スッキリ過ぎる目覚めの朝、温かいお茶を飲みながらの早朝ミーティングだ。
「イリスは、蜂(ダメージ逓増)のスキル結晶について、どう思う?」
「ダメージ逓増のスキルは、同一の相手を攻撃した時に、1回目より2回目、2回目より3回目と与えるダメージが増えていくスキルです。ただ、同じ人が同じ魔物続けて攻撃しなければ、スキル効果はリセットされてしまいます。パーティ戦闘には向かないので、ソロで迷宮に入る人以外は使えないスキルだと言われています。」
「セリーが、とある秘密結社の資料室で得た情報に、ダメージ逓増のスキルの裏技がある。ソマーラの村やドワーフの村に裏技は伝承されている?」
「いえ、ユリアが知るソマーラの村の伝承は、村を出てからのミチオ様の生活が中心です。スキル結晶の話などは全く出て来ません。」
「セリー様が残した理論書『鍛冶とスキルと迷宮について』は難解だったと、イリスが子供の頃に祖母から直接聞いています。祖母が理解してドワーフの村の女達に伝承した範囲には、ダメージ逓増のスキルの裏技などありません。」
「なるほどな。セリーも、ハッキリ具体的に書き残すのは避けたのかもしれないな。セリーとミチオ君が得た情報の出所は、極めて秘匿性が高く今は言えない。今はこれが喋れる精一杯かな。」
「「「「「・・・・。内密です!」」」」」
「パーティメンバー6人全員のアクセサリーに蜂(ダメージ逓増)のスキル結晶を付ければ、どのパーティメンバーの攻撃でもダメージは増え続ける、セリーが得た裏技の情報だ。」
「もしかして・・・。 『身代わりのミサンガ』を使わず、単純に『ダメージ逓増』が付いたアクセサリーを装備するだけならデメリットにもなります。しかし、ご主人様のボーナス武器のように複数のスキルをアクセサリーに付ければ・・。融合の成功率が100%なら、(空き)が2つあるアクセサリーを用意すれば現実的に作れます。これは凄い情報です! 秘匿性が高いどころの話ではありません!」
鍛冶師のイリスが興奮するのは当然か・・。他の4人はピンと来てないようだ。
「魔物を瞬殺可能な低階層では『ダメージ逓増』のメリットは感じ難いかもしれない。しかし、高階層に進み魔物への攻撃回数が増えるほどメリットが大きくなってくる。パーティの地力の上昇以上に攻撃力が増す、まさに裏技だ。」
「アルフリーダには全て理解できてないと思いますが、秘匿性の高さはイリスさんの興奮から一目瞭然だと思います。昨日のオークションで、蜂(ダメージ逓増)のスキル結晶を複数入手したかったのは、この目的の為なんですね。」
「その通りだ。アルフリーダが6個落札してくれたから計画をスタートさせることが可能になった。感謝しているよ。」
「旦那様、という事は、(空き)が2つあるアクセサリーを集めることと、コボルトのスキル結晶を入手することが次のステップですね。」
「そうだね、エゲイラ。ただ、アクセサリーの需要は『身代わりのミサンガ』に集中している。だから、(空き)が2つあるアクセサリーを買い集めようにも、供給そのものが少ないんだ。そこで、昨日オークションで落札した『鍛冶師が残した羊皮紙の本』10冊の話になる。この中に、我々にとって有用なアクセサリーを作るレシピ情報が記載されている可能性も・・・、考えられなくは無い。だから、ギャンブルで落札してもらったんだ。」
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「次に装備についての方向性だが、前提となる話がある。昨日参加した急なオークションにて、大量のスキル結晶を獲得できた。アルフリーダ、説明して。」
「はい、昨日入手できたスキル結晶は以下の通りで、ほぼ相場の半額で入手できました。加えて我々は鍛冶師のいるパーティであり、ご主人様の能力でスキル結晶の融合成功率は100%になるとのことです。装備の強化は、単純に入手し難い高価な装備を買うのでなく、スキル結晶を中心に考えるべきです。大抵の場合、スキル融合された装備品の方が、一つ上の高価な装備品より性能や使い勝手が良いです。より高性能な装備品が必要になったら、既存のスキル融合された装備品を売って資金調達し、また融合して作れば良いのです。」
蜂(ダメージ逓増)6個
サイクロプス(攻撃力)1個
トカゲ(火) 3個
ゴーレム(土)2個
人魚(水) 2個
スライム(物理ダメージ減)1個
コウモリ(回避力)1個
牛(移動速度) 1個
灌木(麻痺) 1個
ハサミ式食虫植物(MP)1個
山羊(知力) 1個
合計:20個
「アルフリーダ、ありがとう。蜂〜人魚までの14個は、攻撃系のスキルが融合できる。スライム〜灌木までの4個は防御&支援系、ハサミ式食虫植物と山羊は魔法系だ。どちらにせよ、コボルトのスキル結晶も使って融合するので、今すぐ使う訳では無い。それに『鍛冶師が残した羊皮紙の本』から新たな装備の情報を入手できるかもしれない。何の装備に融合するかは、イリスが本を読んでから決めることにしよう。イリスはしばらくの間、迷宮探索よりも本を優先してくれ。」
「イリスしか出来ない仕事が一杯です。朝から興奮してきて体が熱いです、ご主人様ぁ!」
「鍛冶師が作れる装備品やスキル結晶の融合によっては、戦略レベルの話になるからね。当面は、オークションで落札した本からイリスが入手できた情報次第で、色々変わってくると思うよ。」
隣に座っているイリスの髪に手を入れ頭を撫でると、少し顔が赤くなってる。テレているか上気しているのかは判別できないなぁ。
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「最後にジョブの話だ。エゲイラ、何のジョブを選ぶにしても基本的にギルドに所属しなければならない、この認識で合っている?」
「所属しなければならないと言うより、ギルド神殿がなければジョブチェンジが出来ないので、結果的にギルドに所属しているのです。騎士が任命する『村長』、盗みをすると自動的に変わる『盗賊』、生まれた時から付いている『村人』が例外です。ご主人様の自由にジョブを入れ替える能力は聞いた事がありません。似ているのが『エレーヌの神殿』ですが、自由自在にジョブを変更できる訳ではなく、本人の隠れたジョブを引き出してジョブチェンジしてくれます。」
「ありがとうエゲイラ。なので、ソマーラの村人を勝手に他のジョブに変更しまくると、ギルドに目を付けられる可能性が高い気がする。面倒臭い事態は避けたい。ギルドが無いジョブとして現時点で把握しているは、淫乱と錬金術師と闘兎だ。このうち闘兎は兎人族の種族固有ジョブなので、人間族のソマーラの村の住人には関係ない。『売られる予定の娘』3人を雇うとして、ジョブはどうするのが良いだろうか?」
「旦那様が、奴隷か愛人で囲い込むなら『淫乱』の一択です。しかし昨晩にエゲイラから聞きましたが、小娘を淫乱にするのは、避妊のアクティブスキルがあまりに危険です。女達の行動によっては人間族の衰退につながってしまう、地雷程度の表現では収まりません。仮に淫乱にするとしても、十分に分別がついた大人の女性に限定し、生涯にわたって内密を誓わせることが必須条件です! 口や尻が軽い女を淫乱にすることだけは、避けねばなりません。」
「ユリアの言うことは、まさに正論だ。やはり『売られる予定の娘』3人は、錬金術師のジョブで運用するのが正解かぁ。」
「とりあえず錬金術師にして、淫乱の件は後日に判断すれば良いかと思います。ソマーラの村は人が死にすぎて、だたでさえ80人程度しかいません。村を維持するギリギリの数です。旦那様ぐらい強ければ別ですが、どっちみち男は長生きできません。男は村を守るために盗賊か魔物と戦い、女と子供を守って死ぬ生き物なんです。女の過去の思い出は上書き保存され次の男に抱かれますが、男が死にすぎて絶対的に数が足りません。なので、どっちみち30歳を過ぎた女は余るのです。淫乱にしても影響が少ない女から選別すべきだと思います。」
「エゲリアの意見は現実的だ。『淫乱にしても影響が少ない女から選別すべき』の意見にも反論の余地が無いな。」
「旦那様、ユリアも淫乱にしましょう。旦那様の愛人ですので全く影響ありません。」
「え、ユリアは村長のジョブで騎士団に任命されてるよ。」
「そんなの役所仕事なんですから、書類上でユリアが村長に登録されていれば十分なんです。ユリアが、村長の任命のスキルを使って罪を犯した村人を奴隷の身分に変えることなど、一生に数回です。普段は淫乱でいて、任命やインテリジェンスカードのチェックがある時だけ村長に戻せば問題ありません。効果やスキルがあまり違いすぎて勿体無く、ユリアを淫乱にしないのは人的資源の無駄遣いです。」
村長:体力(微上昇) 知力(微上昇) 精神(微上昇)
スキル:任命
淫乱:精神(中上昇) 知力(小上昇) MP(小上昇)
スキル:避妊 心肺持久力増強 免疫細胞強化
「でもなぁ、ユリアは速攻で孕む予定だろ。仮に現時点で妊娠してたら、エゲイラを淫乱にした時のような刺激に耐えられるだろうか?」
「ええぇ、なんか話が違う。エゲイラ、そんな心配されるほどの刺激ってなんなのぉ。」
「私が最高だったのに、より淫乱の資質があるユリアに耐えられないハズが無いでしょ。旦那様、全く問題ありません。」
「イリスはどう思う?」
「ユリアは次の生理が来れば淫乱になる、来なかったら出産する、単純な話だと思います。」
「そうだね。ユリアの件はイリスの考えが合理的でシンプルだ。この方針で行こう! 次の生理が来なかったらユリアも淫乱だね。イリスも手伝ってね。」
「かしこまりました、ご主人様。」
イリスは得意満面で、ユリアは少し不安そうで、エゲイラは満足そうだ。
「あとは、『売られる予定の娘』の話は、錬金術師の方向で考えて、面談の段取りをして。」
「かしこまりました、旦那様。」
こっちはユリアが中心に、アルフリーダと話しながら上手くやるだろう。
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「イリスからも1点、装備品の手入れについてです。」
「皮や革の装備品ですが、手入れをする時に、水でジャバジャバ洗ってはいけません。皮や革の装備品は水に弱いのです。雑巾を固く絞って、表面の汚れを拭く感じで綺麗にしましょう。表面の汚れを落としたら、パームオイルを塗り伸ばします。大量に塗るよりも、塗っては乾かして何回も重ねる方が良いです。パームオイルで十分に手入れした皮や革の装備は、長持ちするようになります。12〜22階層のドロップ品である蜜蝋を使っても良いですが、パームオイルでも同じです。」
「そうだね、装備品の手入れは大事なことだ。各自、イリスから習って自分の装備品の手入れは十分やろう。」
「ご主人様の装備品は、イリスが手入れします。時々、お預かりしますね。」
「ありがとう、イリス。お願いするよ。」
イリスは鍛冶師を出すドワーフだし、探索者をLv10まで育てた経験もある。この辺は常識的な知識なんだろう。今まで言い出す機会が無かったのかな? 時々、早朝ミーティングをやるのも良いかもしれない。
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少し早いが、日も昇っているので朝食を作ることにした。昨日のベイルの市でスパイスや調味料を色々買ったので、アルフリーダがオイルパスタにするそうだ。何故か『唐辛子』では通じなくて、『チリ』だと通じた。ちょっとしたバグかもしれないが、サポートデスクの連絡先は調べようが無い。このまま放置する。
イリスは、昨日オークションで落札した『鍛冶師が残した羊皮紙の本』を読むので、今日の迷宮はお休みだ。マッピングする人がいなくなるから、迷宮であまり前に進むのは避けた方が良い。
ベイルの迷宮の2階層のボス戦を巡回してホワイトキャタピラーと戦い、絹の糸を収集しながらレベル上げしよう。ホワイトキャタピラーは魔法で糸を吐く魔物だが、フラガラッハにも詠唱中断は付いている。オーバーホエルミングで距離を詰めてしまえば、イリスが居ない3人でも問題無く倒せる。エゲリアとフレイヤを連れて、待機部屋までワープで移動する。
ボス部屋に突入 → 物理攻撃でボスを倒す → ドロップアイテムを拾う → 3階層に出る → 待機部屋に戻り再びボス部屋に突入
この1ルーチンで7分弱だった。1時間に8回転なら余裕を持って周回できる。3時間で24回転、ボス戦で貯まる経験値は通常魔物の2.5倍とすれば、60匹を倒したのと同じ経験値が得られるハズだ。魔物が最大で2匹までしか出てこない1~2階層を歩いて、3時間で60匹の魔物を狩るのは無理だろう。3分で1匹のアベレージで魔物と会敵することは無い。
3時間『作業』を続けたら飽きた。ほぼフラガラッハの火力だけで倒しているから、エゲリアとフレイヤの二人も楽しくないっぽい。ホワイトキャタピラーのドロップする『絹の糸』も、探索者のアイテムボックスの最後の箱を使い始め、もう空き容量に乏しい。生産性向上施策が理屈通りに進まない、よくあるパターンに陥ってる。
この辺で、一旦迷宮を切り上げ、家までワープで帰ろう。昼休憩のお茶にしたい。
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「ご主人様、聞いて下さい。大当たりです! オークションで落札したのは本じゃなくて、25年もの経験を重ねた鍛冶師の研究ノートです! それもパピルスじゃなく、羊皮紙に書けるぐらいまで整理された情報です。これを十把一絡げ(じっぱひとからげ)でオークションで売るなんて、アホの所業です。25年分の鍛冶の経験が手に入ったも同然ですよ!」
イリスが大興奮しているので、145cmの細い身体を強めに抱き締め、シルクの様に細い髪を撫でる。
「うぁぁぁぁ。ビリビリしますぅ。ご主人様ぁぁ。」
「アルフリーダ、たった6万7,500ナールで鍛冶師25年分のノウハウが買えたのは大戦果だ。おめでとう!」
「こんな大当たりは、商人として一生に一度あるか無いかです。濡れちゃいそうです。」
アルフリーダの柔らかい身体を片手で強く抱きしめ、もう一方の手でスカートを捲り上げ大きなお尻を掴む。
「あぁぁ。」
アルフリーダの表情は唆る。ユリアとエゲリアとフレイヤが、羨ましそうに見つめているが、気付かなかったフリだ。
ユリアとエゲリアが台所に立って、山盛りフルーツを切ってくれた。体を動かした時にフルーツは美味しいよね。ゆっくり熱いお茶も飲んで、午後の部に出発する。『絹の糸』もアイテムボックスから全部出した。
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イリスのテンションが上がっている。
午後からは探索はベイルの3階層で、魔法戦闘モードで戦う調整だ。
【マモル】 4ジョブ(7) ワンド
キャラクター再設定(1) パーティ項目解除(1)
獲得経験値二十倍(63) 必要経験値十分の一(31)
詠唱短縮(1) ジョブ設定(1) 鑑定(1)
MP回復速度上昇(1)
合計107
探索者Lv9:体力(小上昇)
英雄Lv4:腕力HP体力MP知力精神器用敏捷(中上昇)
魔法使いLv9:知力(小上昇) MP(微上昇)
色魔Lv2:精神(中上昇) 知力(小上昇) MP(小上昇)
【イリス】 武器:槌(空き)
鍛冶師Lv5:腕力(中上昇) 体力(小上昇)
【フレイヤ】 武器:ダガー(空き)
戦士Lv3:体力(小上昇) HP(微上昇)
【エゲリア】 武器:鉄の剣
淫乱Lv2:精神(中上昇) 知力(小上昇) MP(小上昇)
3階層なので魔物は2匹までしか出ない。その上、6割方が全ての魔法に耐性が無いコボルトだ。コボルトはファイヤーボールなら一撃で煙になったが、ファイヤーストームだと耐えて誰かが一撃入れると倒れる。現状で全体攻撃魔法の威力ではギリギリ足りないが、Lvが少し上がれば全体攻撃魔法の一撃で倒せるはずだ。
全体攻撃魔法と単体攻撃魔法のどちらを撃つべきか聞いてみると「単体攻撃魔法で魔物を1匹にしてもらってから、残りの1匹を3人で囲って袋叩きにするのが安全!」とのことだった。火力的にもMP的にも一番無駄がない。1回の会敵につき単体攻撃魔法1発のペースで撃って、MPの減り具合を検証をしよう。余ったBP1は『MP回復速度上昇』に付けている。
30分ぐらい進むと「魔物が1匹の時は、魔法を撃つ必要はありません!」とエゲリアに言われてしまった。
剣で戦闘に参加する必要も無いと言ってる。個人的には楽だしMP的にも良いが、エゲリアとイリスとフレイヤの3人にしてみれば戦わないと楽しくないのだろう。4階層からは魔物が最大3匹出てくるが、全体攻撃魔法でコボルトが一撃で倒せるようになれば、ベイルの4階層を狩場にするのが経験値的にも正解かもしれない。
夕方までに、ボス部屋まで到達し、ベイルの3階層のマッピングも完了してしまった。直ぐにアイテムボックスが一杯になるので、小休憩は迷宮の小部屋でなくワープで家まで帰り、荷下ろし&水分補給する。
コボルトからはコボルトソルト(塩)かコボルトナイフ(青銅)、ボスのコボルトケンプファーからはコボルトスクロース(砂糖)かコボルトフラワー(小麦粉)が出る。コボルトナイフとコボルトフラワーは、レアアイテムだが出現確率は高い。ボスのコボルトケンプファーも3人で囲って袋叩きにすれば問題ないと言ってるが、最初に単体攻撃魔法を1発撃ち込んでおくと戦闘時間が圧倒的に短くなる。
その上、イリスとフレイヤが『魔物が湧く小部屋』も見つけてくれた。近い将来的には、かなり効率良くコボルト系のドロップアイテムを入手できそうだ。
一日の最後に、魔物が最大3匹出る4階層で戦ってみた。ソマーラの迷宮3階層で出てくるミノが、ベイルでは4階層に出て来る。
ミノLv4
コボルトLv4
グリーンキャタピラーLV4
グリーンキャタピラーは糸を吐いてくるので優先攻撃目標だ。単体ならともかく、複数魔物の中にグリーンキャタピラーがいるのは危ない。フレイヤが魔物を感じられるので、我々のパーティなら、奇襲されたり通路の両側からの挟み撃ちは無い。他のパーティはどうやっているのだろうか?
会敵して全体攻撃魔法を最大射程で1発撃つ。魔法のリキャストタイムに魔物が進んで来るが、2発目の全体攻撃魔法を撃ってから接敵する。接敵する時にはコボルトは煙になっているので、イリスがミノと正対し、エゲリアとフレイヤの二人でグリーンキャタピラーを叩く。ワンドを銅の剣に持ち替えてグリーンキャタピラーの攻撃に加わるが、2撃入れると煙になるぐらい弱っていた。あとは4人でミノを囲んで袋叩きにする。
「お疲れ、誰も直撃は受けてないよね。」
「ソマーラの迷宮の4階層より、ベイルの4階層の方が楽ですね。コボルトが旦那様の魔法で沈むのが大きいと思います。」
「イリスも、ベイルの4階層は美味しいと思います。ドロップ品も良いし、パーティのフォーメーション練習にはうってつけです。」
「てきが3しゅるいいるのがたのしいね。」
お嬢様方には、ベイルの4階層は好評だ。
春の9日