昨日はワインを飲んだが、いつも通り、夜明け前に起きられた。
酒を飲むと睡眠が浅くなるので、仕事ぐらいでしか飲まなくなって久しいが、異世界のワインはスッキリした目覚めで良かった。ドワーフの『水』を飲んだイリスは、「あの程度のアルコール度数では酔わないので、水と呼ばれてるのです。」などと言ってる。
イリスは酔っ払ってないらしいので、フレイヤの分の『皮のサイハイブーツ』を作ってもらった。これで3足目のサイハイブーツだ。今までフレイヤが履いていた『革の靴(空き)』は、お上りにして自分が履く。今まで自分が履いていた『皮の靴』は、『迷宮の淑女』商会で野菜に換える。
ベイルの迷宮も4階層に到達しているので、マッピングして迷宮地図を完成させておく。今日も、ボス部屋の発見より迷宮地図に描き起こせるマッピングを優先だ。
皮>コボルトソルト>コボルトナイフ>糸>ブランチ
ベイルの4階層は、全ての魔物がドロップ品を落とすので、レベル上げと資源収集が一石二鳥になる。。効率が良い階層だな。
【マモル】 ワンド
足装備:革の靴(空き)
4ジョブ(7) キャラクター再設定(1)
獲得経験値二十倍(63) 必要経験値十分の一(31)
詠唱短縮(1) ジョブ設定(1) 鑑定(1) ワープ(1)
MP回復速度二倍(3)
合計109
探索者Lv11:体力(小上昇)
魔法使いLv11:知力(小上昇) MP(微上昇)
英雄Lv5:腕力HP体力MP知力精神器用敏捷(中上昇)
色魔Lv4:精神(中上昇) 知力(小上昇) MP(小上昇)
【イリス】
武器 :槌(空き)
足装備:硬皮の靴(空き)
鍛冶師Lv7:腕力(中上昇) 体力(小上昇)
【フレイヤ】 皮のサイハイブーツ
武器 :ダガー(空き)
戦士Lv7:体力(小上昇) HP(微上昇)
【エゲリア】 皮のサイハイブーツ
武器 :鉄の剣
淫乱Lv4:精神(中上昇) 知力(小上昇) MP(小上昇)
ファーストジョブの探索者がLv11まで上がっているが、アイテムボックスの容量は11*11=121個、イリスが10*10=100個、二人の合計で221個までしかドロップ品が入らない。4階層で魔物が最大3匹出てくるので、相変わらず整理整頓しないと直ぐに一杯になってしまう。スキル結晶や金貨をアイテムボックスから出せばマシなんだろうが、やむを得ない。アルフリーダの探索者のレベルも直ぐに上がるだろうから、もう少しの我慢だ。
今日も昨日と同じで、全体攻撃魔法を2発撃って、イリス、フレイヤ、エゲリアの物理攻撃だ。ベイルの4階層ではコボルトが混ざる分、ソマーラの4階層より楽だ。全ての魔法が弱点のコボルトがいる時は、圧倒的に戦闘時間が短く効率的に狩れる。
単位時間あたりの戦闘回数は増えたが、MP回復速度上昇(1)→MP回復速度二倍(3)に増やしたので、たまにデュランダルを出してMP補給する間隔は、昨日と変わってない。ユリアを淫乱にしてMP(小上昇)が付けば、もう少し改善できるだろう。全体攻撃魔法でコボルトが一発で煙になるまで魔法が強化されるのも遠くないだろう。戦闘スタイルの目処が立ってきた。
2時間半ほど探索した所で、朝食に帰宅する。
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家のリビングでは、アルフリーダと村娘3人が、テーブルに朝食を並べている最中だった。
鑑定!
エマ 村人Lv3
ミラ 村人Lv3
ノラ 村人Lv3
エマ・ミラ・ノラの三人とも痩せてて、14歳にしては子供っぽい村娘だ。栄養が足りない身体は太らせよう。シャワーと石鹸も使わせよう。
「初めましてエマ、ミラ、ノラ、我が家にようこそ。主人のマモル・モノベです。」
相手は村娘で小娘だからナチュラルトークだ。怖がらせちゃ駄目だよね。
「エマです。よろしくお願いいたします。」
「ミラと申します。よろしくお願いします。」
「ノラと言います。よろしくお願いいたします。」
「うん、迷宮に行って来て腹ペコペコだし、朝食を食べながら話をしよう。」
主人が食事に手を付けないと、他の人が食べられないからな。気を使おう。ドワーフ料理のボルシチが入った皿が運ばれてくる。アルフリーダが小声で「これで、肉は全部使ってしまいました。」と教えてくれる。迷宮に、ウサギの肉を取りに行かねば。
我が家では、主人が主菜を取り分ける習慣は無い。熱いスープの入った大鍋を台所からテーブルまで移動させるなど、危なくて許容できないしね。鍋を落としたら結構な火傷するだろ。バーベーキューで塊肉を切り分けるのは主人の仕事とか、狩猟の背景は理解できなくも無い。しかし、我が家では「主人は出された食事を残さず全て食べる」だけが、美徳で唯一の習慣だ。
ボルシチと、薄切りにしてくれたパンを食べながら、イリスに目配せをする。アイコンタクトが成功して欲しい。
「皆さん、おはようございます。私はイリス、ドワーフで鍛冶師の22歳です。ご主人様の一番奴隷を拝命しています。皆さんは商会『迷宮の淑女』の社員ですが、迷宮に入ったり盗賊から自衛する為の装備品を、おいおい支給することになります。武器に希望があれば遠慮なく言って下さいね。」
「おはようございます。フレイヤ15歳です。ご主人様の奴隷です。兎人族です。ブラヒム語は勉強中です。」
「既に見知ってるでしょうが、私はエゲリア20歳、ユリアお嬢様の家令で、旦那様の愛人でもあります。旦那様はユリアお嬢様と同様に自由民で、温和で優しい方なので安心して働けます。エマ・ミラ・ノラは人間族で家人の身分ですが、ここでは他の種族や奴隷を侮ることは許されません。たとえ相手が家族でなくとも、そのような振る舞いは旦那様が最も嫌う行いです。そして、その様な者は見捨てられます。良く覚えておいて下さいね。」
今日から2〜3日は、ユリアとアルフリーダが、一通りの日常業務をエマ・ミラ・ノラに研修するそうだ。石鹸の量産は明日以降だな。水に浸けておいた柳の枝から根が出かかっているので、午後は、貯水池の周りに挿し木に行こう。人手が増えたから丁度良い。
ユリアは生理が終わったら淫乱にするので、もう村長のレベルを上げる必要は無い。エマ・ミラ・ノラの3人は錬金術師にするのだから、取得条件を満たすため順番にパーティに入れ村人Lv5にしよう。バタバタしてるし、石鹸の量産は明後日かな。3人には、ユリアから説明してもらう。最初はエマからユリアと交代してレベル上げだ。別に迷宮に連れて行かなくても、パーティ編成しとけば経験値は配分される。
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エゲリアとフレイヤの二人を連れて、ソマーラの迷宮1階層のボス周回に行く。
「フレイヤ、ラピッドラビットを狩って、ウサギの肉を取りに行くよ。エゲリアはラピッドラビットが初めてだから、フレイヤがやり方を教えてあげてね。エゲリアは、攻撃しなくて良いから最初は見学に徹して。ラピッドラビットは速いから攻撃が当たり難いんだ。」
「はい、ご主人様!」
「了解です、旦那様!」
フレイヤは、ただでさえラピッドラビットが得意だが、今日は一層嬉しそうに見える。
必要経験値十分の一(31)を武器5(31)フラガラッハに変更して、ボス戦を周回してウサギの肉を集める。フレイヤが好きな作業だ。
「エゲリアさんもやってみる?」
ウサギの肉を6枚入手した所で、場所をエゲリアに譲るらしい。
「いやその、ラピッドラビットの動きが速過ぎて反応できません。剣で叩いて旦那様の方に飛ばすなんて、無理かも。」
「あんなはやいの、フレイヤにもみえないよ。」
「エゲリア、ラピッドラビットは体当たりだけの単純な攻撃だとイリスが言ってた。剣を当てに行くんじゃなくて、剣がある所に突っ込んで来たラピッドラビットに剣を当てているだけの感覚らしいぞ。」
「あ〜、なるほど。やってみます。」
念の為、魔法使いを錬金術師に変えてメッキを掛け、ボス部屋に再突入した。
エゲイラがするする前に出る、が、剣が間に合わずにラピッドラビットに体当たりされた。フレイヤがラピッドラビットを追いかけて正対し、いつも通り打ち込み易い位置に飛ばし、フラガラッハを打ち込む。オーバーホエルミングを使ったから、一気に3発入って魔物は煙になった。
「旦那様、もう一回お願いします。なんか出来そうです。」
錬金術師を僧侶に入れ替えてエゲイラを手当し、再度、錬金術師を付けてメッキを掛ける。エゲイラは3回目でコツを掴んで、その後は外さなかった。ウサギの肉が12枚たまった所で(二人は名残惜しそうだったが)終了する。
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帝都の商人ギルドに跳んで、次の仕事だ。
ソマーラの迷宮から商人ギルドの壁まで、ワープで直接跳べる。アレックス・アシッド、略して『A・A』を探してウロウロしていると、向こうから見つけてくれた。
「アレックス殿、会えて良かった。相対取引のコボルトのスキル結晶は入手できたかな?」
「はい、万事整っております。談話室でお話しいたしましょう。」
コボルトのスキル結晶5,000ナール+アレックスの手数料500ナール=5,500ナールを支払い、取引終了。ここからは情報交換の時間だ。
「昨日得た情報だが、ベイルの町の周辺でも盗賊が出るようになった。物流が寸断されて食糧供給にも支障が出始めているな。」
「思ったより混乱が大きくなりましたから、これを口実に取り潰される貴族家が出るかもしれません
でしょう。いやー、楽しみなことです。」
『A・A』も、昨日の武器屋の主人と同じこと考えてる。この世界の定石ってことか。
「しばらくは、ちょくちょく顔を出すよ。装備品のアクセサリーが出たら見たいので、頭の片隅に置いといてくれ。」
「了解いたしました、私も情報を逃さぬよう意識しておきましょう。」
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次に、商人ギルドから冒険者ギルドまで歩くが、この辺は身なりが良い人が多い。新品の服も買っといた方が望ましいんだろうな。
クーラタルにも行っておいて、ワープで行ける場所を増やしておきたい。帝都の北にあるクーラタルは、ミチオ君が住んでいた街だ。いずれ、さらに北にあるエルフ領まで行きたいので、現時点のワープの限界も知っておいた方が望ましいだろう。
フィールドウォークで『帝都→クーラタル』は銀貨2枚で、すぐに5人集まる行先とのことだ。銀貨が勿体無いので、エゲリアとフレイヤは帝都の冒険者ギルドで待っていてもらおう。
帝都の冒険者ギルドから、クーラタル行きの定期便(=冒険者のフィールドウォーク)に乗る。
クーラタルの冒険者ギルドは、帝都ほどでは無いものの、ベイルの冒険者ギルドより遥かに規模が大きく人も沢山いた。エゲリアとフレイヤを迎えに帝都に戻り、二人を拾って折り返しでクーラタルの冒険者ギルドに戻る。まだまだMPには余裕があるな。
エゲリアとフレイヤも、クーラタルは初めてだそうだ。本当に街の中心にクーラタルの迷宮があって、人が大勢いる。確かパン屋もあって、毎朝ミチオ君は高級パンを買っていたな。ミチオ君の馴染みの金物屋は6区の顔役だったな。まだ店はあるかな?
しばらく辺りを散策してパン屋は見つかったが、金物屋は無いようだ。100年も同じ家業が続く方が珍しいか・・。中華鍋や蒸し器が欲しかったが、帝都の旧市街で探してみよう。どっち道、気化式冷蔵庫を増やすから“スーク”には近いうちに再訪するし。
念の為、クーラタルの武器屋と防具屋にも行ってみた。帝都の武器屋や防具屋と同じぐらいの品数だ。
鑑定!
店内をチェックしまくるが、(空き)が豊富で買うべき装備品は見当たらない。
最後に高級パン@30ナール、残り在庫6個全て買い、家に帰るとする。
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帰宅した時には、太陽が南中している。
クーラタル→ソマーラを2人連れて跳ぶのは、先日帝都まで5人連れて跳んだ時と、大差無いMP負荷のように感じる。膝をつく程では無いが、少しくらっと来た。
気配に敏感なフレイヤが、迎えに家から飛び出して来た。兎なのに犬っぽいな。
「イリス、帝都でコボルトのスキル結晶が入手できたから渡しておくよ。トカゲ(火)と一緒に剣に融合して、火炎剣を作りたいんだ。火炎剣が水の中でも発動すれば、お湯を沸かすのに便利だろ。やっと温水シャワーにアップグレード出来るかもしれない。イリスは今朝に『皮のサイハイブーツ』を作ったばかりだから、MPが復活して行けそうな感覚だったなら融合してみよう。」
「ご主人様、お湯を作るのにスキル融合した装備品を使うなんて、聞いた事も想像した事もありませんので楽しみです。あと迷宮地図ですが、ソマーラの4階層まで描き終えました!」
「いいね、いいね、着実に前進してる。」
イリスを膝の上に座らせ、手櫛に絹の様に細い髪を通して楽しむ。
火炎剣でお湯が上手く作れたら、QOLも大きく向上するな。銅の剣(空き)に融合してもらおう。アルフリーダに持たせれば、家で上手に使ってくれるだろう。人魚(水)のスキル結晶を武器と融合すれば、瓶に水を溜めることが出来るかな? これも、いずれは実験したいな。
ユリアとアルフリーダが、3人娘を引き連れ昼休憩に帰ってきた。エマ・ミラ・ノラは野菜と果物を抱えている。順調のようだ。
鑑定!
エマの村人がLv5まで上がってる!
あとは石鹸を作れば、エマは錬金術師が取れる。忘れないうちに、パーティメンバーからエマを外して、ミラと交代してもらおう。英雄や種族固有ジョブはLvが上がり難いが、最初期のジョブの村人は最も上がり易いのかもしれない。
クーラタルで買ってきた高級パンと果物とお茶で、お昼休憩にした。
柔らかい白いパンで美味しい。ベイルのレストランで食べたのと同じパンだ。エマ・ミラ・ノラは初めて食べたと喜んでいる。そう言えば、クララの家は白パン、ハイジは黒パンを食べていたな。
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午後からは、柳の枝を植えに行く。
ユリア・エゲリア・イリス・フレイヤの4人と、アルバイトの村人4人が一緒だ。
水に浸けていた柳の枝から根が出始めたので、村の郊外の貯水池まで持って行き、池の周囲に挿し木する。馬もロバも農作業に出して、ユリアが連れて来た村の女性のアルバイト4人と、柳の枝を担いで運ぶ。エゲリア・イリス・フレイヤの3人は、周辺警戒の役割分担だ。ユリアは、銀貨1枚で子供が成人していない40歳前後の未亡人を雇うと言う。福利厚生の意味合いが強いな。
貯水池は、窪地を少しだけ掘った単純な溜め池で、土手も流れ出る川も無い。飲料水では無く、干魃の時の農業用水にしているらしい。
貯水池の水際の地面に、ウォーターウォールで水分供給すると、土は簡単に柔らかくなる。
ユリアが、地面を鉄の剣で等間隔にブスブス刺す。剣で刺した地面の穴に、アルバイトの女性が柳の枝を挿し木していく。単純な流れ作業で、自分も何本か挿し木した。いくら柳の成長が早いと言っても、木らしい木にするには数年かかる。村で柳の樹皮が安定供給できるまでは、川沿いの群生地からの採取が頼みだろうな。
ジョブ設定!
よしよし、『農夫』のジョブが取れている。無理かとも思ったが、『柳を挿し木で増やす』で農作業認定されてる。
柳の挿し木は1時間ほどで作業終了し、ユリアとアルバイトの村人女性4人は水辺の野草採取に入っている。クレソンかな? なるほど、護衛がいる今が採取のチャンスだよね。
クレソンの収集が終わり、ユリア達5人が徒歩で村に向かって帰るのを確認して、自分とエゲリア・イリス・フレイヤの戦闘メンバーは、別行動するので別れた。
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盗賊の件があるので、パトロールを兼ね、少し徒歩で移動してみる。
異世界転生した時に目が覚めた村の郊外の小高い丘に、3人と登ってみる。雑木ばかりで、木と呼べるほど背が高い木は生えてない。村人が薪にしてしまったのだろう。辺りは麦畑と荒地だから見通しは良い。
「エゲリア、河賊を狩った時に思ったんだけど、ユリアもエゲリアも目が良いよね。どのくらいの距離まで見えるの?」
「え、特に目が良いとは思いませんが・・・、ここだと徒歩30分ぐらいの距離なら、動いてる人は見えますよ。」
「フレイヤは、どのくらいの距離まで感じられる?」
「そんなの、わかんないです。」
「ご主人様、多分ですが、エゲリアの見える範囲より、フレイヤの感じる範囲の方が広いと思います。そもそもフレイヤは見てなくて、音と震動を感知することを感じるって言ってるんです。大人数がいる集団なら、結構遠くまで感じられると思いますよ。」
「なるほどなあ。なら実験も兼ねて、盗賊の活動が活発なうちは、時々皆で丘に登ってパトロールしよう。」
何故か、3人とも嬉しそうだ。お茶を持ってくとかサンドイッチを持ってくとか言ってる。
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次はベイルの迷宮4階層だ。朝食前から始めたマッピングを完成させ、ボス部屋まで到達しておきたい。
イリスとフレイヤの探索モードに入ると、二人で話しっぱなしになる。必然的に俺の話し相手はエゲリアが多くなって、話題は、パーティの事とソマーラの村の事が半々ぐらいだ。戦闘自体も全体攻撃魔法を2発撃つだけで、あとはお嬢さん方が勝手に片付けてくれる。攻撃を受けるのも、稀にグリーンキャタピラーから糸を吐かれるぐらいだが、その時は自分も包囲に加わって先に殲滅してしまう。グリーンキャタピラーを倒すと糸も煙になって消えてしまうから、魔物の数が少ないうちは問題ない。
2時間ぐらいのマッピングで待機部屋に到着、もう迷宮地図を描けるだけ情報は集まったから、次に行って良いとイリスが言ってる。
小休憩をしてからボス戦を周回しようかとも思ったが、ミノのボスのハチノスは、ソマーラの迷宮3階層で経験している。早急にボス戦をする必要も無いだろう。ベイルの迷宮で小休止せず、家に帰って先に火炎剣を作ろう。
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「イリス、初めてのスキル結晶の融合だ、よろしく!」
銅の剣(空き)+スキル結晶(トカゲ) +スキル結晶(コボルト) =ほむらの銅剣(火炎剣)
「この組み合わせで『ほむらの銅剣』が作れるハズで、『火炎剣』のスキル効果が付く。お昼にも言ったけど、『火炎剣』の発動実験をするぞ。スキル効果でお湯が作れれば、革命的に便利になる。興奮するなぁ。」
「ご主人様は実験が大好きですよね。MPも大丈夫そうなので、行きます!」
イリスが深呼吸してから、呪文の詠唱を始めた。
「今ぞ来ませる御心(みこころ)の、言祝(ことほ)ぐ蔭(かげ)の天地(あめつち)の、スキル結晶融合!」
鑑定!
両手剣:ほむらの銅剣
「よしイリス、融合に成功だ。『ほむらの銅剣』ができてる。気分は悪くなってない?」
「大丈夫です。まだミサンガぐらいだったら作れそうな感じです。ご主人様、ワクワクしますね。さっそく実験してみましょう!」
大きめの水瓶がシャワー室に置いてある。『ほむらの銅剣』を握り、刃を水瓶に入れる。火炎剣のスキル効果はアクティブだから呪文が必要だ。実際に『ほむらの銅剣』を使うのは家に居るメンバーだし、最初だし、呪文を口に出し唱える。
「呼びかけたるは我が心、感じ現る剣の意思 奔流(ほんりゅう)、火炎剣!」
想定通り、水中でもアクティブスキルの火炎剣は発動している! 水の中でも銅剣が明るい炎に包まれている。何が酸素無しに燃焼しているのかは考えないことにしよう。炎は2分ぐらい継続した。水瓶に手を入れてみると、風呂の温度より少し熱いな。確実に40度は超えている。
「皆、成功したよ。お湯が作れた。」
シャワー室を出て場所を空ける。ユリアとイリスが入れ替わりで飛び込んできた。
「旦那様、燃料無しにお湯ですよ、これ凄いなんてレベルじゃないです!」
ユリアが興奮している。ソマーラの村は冷涼で乾燥気味の土地で、必ずしも燃料となる草木は豊富じゃない。
「初めてユリアの家に来た時から、ずっとこれが欲しかったんだ。ただ、普通の鍛冶師は作らないだろうな。イリスは融合に100%成功するけど、普通はコストが高すぎて合わない。コボルトとトカゲのスキル結晶が@5,000*2=1万ナール、装備品の空きスロットが見えないで融合するから、成功率が10回に1回とすれば、10万ナールが平均製作コストになる。金貨10枚はキツイし、武器を強化するならパッシブスキルを付けた方が使い勝手が良いよね。」
「ご主人様、フレイヤもやってみていい?」
「皆、順番にお湯を作ってみて。火炎剣は銅剣に付属したスキルだから、使用者のジョブを選ばず発動するハズだ。イリスは念の為に止めとこう、MP不足になると辛いからね。」
アクティブスキルの火炎剣が発動したことで、何か新しいジョブが取れる可能性もある。エマ・ミラ・ノラにも、順番に火炎剣を出させ練習させるよう、アルフリーダに言っておく。
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この10日、銅の剣を差料(さしりょう)として腰からぶら下げていたが、『ほむらの銅剣』は剣帯ごとアルフリーダに預けてきた。個人的には、重い剣を下げて歩くのが嫌なんだが、アルフリーダには「侮られないよう、なるべく自由民は差料を下げた方が良い。」と”わざわざ”進言された。竹光は、竹そのものが無いようだ。
5日前に討伐した河賊の剥ぎ取り品で、1本あった片手剣のシミターは、物置きに放り込んである。シミターを持ち歩こうかと持ってみたが『こんな重いの』嫌だ。片手剣だから軽いのかと誤解していたが、日本刀と同等以上に重いんじゃないの?
とりあえず、村の武器庫から適当なダガーを差料(さしりょう)として借りることにする。どのダガーも(空き)は無いので同じだろう。
ダガーは両刃の直刀の片手剣で、フレイヤが使っている。使い方のコツを聞くと、「チクチクさすだけ。」らしい。フレイヤは木の盾も装備しているが、「たては、あまりつかわない。」とも言ってる。そう言えは、フレイヤがラピッドラビットを弾き飛ばす時は、両手でシミターを握っていた。本で見たギリシャやローマの重装歩兵とは、魔物相手の戦闘だと違うスタイルになるのかも。
ソマーラの4階層のボス戦を周回する。
日の入りまでまだ時間があるので、10〜15回転はできるだろう。スパイススパイダーのドロップ品は『ペッパー』だ。アイテムボックスに入れなくても腐らないし、邪魔にもならない。
単体攻撃魔法を2発撃って、全員で包囲して袋叩きにするいつもの戦法だ。ダガーを使う練習も兼ね、今回は自分も袋叩きに参加する。スパイススパイダーの正面がイリス、後方に回り込むのがエゲリア、右側はフレイヤが通常のフォーメーションだ。
「ご主人様は、魔物の左側のポジションに入って攻撃して下さい。」
とイリスに言われた。出来る部下は良い。こうでなくっちゃ。後で褒めてやらねば。
5階層の入り口付近に、ニートアント3匹の集団がいた。水魔法が弱点なので接近戦はせずに、ウォーターストーム3発を撃って倒す。
4階層の魔物スパイスパイダーも毒を持ってはいるものの低確率で、5階層のニートアントは普通の毒持ちだ。ベイルの1階層のボス、ウドウッドが落とすリーフから作った毒消し丸があるので、5階層の探索に進んでも良いのだが、ユリアが淫乱になってから周回する。淫乱の効果に精神(中上昇) があるので、状態異常耐性が向上する。多少は毒になる確率が下がるハズだ。
このまま、ボス戦の周回を継続する。
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夕食は、ウサギ肉のシチューに、高級パンが出て来た。貯水池で採取したクレソンは『お浸し』で出て来て、酢油ドレッシングで和えている。
テーブルは6席しか無いので、エマ・ミラ・ノラの3人は給仕している。サッサと食べて席を空けないとエマ・ミラ・ノラの3人が食べられないから、食事に集中しよう。彼女達にも同じ食事を食べさせるのが基本だ。
自分がエマ・ミラ・ノラに手を付ける気は無いが、従業員が魅力的だと『迷宮の淑女』商会の業績にも好影響を与える。『美人局の成否は、女性の魅力にかかっている!』との名言を聞いたことがあるが、エマ・ミラ・ノラの3人も少し太らせて魅力的にしよう。アンダー65よりアンダー70が有利なのは、自明の理だろう。
ミラの村人がLv5になっていたので、ノラLv3と入れ替えだ。獲得経験値二十倍(63) を付けてるし、村人は基本ジョブなのでLvの上がりが早い。
エマ・ミラ・ノラの3人が夕食を食べて後片付けをしたら、彼女達の本日の業務は終了で帰宅する。村の中なら、暗くても家まで帰れると言う。とは言うものの、あまり遅くまで拘束するのもブラックなので、『食後のお茶はテーブルからソファーに移動して飲むこと』を、今日から我が家の習慣にしよう。
「アルフリーダは野菜の準備をお願い。シャワーの前に、ベイルのレストランに野菜持って行くよ。ユリアとイリスは一緒に行って運ぶのも手伝って。」
「客に出す食材は、今日までしか在庫が保たない」とシェフが言っていたのを思い出した。アルフリーダが、今日交換した野菜を木箱に詰める。
食事中のエマ・ミラ・ノラが立ち上がって手伝おうとしたが、座って食事を続けるよう止めた。アルフリーダの邪魔になるしね。「エマ・ミラ・ノラ、遠慮せずに、お腹一杯になるまで食べるんだよ。」
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ベイルのレストランの壁までワープする。
昨日と同じぐらいの野菜が入った木箱は、ドワーフのイリスが持ってくれた。店のテーブルは全て埋まっていたが、ディナータイムも終わりの時間だ。皆、デザートまで出終わっているので良かった。フロア係の奥さんが、我々に気づいた。
「ああ、また野菜を持って来てくれたんですね。マモルさん、本当にありがとうございます。もう食材がほとんど底をついて、明日は店を開けられない所でした。こんなにいっぱい・・・。お礼はどうしましょう、ユリア、どうするのが良いの?」
「そうねぇ、旦那様はお金に困ってないし・・。ツケの溜まった客が置いていった装備品があれば、見せてくれる? 旦那様は、そうゆうの好きだから。」
「それなら、3日ぐらい前に、ツケが溜まっていた冒険者が置いて行った装備品があるわ。盗賊からの戦利品だって威張ってたの。裏の倉庫に置いてあるから見てみて。」
鑑定!
腕装備:鋼鉄のガントレット(空き)(空き)(空き)
「いやいや奥さん『鋼鉄のガントレット』はぜひ譲ってほしいけど、今日持って来た野菜なんかじゃ全然釣り合いが取れない。ウサギの肉とかオリーブオイルとか要ります? 今すぐ持って来ますよ。」
「本当に、助かります。食材なら何もかも不足してるんです。何でも欲しいんです!」
「ユリア、ちょっと待ってて。イリス、一緒に家まで取りに帰るよ。」
イリスの手を取って、急ぎワープで取って返す。
「いやー興奮した。イリス、あの鋼鉄のガントレット、(空き)スロットが三つもあったよ。」
「ええぇ、急ぎましょう。奥さんの気が変わらないうちに交換しちゃいましょう。アルフリーダさーん、来て下さい。」
「アルフリーダ、ごめん。明日また取ってくるから、食材を出せるだけ出して。」
ウサギの肉、果物、オリーブオイル、ペッパー、コボルトスクロース、コボルトフラワー、レストランで使いそうな物は出し惜しみせず全部放出する。誠意が大切だ。
追加の食材を持って、トンボ帰りで、ベイルのレストランまでワープだ。
お客は皆帰っていて、店内でシェフと奥さんとユリアが歓談してた。シェフからも一通り感謝されまくる。しかし『鋼鉄のガントレット』なんて金貨で買う装備品だろう。防具屋に売る時は店頭購入価格の1/4だが、それでも食材と交換しちゃって悪い気がする。まあ、こんなに感謝されてるから良し、気にしない事にしよう。
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本日の業務は終了し、家に帰る。
思わぬところで、(空き)スロットが三つも付いた防具が入手できた。興奮冷めやらぬが、明日にして寝よう。
シャワータンク一杯までウォーターウォールで給水し、お湯を作る。火炎剣1発だとぬるま湯で、3発撃つと温水シャワーの温度まで上がる。アルフリーダで火炎剣を3連発出来るか、これも実験が必要だ。
「ご主人様、おんすいシャワーって、きもちいいね。」
シャワーでは、フレイヤが洗ってくれる。頭からの温かいシャワーは生き返るし、フレイヤが手足の毛皮を洗われている時に固まって動かないのが小動物みたい。やっぱりフレイヤは可愛いな。
生理のユリアを除いた4人を一巡する夜伽は、シャワーを浴びた順ですることになった。正常位でフレイヤ→イリス→アルフリーダの順番に膣に出し、最後はエゲリアが騎乗位で抜いてくれた。迷宮以外で色魔は外しているし、4発で十分スッキリする。
「膣に挿入したままを抱き枕にして寝たい」とエゲリアに言ってみると、少し戸惑ったようだが了承してくれる。エゲリアの身体は決して豊満では無いが、締まりは一番だ。頭を撫でながら賢者タイムに落ちていく。
春の11日