皮の帽子/鎧/手袋 加速のブーツ:7 決意の指輪:3
フォースジョブ:7 フラガラッハ:31
MP回復速度10倍:31 敏捷上昇:12
鑑定:1 ジョブ設定:1 詠唱省略:3 ワープ:1
キャラクター再設定:1 パーティ項目解除:1
BP合計=99 春の1日
エゲリアは、さっさと一人で服を着て仕事に戻っていった。異世界でも中間管理職は休んでる暇が無いようだ。
ユリアは接待担当のようだ。かぼちゃパンツ一枚のままで、俺の体に触りながら服を着せてくれる。次に自分の着替えを持ってきて、俺の目前で身体をくるりと見せつけてから服を着始めた。頑張ってハニートラップしてるのだろうが、どこで習ったんだ?
楽しいから引っかかっておくものの、愛人にしても初対面での中出し依頼にしても、村の伝承があるにせよ怪しすぎる。素直な女の子っぽいユリアは強い思惑を持って接してきてるし、バリキャリ女子っぽいエゲリアに至っては思惑の存在を隠そうともしなかった。
とりあえず原作から100年ぐらい分、知識をアップデートしなければ・・。
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今でもベイルの迷宮は存在している! ユリアから聞き出した話には驚いたが納得もした。
「100年ほど前のベイルの領主は、クーラタルの繁栄を羨ましく思い、迷宮を都市資源として利用しようと考えました。」
「30年ほどはベイル騎士団で管理できていたのですが、新規で周辺に2つも迷宮が出現した後は、騎士団の手が回らなくなりました。」
「ベイルの迷宮攻略に行き詰まるたび、ベイルの領主は交代させられ、20個の騎士団が半壊し20の貴族家が没落しました。」
「最後の迷宮攻略作戦は、私やエゲリアが母のお腹に入っていた頃、このあたり一帯の冒険者で組織された大規模な作戦でした。」
「後から出現した2つの迷宮の攻略には成功したものの、ベイルの迷宮自体の攻略には失敗、参加者の8割を失って終了しました。」
「帝都周辺の冒険者の人的損失が致命傷になって、周辺の迷宮より外に溢れ出す魔物を止められなくなりました。」
「住民が魔物慣れしているクーラタルはともかく、他の町や村々は困窮し、人頭税が払えずに奴隷落ちする住民が続出しています。」
原作のタリカウの街と似た大惨事が発生したのか・・。しかしタリカウと違ってベイルは帝都に近いゆえ、おいそれと街を放棄する訳にいかなかったのだろう。最後の迷宮討伐作戦の冒険者とは帝国解放会のハズだから、国家中枢の人材が多数が失われたことも混乱の一因だろう。そう考えると、ルティナの実家のセルマー伯爵家に軍事介入したハルツ侯爵は、優秀だったんだな。
「そして、さらに悪い話があります。」
エゲリアが戻ったのに気づかないぐらい、ユリアの話に引き込まれていたようだ。
「生き残った男たちに協力してもらい、捕虜の尋問が終わりました。」
捕虜になったのは女だった。自分から降伏したのに、エゲリアは相当にエグイ。
「送り狼として逃げる盗賊の後をつけさせた村人が帰ってきて、捕虜の女の証言とも一致しました。」
「村を襲った盗賊は5日前に見つかった迷宮を拠点にしています。1階層入口からすぐ先の小部屋にいると捕虜が言ってます。」
「どのみち次に襲われたら持ちません。今晩は満月だし、こちらから夜討ちをかけて殲滅しましょう!」
ユリアの接待は、ハニートラップそのものだった。
「初見の迷宮に入って盗賊を夜討ちって、俺の存在を大前提にしてるよね。」
ベイルの貧民街で盗賊のアジトを襲撃するより、難易度が相当高いんじゃね?
「「もちろん、私達も一緒に行きます!」」
「5日前に見つかった迷宮から湧く魔物からも、村を守ってほしいってことだよね。」
せっかく異世界転生したのに、スローライフ不可で働けってことだ。
「こんな僻地の村には騎士団は来ないです。自分達で何とかするしかないんです!」
ユリアが目をウルウルしてる、まあ本当のことだろう。北にクーラタル、南にベイル、帝都が育ちすぎて討伐困難な迷宮に挟まれてるのだから、騎士団が帝都方面を優先するのは道理だ。
「そもそも、これって愛人2人で釣り合う話なんだろうか?」
「私もユリアも処女ではありませんが、身体も心も差し出してマモル様に気に入っていただける愛人になります。だからと言ってマモル様を束縛することはしません。身体だけの都合の良い女にだってなってみせます。」
エゲリアが顔を真っ赤にして訴える。エグい女だとしても20歳そこそこの小娘だ。精一杯に背伸びしているのか・・。
「村人が全て掌握されるこの村なら、マモル様の内密も万全です! 伝承の存在に重なるマモル様は、この村では裏切り者の心配をする必要がありません! マモル様の奴隷にはなれませんが、私とエゲリアが裏切ることは絶対にありえません!」
村長になろうとするだけあって、権威を使おうとするユリアも大概だ。
まあ、この世界の自由民には自力救済の権利があるから、本気なんだろう。
「割に合わない気がしないでもないが、二人の為に説得されよう。今夜の夜襲に5人用意してくれ。迷宮内へは俺一人で突入して盗賊を倒す。5人は道案内と迷宮の出入り口を塞ぐのが役目だ。」
「「ありがとうございます!」」
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満月の夜を、ユリアとエゲリアの他に3人の男が随伴している。3人とも農夫ジョブだそうだ。全員が盗賊から剥ぎ取った皮の防具を装備できているが、俺には対人戦特化のボーナス装備がある。足装備3の『加速のブーツ』とアクセサリー2の『決意の指輪』が良い仕事をしてくれるだろう。
迷宮の入り口は土砂崩れの跡に見つかったそうだ。5日前の話だ。
20分ぐらい歩くと土砂崩れの跡が見えてきたが、村から1kmぐらいしか離れてない。
慎重に隠れるように進むと、見張りらしき2人が迷宮の入り口の横に座ってる。英雄のオーバーホエルミングと『加速のブーツ』と『決意の指輪』の組み合わせは初陣で実験済だ。まだ30メートルぐらいの距離があるが、各個撃破の好機にしか見えない。
鑑定!
二人とも盗賊だ。
「5人はこの場で待機していろ。」
小声の指示に5人は頷いた。
30メートルの障害物も見当たらない平坦な地面、飛び出すと同時に『加速のブーツ』が仕事をし景色が後ろに飛ぶ!さらにオーバーホエルミングを念じ、周囲の気配が止まった感覚のまま、一人目の盗賊の首を刎ねる。
入り口の反対側に座っていた盗賊がスローモーションで立ち上がりつつあるのが見える。間に合え、とフラガラッハを突き立てての突撃、盗賊の腹に突き刺さった所でオーバーホエルミングの効果が切れた。
各個撃破で2人倒した、まずは成功だ。
深呼吸して息を整え、迷宮の入り口と思われる黒い壁の中に入ってみる。
迷宮の中は、満月の外より少し明るいぐらいだった。
迷宮に入ったので、探索者のジョブが取れたはずだ。すぐさま入り口を引き返し外に出ると、ユリアとエゲリアを先頭に5人が小走りで近づいている。待機していろとは言ったものの、臨機応変なのは悪くない・・。
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ユリアの腕を掴み、清楚な顔を見つめてパーティ編成と念じてユリアを選択する。
驚きと動揺が顔に出ているが、驚いて声を上げないのは褒めてあげたい。
次はキョトンとした顔のエゲリアだ。同じく顔を見つめてパーティ編成を念じ、エゲリアを選択する。エゲリアが大きく頷いた。「入ります!」の意味だろう。ユリアを見ただけで詠唱無しを理解したのか・・。
残りの3人の番だ。ユリアとエゲリアがパーティ編成する農夫の左右に立って、唇の前で指を立て「シー」のジェスチャーをしている。一様に動揺は隠せてないが、ユリアとエゲリアにホールドされているせいか、声を上げる者はいない。
「盗賊が逃げて出てきたら、5人で囲んで始末しろ!」
小声の指示に5人は頷いた。
深呼吸して、迷宮に再突入する。
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捕虜の女が言うように、入口から10メートル先に小部屋らしき場所がある。通路に見張りはいない。
昼間に逃した盗賊は15人程度だったから、数の上で正面からやり合いたくない。全員寝ててほしい。
鑑定!
見つけた。盗賊が13人、全員が地面に毛布を敷いて寝ている。
オーバーホエルミング!
声を出されたって問題ない、とにかく首筋を刺して致命傷を与えて回るのが先決だ。
オーバーホエルミング!
起き上がった盗賊も2人いたが、武器を取って立ち上がる前に始末できた。
念の為、鑑定!
あれ? 血の海の小部屋の床に一つだけ盗賊Lv2の反応が残っている。用心して近づいてみると、生きてはいるが虫の息のようで全く動かない。
これはチャンスなのでは?
ミチオ君はボーナススキルの等量交換を、探索者Lv19の時に盗賊Lv3に放った。魔法使いのジョブを手に入れたものの、ミチオ君自身もMP切れで苦しんでる。しかし等量交換を放つ相手が瀕死の重症なら、残ってるHPも極小のはず。魔物のHPの残量と自分のHPなんて比較できない。やるなら人間相手だ。
キャラクター再設定!
『フラガラッハ』と『決意の指輪』を収納する。
敏捷上昇に振っていたポイントを全て外す。
MP回復速度二十倍を付ける。
等量交換を付ける。
残り15ポイントは体力上昇に振る。
オーバーホエルミング2発と鑑定2発で減ったMPを回復したいが、時間をかけると盗賊Lv2が死んでしまうだろう。
・・・・・精神的に3〜4分待つのが限界だった。
等量交換!
よかった、目の前に転がってる盗賊Lv2が選択できるようだ。盗賊Lv2を選択して再度念じると、目の前の盗賊Lv2は弾けた・・。
多少の気分の落ち込みを感じる、だが耐えられる範囲だ・・・。
成功だ、こんな序盤で魔法使いのジョブが手に入ったのは大きい!
そうだ、迷宮に盗賊の死体が吸収する前にインテリジェンスカードを回収しなければ。
キャラクター再設定!を念じ、念の為に『フラガラッハ』を装備しておく。
急いでユリアとエゲリア達を呼びに行こう。
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「終わったよ!」
「お怪我はありませんか?」
「凄いです、もう全員倒したのですか?」
ユリアとエゲリアが高揚した顔で抱きついてくるのは楽しいが、盗賊の懸賞金が惜しい。
「全員、インテリジェンスカードを回収するから一緒に来てくれ!」
「「「「「はい、マモル様!」」」」」
疲れたし、後はユリア達に任せよう。
ジョブ:村人5 盗賊2 英雄1 探索者2
皮の帽子/鎧/手袋 加速のブーツ:7
フォースジョブ:7
MP回復速度20倍:63 体力上昇:15
鑑定:1 ジョブ設定:1 詠唱省略:3 等量交換:1
キャラクター再設定:1 パーティ項目解除:1
BP合計=100 春の2日