扉を出ると強い光に一瞬、目を細めた。
やたらと長い廊下だ。
その長い廊下で突き当りは直角の曲がり角になっているのが見える。
特徴的なのは向かって右側。
天井も床も壁も全て切れ目のない白色なのに右の壁だけが鏡張りになっている。
曇り1つないし、見える範囲で切れ目もない。
そんな鏡にはボクと女の人が写っている。
「えっ!」
思わず周りをみるけど誰もいない。
もう一度鏡を見ると、ボクの横に立つ女の人がこちらを向いて笑顔でひらひらと手を振っている。
「彼女はミラ。見ての通りサキュバスよ」
メンデスの声が聞こえる。
サキュバス。
その単語を思い浮かべながらミラを見る。
ミラはセミロングの金髪のすごく美人な女の人だ。テレビで見る芸能人のようなはっきりとした顔立ち。でもこんなに顔が整っている人は見たことない。
無表情に見られたら威圧感すら覚えそうな顔だが、今は目尻が下がり口端をうっすらと持ち上げ頬をかすかに赤らめたとろりとした笑顔で思わずドキっとしてしまう。
身体もすごい。
真っ黒で競泳水着みたいな身体にぴっちり張り付いたレオタード。大きなおっぱいやお尻が収まりきってない。おっぱいの谷間や食い込んだお尻が丸見えだ。
そして一際目立つ翼と尻尾。
レオタードの背中部分は大きく開いていてむき出しの背中から悪魔のような黒い羽と先が矢のような形の尻尾が出ている。
カードで見たサキュバスそのままの姿がそこにあった。
「彼女の能力はね……う~ん、体験したほうが早いわね。ミラ、お願い」
その言葉がミラにも聞こえたのだろうか。
ミラは手を上げて鏡の中でぼんやりしているボクに顔を近づけ、ボクの頬にキスをした。
「うわぁ!」
その瞬間、ボクの頬にも柔らかい感触を感じて思わず声を上げる。
高鳴る心臓が止まらない。
「ミラの能力は感覚共有。鏡の中に入り、そこに映る人間に与えた刺激を現実の人間にも共有するの」
「うわっうわっうわっうわっ!」
メンデスが話している間にもミラは鏡の中のボクにチュッチュとキスの雨を降らせ、その感触がボクに伝わってくる。
柔らかな感触を感じるたびに下半身からムズムズとした感じがしてきた。
「それじゃあルール説明を始めるわね。
この廊下は一本道で曲がり角はずっと直角の右曲がり。
4回曲がればゴールよ。
制限時間は1時間。それ以内にゴールすればクリア。
距離だけなら全部で1kmもないから歩いても余裕ね♡
そしてその間ミラにはずっと鏡の中の貴方にエッチなことをしてもらう♡
あのおっぱいを押し付けたり、お尻を撫でたり、キスをする感触が貴方に伝わってくる♡
でも実際に触れているわけじゃないからミラが抱きつけば貴方の足を動かせなくなるわけじゃない♡
だから貴方には選択肢がある。
ミラを無視してすぐにゴールするか。
ゴールを諦めてミラとず~っとエッチなことをするか♡
それとも……ゴールを目指して余った時間でゆっくりミラと楽しむか♡」
生唾を飲み込む。
そう、言葉の通り1kmの距離ならボクが走れば10分もかからない。ゆっくり歩いてもその倍の20分以内には着く。
つまり40分は余裕で余るわけで……。
チラッと鏡の方を見る。
ミラと目があってすぐ目を逸らして首を振る。
余計なことは考えるな。最速でゴールするんだ。
「それじゃあこれで説明はおしまい。げ~むすた~とぉ♡」
その言葉と同時にボクは走り出す。
運動はクラスで上位ではないが並ぐらいはできる。
裸足だし床は滑るような材質ではなさそうだから転ぶことはない。
最初の曲がり角まで1/3ぐらいのところでチラリと右に目を向ける
ミラは鏡のなかのボクに着いてきている。
ボクの首にゆったりと手を回し、その黒い羽で空を飛んでいるようだ。
その顔には余裕が見られる。振り切ることは難しそうだ。
相変わらずボクの頬にキスをしてきて柔らかな感触が伝わってくるが、目を逸らして何も考えないようにする。
「ふうっ♡」
「うわぁ!」
その瞬間、予期せぬ感覚に思わず声を上げた。鏡を見るとミラはボクの耳元に唇を寄せていた。
「ふ~ぅ♡」
「ひっ」
吐息だ。ミラの吐息を右耳に感じる。
まるですぐ隣にいるような生暖かさすら伝わってくる。
「ふ~ぅ♡ふ~ぅ♡ふ~~~~~ぅ♡」
再度走り出すが先程のような速さは出ない。
耳に伝わる吐息が頭の中に直接吹き掛けられるようだ。
「ん~ちゅっ♡ちゅ~っ♡ふ~~~~~ぅ♡」
そして吐息だけでなく頬へのキスも再開される。キスの仕方も先程のような鳥がつつくような仕方ではない。頬に当たった後に吸われるような長いキス。そこに吐息攻撃も加えた波状攻撃だ。
更にボクの走るスピードは遅くなり、今じゃ駆け足だ。
それでももう少しで最初の曲がり角だ。
気を引き締め直して正面を向き、ふと気が付いた。
キスの感触も吐息の生暖かさもいつの間にか感じない。
そして曲がり角にあと10歩というところで気付く。
正面に鏡がある。
いや、先程まで右側全面が鏡だったが曲がり角以降は左側全面が鏡になっているようだ。
そして曲がりまでその鏡はボクの正面に来る訳で……
今までできるだけ目を逸らしていた鏡から目を逸らせなくなる。
そして正面の鏡に写ったボクの隣にミラがいる。
彼女はゆっくりとボクの顔にその美しい顔を近づけ……
「んっ♡んんぅ♡んちゅっ♡んふ♡」
ボクの唇にキスをした。
あまりの衝撃に曲がりきれず正面の鏡に手をついてしまう。
「ん~ん♡んぇろ♡ちゅっちゅっん~~~ちゅ♡」
その間もミラのキスは続く。
頬へのキスとは違う。唇へのキスはただ唇と唇を重ねるだけではない。
ミラの舌がボクの口の中に入り蠢いている。
歯と歯の間にねじ込まれ、口内を暴れまわる。
反射的にボクの舌でミラの舌を押し出そうとするが、ミラは巧みに舌を操りむしろ絡め取ろうとしてくる。
ボクはまともな抵抗できずただ正面の鏡に手をつき半開きになった口から溢れるヨダレも抑えられない。
このままじゃ駄目だ
子供のボクじゃ同じ土俵で争ってもミラに敵いっこない。
そもそもボクの勝利条件はゴールにたどり着くことだ。
ボクは鏡に手を付けながらゆっくりと身体の向きを変える。目の端でちょっと意外そうにしているミラが動きを止めていた。
そしてボクはまた進み始める。
チンチンが大きくなったせいで動きにくい。
ボクは少し前傾姿勢になってヒョコヒョコと情けなく走る。正直殆ど歩くようなスピードになっているけど時間的にはまだ全然余裕だ。
そうだ。ボクはゆっくりとでも進めば間に合うんだ。
「うひぃっ」
そう考えたところで、また新しい感覚が走る。左側だ。
ミラを見ると彼女は先程よりももっとボクに強くしがみついている。
彼女の大きなおっぱいはボクの左腕を挟むように押し付けられ潰れている。初めて感じる温かく柔らかい感触にボクの意識は否が応でも持っていかれてしまう。
そしてボクの左耳には先程ボクの口内を蹂躙し、溶かし尽くしたあの長く巧みな舌がねっとり這っている。
「れぇ~ろ♡ちゅぷぷ♡れうう~~♡」
吐息とはレベルが違う。湿り気とザラつきを帯びた快感が脳を焼く。
だめだ。行かなきゃ。歩かなきゃ。
「ちゅむむ♡れ~ろ♡れろれぇ~~~ろ♡」
「んぅっ♡んっ♡」
吐息が荒い。漏れ出そうな声を必死で噛み締める。
「んふふ♡むちゅ~♡んれ~~~♡」
「う、あああ♡」
そして耳穴だけではなくそれ以外の場所もミラは舐め始めた。
耳たぶ、耳裏、首筋、頬、顎下、うなじ、鎖骨。
舌が這うたびにその場所が痺れたような快感が伝わる。
ミラの舌がなめくじのように這った後、彼女のヨダレの感触まで伝わり熱を持つ。
それでもなんとか2つ目の曲がり角に到達する。
さっきのような事があれば耐えられないかもしれない。警戒したが正面に鏡はない。
どうやら次に鏡があるのは天井のようだ。
でもミラの姿は見えない。
角を曲がってもボクの位置からでは分からない。
多分彼女は今、ボクの真上にいるんだろう。でも態々確認はしない。
真上を見るとどうしても立ち止まらないと行けないしそんなことよりも一歩でも先に進む方が良い。
そうして曲がってから1/3程進んだところでそれは来た。
むぎゅ~~♡
背中に感じる2つの柔らかい感触。
先ほど左腕に押し付けられていた柔らかさの比ではない。
そしてボクのシャツ越しに感じる柔らかいものの先端。コリコリとした粒のようなもの。
「う、あああぁぁ~」
おっぱいだ。
ミラはあのレオタードを脱いで生のおっぱいをそのままボクの背中に押し付けている。
彼女の腕はボクの身体にしっかりと巻き付いている。
ボクは意味もなく体を揺らして抵抗するけど、当然鏡の中のミラには意味がない。
これまでになくチンチンが固くなる。
先っぽが動くたびにパンツに擦れて歩きにくい。
「んふふふふ♡」
彼女の声は聞こえない。でも彼女の吐息で彼女が笑っているのを感じる。
それでもまだ歩ける。
まだ進める。
もうこの直線も2/3だ。全体の半分は越えた。
時間は多分まだ20分も経っていない。
スリ♡
「んあっん♡」
スリ♡スリ♡スリ♡
「んん♡んふぅ♡」
ミラの次の攻撃が始まった。
ミラがボクの身体に回した両手。
そのほっそりとした指先がボクの乳首を擦っている。
スリスリスリ♡スリスリスリスリ♡
クリクリ♡
「んほ♡ふっふっふっ♡」
擦っていた指先は時々ボクの乳首をつまみ始める。
知らない。
こんなこと知らない。
ボクは男だ。チンチンだってある。なのにおっぱいを触られて気持ちよくなるなんて。
スリスリスリ♡ギューッ♡クリクリクリクリクリクリ♡
「うあっ♡うんんんっ♡おふっぅ♡」
乳首を擦られ、つねられる。痛みを感じたと思ったらクリクリ弄られる。
どんどん気持ちよくなってくる。
もうボクの乳首はシャツの上からでも分かるぐらい固くなって、ツンと尖っている。
でももう曲がり角だ。
この快楽も終わる。
本当に終わってもいいの?
ふと頭に浮かぶ考え。
メンデスは言っていた。時間内にゴールに到達すればいい。到達するのは余裕なんだから余った時間で気持ちよくなればいい。
今は全体の3/5。時間は30分も経っていない。なら少しだけ、数分だけ立ち止まってもいいんじゃないか。
だめだ。
すぐにその考えを消す。
この先何があるか分からない。最後のゴールまで油断しちゃだめなんだ。
早く先を進まなきゃ。
3つ目の曲がり角を通過する。
天井の鏡は途切れ、次の直線は床が鏡になっている。
踏んでみても割れる様子はないから怪我の心配は無さそうだ。
だけど先程までの天井と違い、床だとどうしても視界に入ってしまう。
ただでさえオチンチンが大きくなって前かがみにならざるを得ないからだ。
そして姿を表したミラはやはり想像通りレオタードを脱いで裸になっていた。
今ミラは少し先で全裸で寝そべるようにしてこちらに微笑みかけている。
そのあまりの美しさとエロさにボクは立ち止まって目を奪われてしまう。
大きなおっぱいはあれほど柔らかかったのに重力に負けず、先端のピンク色の乳首がツンと尖っている。
そのままミラは仰向けからうつ伏せに姿勢を変え、更にお尻を突き出すような四つん這いの姿勢になった。
すごい迫力だ。
ただでさえ大きなおしりが突き出されることで更に大きく見える。
そしておしりの真ん中の割れ目の部分からはどろりとした液がダラダラ垂れている。
初めて見たけどあれが授業で習った女性器ってやつなんだろうか。
以前テレビで見た食虫植物を思わせるグロテスクな部分に目が話せない。
お尻をこちらに向けて動かないミラに向かってボクはふらふらと歩き出した。
やがてミラのところにたどり着き、鏡の中のボクのチンチンの膨らみがミラノおしりに触れ、
「う、おおおお~~~~♡」
もう漏れ出す声を抑えられなくなった。ズボンの中でボクのチンチンが一瞬膨らんだかのように感じ、次の瞬間には熱いなにかを吹き出した。
足には力が入らない。思わず膝から崩れ落ち四つん這いになってしまう。
眼の前の鏡の中のミラが背中越しに振り返り、こちらを見て微笑み、また前を向く。
そしてミラは四つん這いでハイハイするような形で少しずつ進んでいく。
「まって♡まってぇ♡」
ボクは無心でミラを追いかける。
さっきまでとあべこべだ。さっきまでは逃げるボクをミラが追いかけていた。
今はボクが先を行くミラを追いかけている。
でももうボクはそんなこと気にならない。
ちょっとでも快感を得ようと、四つん這いでミラを追いかける。
まるで発情期にメス犬を追いかけるオス犬だ。
そして追いついたボクはまたオチンチンの膨らみをミラのお尻に擦り付け、絶頂し、また先を行くミラを追いかける。
4つ目の曲がり角に到達したとき、ボクの頭の中にあるのはゴールではなくミラのお尻しかなかった。
そして4つ目の曲がり角を越えたとき、ボクは少しだけ正気に戻った。
眼の前にあるのは鏡と、扉だ。
今までの直線とは段違いに短い距離、本の5m先に扉が、ゴールがあった。
あそこまでたどり着けばクリアできる。家に帰れる。
でもボクがもっと気になるのは鏡の方だ。
最後の直線は左右の壁、天井、床全てが鏡だ。
全ての鏡にボクが写り、
全ての鏡にミラがいる。
左右のミラがそれぞれボクの腕に抱きつく。耳に湿った感触を感じた。
天井のミラがボクの背中にしがみつく。回された手が乳首に触れられるのを感じた。
床のミラが四つん這いでボクにお尻を向けていた。後数cmでボクの膨らみに押し付けられる。
そして―――
レロレロ~♡グチュグチュグチュ♡グリュグリュグリュグリュ♡
クリクリクリ♡ギュッギュ~ッ♡クリクリクリクリクリクリクリ♡
ムニュ♡グリグリグリグリ♡グリグリグリグリグリグリグリグリ♡
「うああああああああああ♡やめ、やめてぇぇぇぇぇぇ♡」
全てが同時に動き出す。
耳の中に差し込まれ舐め尽くす舌に脳が溶け、乳首のこねくり弄る指先に甘い痺れが身体を駆け巡り、チンチンに押し付けられるお尻に自由を奪われる。
「もうだめえ♡頭がおかしくなるっ♡おかしくなるぅ♡」
そして―――
朦朧とした意識の中、
「あは♡」
口内に押し込まれる舌の感触を感じながらボクは考えるのをやめた。
第1ゲーム ミラーロード
時間切れによりゲームーオーバー。