今朝の朝立ちは、フレイヤが鎮めてくれた。
フレイヤは、15歳の育ち盛りで、咥える度に上手になっていく。ソフィアにも色々聞いてるみたいだし、このまま成長していって、10代でアルフリーダ並みの感度とテクまで育てたい。光源氏計画こそ、古典的なハーレムの醍醐味だよね。
今日は、朝食までクーラタルの迷宮で経験値稼ぎをし、ベイルのレストランに”焼きたて高級パン”を取りに行って、朝食後は村民を動員しての道路敷設だ。
要は公共事業なんだが、迷宮まで、アップダウンの無い直線で道を敷きたい。移動時間の短縮は、生産性向上の基本だしね。ユリア、エゲリア、アルフリーダは下見を終え、段取りも付けている。ご主人様は、言われるまま人間重機をやらなきゃな。
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クーラタルは人が多いものの、この早朝の時間帯なら比較的空いている。クーラタルの20階層で、ファイヤーストームを撃ち、吸精のダマスカスステッキで魔物を殴りまくる作業だ。
一昨日にクーラタルの20階層で戦った時より、明らかに戦闘時間が短くなってる。弱点魔法が火の魔物は、全体攻撃魔法のファイヤーストーム3発で煙になる。これ、少しMPに無駄が出てるかも。ファイヤーストーム2発撃った所で突撃し、戦士のラッシュを付け、ダマスカスステッキで殴り飛ばす。うん、これくらいだとMPの需給も拮抗してる感じだ。ドロップ品も、『板』『豚バラ肉』『白身』の順で溜まる。
「ご主人様、もう20階層の魔物だと、ぬる過ぎます。22階層まで上がりませんか? ソフィアが真正面を受け持ち、22階層でしたら2匹まで引きつけ可能です。今の火力でしたら22階層まで問題無いでしょう。23階層からは、魔物の強さがワンランク上がって危ないですけど。」
【クーララルの迷宮】
22階層:(弱点土)クラムシェル=『ジェルパウダー』
21階層:(弱点土)ケトルマーメード
20階層:(弱点火)ラブシュラフ=『板』
19階層:(弱点火)ロートルトロール
「イリスはどう思う?」
「サンドストーム3発の後に突撃すれば、クラムシェルとケトルマーメードは容易いでしょう。フレイヤの『瞬発力上昇』の効果時間内に倒せると思います。そうなれば、最大魔物数5匹ですから、残る魔物は1〜2匹になる筈です。囲って袋叩きにしますから、安全に行けると思います。」
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ソフィアのダンジョンウォークで、21階層、22階層の順で連れて行ってもらう。
22階層で最初に見つけたのは、グラムシェル3匹、ラブシュラフ1匹、ロートルトロール1匹の集団だ。
最大射程でサンドストームを撃つ。魔法のリキャストタイムが経過した頃、オーバーホエルミング、サンドストームの順で発動し、突撃して吸精のダマスカスステッキで数発殴りつける。オーバーホエルミングの効果時間が終わる直前に、魔物から距離を取る為に撤退だ。オーバーホエルミングが切れた頃、魔法のリキャストタイムも終了する。振り向いて3発目のサンドストームを撃つと、フレイヤを先頭に、エゲリア、ユリア、ソフィア、イリスの5人が突撃する。さて、もう一度殴りに行って、MPを回復せねば。
「ご主人様、楽しかったね。」
「旦那様のオーバーホエルミングにも慣れてきました。突撃のタイミングが合いましたね。」
「ご主人様、イリスのサイハイブーツにも『移動力増強』を付けたいです。いつもビリですよ〜。」
ユリアとエゲリアは、魔物の攻撃がかすった様だ。神官の『全体手当て』を掛けておく。
【マモル】 革の帽子・手袋
武器 :吸精のダマスカスステッキ(MP吸収)
胴装備:ダルマティカ(空き)
足装備:駿馬の硬革靴(移動力増強)
アクセサリー:ひもろぎの聖銀ミサンガ(知力二倍)(空き)
5ジョブ(15) キャラクター再設定(1) 詠唱短縮(1)
獲得経験値二十倍(63) 必要経験値十分の一(31)
知力上昇(12) 鑑定(1) ワープ(1)
合計125
魔法使いLv27:知力(小上昇) MP(微上昇)
英雄Lv17:腕力HP体力MP知力精神器用敏捷(中上昇)
色魔Lv19:精神(中上昇) 知力(小上昇) MP(小上昇)
神官Lv24:MP(小上昇) 知力(微上昇)
戦士Lv11:体力(小上昇) HP(微上昇)
【イリス】 革の鎧
武器 :槌(空き)
頭装備:ダマスカス鋼の鉢金(空き)(空き)(空き)(空き)
腕装備:鋼鉄のガントレット(空き)(空き)(空き)
足装備:皮のサイハイブーツ(空き)
アクセサリー:指輪(空き)(空き)
鍛冶師Lv15:腕力(中上昇) 体力(小上昇)
【フレイヤ】
武器 :強権のダガー(詠唱中断)
盾 :木の盾 (空き)
頭装備:硬革のカチューシャ(空き)
胴装備:革の鎧(空き)
腕装備:革のミトン(空き)(空き)
足装備:革のサイハイブーツ(空き)
アクセサリー:頑強のボディークリップ(物理ダメージ削減)(空き)(空き)
闘兎Lv15:器用(中上昇) 敏捷(小上昇) HP(小上昇)
【エゲリア】革のサイハイブーツ 硬革の手袋
武器 :強権の鋼鉄剣(詠唱中断)
頭装備:革の帽子(空き)
胴装備:革の鎧(空き)(空き)
アクセサリー:指輪(空き)(空き)
淫乱Lv13:精神(中上昇) 知力(小上昇) MP(小上昇)
【ユリア】 革の帽子 硬革の鎧
武器 :鋼鉄の剣(空き)(空き)
腕装備:革のミトン(空き)
足装備:革のサイハイブーツ(空き)
アクセサリー:イアリング(空き)(空き)(空き)
淫乱Lv12:精神(中上昇) 知力(小上昇) MP(小上昇)
【ソフィア】 鉄の盾 革の帽子・鎧・手袋
武器 :激情のレイピア(攻撃力二倍)(空き)(空き)
足装備:駿馬の革サイハイブーツ(移動力増強)(回避力二倍)
アクセサリー:頑強の指輪(物理ダメージ削減)(空き)
探索者Lv41:体力(小上昇)
「あれ、ソフィア、探索者のレベルが上がってるよ。おめでとう!」
「そんな・・、アイテムボックスの箱が41個になってます。え〜、探索者Lv40に上がったのが5日前ですよ。」
「基本ジョブの探索者は、レベルが一番上がり易いからね。それに皆は、普通の人の20倍の速度で経験値が貯まるし、ソフィアが冒険者になるのも遠くないね。」
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クーラタルの22階層でも戦える。
と言うか、むしろ戦い易い魔物配列に感じる。1時間ほど魔物を狩りまくって、次はベイルのレストランの予定だ。
家に帰ると、アルフリーダ達が、レストランに持って行く野菜を木箱に詰め終わっていた。食べ切れないほど野菜が集まってるので、今回は2箱だそうだ。戦士のジョブを外し、探索者と入れ替える。イリスとアルフリーダが野菜の入った木箱を1箱ずつ持ち、3人でレストランまでワープする。こういうの、ご主人様は持っちゃ駄目なんだよね。学習してるよ!
「奥さん、おはよう、食材を持って来たよ。」
「まあ、マモル様、お待ちしてました。あらあら、今日は2箱も! これで野菜がタップリ使えるわ。」
「あと迷宮食材なんだけど、今日も『白身』があるよ。欲しい?」
「白身は何にでも使えるから、ぜひ欲しいわ。あと3〜4分で最初のパンが焼き上がるから、座って待っててね。」
青銅のパットに白身を10枚ほど並べる。あまり渡し過ぎると、フィッシュフライが好きなアルフリーダに怒られそうだから、今日も10枚にしとこう。奥さんは、前回アルフリーダに気化式冷蔵庫を教わったそうで、風の抜けるキッチンの裏に置いたらしい。春・秋・冬はともかく、夏になる前に魔道士を取って、アイスウォールの氷を試したいな。
「奥さん、まだ盗賊っぽい奴らは、ベイルの町で目にする?」
「マモル様、盗賊なんてウジャウジャ湧いてくるんだから、ガンガン狩っちゃっても絶滅なんてしないわ。今はベイルの騎士団も外征中だから、盗賊が町に寄ってくるのよ。」
「奥さんの店も、みかじめ料とか取られてるの?」
「ああいう奴らって、冒険者とか騎士団とかの常連がいる店には寄って来ないわ。うちは、3日前に盗賊団を二つ全滅させた『迷宮の淑女』商会の親密取引先ですもの。盗賊って、こういう情報には敏感なの。マモル様ぁ、他の店に浮気しちゃぁ、駄目よぉ。」
「ねえ、アルフリーダも、奥さんみたいな”あざとい”系の技、使える?」
「いえ、”乳寄せ”や”腰振り”手法の方が確実ですから、”あざとい”系の手法は持ち合わせが少ないですね。ソフィアなら、少し使えますよ。」
アルフリーダやべぇ、強者の余裕が垣間見えちゃった。
焼きたてのパンを持って、イリスとアルフリーダを伴い、帰宅する。
初日のパンは美味しく、サラダとお茶程度の朝食だ。文字通りパンを主食に食べる。玉子が欲しいよなぁ。チーズがあるだけ幸せか。
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今日はこれから、村人を動員しての道路整備で、ソマーラ村の公共事業になる。目的は、村人の、ソマーラの迷宮までの移動時間短縮だ。
既に、村の端から迷宮までの直線を、『糸』で引いている。地面に打ち込んだ杭で、『糸』を引っ張っているだけの単純な方法だが、1km程度の距離なら問題無い。最短距離で簡易的な道を造るだけで、別にローマ街道みたいな舗装道路にする理由は無い。路盤工事なんて不要で、五街道のレベルの突き固めた道で十分だろう。
直線距離を示す『糸』を、人ぐらいの高さがある岩が遮っている。実験材料として、ちょど良い大きさだ。岩をファイヤーウォールで加熱し、ウォーターウォールで急冷して脆くする。これを3回程繰り返すと、強い衝撃で岩を砕けた。強い衝撃とは、イリスの槌だ。
「イリス、槌を貸して。一回やってみたい。」
ところが槌は重過ぎで、振り回すのは無理だった。こんな重量物、イリスは何で振り回せるんだ? ドワーフだけの種族補正とかが働いてるのか?
さて、デュランダルや、ダマスカスステッキで、岩なんかに当てたら欠けるよね。
「イリス、アイアンステッキって作れるかな? 岩を砕く道具になるかも。」
「え、はい。アイアンステッキの素材は『鉄』2枚です。昨日、ソマーラの迷宮で取ったから素材はありますし、初めてですが、作れると思います。やってみますね。今ぞ来ませる御心の、言祝ぐ蔭の天地の、武器製造!」
鑑定!
武器:アイアンステッキ
「うん、成功だイリス。アイアンステッキと出ている。今度は、それで岩を殴ってみるよ。」
・ファイヤーウォール2発撃って岩を加熱。
・ウォーターウォールで急冷。
・ダマスカスステッキと、アイアンステッキを入れ替え。
・戦士のラッシュを発動し、アイアンステッキで岩を殴る。
「うん、アイアンステッキでも、脆くなった岩は粉砕できるね。でも、戦士のラッシュ付での結果だから、他の人では無理かもしれない。エゲリア、試しにアイアンステッキで岩を殴ってみて。」
ラッシュで割った岩を、今度はエゲリアがアイアンステッキで殴るが、普通に跳ね返される。
「やっぱりアイアンステッキだと軽過ぎで、ラッシュを付けないと無理かぁ。魔法で岩に脆くした後、イリスが槌で砕く流れだな。」
イリスにも、岩をアイアンステッキで殴らせたが、槌の方が質量があって、威力も高いようだ。この辺は、物理法則に従ってるようだな。砕いた石は、ロバに背負わせて運び、女達が道に敷き詰めている。
重機が無いのは致命的だが、代わりに異世界では、相当程度、魔法やジョブの組み合わせで代替可能なんだろう。ソフィアは、我々のパーティから外し、代わりにアルフリーダを入れている。ソフィアは、村の農夫5人とパーティを組むそうだ。農夫には”腕力小上昇”の効果があるから、パーティ効果で5人分のジョブ効果が重複する。まさに人間重機として、石を敷いた道を突き固めてる。
薮は、エマ・ミラ・ノラが”火炎剣”で薙ぎ払っている。山火事にするなよ。
その後、少し地面が高くなっている場所は、ウォーターボールで削れる事、地面が低い場所はサンドウォールの砂で埋まる事を確認した。サンドウォールで砂が出るなら、セメントと水を入れ、モルタルまでは造るの楽だな。遮蔽セメントなんて物がある位だから、普通のセメントを売ってるんじゃないか? ローマン・コンクリートなんてあったな。消石灰じゃなく生石灰で火山灰と作るんだっけ? 建築物だと怖いけど、道の舗装なら行けるんじゃないか?
粗々の作業は3時間ほどで終わってしまい、もう、ご主人様のやる事は無いそうだ。
ユリア、エゲリア、ソフィア、アルフリーダ、エマ・ミラ・ノラを送路工事に残し、イリス・フレイヤを連れ別行動して大丈夫みたいだ。
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シャワーを浴びて汗を流してから、帝都の商人ギルドに行く。
今は資金も潤沢なので、スライムとサイクロプスのスキル結晶のオーダーを出しておきたい。ついでに、オークションのチェックと情報収集だ。
「やあ、アレックス殿、四日ぶり。」
オークションの下見室で、アレックスと鉢合わせた。チェックが終わったので、早速、アレックスと談話室で商談だ。(空き)スキルスロットが4つある、ダマスカス鋼の剣とか欲しいけど、オークションに出品された品に、そもそも(空き)スロットが沢山付いた装備品は無かったし。
「アレックス殿、相変わらず商人ギルドのお茶は美味しいね。コボルトのスキル結晶は入手できた?」
「はい、2つ落としています。今は芋虫のスキル結晶がバブルですから、コボルトは安定的に入手可能だと思います。マモル様が、相場を無視した青天井買いをする人じゃなくて良かったですよ。コボルトのスキル結晶を買っているの、他の仲買人には気付かれてませんからね。」
コボルトのスキル結晶▲4,900ナール*2=▲9,800ナール
手数料 ▲500ナール*2=▲1,000ナール
合計 ▲10,800ナール
金貨1枚と銀貨8枚を支払う。良いね。場所を取る銀貨が増えなかった。
「その後、何か情報はあるかな?」
「身変わりのミサンガですが、どうしても入手したいっていう仲買人から、毎日、声がけされてます。どうやら、帝国政府の勅命で盗賊討伐に出兵した、ドホナ・シュポワール・ベイルの騎士団が、勝ててないっぽいですね。勅命が出なかった他の騎士団に、『身代わりのミサンガを自主的に援助する』よう、帝国政府から囁かれているみたいです。これ、身代わりのミサンガを出せなかった騎士団にも、盗賊討伐の勅命が出るってことでしょう。身代わりのミサンガの価格がバブルってるとは言え、騎士団を動かす費用に比べれば安いですから、需要が強いのも納得です。」
監督官庁が無茶苦茶やると、苦労するのは異世界でも同じか。同情はするが、それなら売り惜しみが合理的だ。身代わりのミサンガが枯渇してるんじゃなくて、囲い込んでオークションに出品しないんだな。
「そうか。貴族って大変だな。どうする? 身代わりのミサンガ、もう一つ作ろうか?」
「そうしていただけると、仲買人の一人に、大きな恩を売ることができます。お願いできますでしょうか、マモル様?」
「分かった。なるべく早く持ってくるよ。恩を売るのは賛成だけど、我々については内密にね。あと、スライムとサイクロプスのスキル結晶が出品されたら、5,400ナールまでで入札しといて。コボルトと同じで、複数入手しても引き取るよ。」
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ソマーラの迷宮10階層のボス部屋にワープした。
10階層のボスはホワイトキャタピラーで、芋虫のスキル結晶狙いだ。神官と戦士を入れ替え、ラッシュを使えるようにする。
「ご主人様、アレックス殿から入手したコボルトのスキル結晶、何と融合します?」
「そうだね、次はイリスの槌に『詠唱中断』を付けるのは、ほぼ確定かな。あと1枚は、アルフリーダと相談だけど、水触剣がもう一本あった方が良いかな。水って重いから、どこでも手元で水が作れるの、便利だと思うんだよね。」
ホワイトキャタピラーに単体攻撃魔法を撃ち込んで、ひたすら横からラッシュを叩き込んでいる。フレイヤが正面を担当し、2発目の単体攻撃魔法で煙になるパターンだ。フレイヤがいるから『糸』を吐く魔法陣もキャンセルされる。1周3〜4分ぐらいのペースだな。1時間で15匹強、今日中に芋虫のスキル結晶は無理かも。
「ご主人様、今日の夕方はバーベキューだよ。お肉ある?」
「豚バラ肉が大量にあるから、村人全員で食べても大丈夫。お酒は、足りないけど、村人が持ち寄るでしょ。」
「ご主人様、少し小腹が減りませんか?」
「そうだね、休憩にしよう。クーラタルの迷宮前広場で、買い食いしようか。」
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屋台でレモネードを3つと、クレープのような生菓子を買った。中身に生クリームは入ってなくて、ジャムだな。屋台だから、衛生状況的には当然か。
「イリス、フレイヤ、足りなかったら、もっと買って良いよ。皆には内緒だけどね。」
次は、カステラや、エッグタルトのようなお菓子を買ってきた。基本的に、火が通ってない食物は売らないのだろう。しかし、クーラタルでは玉子をふんだんに使うな。おかげで1個30ナールの高級菓子だけど、クーラタルには購買余力が有るのが凄い。下手したら、帝都より裕福じゃないか? 誰が買ってるんだろう?
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ソマーラの迷宮10階層の、ボス周回に戻る。
「フレイヤ、ずっとホワイトキャタピラーの正面だけど、大変かな?」
「え、ホワイトキャタピラーは、接近しちゃえば簡単だよ。近過ぎで体当たりが無理だから、糸を吐こうと魔法陣を出すだけだもん。敵が目の前に居るんだから、キャンセルされるのにね。」
このままだと戦闘時間が減らないので、オーバーホエルミングも追加して全体攻撃魔法を放つ。オーバーホエルミング中も、吸精のダマスカスステッキで殴っているから、戦闘時間も短縮される。MPの収支的には赤字の気がするが、しょうがない。強壮丸でMP小回復すれば継続可能だ。ワープと鑑定も外して、知力上昇に振る。1周3分程度まで短縮できた。1時間に、ボス魔物20匹かぁ。
鑑定で見ると、イリスが鍛冶師Lv16に上がってる。そうか、魔法戦闘主体で気付かなかったけど、鍛冶師の『腕力中上昇』の効果も上がったんだ。ホワイトキャタピラーをスラッシュ付で殴りまくってるし、腕力上昇の効果も、効いてるんだろうな。それにしても、ボス周回は飽きる。
デュランダルを出そう。知力上昇を消して、獲得経験値十倍、必要経験値五分の一まで落とし、BP63を捻出する。
最初に単体攻撃魔法1発を放ってから、3人で袋叩きだ。横からデュランダル+ラッシュで切りまくる。明らかにこっちの方が早いな。1周2分半を切ってる。1時間に24匹のペースだ。デュランダルで回復してるから、MP切れも無い。
「やった! ご主人様、スキル結晶です。やっと出たぁ〜。」
「う〜、疲れたね。絹の糸が73個もある。のべ4時間近く、ホワイトキャタピラーを周回してたのかぁ。やっぱりボス周回は、最初からデュランダルを出した方が良かったな。反省しなきゃ。」
「ご主人様、(空き)スロット付きのミサンガは、イリスのアイテムボックスに入れてます。”身代わりのミサンガ”にして、アレックスさんの所に持って行っちゃいましょう。今ぞ来ませる御心の、言祝ぐ蔭の天地の、スキル結晶融合!」
鑑定!
アクセサリー:身代わりのミサンガ
「うん、今回も成功だ。”身代わりのミサンガ”になっている。じゃあ、帝都の商人ギルドまで、ワープするよ。」
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商人ギルドにロビーが、ざわついてる。何か変だな。
「フレイヤ、少しロビーの椅子で休憩しよう。周りの人の『お話』を聞いて欲しいんだ。」
「ご主人様、難しいブラヒム語が多くて、よくわかんない。皆、盗賊と迷宮がどうとか言ってる。」
「そうか、イリス、受付に行って、アレックスが居るか聞いてもらえる?」
さては、何処かの町が襲われたかな? “身代わりのミサンガ”が高く売れそうだ。アレックスが走って来るな。落ち着いて歩いて来いよ。
「マモル様、まさか、もうですか? いや、ここで話すとヤバいです。談話室を取りますから、少しお待ちを。」
ほぼ確実に、何かあったな。ソマーラの村に、流れ弾が飛んで来ないと良いけど・・。来るかもなぁ。
「マモル様、談話室が取れました。どうぞ、こちらに。」
今日は、いつもより狭く、窓も無い談話室だ。他は埋まってるのかな。高級茶が出される前に、アレックスが話始める。
「実はドホナの町で、一度に三つも迷宮が見つかって、うち一つは、城壁の内側に出現しました。帝国政府は、ドホナ・シュポワール・ベイルの騎士団に、盗賊討伐を切り上げて、迷宮討伐に専念するよう、勅命を出すらしいんです。ドホナは、帝都から東に延びる街道の拠点都市ですからね。町を放棄する訳にはいきませんから、流石にマズイと思ったのでしょう。」
「いや〜、盗賊討伐で疲弊してる騎士団に、とっとと迷宮討伐しろって言うんだ。う〜ん、帝国政府も鬼畜だね。盗賊討伐にも成功してないから、次の勅命に失敗したら改易ってことでしょ。これ商人としては、融資引上げやるよね。詰んでるじゃん。」
「という訳で、ドホナ・シュポワール・ベイルの3騎士団は、早急に何が何でも迷宮討伐しなければなりません。代わりに、帝都の南東での盗賊の活動は、当面フリーになります。身代わりのミサンガを供出できない貴族家も、ついでに何かされるって噂です。」
「うーん、盗賊でボロボロの領地に転封して、空いた領地を帝国政府が山分けするんだろ。貴族って、大変だよな。さて、身代わりのミサンガだけど、アレックス殿に預けるよ。最も良いと思う方法で処分して欲しい。イリス、身代わりのミサンガを、アレックス殿に渡してやって。」
「かしこまりました、マモル様。委細、アレックスにお任せください。」
ドホナの町は帝国東部への中継ルートだから、放棄する選択肢は無いだろう。帝国政府としては大変そうだが、大丈夫か?
まあ、我々は家に帰る。これで、本日の業務は終了した。
春の29日 夕方