「が、がんばれー!皆がんばってねー!……こういう時どう声かければいいとか分かんないよ」
夏の気配も益々増していき、衣替えした制服でも日差しの強さで汗が流れる季節になっている今日この頃。私の声はグラウンドで練習している野球部員達に向かってかけられていた。
どうしてこんな事をしているのかと言われたら、クラスの武田君とその先輩である野球部の人達に頼みこまれてしまい断りきれなかったから。そんな理由しかなかった。
「えっ!?
「ああ。やってくれないか?」
「いやいや流石に無理ですよ?野球とかルールも詳しくないですし」
先日の放課後の事、たまにはゆっくりしようと荷物をまとめて帰ろうとした時、廊下で武田君に声をかけられたかと思えば一緒に来て欲しいと連れていかれ、言われるがまま後を付いて行くと武田君が所属している野球部が練習しているグラウンドへ。そして待っていたらしい部長さん達に挨拶した矢先、そんなお願いの言葉をかけられてしまった。
野球は精々ニュースや中継が流れた時にみるくらいだし、それだって打った、空振りしたくらいしか分からない私に、野球部のマネージャーなんて無理にも程があった。
「そこをなんとか!俺達このままじゃ何の彩りもないまま三年間が終わっちまうんだ!」
「お願い!君がマネやってくれたらモチベも違うから!」
「えっと、そんな事言われても無理ですって、本当に」
そもそも部員だって各学年三人ずつ、試合が出来るくらいしかいなくて、かろうじて部として成り立ってるくらいだと聞いたことがある位なのに、何でそんな弱小って言ったら失礼かもしれないけど、力が入れられてない部に私が入らなければならないのか。
そんな思いが顔に出ていたのか、必死だった先輩は更に言葉を続けていく。
「どうせ予選で負けるのは分かってる。だったらせめて女子の声援受けて頑張りたいんだよ!」
「後ろ向きすぎませんか?……でも僕なんかでいいんですか?事情は知ってると思うんですけど……」
断りの文句代わりにそう言ってみるけど、最近皆そんな事気にしなくなってるのが分かってきて、あんまり効果ないかもなぁって諦めが入ってた時点でもうダメだったんだろうなって。
結局先輩方の熱意に負けた結果、グラウンドで練習にしている皆へ声を出している姿があった。
せめてもの救いは、朝練に出たり本格的に部活の補助を頼まれたり、ひと夏丸々やるような事はなく、次の試合まで応援したり飲み物作るだけで良いってことだけ。でも先輩達だけじゃなくて、武田君を含めた二年生に後輩の一年生も口を揃えてどうせ負けるから、なんて言っているのは流石にどうなのと思った。
そんなことを思い返しながら応援の声を掛けていると、練習中もずっとチラチラ見てきていた皆が手を振ってくる。
舞い上がってる男子は可愛いなって思う様になってきたけど、私の目から見てもあんまり上手じゃないのは良くわかったし、それだけはちょっと可哀そうになる。
それでも何だかんだ楽しそうに練習に打ち込んでいる姿は、首筋に汗が流れる日差しの中で見ていく内に、私の中でちょっとくらいお手伝いしたいかもと思い始めるには十分だった。
「遥ちゃん、スポドリ貰える?」
「あ、はい。……はい、これどうぞ」
「先輩!俺にもください!」
「はーい、ちょっと待ってねー。ちゃんと全員に行きわたるから──」
練習の合間に水分補給として用意したものを渡していけば、皆それを受け取ると一気に流し込んでいった。
普段なら自分達でペットボトルとか用意してるだろうに、今日ばかりは私に注いでもらおうと、皆が皆集まって列を作る別の方向でのやる気を見せていた。
そうして集まってくると、皆の汗の匂いもより強く漂ってくる。それがまた私の中に潜んでる何かに触れてくるみたいで、そんな私の心の内なんて知らない皆は笑顔で声をかけてきながら飲み干し、休憩を終えるとまた練習に戻っていく。
「藤野、これよろしく」
「あっ、うん了解。ねぇ武田君、いつもこんな感じ?」
「いつも?うーん、どうかな」
「なんていうか……いつもよりずっと熱気が違う気がして、野球部のいつもをそんなに知ってるわけじゃないけどさ」
「まぁそれは皆浮かれてるとは思うよ」
そういう武田君の顔には苦笑いが浮かんでいた。
休憩が終わるとまた部員の皆は練習に打ち込み始め、私も応援を再開していく。
目指せ甲子園!っていうよりも、こうして集まって野球するのが目的なんだろうなと想像は付いて、それはそれでいいのかなとも思っていた。
それでも日が落ちて暗くなるまで練習に取り組んでいる姿からは、ただ楽しむだけでやっている様にも見えなかった。
今日の片付けも終えてそれぞれが帰路に付いて行く背を見送り、帰る前に一息付いていた時のことだった。
「お疲れ様」
「……あっ、はい!部長も……新井先輩もお疲れ様です」
「今日はありがとな遥ちゃん。助かったよ」
「いえそんなことは……皆頑張ってましたね。自分に出来る事なんてあれくらいですけど、それでよければ試合まで応援しますから」
「本当ありがとうな、これだけでも俺達も頑張れるよ。遥ちゃんみたいに可愛い女の子の声を聞けるのは皆嬉しいって言ってたぞ」
「可愛いだなんてそんな……」
面と向かって言われると流石に照れてしまう。
そのまま握手をされたけど、別に下心があるわけじゃなくて純粋に感謝の気持ちでしてくれているように感じて、私の方から笑顔を作ってみた。
そうしたら先輩も笑顔を返してくれたので、このお手伝いの件を受けてよかったかなって気もしてくる。
「でも、それならよかったです。先輩達も後悔の無い様に試合まで頑張って下さい」
「……ああ!」
そう言って手を離した先輩は本当にいい笑顔をしていたので、ちょっとドキッとしてしまう。こういう時の男の子ってかっこよく見えるかもしれない。そんな気持ちが少し分かってしまった。
新井先輩と一緒に校門を出て帰宅していく。先輩とは途中で別の道になったけど、一人で歩きながらも夏の風が私を包んでいて、これから本番になる季節の到来を予感させていた。
その日以降、毎日放課後に顔を出すわけでは無かったけど、私がグラウンドを訪れる日も増えていって、部員の練習の熱が上がっていくのも実感できた頃。
試合はもうすぐの所まで近づいてきていて、今日の練習も終わった後、部室の外で新井先輩が呼び掛けてきた。
「お疲れ遥ちゃん」
「あっ、部長お疲れ様です。どうかしましたか?」
着替えるため部室へ近づいてきた先輩を迎えつつ声を返していくと、それを聞いた新井先輩が私へ視線を向けて口を開いてきた。
何だか神妙な表情で思わず小さく身構えてしまったけど、先輩はそれを気にする事はなくそのまま言葉を続けてくる。
「遥ちゃんに頼みがあるんだけどさ」
「頼み、ですか?なんです?」
「ほらもうすぐ俺らの試合近いだろう?」
「はい。確か二日後にって言ってましたね」
「それで遥ちゃんからお守り欲しいんだよね。何か縁起のいいものあるといいなと思って」
「お守り、ですか……?」
それはまた急なお願いだなぁと内心で困惑してしまう。
先輩が言うには、今度の試合で負ければこれで野球生活が終わってしまうから、何かあればと考えた結果だという事だった。
いくら弱くても、最初から負けるつもりでやっているわけではないのは練習風景を見ていたから分かるし、それを思えばそういった願掛けをしておきたいのも分からなくはなかった。ただ、困った事に私はそういった縁起物とかを持っていない。
どうした物かと悩んでいると、新井先輩は申し訳なさそうにして言葉をかけてくる。
「何でもいいんだ、持ってるキーホルダーとかハンカチとか。何かこう、応援してくれてるって思えるものが有ればいいなと思ってさ」
「……だったら
「ほんとか!?」
私の言葉でパァっと表情を明るくさせる姿は、とても微笑ましいもののように見えた。
少しの間だけど真剣に練習に取り組んでいるのを見てきて、あまりやる気のなかった私もそれに絆される様に応援に力が入っていって、今もこうして私なんかの物なら何でも良いと言ってくれるその思いに何とか報いてあげたい気持ちがあった。
「それじゃ受け取って貰えますか?先輩」
そのまま先輩に身を寄せる様にしていきそっと耳打ちするように囁くと、その耳を手で押さえて赤くなっている顔でこちらを見てくる。その反応がなんだが可愛らしいと思う様な反面、雄の目をしている様にも感じられた。
部活後の部室にそのまま入っていくと、私達の他にはもう誰も居なくて静かな時間が流れている。窓から入ってくる夜の暗さと、それに紛れてしまいそうな先輩の緊張した面持ちがどこか似ている気がする。そんな先輩へゆっくり近づくと口を開いていった。
「もし嫌だったらいつでも言って──」
「全然!遥ちゃんだぞ!?むしろいいのかって俺の方が不安なくらいだ」
「あ、ありがとうございます」
先輩は顔を赤くしながら食い気味に答えてくれた。そんな風に言われてしまうと何だか嬉しくなってきて微笑むのを隠せないまま、新井先輩のチャックを下ろしながらその中にある物を取りだしていく。
そのまま床の上に正座するようにしゃがむと、既に期待で大きくなり始めていた先輩のおちんぽへと軽めなキスの挨拶。口付けた途端にビクンと跳ね上がったのに少し驚くものの、すぐに平常心を取り戻し両手を伸ばしていくと、指先を絡ませつつ扱き上げてあげる。
「っ……!」
「練習で疲れてるのにこっちは元気ですね。流石部長さん。ふぅ~……♡」
片手で竿を扱きながらもう片方の手で亀頭の撫でる様にして刺激していき、労う様に吐息を吹きかけていく。そうやっておちんぽに刺激を与えていくと、どんどん硬く、そして熱くなっていくのが見るだけじゃなくて手の中からも伝わってきていた。
先輩の声や息遣い、視線で感じる熱量で随分昂ってしまっているのが分かって、自然に口角が釣り上がりそうになるのをこらえながら先輩のおちんぽに奉仕をしていたら、早くも限界を迎えたのか、ビクビクッと小刻みな振る舞いをする度におちんぽ全体が膨れ上がってくる。
「いつでも出してくれていいですから……ね?たくさん頑張ってる先輩の事、私に労わせてください」
「ぐうっ、で、でるっ!」
私の手の中で新井先輩が達したと同時に溢れ出す精液が、私の手に振り注いで白い肌を塗り潰してくる。射精が収まりを見せるまでの間、私の手のひらは先輩が吐き出した物を受け止めきれずに零れてしまった分も含めれば、それはもうベトベトになってしまった。
手の内にある精子の多さを感じながら指を開いて眺めていき、指と指との隙間に糸が引くほどの粘っこい雄臭さに、思わず顔を近づけて鼻から空気ごと吸い込んで肺を満たすようにした後、その手をそのまま自らの口の中へと導き、口内で舐め溶き、舌の上にのせては飲み込んでいく。
それが終わったところで先輩を見上げていけば、私の行為で呆気に取られてしまったのか、口を少し開いたまま私の事を見つめていた。
「ご馳走様でした♡先輩のすっごく濃くて美味しかったですよ?」
「……っ!」
「……あの、気持ち悪かったですか?……もしそうだったならごめんなさい……」
「違う違う!そんな事無い!」
首を横に何回も振っていく先輩の姿にちょっと安心しながらもクスッと笑ってしまう。
それからもう一度おちんぽに触れていくと、既に硬さを取り戻してきていて、今の言葉に嘘がない事が良く分かった。
ブラウスのボタンを空けてブラを外し抜き取ると、先輩に差し出す様にして、ずしっとした重さを感じる胸を両手で下から支えて持ち上げていく。
先輩のゴクリと大きく唾を飲んだ音が聞こえる位の静けさの中、胸の谷間を見せる様にして上目使いで視線を送っていく。
「どうぞ……先輩♡」
それだけで私のやりたい事を理解してくれた様だった。私の両肩に手をかけながらおっぱいの間へおちんぽの先端を押しつけてくると、そのまま私が抱え持っている乳肉の間に埋めるみたいにそのまま動き始めていく。最初こそ慣れて無かったみたいでゆっくりだったけれど段々とペースアップしてきていた。まるで私のおっぱいがおまんこにされてしまったみたい。
「でかいのは知ってたけど、おっぱい柔らかすぎ……」
「ふふっ、自慢なんですよ?どうですか先輩?女の子の胸を好き放題にするって思いながら腰動かすの気持ちいいでしょ?」
私の目の前には、まるで自分の好きな玩具で遊ぶ幼子の様に、無心で腰を振り続ける新井先輩がいる。その姿に少し可笑しさも感じられる一方で、私の胸に夢中になっている事に対しての優越感もあった。
おっぱいの形が変形するほど力を込めて抱きしめることで、更なる快楽を得られるよう締め付けを与えてあげると、その刺激によって絶頂が近付いたのか、おちんぽの熱は上がっていき腰使いも速くなってくる。
「んっ、いいですよ出しちゃって……私にたくさん精液かけて下さい♡」
「あぁ……遥ちゃん、出る!」
大きな胸の膨らみに埋まった先輩のおちんぽがビクンビクンと震える度に、熱く粘ついた精液が私の体にこびり付いていく。おっぱいや鎖骨、そしてお腹にまでかかったそれは、私が指で掬ってもなお零れ落ちていった。
「いっぱい出しましたね先輩。私のおっぱい気持ちよかったですか?」
「あ、ああ!最高だった……」
「嬉しい……じゃあ最後のお掃除もしないとですね♡」
まだ硬さの残る新井先輩のおちんぽ。それに吸い寄せられるように顔を近づけると、綺麗にするために咥えていった。
舌全体を使って亀頭から根元まで舐めるようにしながらしゃぶっていけば、お掃除の最中なのにまた元気になって固さを取り戻していくそれを、とても嬉しく、そして愛おしく思うと、頬張りながら上目遣いで見上げ、視線を向けた先では私の奉仕姿を見ている先輩が気持ちよさそうにしてくれていた。
視線をおちんぽに戻し、唇も使って刺激していけば、先輩は呆気ない程簡単にまた射精に至ろうとしていた。精液が先端から吐き出されるのに合わせて、そのまま飲み下す為に喉奥へ押し当てる様にして待っていく。
「……んぐっ!……んくっ……」
口の中に溢れる精液を全て受け止めていき、それが終われば汚れを残さないよう舐めとりながら引き抜いて、唇の端についていた精液も舌先で取っては一緒に飲みこんでいった。
汚れてしまった体も綺麗にしてから身嗜みを整えていると、私の事をずっと眺めていた新井先輩もようやく我を取り戻したらしく、同じ様に服を整えていった。
「すごかった……遥ちゃん随分手慣れてたけど経験あるんだ」
「内緒ですよ?でもまぁそうですね。私、お願いされちゃったり、こういう風に誰かに頼まれる事に弱いんです」
「ん?そういえば私って言うんだな遥ちゃん」
「あはは……僕って言うの癖なんですよ以前の。今はもう私っていう方が楽っていうか、自分でも自然だと思ってるのについつい出ちゃいますね」
私自身の中ではとっくに男の子を捨てているけど学校、特にクラスの皆の前や昔の知り合いの前だとつい出てきてしまう。いつかはそんな事も無くなっていくのかな。
「ふーん……そっか、でも似合ってるよ。前も僕っ娘って感じで可愛かったけどな」
「あはは、なんですかそれ?……でもありがとうございます」
「それでさ……またお願いしてもいいかな?遥ちゃん」
目を輝かせながら言ってくる先輩に内心は苦笑いしか出てこない。
お守り代わりだったんだけどなって思っていると、それが顔にも出ていたみたいで、少し焦る様に色々言葉を付け足してくる様子を見て、私の方から提案してあげる。
「お守りはそんなに上げられませんけど、試合頑張ったら……勝てたらその時は、ね?」
「……ああ!」
最初に言っていた様にお守りの代わりになれば程度に考えていた。
それにこの約束がどうであれ、別に先輩が私の事を欲しいというのなら今すぐにしてあげたって良いんだけど、今はマネージャーなんだし、これで発奮してくれたらいいなって応援代わりにそう言っていた。
その日からは私の声援のお蔭も有ったのか、練習中も気迫が上がっていた気がするし、私が出てない日だってそうみたいだった。もしかして先輩全員に言っちゃったのかなと思ったりしたけど、聞くのは止めておいた。
うちの野球部は弱いチームだけど、今は勝つ為のモチベーションが凄く上がっていて、もしかしたらもしかするのかもしれない。そう思ってしまうくらいには本気を感じられるもので、それに水を差してしまうのも躊躇われてしまい、そのまま試合当日を迎える事になった。
夏らしい暑い空気の中、地方大会の初戦と言う事で応援する人も吹奏楽部なんかも居ない中、ベンチで私が見ている前で試合が進んでいく。
皆、練習していた甲斐あってか初回は無失点に抑え、得点も取れていた。ただ、その後は少しずつ相手を追い掛ける展開へと変わり、終盤になっても勝ち越す事が出来なかった。
最終回は相手チームが得点を入れる事は無く、私達の攻撃でツーアウト一、二塁に走者を出した所で打順が新井先輩に回ってきて、バットを持って打席へ向かって行く姿は緊張しているのがこちらにも伝わってきていた。
先輩がバッターボックスに立つも、相手も必死なのか、あっと言う間にツーナッシングとなってしまった。
それでも必死に食らい付いて、相手投手が焦ってきたのかフルカウントになった所で投げた渾身のストレートを見事捉えた音が鳴り響いて、皆が打球に釘付けになっていくと外野手がフェンス際まで下がっていき……そのグラブに納まっていった。
「あ~……もうちょっとで届いてたのに」
「あと一歩だったのになぁ……」
ベンチにいる他の部員から落胆する声が聞こえる。皆も、戻ってきた新井先輩も、悔しさで一杯の顔をしたまま整列していき三年生の夏が終わっていった。
あんなに頑張っていたんだから勝ってほしかったけど、結果は結果なのだから仕方のない事。そのまま学校に戻り最後の挨拶と打ち上げでもしようとなって、皆で揃って戻ることにした。
「それじゃ次の部長兼キャプテンは武田に任せる。頑張ってくれ」
「はい!」
顧問の先生はさっさと挨拶を終え、私達に遅くならないようにと言って帰ってしまうと、後は部員だけでこうして引継ぎと最後の打ち上げを始めていた。
皆でコンビニでジュースやお菓子などをそれぞれ持ち込んで部室でワイワイ言い始めてしまえば、それぞれが楽しみ始めていく。
「はい!って返事はしたけど来年部員が入ってこなければどうしようもないんだよな」
「そうっすよね……どうするんですか?武田先輩」
「何とかなるだろ。試合の時は誰か助っ人でも頼んでみればいいし、元々ゆるく野球楽しむだけなんだからさ俺等」
武田君と一年生の会話を耳にしながら、私も皆と一緒になって騒ぎに参加して楽しさを分かち合っていく。こんな雰囲気が嫌じゃないなって思ってるうちに時間は過ぎていき、そろそろ帰ろうかなと思っていると何だか皆がソワソワと私の方を見ている気がした。
「……?どうかしました?」
「遥ちゃん。俺達負けちゃったけどさ……その……」
代表して口を開いてきた新井先輩の言いよどむ様な言葉で、何を求めているのか分かってきた。
それは引退する三年生だけじゃなくその場の誰もが同じだったみたいで、それぞれが期待するような眼差しで私を見つめてきている。
どうしようかと武田君を見てみれば、こちらも同じ様な目をしていて、返事をする前に念のため確認を取るように内緒話をしていく。
「あのさ武田君はいいの……?皆は僕がこうなってからしか知らないだろうけどさ」
「つっても、もう藤野の前の姿なんて殆ど覚えてないしなぁ。それに一瀬達とか鈴木達にもしてるんだろ?」
「……うん。やっぱりバレてたんだ」
「そりゃまぁ……むしろ何でバレないと思ってたんだよ。別に誰と付き合ってるってわけでもないみたいだし、まぁ藤野が嫌なら別だけど」
思わぬ所で普段の私達が見られているのが分かってしまったけど、ここで断る理由もないのかなって気もしていたし、何より制汗剤の匂いに混じる皆の汗と雄の臭いが鼻に届くとそれを求めるかの様に私の体の火照りも高まっていた。
そして大きく息を一つ吸って意を決すると、スカートをたくし上げながら笑顔を浮かべて答えていった。
「えっと……皆お疲れさまでした。試合は残念だったけど、凄く頑張ってたからご褒美、あげるね?」