昨晩から寝室には、灯明皿の小さな火を、常夜灯として灯すことにした。
皆はまだベッドの上で寝ているが、一人でリビングに向かうと、アルフリーダも起きている。お湯を沸かす準備をしている様だ。すでに燭台の蝋燭にも火を付けていて、灯明皿よりは数倍明るい。
「おはようございます、ご主人様。暖かくなって来ましたから、朝起きるのも楽になりましたね。」
「おはよう、アルフリーダ。昨晩の親子丼は良かったよ。顔を洗って歯磨きしたら、皆が起きるまで少しイチャイチャしようか。」
背が高くて豊満なアルフリーダは、立ったまま抱きしめて楽しめるのが良い。貫頭衣の裾から巨尻を揉みながら、朝立ちをアルフリーダの下腹部に押し付ける。
「はぁ〜、お腹の熱い塊が気持ち良くて、また濡れちゃいます。ご主人様ぁ、ズボって入れちゃいませんかぁ。」
アルフリーダは口にタオルを咥え、テーブルに手を付いて、貫頭衣からお尻を突き出す。もう、入れる以外の選択肢は無い。アルフリーダの股は既に濡れていて、さしたる抵抗無く入る。立ちバックでここまでフィットするのは、背が高く、後ろ付きのアルフリーダだけだ。絡みつく膣が締まってきて、5分も保たず出してしまったが、丁寧にお掃除フェラしてくれた。
ソファーで、アルフリーダの貫頭衣を脱がして全裸に剥き、乳を揉み込んでからボディークリップを装着しておく。アルフリーダも満足した様で、しばらくの時間、全裸の柔らかい身体を撫でて楽しんだ。アルフリーダは、本当に良い女で、幸せだ。
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ところで今日は、帝都の高級服屋に『ウサギの肉50枚』を納品する日なので、少し忙しい。ラピッドラビットを、まだ40匹は狩らないと納品出来ない。朝食前の迷宮で、ソマーラの1階層のラピッドラビットを周回せねば。
あと商業ギルドに行って、アレックスと『身代わりのミサンガ』のオークション結果を話すのも今日だな。
帝都の後は、ハーフェンの漁村まで跳んで、海産物を買うか。入手した強壮剤(MP)は使ってみないと、いざって時に困る。そうだ、アルフリーダが闘兎になって皮の帽子を脱いじゃったから、頭装備も買わなきゃ。
全裸のアルフリーダが入れてくれたお茶を飲みながら、今日の予定を整理していると、他の4人も起きてきた。
「皆さん、おはようございます。今日もガンガン働きましょう!」
アルフリーダは、朝からしっかり中イキしたからか、すこぶる機嫌が良い。貫頭衣は被っているものの、さっき普通に中出ししたままの股から、不思議と精子が全く垂れて来ないのは、やっぱり名器なんだろうなぁ。
フレイヤの貫頭衣を脱がせ、ボディークリップを装着し、ソフィアに手当てを掛け、ウォーターウォールで給水する。毎朝のルーティンをやって、今日も迷宮探索が始まる。
昨晩作ってみた”ゼリー”は、気化式冷蔵庫でも固まっていた。気温が高くなるまでは、気化式冷蔵庫でも十分固まるだろうし、流石に一晩じゃ腐らないだろう。ゼリーなら、毎朝、迷宮に行く前に食べたいな。
「旦那様、ぷるぷるした食感が良いです。ユリアは、コーラルゼラチンを接着剤だとばかり思っていました。」
「ご主人様、これ”ゼリー”ですよね。伯爵家にもありました、食べるのは久しぶりです。果物をふんだんに入れると、美味しいデザートになるんですね。コボルトスクロースで甘くした高級品ですから、贅沢です。」
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朝食前の迷宮として、納品するウサギ肉目的に、ソマーラの1階層の待機部屋までワープする。
「1階層ボスのラピッドラビットは、イリスと二人だけで十分だと思う。全員で入るには勿体無いから、ソフィアは、フレイヤ・ユリア・エゲリアの4人で別行動してて。どの辺の階層が適切かな?」
「それなら、7階層のパーンを周回して、ヤギの肉を集めてるのが良いと思います。詠唱中断の武器がフレイヤとエゲリアの2本もありますから、確実に魔法がキャンセルできます。毒針も効きますし、4人で袋叩きにしますし、まず危ない事は無いでしょう。」
「了解、皆、くれぐれも気を付けて。ウサギの肉を集め終わったら、7階層の待機部屋で合流するね。」
「はい、ご主人様。では後ほど、入り組み惑う迷宮の、勇士導く糸玉の、ダンジョンウォーク!」
ソフィアの後にフレイヤ・ユリア・エゲリアが続いて、黒い扉に入っていく。
「じゃあイリス、我々もボス部屋に入ろう。最初は単体攻撃魔法で戦ってみるよ。悪いけど、ラピッドラビットが煙になるまで引き付けておいて。」
「了解です、ご主人様。ラピッドラビットは勝手に突っ込んで来るので、引き付けるのは簡単です。ご主人様は、前に出ないで下さいね。」
結果として、ダマスカスステッキを装備していても単体攻撃魔法2〜3発が必要で、ボス周回に1周5分程度かかってしまった。う〜ん、あと39回も周回するので時間が惜しい。久しぶりにフラガラッハを出して、物理戦闘に振った設定にしてみようか。決意の指輪も『攻撃力上昇』が付いてるので、聖銀のミサンガと交換しとこう。
【マモル】 革の帽子・鎧・手袋
武器 :フラガラッハ(31)
足装備:駿馬の硬革靴(移動力増強)
アクセサリー:決意の指輪(3)
4ジョブ(7) キャラクター再設定(1) 詠唱短縮(1)
獲得経験値二十倍(63) 必要経験値五分の一(15)
鑑定(1) 合計122
探索者Lv24:体力(小上昇)
魔法使いLv24:知力(小上昇) MP(微上昇)
英雄Lv13:腕力HP体力MP知力精神器用敏捷(中上昇)
剣士Lv6:腕力(小上昇) HP(微上昇)
【イリス】 革の鎧
武器 :槌(空き)
頭装備:革の帽子(空き)
腕装備:鋼鉄のガントレット(空き)(空き)(空き)
足装備:皮のサイハイブーツ(空き)
アクセサリー:指輪(空き)(空き)
鍛冶師Lv13:腕力(中上昇) 体力(小上昇)
「イリス、時短目的で、物理攻撃の設定に変更してみた。今度はフラガラッハで斬り付けるから、ラピッドラビットを斬り付け易い場所に、弾き飛ばしてくれる?」
「はい、ご主人様。ラピッドラビットを弾き飛ばすのは、イリスの得意技です。お任せ下さい。」
イリスを先頭に、再度、ボス部屋に突入する。
「ご主人様、もう少し左に展開して・・。はい、その位置です!」
イリスに突撃したラピッドラビットが、山なりでレシーブされる。空中に飛ばされれば、スピードが売りのラピッドラビットは無力だ。
「スラッシュ!」
一撃で、ラピッドラビットは煙になった。ウサギの肉を拾って、出口の2階層に上がり、再び待機部屋までダンジョンウォークで戻る。
「イリス、おかげで1周2分切るぐらいまで短縮できた。今の戦術であと38回狩ろう! イリスの絶妙なレシーブが鍵だから、よろしく頼むよ。」
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ほぼ作業になったルーチンで、ラピッドラビットを狩りまくる。魔法戦闘だとMP枯渇の問題が出てくるペースだが、剣士のスラッシュはMP消費に優しい。
ウサギの肉の在庫が50個貯まった所で、小休憩にする。ウサギのスキル結晶は出なかったが、そのうち、またソマーラの村人が持ち込むだろう。時間の問題だし、急ぐ必要も無い。
「ご主人様、今朝、アルフリーダさんに入れましたよね。彼女、朝からテンション上がってましたもん。」
「うん、イチャイチャしてたら、アルフリーダの方からお願いされたんだ。気持ち良かったよ。」
「えーと、イリスもお願いすれば、朝から入れてもらえます?」
「気持ち良かったけど、朝は時間が無いから直ぐ出さなきゃ駄目だし、アルフリーダは、皆を起こさない様にタオルを口に咥えたよ。夜に入れる方が楽しいかなぁ。あ、でも、イリスとソフィアは上付きだから、対面座位でズッポリ入るよね。そのうち、イリスでも試してみたいな。楽しみが一つ増えたよ。」
「じゃあ、ご主人様とイリスの二人だけが、早く起きた朝で。約束ですよ!」
「うん、それはそれとして、迷宮の話だけど、1階層のボスはフラガラッハの一撃で倒せたよね。良い機会だから、剣の1撃で倒せるボス魔物の限界を調べときたい。経験値的には最善じゃないけど、効率的には一撃で倒す以上のボス周回は、考え難いしね。」
「ご主人様、了解しました。実験は楽しいですよね。」
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2階層のパームバウムも、一撃で倒せた。
もちろん、剣士のスラッシュ付きでだ。ドロップ品のパームオイルは石鹸製造に使える。パームオイルの在庫は無くなっていて、最近はオリーブオイルを石鹸にしていたから、丁度良い。5匹ほど倒しておこう。
3階層のハチノスからは、スラッシュの1撃では煙にならない。
「うーん、もう限界か。ちょっと待ってて、イリス。少し調整する。」
探索者のレベルは24→25に上がり、BPが1余っていた。ワープも引っぺがし、腕力増強(2)に振って、BPを極振りする。
「イリス、もうこれ以上は無理なくらい、物理攻撃に特化してみた。もう一回ハチノスと戦うよ。」
ボス部屋に入り、ハチノスが出現する。
「スラッシュ!」
ハチノスが煙に消えた。現時点で、ボス魔物を一撃で倒すギリギリの限界点だ。限界が確認できたので、良い実験だったな。
「ご主人様、3階層のボスを一撃で倒すなんて・・。スキルやレベルと言うより、フラガラッハの威力でしょうか?」
「流石はイリス、鋭い。フラガラッハには、攻撃力5倍のスキルが付いてるんだ。その分、出すのにBPの負担があって大変なんだけどね。スキル結晶で攻撃力5倍を融合できると良いんだけど、イリスには可能かな?」
「少なくとも、イリスは聞いたことがありません。それより、攻撃力5倍の武器の話も絶対に内密ですね。そんな剣を持ってるのがバレたら、奪おうとして拉致られますよ。」
「そうだよなぁ、ボーナス装備の剣は、他の冒険者が来ないソマーラの迷宮限定にした方が無難だな。バレたら危ないよね。ともかく内密ということで。それじゃ、3階層のハチノスで、レアドロップ品のハラミ肉を1つ取ってから、ソフィア達と合流しよう。」
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7階層の待機部屋に、ダンジョンウォークで移動する。
ボス部屋の扉は閉まってるから、ソフィア達は戦闘中だな。合流したら、朝食まで13階層の探索をするか。今のうちに、魔法戦闘用の設定に戻しておかねば。
「ご主人様ぁ〜。おまたせ〜!」
ダンジョンウォークの黒い扉から、今回も、フレイヤが先頭で飛び出して来た。
「フレイヤ、階層が違っても話し声とか聞こえるの?」
「声は聞こえないよ。ボス部屋で戦ってる時、ご主人様の気配を感じただけ。」
気配って何だろうな? 兎人族の嗅覚と視力は、人間族やドワーフと大差無いって、アルフリーダが言ってた。そうじゃない気配って、感覚の世界の話は理解するのが難しいよ。フレイヤの気配察知をマッピングに利用してるイリスは、どんな感じに理解してるんだろう?
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合流後、13階層に6人全員で移動する。
「じゃあ皆、朝食まで1時間ぐらい、13階層の探索をするよ。イリス・フレイヤ、マッピングを宜しくね。」
「「了解です、ご主人様!」」
マッピングをしながらでの迷宮探索モードでは、ご主人様の役割は移動砲台だ。一番奴隷のイリスの言う通りに魔法を放つだけのお仕事で、あまり考える必要が無い。進む方向も、イリスに決めさせている。13階層のラブシュラブは、迷宮素材の『板』を落とす。使える階層なので、しっかりマッピングしてもらおう。
13階層のラブシュラブは火魔法が弱点、12階層のクラムシェルは火魔法に耐性があるが土魔法が弱点、出会う魔物の集団によって、火魔法か土魔法かを選択する必要がある。まあ、即座にソフィアが指示してくれるから、何も考えず従ってるのが実情だ。最後まで残る魔物は、ソフィアが抑える担当になってる。MPもタップリ残ってるし、魔法は指示通りに撃ちまくって、大丈夫だな。
「ご主人様、少し怪しい構造ですね。魔物部屋はこの辺です。注意して付いて来て下さいね。」
はい、そうだね。何にせよマッピングしながらの迷宮探索は、イリスに付いて行くか、ワープで帰るか、ご主人様もその程度の選択肢しか持ってない。突き当たりを左に曲がった頃から、お嬢様方が活発に叫び出す。
「フレイヤ、5メートル進んだら『鋭敏』を発動して探ってみて!」
「イリス、その先の壁の中から、魔物がワナワナする感じ! 魔物部屋だね。」
イリスとフレイヤのマッピング会話も、ブラヒム語の比率が増えて来た。そんなこと言ってたんだね。
「ご主人様、と言う訳で、壁は危ないですから触っちゃ駄目ですよ。この先に小部屋があると思います。そろそろ時間ですし、小部屋をワープやダンジョンウォークの出口ポイントに設定して、朝食に帰りましょう!」
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ソマーラの迷宮からは、時々、あえて歩いて村まで帰っている。
村人も迷宮に通うようになってるので、直線距離で『踏み分け道』になるよう、強引に誘導している。邪魔な岩は、ファイヤーボールで加熱しウォーターボールで急冷して脆くしとく。窪地は、サンドウォールで埋めてしまう。草薮は、村人でも薙ぎ払って歩いてるので、デュランダルの出番は少ない。フラットで1kmなら徒歩10分になるので、ついで作業で整備できる範囲で、チマチマ作業しとこう。
フレイヤとアルフリーダの感覚を使った”おしゃべり”は、ソマーラの迷宮からなら、帰る時と場所が固定されてるから、上手く繋がる様になって来た。継続は力なりで、練習しておくべきかな。これから、朝食のシューマ焼きを焼き始めると、アルフリーダが言ってるらしい。フレイヤは、村の周囲に盗賊の気配は感じないと言っている。
帰宅した頃には、ほぼ朝食の準備ができていた。
3日目のパンは、もう硬くなってるので、スープに浸して食べる。今朝も春の味覚、アスパラガスを焼いてくれたので幸せだ。ただ、ソマーラ村のお嬢様方にとっては当たり前の野菜で、たいして有難い食べ物では無いらしい。まあ今日は忙しいし、気にせず食べよう。
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朝食後は、ワープでの長距離移動の日だ。
イリスとアルフリーダを伴い、先に帝都の図書館に行くつもりだ。帝都の後にはハーフェンの漁村にも行く予定なので、アルフリーダは、リュックに桶を二つ詰めている。イリスは図書館の用意で、ノートと筆記用具をリュックに詰めている。
迷宮探索じゃないので、経験値系を諦め、BP64も使う”MP回復速度二十倍”に付け替えておこう。
図書館のロビーに、家から直接ワープで出るが、朝だからか、図書館のロビーは混んでるな。デポジットの金貨1枚は、イリスのアイテムボックスにある金貨を使ってもらおう。
「イリス、お昼頃、ロビーに迎えに来るよ。お小遣いに銀貨5枚を渡しておくから、自由に使って。」
「ありがとうございます、ご主人様。良い情報を見つけるよう、頑張りますね。」
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次は、高級服屋の裏口の壁に、図書館のロビーからワープで移動だ。
「おはようございます。ウサギ肉の納品に来ました。ちゃんと50枚、揃いましたよ。量があるけど、どこに出しましょう?」
「おはようございます、マモル様。本当に助かります。大き目のトレーを用意しましたので、5枚ずつ乗せていただけますか。」
初老の店員と気楽な会話をして、いつもの女性店員や、貫頭衣を担当したマダムとも挨拶する。アイテムボックスから、50枚のウサギの肉を出すのが少し面倒だが、しょうがない。
「マダム、オーダーデザインの貫頭衣の件だけど、そこにいるアルフリーダの分から順番に作ってみようと思うんだ。彼女と、デザインを話してもらえるかな。マダムのセンスは素晴らしいから、良い物が作れると期待してるよ。それと、うちの奴隷は4人いるんだけど、ウサギの肉50枚で、オーダーデザインの貫頭衣は作れるかな?」
「いえいえ、それじゃ当店がもらい過ぎです。そうですね、オーダーデザインのキャミソールドレスも、お二人分作られてはいかがでしょう? 女性は、部屋着といえど、服は何枚あっても喜ぶものです。」
「なるほど、では今回のウサギの肉50枚は、6人分のオーダーデザインと交換としよう。あと、次回5日後の納品は、どの程度の量が必要かな?」
「ほぼ間違いなく、貴族家はウサギの肉を欲しがるでしょう。30枚ほど用意可能でしょうか? あと、ウサギの毛皮も100枚欲しいのですが・・。」
「用意するのは別に問題ないが、もう季節が暖かくなったのに、ウサギの毛皮は何に使うのだ?」
「毛皮のコートの季節は終わりまして、今はショールが売れる時期です。貴族の御婦人は、普段から肩を出す服ですから、ショールは欠かせず、軽いウサギの毛皮が好まれるのです。もう少し暖かくなったら、絹のショールに売れ筋が変わりますね。」
「なるほど、需要とは、知らない所にあるものですね。了解しました、次の納品日は春の30日ですから、頑張って用意しましょう。」
「ご主人様、オーダーデザインの貫頭衣なんですが、大体、イメージは伝えました。うふ、凄いの作れそうで楽しみです。次回の納品には、ソフィアも連れて来ましょうね。彼女も、凄いの作ると思いますよ。」
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再び店の裏口から出て、次は商人ギルドのロビーにワープだ。
「アルフリーダ、帝都の商人ギルドは景気が良いよね。人がワラワラいるよ。」
「そうですね。何かオークションで出物があるのかもしれません。下見部屋に見に行っていましょうか。」
これかな、オリハルコンの剣、エストック、オリハルコンの槍が出品されてる。
鑑定!
鑑定!
鑑定!
どれも、(空き)スロットは付いてない。不要だな。アルフリーダに向けて首を振る。
「そうですか。それじゃ、アレックスの気配を探しましょう。人が多いですけど、何とかなる気がします。」
アルフリーダは、じっと耳がピクピクしてる。鋭敏のスキルを発動したみたいだが、いつもより集中してるな。180秒固まってた後、耳元で小声で教えてくれた。
「ご主人様、喜んで大声を出しちゃ駄目ですよ。ここ、宝の山です。鋭敏のスキルを発動すると聞こえちゃいます。うふふ、凄くないです?」
「アルフリーダ、やばい、嬉しくて飛び上がりそうだ。落ち着かなきゃ。これは凄いぞ!」
「アレックスは商談してますね。次は、ロビーに場所を移しましょう。うふふ。」
丁度、ロビーの長椅子が空いて、二人で座れる。アルフリーダの耳がピクピクし始めた。
「うふふ、ご主人様、情報量が凄いですよ。後で整理してお伝えしますね。あ〜、興奮して濡れちゃいそうです。」
しばらくアルフリーダと二人でマッタリしてると、アレックスがロビーに現れ、見送りをしている。うん、来客は終わった様だな。アルフリーダと二人で長椅子から立ち上がり、『やあ!」とアレックスに声掛けする。
「おはようございます、マモル様。いらっしゃる頃だと思ってました。談話室を取ってありますので、どうぞ、こちらへ。」
アレックスが、商人ギルドのカウンターの女性と、アイコンタクトをしてるな。お茶の用意だろう。
「今日も商人ギルドは賑わってるね。景気が良さそうで、何よりだ。」
「おかげ様でと言いたい所ですが、貴族家の換金売りなんですよ。盗賊対策や帝都での生活費に充てる資金を、オークションで売って捻出してるんです。前向きな需要が強い訳じゃないですね。」
「アレックスさん、下見部屋に出ていたオリハルコンの武器も、帝室が持ち込んだって噂を耳にしましたが・・。」
「ああ、あれはパーティ費用の捻出ですね。帝都に貴族の家族が集まって来てますから、やんごとなき奥様方はパーティに忙しいのです。同じドレスを、何度も着回す訳にはいきませんしね。」
アルフリーダ、ナイスだ! そうか、ショールで雰囲気を変えるのは、むしろ窮余の策なんだ。しばらくは、ウサギの毛皮の需要も大丈夫だな。
「なるほど、高貴な方々も大変だね。ところで、オークションに出品した『身代わりのミサンガ』の件だが、どうなった?」
「はい、前回と同額で、史上最高額の8万4,000ナールの落札となりました。落札相手も仲買人なのですが、オークションが終わった後に声をかけられまして、もっと欲しいと・・。『身代わりのミサンガ』の買い占め窓口をやってる感じでしたね。」
「ほう、興味深い情報だな。アレックス殿は、引き続き、慎重に対応して欲しい。コボルトのスキル結晶の方はどうなってる?」
「はい、4,900ナールで、三つ落札しました。コボルトのスキル結晶については、積極的に競ってくる仲買人はいませんね。」
「そうか、引き続き、コボルトのスキル結晶は4,900ナールで買ってくれ。アルフリーダ、精算を頼む。」
身代わりのミサンガ +8万4,000ナール
手数料 ▲500ナール
コボルトのスキル結晶▲4,900ナール*3=▲14,700ナール
手数料 ▲500ナール*3=▲1,500ナール
合計 +6万7,300ナール
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アレックスとは、商人ギルドのロビーで別れる。
「ご主人様、次はボーデの街です。」
あれ、アルフリーダ、予定ではハーフェンの漁村に行く筈だったけど・・。何かあるんだろうから、何も言わず従っておこうか。
「うん、分かった。ハルツ公爵領の中心都市のボーデだね。」
商人ギルドの壁から、ボーデの冒険者ギルドまで、ワープで跳ぶ。
「ご主人様、ありがとうございます。ボーデの防具屋に行きたいんですけど・・。」
「それなら、冒険者ギルドから歩いて2〜3分だったな。フレイヤのボディークリップを買った店だから、覚えてるよ。北の街だから寒いし、手を繋いで歩こうか。」
「デートみたいで楽しいですね。商人ギルドで耳に入ったんですが、エルフの貴族家から”まとめ売り”が出たらしいですよ。エルフ貴族は裕福ですから、期待出来るかもしれません。」
なるほど、耳に入ったって恐ろしい。これも内密にしないと、拉致られる能力だろう。さて、防具屋の方から行こうかな。
「ご主人、また来たよ。」
「おやおや、10日ほど前にボディークリップをお買い上げになられたお客様ですね。今日はどの様な品をお求めでしょう?」
「なに、目的の品は無いのだが、さる貴族家の方から”まとめ売り”が出たと耳に挟んだのでね。こちらの方に来る用事があったものだから、ついでに寄ってみたんだ。」
「それはそれは、耳が早いですねぇ。さるエルフの貴族家が、侍女と女官の装備品をリニューアルしまして、古い装備品を、手前どもの店に放出されたのです。ついさっき、店内に出したばかりですから、ご覧になって下さい。」
ほとんどが普通の防具だが、頭装備コーナーに、見慣れない品があった。
鑑定!
硬革のカチューシャ(空き)
硬革のカチューシャ
硬革のカチューシャ
硬革のカチューシャ
硬革のカチューシャ
硬革のカチューシャ(空き)(空き)
「ご主人、これは初めて見る品だが、何だろうか?」
「はい、これは『硬革のカチューシャ』と言います。防御力自体は、『硬革の帽子』と『革の帽子』の中間ほどですが、エルフ族は耳が敏感な種族でして帽子が気になる方も多く、特にエルフ女性に好まれる装備品ですね。アクセサリーにボディークリップを使ってるエルフ女性だと、芋虫のスキル結晶を融合したカチューシャを求められることが定番です。お値段は、2,500ナール頂戴しています。」
「参考になる話も聞かせてもらい、為になった。後ろの兎人族の女性も耳が敏感で、帽子装備が苦手なんだ。『硬革のカチューシャ』は二つ買わせてもらおう。ご主人、右端と左端の品を出してくれ。アルフリーダ、お支払いをお願い。」
硬革の帽子は、推定2,000ナール程度だから少し高い。まあ、一般的な品じゃないし、貴族家からの放出品というストーリーが付随してる分のプレミアだと考えよう。これ、竜革が入手出来たら、イリスが『竜革のカチューシャ』を作れるんじゃ?
早速、アルフリーダに、硬革のカチューシャ(空き)(空き)を装備させる。カチューシャと言っても、幅広のヘアバンドの様なデザインで、街中で装着してても違和感が無い。ああそれで、侍女や女官が装備品にしてるのか。
防具屋の主人が言うには、今回の放出は防具だけで、武器の放出は無かったそうだ。「また来るよ。」と店主に言い、店を後にした。
アルフリーダと手を繋ぎ、デート歩きでボーデの街を探索する。半分以上はエルフで、次に猫人族が多い感じか。
「アルフリーダ、カチューシャが似合うな。着け心地はどう?」
「これなら、帽子の装備品とは違って、耳の感覚が邪魔されません。鋭敏を発動させれば、聴き放題です。」
「フレイヤにも、鋭敏で聴き放題になることは、絶対に内密だと言っとかなきゃなぁ。」
「そうですね。フレイヤは、もっとスパルタで学習させましょう。少なくともブラヒム語は、ネイティブ並みに操れないと、宝の持ち腐れになりますから。アルフリーダは、ドワーフ語も勉強しますね。バーナ語・ブラヒム語・人間語・ドワーフ語のクァドリンガルを目指します。」
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街中の適当な壁から、ハーフェンの漁村にワープ。今日の最終目的地に、やっと辿り着いた。
「アルフリーダ、この前と同じように、桜エビを買って帰るよ。」
「”かき揚げ”は美味しかったですよね。皆好きでしたから、昼食に軽く食べましょう。」
売り子の女将さんと目が合った。前回、神官のジョブを取りに、ハーフェンに滝を探しに来たのは8日前だったが、女将さんは覚えてたようだ。今回も、バーナ語の方言をアルフリーダが通訳する。
『あら、人間族と兎人族のお客さんじゃない。今朝も桜海老は取れてるわよ。もうすぐ今年の桜エビ漁も終わるから、食べとかないと損よ。』
『ご無沙汰、女将さん。今日は桶を持って来たよ。桜エビ2杯分、買って帰るよ。桜エビのシーズンの次は、何が多いの?』
『水温が上がって来たから、春の終わりぐらいまではアサリかな。日が長い頃はイワシだね。酢漬けにしたイワシを商人が買いに来るから、一年で一番忙しくなるね。イワシの後は暑くなるから、白身魚じゃないと腐って売り物にならないよ。』
『この辺は、カツオって上がるの?』
『夏の終わり頃に上がるけど、暑くて血抜きしても腐るからねぇ。カツオなんて、この辺でしか食べない魚なのに、よく知ってるね。』
『女将さん、ありがと。桜エビは、もう一回ぐらい買いに来るよ。』
う〜ん、どうやら鰹節は無いっぽいな。
氷も無いし、さっさと帰って”かき揚げ”に揚げちゃおう。
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ハーフェンから家までアルフリーダと2人、8日前のワープではMP切れで倒れた。念の為、今回は強壮丸(MP)を握り締め、家までワープする。
うぉ、倒れるほどじゃないが、MPがゴッソリ減った。
「アルフリーダ、やっぱり長距離ワープはMPの消費が激しいけど、今回は倒れる程じゃない感じだ。8日前より成長して、最大MPも増えてるからだと思う。」
「ご主人様、これなら、ハーフェンの漁村にも買い出しに行けますね。行ってみて良かったです。」
「そうだね。少し休んだら、帝都の図書館にイリスを迎えに行くよ。アルフリーダは、”桜エビのかき揚げ”の作り方、覚えてる?」
「おまかせ下さい、ご主人様。春野菜も沢山ありますし、大麦粉で衣を作って、ガンガン揚げまくります! 早朝の迷宮でパーム油を取ってくれて、丁度良かったです。オリーブオイルより、サクサクに揚がりますよね。」
念の為、強壮丸を一つ呑んでみたが、微妙な効果だな。少なくとも、全回復には程遠い。まあ、”MP回復速度二十倍”を付けてあるから大丈夫だろう。
「アルフリーダ、イリスを迎えに行って来るよ。パームオイルで揚げると、パリパリが長持ちするけど、先に、揚がった順で食べさせちゃって。」
春の25日 昼