※この作品はR-18です。

迷宮資源で奴隷娘とハーレムを   作:prime67

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春の40日 


73.辺境伯家の書庫

今日も早起きして、朝の日課から始める。まだ、外は真っ暗だ。

 

今日は予定が多い1日なので、帝都の高級服屋で売る”ウサギの肉”や、探索者ギルドで売る生薬は、昨日のうちに用意した。商人ギルドにも、顔を出さないと。ただ今日のメインは、昨日に引き続きザビルに行き、騎士団の書庫での情報収集だ。石鹸と保湿クリームを、忘れずに持っていかないとね。

 

「旦那様、おはようございます。なんか、今日の予定も忙しいですね。昨日、盗賊からの鹵獲品は綺麗に手入れして、防具には蜜蝋を塗っておきました。硬革の帽子・硬革の手袋がありましたから、旦那様の革装備を更新して下さい。」

 

「ユリア、ありがとう、助かるよ。もう武器庫には、村人の人数分の装備は貯まったかな?」

 

「はい、村人全員が武器と防具を装備できる日が来るなんて、旦那様が来る前までは遠い将来の夢でした。これで、盗賊や魔物に村を襲われても戦えます。イザという時は村民皆兵です!」

 

 

昨日、ザビルの町から帰った後は、今日の準備をしていた。今日が帝都の高級服屋に納品する日なので、”うさぎの肉”を確保してある。また探索者ギルドに滋養丸と強壮丸を売るので、ご主人様は”生薬生成”も頑張った。

 

昨日の夕方から、ユリア・ヴァニーユ・アルフリーダ・エマ・ミラの5人で、ソマーラの1階層でラピッドラビットに『肝』を投げつけドライブドラゴンに変える作業を始めている。もちろん、目的は竜革の採取だ。心配だったので、7thジョブのパーティ効果を付け送り出したが、危なげなく作業できたらしい。ユリアが言うには「毒針を投げつけてますから、確実に倒せますよ。」だそうだ。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

今日も早朝の迷宮は、クーラタルの26階層から始める。

 

「ご主人様、やっぱり早い時間だと他のパーティがいないから、魔物がいっぱい狩れるね。」

 

「フレイヤの索敵は頼りになるから安心だね。ノラ、昨日入手した、ダマスカス鋼の槍はどうかな?」

 

「スパスパ魔物に刺さりますし、叩き付けても魔物がグシャっとなって、鉄の槍より格段に気持ち良いです。でも旦那様、ダマスカス鋼の槍って高いんですよね。ノラが使うのって贅沢なんじゃ・・?」

 

「う〜ん、エゲリア、お願い。」

 

「ノラ、確かに”ダマスカス鋼の槍”は高価な装備品だけど、お金は十分持ってるの。私達は旦那様の愛人なんだから、旦那様の好みの女になって、高価な装備品の分も身体で返すのよ。ノラの場合、錬金術師のレベルを上げるのと、感じ易い身体になるのが、旦那様の希望ね。旦那様は優しいけど、穴が開いてるだけのマグロ女じゃ捨てられるわ。」

 

「え、あの、ノラは頑張ります!」

 

間違ってはないけど、振る人選を失敗した。エゲリアも、厳しい肉食系の女だったな。ノラ、怯えなくていいからね。

 

 

【マモル】 硬革の帽子・手袋

武器 :吸精のダマスカスステッキ(MP吸収)

胴装備:ダルマティカ(空き)

足装備:駿馬の硬革靴(移動力増強)

アクセサリー:ひもろぎの聖銀ミサンガ(知力二倍)(ダメージ逓増)

4ジョブ(7) キャラクター再設定(1) 詠唱短縮(1)

獲得経験値二十倍(63) 必要経験値二十分の一(63)

鑑定(1)  合計136

魔法使いLv38:知力(小上昇) MP(微上昇)

英雄Lv26:腕力HP体力MP知力精神器用敏捷(中上昇)

商人Lv27:知力(小上昇) 精神(微上昇)

戦士Lv24:体力(小上昇) HP(微上昇)

 

【イリス】 硬革の帽子・手袋

武器 :強権の槌(詠唱中断)     

胴装備:ダマスカス鋼のプレートメイル(空き)(空き)(空き)(空き)

足装備:皮のサイハイブーツ(空き)

アクセサリー:いかりの指輪(攻撃力五倍)(ダメージ逓増)

鍛冶師Lv21:腕力(中上昇) 体力(小上昇) 器用(小上昇)

 

【フレイヤ】 硬革の鎧・手袋

武器 :強権のダガー(詠唱中断)

盾  :木の盾 (空き)

頭装備:硬革のカチューシャ(空き)

足装備:革のサイハイブーツ(空き)

アクセサリー:頑強のボディークリップ(物理ダメージ削減)(ダメージ逓増)(空き)

闘兎Lv20:器用(中上昇) 敏捷(小上昇) HP(小上昇)

 

【エゲリア】革のサイハイブーツ

武器 :強権の鋼鉄剣(詠唱中断)

頭装備:硬革の帽子(空き)

胴装備:硬革の鎧(空き) 

腕装備:鋼鉄のガントレット(空き)(空き)(空き)

アクセサリー:増撃の指輪(ダメージ逓増)(空き)

淫乱Lv20:精神(中上昇) 知力(小上昇) MP(小上昇)

 

【ソフィア】 鉄の盾 革の帽子 硬革の鎧

武器 :激情のレイピア(攻撃力二倍)(麻痺添加)(空き)

腕装備:硬革の手袋(空き)(空き)

足装備:駿馬の革サイハイブーツ(移動力増強)(回避力二倍)

アクセサリー:頑強の指輪(物理ダメージ削減)(ダメージ逓増)

探索者Lv42:体力(小上昇)

 

【ノラ】 硬革の鎧・手袋

武器 :ダマスカス鋼の槍(空き)(空き)(空き)(空き)

頭装備:ダマスカス鋼の鉢金(空き)(空き)(空き)(空き)

足装備:竜革のサイハイブーツ(空き)(空き)(空き)

アクセサリー:増撃のイアリング(ダメージ逓増)(空き)(空き)

錬金術師Lv12:知力(小上昇) 器用(微上昇)

 

 

クーラタルの26階層で、ファイヤーストームを撃つのを基本に、魔法の合間に積極的に前に出て、戦士の”ラッシュ”で殴り付ける。前衛はイリスとソフィアの2人、フレイヤとエゲリアが前線を突破して魔物の後方に浸透し、ノラは後列から槍で突き、メッキを切らさないように掛け続ける。

 

今日も、1時間半ほど魔物を狩りまくり、捕捉するペースが落ちた頃合でイリスの提言が来る。

 

「ご主人様、そろそろソマーラの迷宮24階層に移動しませんか?」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

ソマーラの24階層だが、昨日はボス部屋まで到達出来なかった。ワープで小部屋に移動して、小休止だ。

 

「ご主人様、24階層のマッピングは半分以上埋まっていますから、1時間もあれば、ボス部屋は発見可能と思います。とっとと突破して、25階層まで上がっちゃいましょう。シザーリザードが落とす革は、もう十分ですし。」

 

「え、イリスは、ボス周回でマザーリザードが落とす硬革を集めたいと思ってたんだけど・・。」

 

「確かに、鍛冶師の修行として硬革の装備品も作りたいですが、既に『肝』を投げつければ竜革が取れます。修行は後回しにして、経験値が多く入る上位階層に進むのを優先すべきです。クーラタルの26階層も楽になってますから、ソマーラは27階層ぐらいまでサクサク上がっても問題無いと思うんです。経験の浅いノラの防御力には不安がありますが、後衛ですし、優先的に竜革装備を着せとけば大丈夫でしょう。ユリアも、新品の硬革の装備品を与えるより、ご主人様が身体を撫でてあげる方が確実に喜びますから、大丈夫ですよ。」

 

毎日、順調にレベルが上がってはいるが、ソフィアの探索者Lv42は動いてない。やはり、適正階層より低いんだろうな。

 

ソマーラの24階層は魔物の配列が悪く苦労するが、イリスの言う通り、1時間程度でボス部屋を見つける。

 

「皆、ボスのマザーリザードを倒して、25階層に抜けるよ。ただ、マザーリザードの”召喚”はキャンセル不可で仲間を増やすから、戦闘時間が長くなると凄く厄介だ。オーバーホエルミングも使って、集中的に攻撃する。イリス、エゲリア、お付きの魔物はお願いね。ソフィア、フレイヤ、ノラは、一緒にマザーリザードを袋叩きにしよう。」

 

マザーリザードは土魔法が弱点ゆえサンドストームを連発し、戦士のラッシュを叩き込む。それでも1回、シザーリザードを召喚された。魔物が召喚される能力って、火力が弱いパーティにとっては鬼門だろうな。

 

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ソマーラの25階層に上がると、新しい魔物はモロクタウルスだった。

 

「ご主人様、牛人のモロクタウルスは、水魔法が弱点で、ドロップ品はバラ肉です。その上、ボス魔物のボスタウルスは、ロース、酪、ザブトンを落としますので、かなり人気がある魔物です。食生活が充実しますね。」

 

「イリス、フレイヤ、25階層のマッピングも、ボス部屋の発見を優先して。牛肉も嬉しいけど、ボスから酪が入手できれば、デザートのバリエーションが増える。牛乳プリンだったら作り放題になるよ。また、ババロアも作ろう。」

 

モロクタウルスは二足歩行の牛だったが、動きが速い。それでも、ソフィア、フレイヤ、エゲリア3人のスピードの方が上手だし、魔法も撃ってこない。イリスが、モロクタウルス以外の魔物を担当する。

 

「ご主人様、あっという間にバラ肉が貯まりました。お昼は焼肉ですね。」

 

牛のバラ肉=カルビだ。まあソフィアはロリ体型なのに精力的だし、焼肉って感じはする。25階層でしばらく迷宮探索を続け、小部屋を発見した。早朝の迷宮はここまでだな。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

朝食を取ると、直ぐに帝都に出発した。高級服屋は、フレイヤが貫頭衣を受け取り、イリスの分のオーダーをする。納品もアルフリーダとソフィアに任せよう。自分は、ヴァニーユを護衛に引き連れ、探索者ギルドに生薬を売りに行く。待ち合わせは商人ギルドのロビーにしよう。

 

 

ヴァニーユと2人だけ歩くのは初めてだが、彼女は剣鉈を身体の正面と言うか、胸から腹の辺りに、握りを下にして装着している。おいおい、どこの特殊部隊だよ。

 

「ヴァニーユの剣鉈のホルスター、凄く良いね。自分で作ったの?」

 

「ええ、繁殖の女奴隷は皆自作します。エステル男爵家の奴隷メイドだと、お屋敷の中ではスカートの中に剣鉈を隠します。ただ、抜くのが遅くなりますから、お客様からの見た目を気にしない任務の時は、スカートの中には入れません。アルフリーダさん程のお尻なら、腰の後ろに装着すると正面の敵からは武器が見えないので、有利ですよね。ヴァニーユは大したお尻じゃないので、身体の正面に逆さで付けます。この位置に剣鉈を付けるとスピード重視になって、左右どちらの手でも抜けます。腰にぶら下げると、立ってる時しか抜けないのが痛いんですよね。」

 

剣鉈って名称なのに、ヴァニーユはコンバットナイフとして使ってるじゃん。高級服屋から探索者ギルドへ2人で歩く間、ヴァニーユは右側を歩いている。ご主人様が、左に帯剣してる右利きだからって意味なんだろう。ヴァニーユは、エステル男爵家で繁殖された生まれながらの奴隷だ。貴族家の奴隷教育って凄いわ。繁殖の奴隷が高性能なのは、品種改良+教育の成果じゃないのか?

 

帝都の探索者ギルドに到着し、買取りカウンターに向かうか、受付は前回と同じ女性だった。

 

「おはようございます。また滋養丸と強壮丸を売りに来たんですけど、まだ買取価格は高いままかな?」

 

「はい、@30ナールの買取でやらせてもらってます。品不足なんで、売り物はいくらでも買い取りますよ。ウチは口が固いので、絶対にバレませんから。」

 

売り惜しみしてる薬草採取士ギルドも悪徳だよね〜、とか適当な事を言って、買取りカウンターのお姉さんに話を合わせ、アイテムボックスから滋養丸100個・強壮丸100個を取り出し、それぞれ別のトレーに出す。横流ししてる薬草採取士だと、誤解したままでいてほしいからね。

 

@30ナール*(100+100)個=6,000ナール、銀貨60枚の堅実な稼ぎだ。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

次は、4日ぶりの商人ギルドだ。

 

「おはようございます。アレックス殿がもう出てきてるか、分かります?」

 

念の為にオークションの下見室を一周してから、受付カウンターの女性に声をかける。アレックスの彼女っぽいポニーテールの女性の顔は覚えてるが、知らんぷりして聞かないとね。

 

「はい、アレックスを呼んで参りますので、しばらくお待ち下さい。」

 

ポニーテールの受付嬢が足速に奥に消えるが、ヴァニーユが意外な事を小声で言い出した。

 

「ご主人様、あの人間族の女は繁殖の奴隷かもしれません。スカートの中に武器を隠してる歩き方だけど、かなり慣れてます。単なる町娘にしては筋肉が付いてる身体だし、そこそこ強いと思いますよ。ヴァニーユの剣鉈にも、驚いた視線が来てました。」

 

「う〜ん、やはり、どこぞの貴族家の息がかかった女性かぁ。アレックスは、ハニートラップに引っ掛かってる可能性が高いな。ヴァニーユ、とりあえずは気付いてないフリしよう。」

 

ハニートラップは避け難いけど、問題は、どこの貴族家かだよなぁ。

 

「マモル様、おはようございます。談話室を取りましたので、お茶にしながら話しましょう。おや、そちらの女性は初めてですね。」

 

「うん、新しく買った家事奴隷のヴァニーユだ。今日は秘書として同行させてる。よろしく頼むよ。」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

いつものように、談話室に入り、アレックスと世間話をしている間にお茶が出てくる。目の前のカップを横からヴァニーユが取って、一口飲み、再びカップを戻す。おお、これが毒味ってやつか。ポニーテールの受付嬢が入れたお茶だから、ヴァニーユの考えは解る。これが繁殖の奴隷への教育かぁ、貴族家って侮れないな。

 

 

「マモル様、コボルトのスキル結晶は1つだけ、4,900ナールで落とせました。サイクロプスとスライムは、なかなか物が出品されず5,400ナールだと厳しいかもしれません。」

 

「そうか。まあ急ぎじゃないし、自分で相場を上げちゃうのは嫌だから、引き続き同じ値段で頼むよ。あと追加で、ハチと潅木のスキル結晶も欲しい。両方とも4,900ナールまででお願いね。」

 

「かしこまりました。それとドープ薬の方は、それとなく仲買人に話を流しておきました。」

 

「うん、ありがとう。それじゃ、コボルトのスキル結晶4,900ナール+手数料500ナールで、5,400ナールね.。確認して。」

 

探索者ギルドで受け取った6,000ナールは入った皮袋から、銀貨6枚を取り出してヴァニーユに渡し、皮袋の方をアレックスに渡す。アレックスが、トレーに10枚ずつの山を作り銀貨を数え始める。

 

「ところでマモル様、仲買人の間での噂なんですが、北方のエルフ領では、春になってから天候不順が続いていて、冬小麦の生育が悪いみたいです。このまま不作になると、夏の刈入れが終わった後、身売りが大量に出るかもしれません。エルフの力は人間族と変わりませんが、美男美女揃いですから、男も女も性奴隷として人気があるんですよ。」

 

「ほう、天候不順ね。それは良い情報を聞いた。アレックス、引き続きよろしく頼むよ。」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

商人ギルドのロビーにてアレックスと別れるが、アルフリーダ達はまだ来ていない。

 

天候不順の噂の裏を取ろう。ハーフェンの漁村までワープで飛ぶ。MP回復速度二十倍を付け2人なら問題ないし。

 

「ヴァニーユは、バーナ語もペラペラだったね。聴き込みと通訳をお願いね。」

 

「了解です。話してる言葉は、典型的な猫人族のバーナ語ですね。適当に買い物をしながら聞いてみます。」

 

北の漁村だけあって、まだ、ソマーラの村より少し寒いな。ヴァニーユはコミュ力も高い、おばちゃんと、何やら楽しそうに話してるぞ。

 

「ご主人様、やはり今年の春は曇りばかりで寒いみたいですね。やっとアサリの身が太ってきて、例年より20日以上遅いらしいです。それで、今朝掘ったアサリが、1kg50ナールって言ってます。アサリのパスタにしませんか?」

 

「それは安いな。今から砂抜きすれば、夕方には食べられるだろう。11人分だから2kg買って。」

 

ヴァニーユがおばちゃんに何か言うと、ネットにアサリを詰め込み始める。2kgってのは大体なんだな。さて、エルフ領が天候不順の裏取りは出来た。もう少しMP回復したいので魚市場を回っていると、市場の奥で『あら汁』が1杯10ナールで売っている。2杯買ってヴァニーユと一緒にベンチで食べるが、味噌が入ってないので『ブイヤベース』だ。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

商人ギルドのロビーに戻ると、アルフリーダ達は、まだ来ていない。貫頭衣のデザインで盛り上がってるのだろうか?

 

「ヴァニーユ、この後は家に寄ってから、ザビル辺境伯の騎士団まで飛ぶよ。資料室に入るから、ヴァニーユも一緒に行こう。」

 

「了解です、ご主人様。あそこの家って、お金持ちですものね。本もいっぱいありそうで、楽しみです。」

 

「え、ヴァニーユはザビル辺境伯家のこと、何か知ってるの?」

 

「はい、エステル男爵家は貧乏で、ザビル辺境伯家から借金してるんです。当然、約定通りに返せませんので、何年かに一度、繁殖の奴隷が借金と交換されるんです。でも性奴隷として行くので、大事にされるらしいですよ。あ、フレイヤが走ってきました。」

 

「ご主人様ぁ、遅くなってゴメンね。高級服屋のマダムに、囮のときに履くフリフリのスカートの話をしたら、凄く関心されて色々聞かれたの。これで新規開発したいって、お母さんと何か話してた。あと、フレイヤのオリジナル貫頭衣は受け取ったから、今晩見てね。」

 

う〜ん、何か変だ。アルフリーダが、何かビジネスしたな。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

全員と合流し、一旦帰宅する。

 

鍋やフライパンを総動員して、ハーフェンの漁村で買ったアサリを塩水に入れ、光が当たらない場所に放置し砂抜きする。アルフリーダは、辺境伯家へのお土産にする石鹸と保湿剤(グリセリン)の準備だ。なるほど、保湿剤はガラスの小瓶に移し替えすると、良さげに見えるよね。イリスは、パピルスで作ったメモ帳と、筆記用具を鞄に入れてるな。

 

「辺境伯家には、アルフリーダ、イリス、ソフィア、ヴァニーユの4名を連れていく。ザビルは遠いから、これでもMPが足りるか不安だけどね。イリス、念の為、強壮丸を準備しておいて。MP枯渇で倒れた時は飲ませてね。」

 

「ご主人様、イリスにお任せ下さい。あ、そうだ、ステンレス水筒も持っていかなきゃ。」

 

「ユリア・エゲリア・フレイヤ・エマ・ミラ・ノラ、昼食は6人で相談して好きな物を食べちゃって。MPが足りなくて、帰るのは無理だと思う。」

 

 

最初にソマーラの迷宮に立ち寄り、吸精のダマスカスステッキで魔物を殴りまくって、MPを満タンまで回復する。さて、出口をザビルの冒険者ギルドに設定し、ワープ!

 

うおぉぉ、過去一でキツい。冒険者ギルドの壁から出た瞬間、意識が朦朧として膝を突いてしまい、皆が何か言ってる。イリスに胴体を支えられ、ベンチまで運ばれるのは分かった。イリスに頭を抱えられ、口移しで強壮丸を飲まされる。

 

「イリス、もう一回、お願い。」

 

頭もクッキリしてきた2回目は、イリスの舌が口に入ってきたのが感じられる。うん、最悪の状態は脱した。イリスがステンレス水筒を開けてくれ、温かいお茶を飲む。うん、落ち着いてきた。

 

「いや〜、ヤバかった。危ないから、帰りはドブロー辺りを中継地にしよう。イリス、ありがとうね。」

 

ザビルの冒険者ギルドから騎士団事務所まで、歩いて向かう。どうせ顔は割れてるんだから、冒険者ギルドの受付から”先触れ”が騎士団に飛んでるだろ。しかし、膝を突いて倒れたのは少し不味かった。ジョブは冒険者ってことにしないと、辻褄が合わなくなる。

 

騎士団の事務所に着くと、やはりロビーで、ベルガーとヒルデガルドが待っていた。

 

「ベルガー殿、本日もよろしくお願いいたします。辺境伯家の資料室に入れる貴重な機会、昨晩から興奮して楽しみにしてまいりました。」

 

「マモル殿、冒険者ギルドで倒れたと聞きましたが、大事ないですかな?」

 

「いや、お恥ずかしい。4人を引き連れてのフィールドウォークだと、いささか実力不足でした。まだまだ修行が足りません。帰りは安全策を取って、中継地を挟むとしましょう。」

 

「「・・・・・・。」」

 

あれ、ベルガーとヒルデガルドが絶句している。何をやらかしちゃったんだ? 後でイリスに聞かなきゃ。

 

「マモル様、待って。そちらの猫人族の娘、繁殖の奴隷よね。少し話して良いかしら?」

 

「え、確かにヴァニーユは私の奴隷ですが、話が見えないのは・・。」

 

「マモル殿、すまんのう。実は、我が主人カール・フォン・ザビルと私ベルガー・フォン・ザビルは、主従関係を結んでいるものの、従兄弟の仲でもあるんじゃ。そして30年前、二人とも可愛い狼人族の姉妹に夢中になってのう、二人合わせて白金貨5枚分の貸付債権を放棄して入手したわ。その後、姉は私の一番奴隷になり、妹は我が主人の一番奴隷になった。お互いの一番奴隷が姉妹だから、その主人同士は義兄弟になるかもしれんのう。」

 

「ベルガー殿、理解できました。ヴァニーユ、ヒルデガルドさんは、エステル男爵家での昔話をしたいそうだ。失礼のないように、お相手して差し上げろ。ところでヒルデガルドさん、なぜ一眼見て、ヴァニーユがエステル男爵家での繁殖だと分かったのです?」

 

「まあ、雰囲気なんだけど、決め手は剣鉈ね。その胸に逆さに付けるホルスター、考えたの私だから。以前は、腰の後ろに剣鉈を付けるのしか無かったから、遭遇戦だと刃筋がバレバレになるのよね。」

 

いやいや、エステル男爵家が30年前に売り飛ばした時って、ヒルデガルドは16歳だろ。その年で、刺客とガチで戦ってたって凄いな。エステル男爵家が恨まれてるのか、戦争の少ない世界を選択したから非正規戦が多いのか、両方かもな。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

ヴァニーユを残し、騎士団の書庫に案内してもらった。流石に裕福な貴族家だけあって、相当な量の本と資料がある。羊皮紙の本が6割、パピルスの資料が4割の見た目だ。しかしご主人様は、ブラヒム語の文字は教えてもらって何とか読めるものの、人間語やバーナ語は全くの意味不明。なので、戦力としては当てにならないんだよ。ごめんね。

 

「自分は地図を映し取ることに注力するよ。イリスは、セリーが書き残した理論書『鍛冶とスキルと迷宮について』を探してみて。ソフィアは、迷宮情報を。初代皇帝についての情報も欲しいな。アルフリーダは、ザビル辺境伯の財政状況の資料を当って。辺境伯家と騎士団と辺境伯領は、それぞれ独立採算でやってると言ってたけど、この手の手法は、全体像を隠す為にやる事が多いんだよね。」

 

あった、この世界の地図だ。帝都、クータラル、ザビルの位置関係から、北を上にした地図に間違いない。元の世界から異世界転移する時、嵩張らないので方位磁石は持ってきたから、太陽が南中する=北半球にいる事は確認済みだ。

 

しかし、見るからに無茶苦茶で、縮尺とか合ってる気がしない”絵”のような地図だ。全部で3種類の地図を見つけるが、すべて大陸の形が異なる。それでも、西の多島海の先には別の大きな島があるし、東の端はずっと陸地が続いている。隣のペルマスクは島として描かれているが、この海が内海か外海かも分からないな。う〜ん。

 

おそらく、大地が球体である認識もないから、元の世界のプトレマイオスの地図にも遠く及んでない。天文学が無くて、緯度や経度が測れないのか? ともかく、我々が住んでる場所は、大きな大陸なことだけは理解した。3種類の地図をガッチャンコして、粗粗で書き写しとこう。都市の位置関係が解るだけでも役に立つしな。ワープがあるので南中時間の差を調べる程度なら簡単だから、そのうち東西は正しく補正できるしね。

 

「ご主人様、セリー様の著書ですが、騎士団の書庫にも無いです。その代わり、昔の偉大な鍛冶師の著書が揃ってます。時間が許す限り、読んじゃいますね。」

 

「ご主人様、騎士団の資料によると、辺境伯領で残した迷宮はザビルの迷宮だけですね。騎士団のトップパーティは、辺境伯自身のパーティで、新規迷宮が出現すると、45階層以降で辺境伯自身のパーティが入り、2日で1階層のペースで50階層まで突破してます。パーティ構成は、聖騎士・魔道士・百獣王・百獣王・禰宜・探索者ですから、バランス型の正攻法です。辺境伯自身のパーティで、年に3個程度、迷宮を攻略してますよ。」

 

「ソフィア、それって凄くね? 50階層までなら余裕があるよね。あの歳でバリバリの現役ってのもなぁ。ここ10年だけで、30個もギルド神殿を入手してるんだろ。アルフリーダ、ギルド神殿を売り払った形跡ってある?」

 

「迷宮のドロップ品は全て騎士団の収入にして、ギルド神殿だけ辺境伯家の所有にしてますね。昨年、領内全ての町に、探索者ギルドと農夫ギルドの設置完了宣言を出してます。ギルドでの転職料が、全て辺境伯家の収入になりますから、相当な金額ですね。あ、種族固有ジョブのギルドまで、オーナーは辺境伯家です。これ、ギルド神殿は売らないで、全て直営ギルドにしちゃってますよ。」

 

「しかし、これだと辺境伯家に貨幣が滞留しちゃって、経済の回りが悪くなるね。アルフリーダ、辺境伯家は、何にお金を使ってるんだろう?」

 

「どうやら、人口問題を抱えているみたいで、辺境伯家のポケットマネーで開拓団を組んで、食料増産をしようとしてます。迷宮討伐が順調で治安が良い領土ですから、人が死なないんでしょう。あ、孤児院も領地に5つ、私財で運営してます。ただ、この程度じゃ使いきれませんから、まだ何かありますね。」

 

「ソフィア、騎士団のパーティ構成に錬金術師は出てくる? ザビルの町では、独自のガラス製造に成功してたじゃん。錬金術師の取得条件を満たす人は結構いるはずなんだけど。」

 

「え〜と、騎士団の資料に錬金術師は出てきません。ご主人様、錬金術師って石鹸の製造が取得条件じゃないんですか?」

 

「いや、錬金術師の取得条件は『村人Lv5以上で、化学反応を伴う作業をする』かな。ガラス=シリカ+炭酸ナトリウム+炭酸カルシウムだから、ガラス製造って化学反応としては単純なんだよ。あとは、釜で石灰石を焼いてセメントを作ってモルタルにしてる人も、錬金術師を取れると思う。」




春の40日 昼
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