※この作品はR-18です。

淫魔の誘惑を乗り越えて   作:ウルスラ

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白濁沼渡り(1) フィッシュセラピー

 頭に柔らかい感触を感じて目を開く。

 

 女の人の身体が視界いっぱいに広がった。

 

「…う、うわぁ!」

 

「…お目覚めですかハル様」

 

 ボクはセントールに膝枕をされていたようだ。

 

 慌てて身体を起こすと相変わらずの無表情でボクを見つめてくる。

 

「ハル様は連続射精の疲労によりゲーム後、お眠りになりました。

 

 そのまま第5ゲームの場へと移動されましたがこちらでは安眠できないと判断し、膝枕をさせて頂きました。

 

 お身体の調子はいかがでしょうか」

 

「う、うん。まだ疲れは残っているけどだいぶ回復したよ…」

 

 まだ身体には疲労感が残っている。

 

 第4ゲームであれだけの数の射精をしたのだ。

 

 睡眠により多少は回復したけど、身体の芯にダルさが残っている。

 

「第4ゲームにおいてハル様は31回の射精を行いました。

 

  魔法陣やサキュバスエキスにより精力向上を行っていましたが、想定以上の射精回数による反動で身体に負荷がかかったのでしょう。

 

 ですが、そちらも今後は改善が見込まれます。

 

「え?どういうこと?」

 

「淫紋の効果です。

 

 第4ゲームでのゲームオーバーにより追加された効果は精力向上です。

 

 こちらはゲーム中に使用した魔法陣と同様の効果となります。

 

 時間が経つにつれその効果は身体とシンクロして反動も抑えられるでしょう」

 

「シンクロ……」

 

 つまりそれは、これまでの効果も体に馴染んでいくということだろうか。

 

 性欲耐性、母乳体質、感度上昇、精力向上。

 

 ゲームが進むに連れ、ボクの身体はどんどん淫らな別の身体へと変化している。

 

 ゲームが終わることにはボクは一体どうなっているのだろうか。

 

 

「それではハル様がお目覚めになりましたので第4ゲームに引き続き、セントールが第5ゲームについて説明をさせていただきます」

 

「あれ?そういえば、メンデスの声がしない…」

 

 ゲームとゲームの間には毎回脳内に話しかけてくるメンデスが今回は無言であることにいまさら気付く。

 

「メンデス様は現在トラブルの対処中です。

 

 つきましては、セントールが代わりを務めさせていただきます」

 

「………」

 

 トラブルとは何があったんだろう。

 

 これまで得体が知れず、まるで手の届かない存在だったメンデス。

 

 もしかしたらこれが彼女の企みを崩すチャンスとなるかもしれない。

 

「トラブルって何があったの?」

 

「侵入者です。ですが既に対処は完了済みです、ご安心ください」

 

「………」

 

 侵入者ということは、彼女に敵対する相手がいるということだろうか。

 

 その人物に協力すればなにかキッカケが掴めるかもしれない。

 

 今後出会えるかどうかは分からないけど、頭の隅においておこう。

 

「それでは、第5ゲームの説明をさせていただきます。

 

 あちらを御覧ください」

 

 今ボク達がいる場所は洞窟のようにゴツゴツとした岩で囲まれた場所だ。

 

 岩肌の苔のようなものが薄っすらと輝いているおかげで、薄暗くはあるけど視界は確保できている。

 

 セントールが手を差し出した方を見る。

 

 そこにあるのは一本の棒だ。

 

 地面に突き刺さるようにまっすぐ立った棒。そこには一本のロープがくくりつけられている。

 

「どうぞ、お近づきください」

 

 セントールに即されて棒に近づく。

 

 今ボクは全裸だ。靴も履いていない。

 

 でもゴツゴツとした岩肌の上を歩いても痛みはなかった。

 

「ハルさまの身体は淫紋の効果により強化されており、傷や痛みに対する耐性が向上しています。このような場所で転倒をしても擦り傷1つ負わないでしょう」

 

「…そうなんだ…」

 

 そんな説明を聞きながら棒が立つ場所まで近づくと、漸くその先の状態がわかった。

 

 足元の岩肌は途中で途切れ、その先はなにか白い液体で見える範囲一帯が覆われている。

 

 棒にくくりつけられているロープはその液体の上に伸びていて、その先は見えない。

 

「第5ゲームはこちらの白濁沼を渡り、このロープの先にあるゴールにたどり着くことでクリアとなります」

 

「ここを…渡る…?」

 

「はい。このロープを掴んで進んでください。

 

 ご安心ください。この白濁沼は粘度が高くはあるものの人体には無害です。

 

 皮膚や粘膜への接触、飲用をしても衛生上問題はありません」

 

「これ、濁ってて底が見えないんだけどどれくらい深いのかな…」

 

「深さは最大で100cm程度です。ハル様の身長であれば最大深度の箇所でも直立すれば頭部は水面に出せます。

 

 ただし、粘度が高く滑りやすくなっておりますのでロープを掴むことを推奨します」

 

「うん、分かったよ…」

 

 白濁沼は名前の通り白く濁っている。

 

 試しに腕を入れてみたけど、水面からだと肘辺りまで浸かった指先が全くみえなくなる濃さだ。

 

 指を擦り合わせて粘度を確かめる。

 

 セントールの説明通り、ヌルヌルとした感触だ。

 

 セントールは問題ないと言っていたが沼の中で転んでしまうとこの粘度だと泳げず溺れてしまうかもしれない。

 

 ロープは手放さないようにしないと。

 

「この白濁沼には様々な生物が生息しています。

 

 それらはある時は妨害し、ある時は助けになることもあるでしょう。

 

 ゲームクリアを目指すには見極めが必要です」

 

 こんな沼に住む生き物っていうとなんだろう。魚や虫だろうか。

 

 正直そんな生き物がどう助けになるのか想像もつかない。

 

 浦島太郎の亀みたいに背中に乗せてくれるのかな。

 

「このゲームには制限時間はございません。

 

 ゲームクリア失敗の条件はハル様が意識を失うことです。

 

 このゲーム中に気を失った場合、即座にスタッフが救助いたしますので溺死の危険はありません。ご安心ください」

 

「そ、それは安心だね…」

 

 死、という単語にドキッとする。

 

 ただ彼女の言葉通りなら対策を取ってくれているそうだから心を落ち着かせる。

 

「説明は以上です。

 

 それでは第5ゲームをご堪能下さいませ」

 

 体の前で手を組み深々と礼をするセントール。

 

 正直、セントールに対する感情は複雑だ。

 

 これまでの一方的に搾取されるゲームの中で、彼女との正常位の行為は唯一癒やされたと言ってもいい。

 

 もちろんその状態でも散々精液を絞られたのは事実だが、それでも―――

 

 

「うん、いってきます。セントール、ありがとう」

 

 それでも自然と、ボクの口からはお礼の言葉が出た。

 

 その言葉を聞き、セントールが頭を上げる。

 

 その顔はこれまでの無表情と同じようで、なにか違って見えた。

 

「………ハル様、ご武運を」

 

「……いってきます」

 

 もう一度別れの言葉を告げて、ボクは進み始めた。

 

 何度か振り返ると、見えなくなるまでセントールはその場を離れず、まっすぐこちらを見つめ続けていた。

 

 

 セントールと別れて、沼を慎重に進む。

 

 沼の水位は大体膝上あたり。水底は粒子の細かい泥のようになっていて感触的に小石のようなものはない。

 

 視界が悪いから足に刺さったりぶつかるようなものがないのは助かるけどつま先が沈み込むせいで歩きにくい。

 

 セントールの言った通り体力が上がってるみたいであまり疲れないけど、生き物から逃げるのは難しそうだ。

 

「…これは、水草…かなぁ?」

 

 そして白濁沼と壁の岩肌以外にようやく変化が現れる。

 

 水面からぴょんぴょんと突き出す水草だ。

 

 少し触ってみるけど沼の水でコーティングでもされたようにぬめりがある。

 

 これなら肌が切れたりすることは無さそうだ。

 

「ここは強引に進もう」

 

 転倒防止のロープを握っているせいで進路を変えることは難しい。

 

 そのままこけないようにゆっくり進んでいく。

 

 水草は片手で払いながらできるだけ身体に触れないようにする。

 

 払った腕は多少ヌメった感触が残る程度で特に異常はない。

 

 しかし進むにつれて、進行方向に徐々に水草の数が増えていき、片腕では払いきれない数になってきた。

 

「んぅ…これ、気持ち、わるい…、んっ♡」

 

 水草の長さは様々だ。

 

 ボクの頭よりも高いものもあれば、水面から少しだけ出ている程度のものもあるがそれぞれに厄介だ。

 

「んくっ…これ…ロープがヌルヌルで…両手で持たないと危ないな…」

 

 頭より高いものはどうしてもロープに液が付着してしまう。片手では滑って手放しそうになったこともあり、今では両手でしっかりロープを掴んでいるせいで進行方向の水草は全て身体に当たってしまう。

 

「…ひゃっ、くすぐった……っ、ちくびっ、だめ…♡」

 

 頭よりも下、胸ぐらいの高さのものは先端が当たる時、どうしても腋や乳首といった敏感な場所に当たる。

 

 腋はくすぐったくて動きが止まってしまうし、乳首は今のボクは特に敏感だ。掠めるだけでゾワゾワとした快感がある。

 

「…おちんちん、ヌルヌルが付いて…っく、お尻の穴、さわさわするの、やめっ…♡」

 

 腰ぐらいの高さのものが当たると、まるでいやらしく撫でられているような感触だ。それがおちんちんや金玉、お尻の穴に当たるたびにまるで痴漢でもされているかのような気分になる。

 

 水草の刺激は弱い。だけどそれが逆に焦らされるようで快楽のとろ火でじわじわ焼かれているようだ。

 

 だけど進めないほどじゃない。

 

 そんな時遠目にあるものを発見した。

 

「あれは…亀?」

 

 ロープの順路からは逸れた場所にいたのは亀のような生き物だ。

 

 体長は2.5mぐらいだろうか。

 

 背中に背負った大きな甲羅は山のように中心のラインが尖った三角形にデコボコとしたコブのようなものが付いた形だ。

 

 水面から少し見える足はリクガメのように太く、泳ぐよりも歩くことに適している用に見える。

 

 甲羅から出ている首は長い。ここの沼の水位なら泳がなくても常に水面に頭を出せるようになっている。

 

 そんな巨大な生き物だが、穏やかそうに口をモゴモゴさせながらその場を動かない。

 

「…まあ、こっちには害は無さそうかな…」

 

 じっとしているなら態々近づく必要もない。

 

 そのままスルーして前へ進む。

 

 それ以外にも気になることがある。

 

 先程から徐々に小魚がボクの近くに集まってきて、身体をつついてくるのだ。

 

 ボクに見えるのは水面近くの魚だけだけど足の感触からして足全体をつついているような感触だ。

 

 以前テレビで見たドクターフィッシュを思い出した。

 

 身体の角質を食べる魚だ。

 

 この先は進むに連れて沼は徐々に深くなっている。

 

 なんの対策もせず進めば全身を小魚に啄まれるだろう。

 

 ボクは慎重にロープを手放し、手近な水草を掴んでみた。

 

 ヌルヌルと滑るが、両手に巻き付けて引っ張ってみる。

 

 足場が悪く力が入りにくいうえに水草は少し柔軟性があって千切れない。

 

「それなら…これで…」

 

 少しだけかがんで、できるだけ長い水草の下の方にかじりつき、ギリギリと左右に擦り動かす。

 

「…んぅ、じゃましないで……あ、きれたぁ!」

 

 かがんだ分沼の中に浸かった身体を小魚に突かれたが、なんとか水草を噛みちぎれた。

 

「これを…まずは腰に巻き付けて…ヌルヌルして結びにくいなあ…ヨシ!」

 

 噛みちぎった水草を腰にベルトのように巻き付ける。

 

「このゲームに時間制限はないんだ。この調子で頑張ろう!」

 

 そうして、何本もの水草を噛みちぎりは体に巻き付けていきついに完成した。

 

 水草の水着だ。

 

 下半身はベルトのように巻いた水草に引っ掛け、折り返して股に何本も水草を通すことで褌のようなタイプ。

 

 上半身はもっと簡単で胸の周りにグルグルと巻き付けた。

 

 水草はどれも細いせいで1本では隠しきれないから何重にもした。

 

 ヌルヌルしているおかげで着心地は悪いけど、痛みやかゆみはないからまあ及第点だ。

 

 今の状況なら十分だろう。

 

「ヨシ!これなら大丈夫!」

 

 そうして改めてロープを握り進み始める。

 

 相変わらず水草が邪魔をするがさっきまでと雲泥の差だ。

 

 水草程度の刺激なら敏感なところさえ隠せば、問題ない。

 

 やがて、沼は低くなりヘソの上あたりまで沈み始めた。

 

 その間も小魚はどんどん数を増やし、見える範囲だけでもかなりの数だ。

 

 沼の中だとボクの肌よりも小魚のほうが見える範囲が広いぐらい。

 

 それほどの数の小魚がボクの身体に口先をつんつんつつくようにまとわりつく。

 

 幸い、弱い刺激だから水草の水着の上からだと殆ど感じない。

 

「水着は問題ないみたいだ。

 

 っん♡でもそれ以外が…」

 

 水草に覆われていない箇所、特に敏感な内ももやヘソへの刺激はもどかしく感じる。

 

「…こ、こら!入っちゃダメぇ…!」

 

 それに水着の隙間に頭をねじ込んでその下に潜り込んでこようとする子もいる。

 

 鼠径部やお尻の谷間に集まる感触に焦る。

 

「早く進まないと水着が持たない…」

 

 今はなんとかなってるけど、このまま水着の中に入られたら大変だ。

 

 ボクは足を早めるけど、やっぱりヌメリと沼の抵抗で進みは遅い。

 

 それに進めば進むほど沼は深さを増していき、小魚に弄られる範囲は広くなる。

 

 そしてとうとう、胸元辺りまで浸かってしまった。

 

 小魚たちは待っていましたと言わんばかりに胸元―――乳首の辺りに集まってくる。

 

 水着があるとはいえその勢いに慌てて、両手をロープから手放して水をかき混ぜるようにして小魚を追い払う。

 

「来ちゃダメ!…っうわぁ!あぶない!」

 

 でもその動きのせいで足をすべらせてしまった。

 

 慌てて再度ロープに掴まり踏みとどまることで転ぶのは避けられたけど危なかった。

 

「…んぁっ♡しまった…足広げたせいで隙間が…ぁん♡」

 

 でもそれがまずかった。

 

 小魚たちはその隙を逃さず、下の水着にできた隙間から水着の中に入り込んできた。

 

 一匹入り込んだらそこにできた更に大きな隙間に次々と小魚たちが身体をねじ込んでくる。

 

「あ…だめ…水着で抑え付けられてるせいで…刺激がつよいよぉ♡」

 

 しかももぐりこんだ小魚は水着に押さえつけられた状態でズリズリと身体を擦り付けてくる。

 

「このままじゃ…おちんちんがおっきくなって…ああん♡どんどん入ってくる♡」

 

 そしてその刺激のせいで大きくなったボクのおちんちんに押し上げられるともはや水着は隙間だらけだ。

 

「おちんちんだけじゃない♡ああ…お尻も…乳首にもきてる…はぁぁぁん♡」

 

 そして悪循環は続く。

 

 隙間だらけの水着に入った小魚は前だけじゃなく後ろ、お尻の方にも進んで行きお尻の割れ目に、更にはその奥の穴にまで進んでいく。

 

 上の水着も、おちんちんへの刺激で乳首まで固くなったせいでできた隙間から次々と入り込んできた小魚が乳首に吸い付いてくる。

 

 ここまでくると手で追い払うことも出来ない。

 

 下手にロープを手放すと転んで、溺れかねない。

 

 ボクに出来るのはロープを掴んで快感に耐えることだけだ。

 

「ああ、あ、あ、あ、あ、いく、いく、いっちゃうぅぅ~~~~♡」

 

 そしてついにボクは小魚にイカされて射精してしまった。

 

 膝がガクガクと震え、崩れ落ちそうになるのをなんとか耐える。

 

 でもそんなボクの事情なんか関係なく小魚達の責めは続く。

 

「イったばかりだからぁ♡敏感だからもうだめぇ♡あ、あぁ~~♡」

 

 小魚たちはますます数を増やしていく。

 

 射精したばかりのおちんちんや射精の時に母乳を滲ませた乳首を特に集中的に狙ってくる。

 

 この小魚は人間の老廃物を食べる習性があるなら、精液や母乳もエサということだろうか。

 

 そんなことが頭の片隅を掠めながら、ただひたすら対応策もないまま耐え続けるボク。

 

 そんなとき、後ろの方で大きなザバァと水音がした。

 

「おぅ…♡な、なにぃ…♡」

 

 振り返るとそこにいたのはさっき見た大きな亀だ。

 

 水面から頭だけを出し、ゆっくりとこちらへ近づいてくる。

 

 ここにたどり着いたら何をされるかわからない。

 

 でも小魚に責め続けられ動けないボクには逃げることも抵抗もできず、やがて触れられるぐらいそばまできた亀はその首をチャポンと水中に沈めた。

 

「え…えっと…うわぁ!」

 

 そして亀は口を開いて舌を出しベロンとボクのお尻から背中まで舐めてきた。

 

「うわっ、うわっ、うわっ!…ってこれもしかして…食べてる?」

 

 そうして何度も舐められるうちに気付いた。

 

 背中にいた小魚の数が減っている。それにまた水面から出た亀の口はむにゅむにゅと動かして何かを咀嚼しているような素振りだ。

 

 これはチャンスだ。

 

「か、亀さん!こっちにもいっぱいいるよ!」

 

 亀さんの方に振り返り、ボクの身体前面を見せつける。

 

 そこに大量にまとわりつく小魚を見て、亀さんの目が一瞬輝いたように見えた。

 

 そして亀さんは再び頭を沈め、ベロンとボクの身体を舐め取り小魚を食べ始める。

 

「んはぁ…んおぅ…あぁん♡…亀さん、こっちも食べてぇ♡」

 

 分厚くざらついた舌で舐められ、小魚の弱く細かいものではなく雑で強い刺激に快感の声が漏れるけど今は我慢だ。

 

 水草の水着の結び目を解き、全裸になるとボクの身体にくっつく最後の小魚達が露わになる。

 

 その小魚達もすぐに舐め取られ、漸くボクは休むことが出来た。

 

 周りにいた小魚たちも天敵を前に逃げ出して、今は一匹も近くにいない。

 

「助かった…亀さんありがとう…おかげでなんとかなったよ…」

 

 亀さんにお礼を言って彼の頭や首筋を撫でる。

 

 既に口の中の小魚も食べ終わった彼はじっとこちらを見つめてくるけど、その顔からは当然感情なんかわからない。

 

「…じゃあボクは行くね。……うわぁっ!」

 

 そんな亀さんに手を振って先に進もうとするけど、まださっきの快感が残っているせいで足に力が入らない。

 

 そんなボクを見かねたのか、亀さんがボクの股に頭をつっこんで、ボクの身体をヒョイと持ち上げた。

 

 首にまたがるボクを再びじっと見る亀さんになんとなく言いたいことが伝わった。

 

「乗せてくれるってこと…かな」

 

 浦島太郎。童話のようにボクを連れて行ってくれる亀さん。

 

「…ありがとう!」

 

 ボクはロープを握り、亀さんの首から甲羅の方に移動した。

 

 甲羅は三角形のように緩やかに尖っているけど跨って斜面の部分を太ももで挟めば安定した。

 

 浮力のお陰で股に食い込むこともない。

 

 やがてボクの準備が済んだことを感じ取った亀さんはゆっくりと歩き出した。

 

「助けになってくれる生き物って君のことだったんだね…」

 

 そして固くて大きくて頼れる甲羅を撫でながら、亀さんの背に乗ってボク達は進みだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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