぁあ……」
みぢっみ゛ぢみ゛ぢっ、ご……ぽ……
アノスの膣口からは、ヒトの赤ん坊大の百足が這い出てきたところだった。乳房に種付けしたのと(じゅるるる、しゅる、ぬぶぅぅ゛うぅ゛)似たような姿の触手が当たり前のように挿入されていく。水のように柔らかいので膣内にいるものたちが潰されることはない。アクメの波がいっこうに収まらない自身の身体に疲れ果て、アノスはかぼそく鳴く。
「はぁ、ん…や、だめ…やだ…はいるな…はいるなぁっ…ぁ、あぐっ、あ゛…あっ…!」
出迎えに降りてきていた繁殖部屋、その綻んだ入り口は、あまりにも柔軟な触手の侵入を阻めない。どろどろと浸水してくる軟体は、(こぷ…こぷ……こぽっ……)犇めきあって蠢動する幼生たちを包み込むように(こぽっ……)子宮一杯に満ちる(…どろぉぉ゛お゛……)。アノスの性器は完全に占拠される。
「ぅぅ…ぅうぅ゛ぅ゛うっ…、」
ぶちっ、
ぐりゅ、ぎちぎちっ、ぶじゅるるるるりゅりゅ
「くぁっ、あ…ぐ、んっ…ひぐっ…」
出産は続く。大きな蛭のようなものが立て続けに這い出てくる。(びちびちびちびちっ、ごりゅ、ぞりぞり、ぎちぎち、ぐじゅるるっ)クリトリスも尿道も、変わらずなぶりものにされている。責め苦の苛烈さは少しも衰えていない。
「はぁ…はぁ…あぁぁ…」
それでもアノスはぐったりとして体と声を震わせるだけ。
だからたたき起こそうとした、というわけでは別になく、アノスのような潤沢な栄養源を捕獲した『貪食』がとる手段のひとつでしかない。
子宮の中で、触手が、交接器官が、ゆっくりと花開く。
ぶる……
「く、んっ!」
なかにはいってきたひときわ大きいものが一瞬震えた。なんだろう、今度はなにが起こるのだろうと、おさなごは思って。
ど――ず――
胎内を、
「―――――――――――――――――――――――――――――――がっ、」
無数の毒針が、穿った。
どじゅじゅじゅじゅじゅずずずずずずどどどどどどどぢゅ「――――――――ぁ、」ぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅどどどどすどすどすどす「――――――――ぁあ、あ゛」どすどすずぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅががががががががががが「あぐっ、ぅ、ぅう゛う゛うっ」ががががががががががッッ!!!どじゅじゅじゅじゅじゅじゅじゅどぢゅぢゅぢゅっぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅずどどどどど「や゛ぁ゛あ゛あ゛!」どじゅるるるるっ「ひぎゅぅぅぅううう゛うう゛ぅぅ゛ぅぅぅう゛う゛う゛っ!!んぐぅぅぅぅ゛ぅぅう゛ぅうう゛う゛」どどどどどどどずどずどずどずどづどすずずずずずずががががががががががっ「や゛だあ゛っ!こわれ゛るっ!や゛ら゛ぁ゛あ゛っ!いだいぃ゛っ!やあ゛!いたいぃ゛……」どくん……どくん……どくん……どくん……
毒が注がれる。『貪食』は淡々と処置をこなしていく。新たな命のスープが子宮へ濁流となってなだれ込む。激甚なアクメ性感が、
どくん――
「――――く……ぁ」
鼓動が、
どくん……、どくん……、
脈打っている。
束の間の静寂から、おさなごは目覚める。連れ戻される。
どくん、どくん、どくん、どくん、どくん――……
「……………は……あ……?」
ぼんやりとアノスは瞼を開く。その目が映したのは、地獄のほうがマシな現在の続き。
『貪食』は少女に自身を視せる。美しい変身を遂げた娘にさあご覧になってくださいと姿見をかざすように。
「…………ぁ……ぁぁ……」
大きすぎる乳房は触手からは解放されているが、乳首には交接器の栓がされたまま。腹部はまさに妊婦のそれで、彼女が元から具えているすらりとした脚のシルエットはそのままなのが、ひどくアンバランスだ。だが、何よりも異様なのは、
(なか……なかに……はいって……)
乳房にも、子宮にも、蟲とも動物ともつかない異形の姿のものがみっしりと詰まって内側からぼこぼこと歪な輪郭を浮き出させている。それらが、孕まれたものたちが、ほんのわずかに、身じろぐ。
ぐじゅり…
「――――――――――――ッッッ!!!……か…は……!」
たったそれだけで、がくんと脳が揺らされるほどの激感が襲う。
子どもは必死に呼吸をしながら、自身の体を視る。
(そうだ…おれは、また、うまされるんだ……)
幼心でも、もうそれくらいわかってしまった。
ぐじゅる……ぐじゅる……
「――ひあ、……く、ぅぅ、んぁあっ……」
異形の赤子たちが、少女の媚肉を内から震わせる。
ぬぽっ……ずずず、ずぷ、ずぷぷ……
「んあっ…ぁ、あ゛っ、あ…あっ」
少女の胎内から交接器がゆっくりと退いていく。
雌洞をぬめぬめとした感触が舐める。ああ、きっと、あれが全部抜けたら、またあの「いたいこと」が襲ってくるのだと、アノスはとっくに折れ切った心を、それでもなんとか奮い立たせてみようとする。
(ぬるっ…ずるる、)肉襞を、(ちゅる、くちゅ)「ひぃ…ぃい゛ぃんっ」くまなく、余すところなく(ぬりゅ、ぬりゅ、ぬるるっ、ぴちゃ)「くぅ…ぅうんっ、ひぐぅうっ」撫ぜて、舐めて(ぬぷ、こりゅっ)こと更にゆっくりと「~~~んっいぃっ?!」じゅ……ぽ、んっ!
「かひっ…!きゅぅぅぅぅううう゛うぅ゛ぅぅう゛う゛!!」抜けた、いなくなった。少女はその瞬間、目がくらむほどのオーガズムに見舞われた。
「――――――かは、ぁ゛ああ゛っ…」
あの、おおきなものが、抜けていったあとの内部が、ぎくんっ…!ぎくんっ…!とまだ揺れている。今までと同じではないとアノスは感じる。なにかがおかしい、あのおおきなものが、なにかとてもよくないことをしていったのだ、だって、
閉じることを忘れたように、ぱっくりと花開いて、赤くそれはそれは赤く、熟れた肉果の最奥で今にもはじけそうに腫れあがった花芯がよどんだ空気にさらされている。『貪食』が“見”ているそれを、アノスは“視”せられる。
くちゅっ……
「んぅっ…」
ヒトの指くらいの太さをした赤黒い触手が数本、アノスの膣口を優しく撫ぜる。優しく、ぬるり、ぬるりと、「――はっ、ぁっ、あ、くぅうっ」これがお前の中身なのだと、教えるように。少女が目を閉じようとも、夢よりも鮮明に、彼女自身の内側が眼前に映し出されている。にゅるるっ…「ひぁっあぁ、ぁ、あっ」触手が膣内へ侵入してくる。肉窟の浅い部分を、あやすようにくにゅくにゅと愛撫し「はっ…ぅ、んぁっ、ふぅう…!」軟体をしならせ、膣壁の腫れて隆起したように見える箇所目がけて、
ぴしぃぃぃいいんっ!
「……――んぎぃっ?!」
――打擲する。
アノスの脳をアクメの雷撃が揺さぶる。視界はぶれ、けれど脳内に投影されている光景の鮮明さはすこしも揺るがない。視れば、膣内壁の数えきれないほどいたるところに、夥しい数の腫物が、ぶつぶつ、ぶつぶつと。肉洞が異常なまでに赤く見えたのはこの無数の腫物のせいか。触手たちは、もうこの先閉じるかどうかもわからない膣口を上下左右からひっぱって固定すると、腫物まみれの粘膜へ狙いをさだめ――
(だめだ、そんなこと、させたら)
「やめっ――」
アノスは咄嗟に制止しようとして
ばぢぃんっ!「――がっ……!」(びしぃぃぃいっ!!ばちゅんっ!)「んっ…!ひゃぐぅっ!ぅぅう゛うぅ゛ん!」肉鞭が容赦なく繊細な粘膜を打ち据える。(ぱあんっ!)「ぉ゛あ゛っ!!」(ぱしぃぃいっ!!)「や゛め゛ぇえ゛え゛っ!!」(どじゅっ!)凌辱された雌筒が冷酷な折檻に晒される。(ばしっ!)「ひぐぅっ!…ぅうう゛う゛ぅ!!」(ぴんっ)「ひゃぅっ…」優しく小突いて、吸い付くような一撃を加え(ばじゅぅぅぅうっ)「ひゃ゛ら゛ぁぁ゛ああ゛!」(ぱぁんっ!)「ッぁあ゛あ゛っ!」(びしっ!ばしぃっ!)「はぎぃっ!や゛あ゛あ゛っ!」(ばちんっ!)「あぐぅ゛うう゛っ…!」(ぴしぃいっ!)「や゛だあ゛ぁぁ゛っ!!!」鋭いむち打ちを繰り返す。そうしているうちに一本の触手が、ここを忘れていたというように、雌筒の最奥を、子宮口をぬるりと撫でた。「ぅあっ…やだ、そこ、や、」そして、打擲。
ばぢぃいぃいいいいいいいいいぃぃぃいいいいいんっ!!!!!
「……ッッきゃぅぅうううううぅ゛ぅぅぅ゛ううう゛うっぅ゛うう゛ううぅ゛うぅぅ゛うぅ゛ぅぅ゛う゛ぅ゛……!!!!」
アノスの股間は、絶え間ないオーガズムに雌臓を打ち据えられるせいで、失禁と見紛う量のアクメ蜜でぐっしょりと濡れそぼっている。
“処置”は成功したようだ。『貪食』はそう判断する。
雌は子宮口を愛撫され、折檻され、“痛い、痛い”と鳴いている。甘く濡れた声で鳴いている。
あの交接器がアノスの孕臓を滅多刺しにする勢いで打ち込んだのは、言わずもがな『貪食』の媚毒体液だ。
子宮の中、命の群れが、
――どくんっ
「っっ!!!???」
蠢動する。
牙は去った。けれど、深く穿たれた傷は爛れ、毒による凌辱は肉体の深部へ及ぶだろう。
どくんっ
「う゛あ゛あ゛っっ?!」
どくんっ
「や゛ぅう゛うう゛う゛っっ!!!」
毒牙に食い荒らされたアノスの孕臓一面に咲かせられた「花」は、彼女の魂を爛れ腐らせ殺しつくすかもしれないが、『貪食』は苗床に魂は必要としていないので、どうでもよいことだ。そして『花』は、今後何度でも彼女の胎内に咲き誇ることになる。
そして崩壊は、
はぜんばかりに震える子宮口を、触手がぐにぃぃ……っと開かせたことで、
ずりゅんっ
「や、だ」
あっけなく。
胴体が大人の拳ほどもある38本脚の蜘蛛が、ぶりゅんっと勢いよくまろびでてきて、「ひ、」それが出産のはじまり。姿はみな異常だがよく肥え太り(ぞりゅ!)「あっ!ぐぅぅ˝う゛っ!」(ぶじゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅっ!!!)「やぁぁぁ˝ぁああ˝ぁぁぁ˝ぁ˝ぁああぁぁ˝ぁぁあ˝あ˝あ゛っっ!!!!!」無邪気な産声を響かせて(ぐじゅじゅじゅじゅじゅじゅじゅぎちぎちぎち)新しい命が迸る「やあ˝あ˝!あ˝ぅぅ゛っ!あぅうぅ˝うぅ˝う˝!」(ぶちぶちぶちぶちぶちぶちごりゅりゅりゅりゅぶじゅるるるるるるるるる!!!)母の孕臓に爪をたて、体表をこすりつける。(ぞりゅりゅりゅるるるるる!ごりゅごりゅごりゅごりゅぐじゅぐじゅぐちぐちぐちぐち)「やぁぁああ゛ああぁ゛ぁぅぅ゛ぅうぅ゛うう゛うぅう゛うう゛!!!!」赤い「花」を踏み荒らしながら。出産が進むにつれアノスの腹は面白いくらいに小さくなっていく。繁殖部屋は、子どもたちの声で埋め尽くされる。
乳首に埋め込まれていた「栓」がぶる゛ん゛っっ!と揺れたかと思うと、う˝ぃぃいぃぃぃぃいいぃぃいぃいいいい!!!!!「んにぃぃ˝ぃっぃい˝いい゛ああ゛あ゛っっ?!!」狂暴な振動が孕み袋と化した乳房内部で爆発する。乳袋いっぱいに詰まった命がぐにゅぐにゅと蠢動しはじめる。アノスはその意味を悟ってしまう。う˝ぃ゛ぃ゛ぃぃ゛い゛い゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!!!「???!!!!や゛めろ!だめだっ!いま、だめっ!!」(ぐじゅぐじゅぐじゅぐじゅぐじゅぐじゅぐじゅぐじゅぐじゅ……じゅ)栓が(ぽ)抜かれる(ん)「や、」乳頭は、膣のようにぽっかりと、本来であればありえない赤々とした“肉穴”になり果てている。膣そのものとなった乳肉穴をかき分けて、つやつやとした蛭が生まれてくると、あとはもう堰を切ったように。(ぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅりゅりゅりゅりゅりゅぶばばばばばばばばばばばばばばばびゅるぅうううううぅぅぅぅーーーーーーーーーーーー!!!!!!びゅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!)「――――――――――――――――――――――――――!!!!!!――――――――!!!!!!!―――――――、…………………………、」乳房から蛭の幼生の群れと母乳を噴き散らしながら、子宮から多様な姿の子どもたちと愛液と子どもたちの媚毒体液をひり出しながら、アノスは気絶した。
蒼の瞳が、幼子を見つめている。
「――――――――とう、さ……ん?」
二つの
ぐち、にちち、みぢ……こりゅ、こりゅ……
へそのおくが、こそばゆい。
まよなかに、こどもがねむっている、ねどこへやってきて、くすぐっていたずらをする、
くちゅ…クチュ…かりかり、かりかり
「………ふぁ……ぁ、ん」
そんな、こびと、という、ちいさなまぞくがいるのだと、こもりのおんながはなしてきかせてくれた。
くにゅ……くちゅ……ぬぷ、じゅる、ぱちゅ、ずぷぷ……
「……ぁ……あ…ん、ん…や……やぁ……」
なぜそんなまねをするのだ、そんなにちいさいなら、とてもよわいにきまっていて、こどもにきづかれたら、ほろぼされてしまうのに、
おれが、そんなことをいったら、おんなはわらって、
ちいさいからって、よわいとはかぎらないよ、あのすぼうやだって、こんなにちいさいのに、たったひとりで、ぼうやよりずっとおおきくて、つよいまものをたおしてしまうじゃないか、
おれは、なぜだかはらがたって、それならこんやはぜったいにねてやらない、とおもったのだっけ……
ずちゅ、ぬぷ、ぬるぬる、
「……はぁ……ぁぁ……ぁ…はぁ」
へそのおくを、くすぐっていたのが、なにかがすいつくようなかんじになって、
ずりゅぅぅぅう「ひゃっ…ぁぁぁ…ぁぁぁぁ……」
ひっぱられて、
…………ぬ…………ぽんっ
「ひゃぁ゛っぁぁあ゛ああ゛あん゛っ?!!!」
アノスは嬌声を迸らせて気絶から目覚めた。
周囲には、『貪食』のこどもたち、無数の肉塊と触手が蠢いていて、生き物の内臓を思わせる様相を呈している。
それらをぼんやりと見まわしてから、アノスは自分の股間に視線を落とし、そこにあるものを不思議そうに見つめた。それは、赤い肉でできたふくろのようなものだった。形だけなら、大きな梨に見えなくもない。臍の奥にあったのは、もしかしてこれのことだろうかと、彼女はその大きな梨に似ていなくもない、赤い肉でできたふくろに、――自分自身の子宮に手を伸ばし、ちょんっ、と
「あひぃぃい゛いい゛っ?!!!」
脳天を走り抜けた甘い雷撃に少女は叫ぶ。
なぜだかわからない、激しく息をしながら、アノスは感じる、わからないが、
もとにもどされなければ、と直前の激感に怯えながらも、自身の子宮をつかもうとおそるおそる伸ばした手を、太い触手がつかまえた。
「やぁぁぁっ!」
無数の『貪食』の群れが押し迫り、アノスの両手両足をひっぱって、大の字に固定する。
「やだっ…!やだぁ˝あ˝っ…!もどさせて、もどさせてっ!」
もがこうとしても少女を拘束する肉枷はびくともしない。
彼女をあざ笑うように、触手たちは、おびえたように震える子宮をぬるぬるといじくる。
つつつ、ぬりゅ、ぬちゅっぬるぬるっこりゅこりゅ、くちゅくちゅ、
「ひぁぁあ゛あっ、あああっ!ひやあああっ、きゃぁああああぁっ」
蟲型の子どもたちは脚でつつきまわしたり(かりっ、かりっ、みちちっ)、自分が生まれてきたところはどんなところなのか興味深げに、子宮口に脚をひっかけ、いじくりまわし、みぢぃぃい……とこじ開けてのぞき込んだりする。細い胴体をつぽつぽと出し入れして、交尾の真似事をするものもいる。
「ぅあ、あ、ひぅぅ゛うっ…!ぅう、ぐぁっ…、んあああ゛ぁ゛ぁあーーーーっ!」
大蛇を思わせる交接器が近づいてきて、子宮につどうこどもたちの遊びにアクセントを加えてやろうと思ったのか、こどもたちごと、アノスの子宮をぬぷぬぷと飲み込み始める。そうして、まるで男性器をしごくように子宮をしごきはじめると、アノスはついに、顔をくしゃくしゃに歪めて、わんわん泣き出してしまう。
「うぇ˝ぇえ˝っ…あぁ˝ぁぁ˝ああぁ˝ぁんっ……うわぁぁあああ゛あ゛あぁぁん……!」
その嘆きを聞き届けるものは、どこにもいない。