盗賊が拠点にしていた小部屋に、ボーナススキルのワープで移動する。
通路に出ても目視の範囲に魔物はいなく、自分には索敵する手段は無い。原作でロクサーヌは、匂いで魔物を察知できた。エンカウント率が上がる=レベル上げが効率的の意味だ。1日に通常の2倍の魔物と会敵できるのなら、獲得経験値2倍のボーナススキルを持っているのと同じだ。欲しいな。
ソマーラの迷宮の1階層はスローラビットが出てきた。フラガラッハで一撃で倒せた。積極的に攻撃してこない倒し易い魔物が1匹だ。これは素晴らしい! 仮にモンスターハウスがあったとしても(迷宮自体が出来て間もないので)溜まってる魔物の数は多くないだろう。危険は少ない。
ドロップ品は『兎の毛皮』で防寒に使えるし、帝都まで運べばギルド価格の2倍の値段で売れる。レアドロップで『兎の肉』が手に入り、シェーマ焼きが美味らしい。スキル結晶は極めて稀にしか落とさないが、ウサギのスキル結晶の効果『詠唱中断』は極めて有用だ。スローラビットは、ベイルの迷宮では9階層、クラータルの迷宮では7階層に出てくる。1階層で出てくるソマーラの迷宮の配置はかなり良いと言える。
次は魔法の検証だが、スローラビットと会敵するまで10分ぐらい歩いた。
ファイヤーボール!
3発で倒せたが、リキャストタイムが2回必要なのは痛い。せめて魔法2発で倒せる装備かLvが欲しい。
1時間に6匹倒せるとして、1日8時間で48匹、ギルドの買取価格1匹10ナールだと1日480ナールの収入。戦闘時間がかかるLvの低い冒険者が迷宮の低階層で食べていこうとすると、1日12時間労働コースだ。ベンチャーやスタートアップより少しマシなぐらいだ。
結局、4時間で20匹倒した所で小部屋を見つけた。夕方から予定があるし、今日はここまでにしてワープで帰ろう。
チープカシオの”いわゆる”ローマ法王モデルを腕に巻いてきて良かった。電池が切れるまで2~3年は働いてくれると嬉しい。
1個だけレアドロップした『兎の肉』はアイテムボックスに入れてある。レアドロップ率5%程度か・・。
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戦死者の追悼会は、火葬を兼ねていた。
6名の遺体が戸板に乗せられ、積み上げられた薪の上に安置されている。うち1人は村長だろう。家族の別れが終わって薪に火が着けられた。80人ほどの村人が歌を唄って送別し区切りをつける、縁もゆかりもない自分でさえ感じ入る送別の儀だった。
ユリアは、涙目で感情が入った喋りをした。盗賊と村の為に戦って死んだこと、遺族のことは心配いらないこと、死んだ村長の子供がお腹に入っている嘘、自分が次の村長として村を食べさせていくこと、次の村長としての権威を作るには十分な振る舞いだ。
「最後に、マモル・モノベ様からのお言葉があります。」
自分の話は短くて良い。ミチオ・カガ様の再来とか勝手に思ってくれてるなら、余計な事は言わない方が良い。謙虚に紳士的に、しかし『ユリアの為に』尽力すると言って話を終えた。
「マモル様、ありがとうございました。次の予定ですが、明日は馬車でベイルの騎士団に行きます。」
エゲリアが報連相してきた。
「ベイルまで3時間ぐらいだっけ? 出発はいつ頃かな?」
「夜明け前に村を出発して、日帰りの予定です。」
宿泊すると宿代もかかるからな。
「ベイルの町で買い物をする時間はあるかな?」
「可能です。ベイルで市が立つのは3の日と8の日です。明日は春の3日なので市が立ちます。私達も5日分のパンを買います。」
「わかった、今日は早めに寝なきゃだね。」
「本当はユリアか私が夜伽をしなければいけないのに・・、申し訳ございません。」
「ユリアもエゲリアも片付けや明日の準備で忙しいからね、気にしてないよ。」
そんな会話をしているうちに、宴会が始まった。
酒だけは大量にあったが、食べ物は簡素なものだ。酒も『酔えれば十分』の味だった。
コボルトのボスドロップ品がコボルトスクロース。スクロースは要するに砂糖で、糖分があればアルコール発酵する。蜂蜜の水溶液をアルコール発酵させて作るミードと同じで、コボルトスクロースがあれば村で簡単に酒は作れる。酒税法とか無いだろうから、そりゃ作るわ。
しかし男も年寄りも少ない。女性と子供で8割ぐらいの比率に見える。これじゃ、後が無い勢いでユリアとエゲリアが必死なわけだ。
勝手に切り上げて、ベッドに入らせてもらおう。
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水音で目が覚めた。
「あ、おはようございます。起こしてしまいましたか?」
束ねたワラ縄のような物を、エゲリアが両手に持っている。
「何やってるの?」
シャワー室の風呂椅子に、捕虜の女が座ってる。ユリアは棒を持って見張ってる。
「この女が奴隷商人に高く売れるよう、洗ってるんです。」
あー、一昨日まで盗賊の一味だったし、『男たちに協力してもらって』尋問したし、洗った方が良いよな。
「石鹸を使っていいよ。ついでに髪も洗って綺麗にしようよ。」
髪の毛は汚れ過ぎてて泡立たないや。2度洗いかな。せっかくだから女を椅子から立たせ、石鹸を手で揉んで、乳や尻や足に塗りたくった。痩せてるな。
「旦那様の慈悲に感謝なさい。それと、股の間と顔は自分で洗いなさい。」
エゲリアはワラ縄のような物に石鹸をつけて、背中と腕をゴシゴシしてる。
「ユリアは、酢があったら持ってきてくれる?」
「酢は台所にありますが・・・。はい、わかりました。」
「そうだね、後でまとめて説明するよ。」
石鹸でアルカリ性に振れた
「エゲリア、兎の肉があるんだけど、手早く朝食にできる?」
「昨日の追悼会の残りのスープがあります。兎の肉は炒めてスープに入れましょう。」
「じゃあ、エゲリアは一緒に台所に行こうか、ユリアは捕虜の女をよろしく。」
「「はい、旦那様!」」
なんか、呼び名が変わったな・・。
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灰の中から消し炭を掻き出して、小枝をくべて火を起こした。五徳の上に鍋とフライパンを乗せて熱する。燃料のことも考えなきゃダメだ。家の中で煙が出る熱源なんて嫌だわ。
「エゲリア、兎の肉は捕虜の女のスープに多めに入れてくれ。」
「ひょっとして、情にほだされたのですか?」
あー、また誤解された。
「今日の目的の一つは、捕虜の女を高く売ることだろ? 栄養を与えて血行を良くした方が奴隷商人の評価も上がるんじゃないかな。」
「なるほど、石鹸で体や髪を洗って綺麗にしたのと同じですか。エゲリアは考えの至らぬ女でした。生意気な事を言って申し訳ございません。」
いや、賢い子は好きだよ。
「良い匂い⋯朝ごはんできたー?」
ユリアは捕虜の女にも粗末な服を着せているが、手枷と足枷もはめて連れてきてる。
さっさと食べてベイルの町に出発だ。
もうすぐ夜が明ける。
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エゲリアが、御者の席で幌馬車を走らせている。捕虜の女は手枷と足枷をはめたまま、さらに猿轡も噛ませられている。大声を上げられ魔物や盗賊を呼び寄せられたら、面倒な事になるからだろう。
良いことに、荷馬車を引く馬は雌(♀)だった。迷宮の入り口で捕まえたロバは雄(♂)だから、ラバの生産に目処が立った。
幌馬車にはサスペンションが付いてないのが悪いことで、振動で酷い乗り心地だ。冒険者のフィールドウォークがある世界ゆえ、馬車を進化させるモチベーションも生じないのだろう。サスペンションを付けるか、馬車鉄道を引くか、迷うところだな。
「ユリア、膝の上に座って。」
ユリアも辛いだろうし、ついでに胸をいじって時間を楽しもう。
「え、子供じゃないですよ。」
と言いつつ、膝の上に座ってくれた。
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1時間半ぐらい経って、開けた所で休憩となった。馬は道端で草を喰んでいる。女の子3人は『お花を摘み』に行っている。こういう時に男は便利で、馬車を見張りながら用を足した。
3人が戻ってきたので、元の世界から持ってきた魔法瓶のステンレス水筒を取り出す。朝食のお茶を多めに沸かして持ってきた。チタンのコップは一つしか無いから、女の子2人は回し飲みだ。捕虜の女は革の水袋の水で良いだろう。猿轡を外して水を飲ませる。
「このお茶、まだ熱い!」
「このコップ、凄く軽い!」
「後で説明するから、そういうもんだと今は思っといて。」
売り飛ばすとはいえ、捕虜の女に聞かれるのも良くないしね。
再び捕虜の女に猿轡も噛ませて、ベイルの町を目指す。
後半はユリアが御者席に座ったので、エゲリアを膝の上に座らせ胸を楽しんだ。
「んっ」
原作では、ロクサーヌやベスタの胸でさえブラジャーをしてなかった。あれは形が崩れるだろ。ミチオ君は、あえて文化汚染しなかったのだろうか? ユリアやエゲリアも、服のすそから手を入れると簡単に楽しめる。かぼちゃパンツは楽しくないし、少なくとも自分の愛人と奴隷には下着を作ろう。
最後まで魔物と遭遇しなかったのはラッキーだった。
丘から見下ろすように、城壁に囲まれたベイルの町が見えてきたので、唇の感触を味わってから終始人形のようだったエゲリアを手放す。
城門はフリーパスで、門番がいないのは防諜的にどうなんだろう。そういえば、城壁は対人間用じゃなくて魔物からの防衛用だった。戦争が多い世界を選んだら門番が立つのかもしれない。
市が開かれてる通りを幌馬車で進むが、マカダム舗装だろうか、ぬかるみや轍も無く揺れが大幅に少なくなった。
「あれが騎士団の詰め所です。」
ひときわ立派な建物が見えてくる。
建物の前の広場が『駐馬車場』になっていて、すでに数台の馬車が止まってる。
ユリアを先頭に、エゲリアが捕虜の女を連れ、騎士団の詰め所の入り口に向かった。
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「ソマーラの村から来ました。村長代理のユリアと申します。2日前に盗賊に村が襲撃されたのですが返り討ちにしました。本日はその報告と、村長が戦死したので後任の村長を任命していただきたいのと、捕虜の売却許可と、インテリジェンスカードの確認をお願いに来ました。」
ブラヒム語で受付の男に言うと、まずはインテリジェンスカードのチェックをするようだ。
ファーストジョブは探索者にしてあるから、何の問題もない。
「
「問題ありませんでしたので、中の窓口で手続きをして下さい。手続きの間に捕虜の調書を取って、売却許可証を書いておきましょう。」
1番の窓口に行けと言われた。運転免許センターみたいだ。
「村長の任命ですね、書類にあなたの名前と村の名前と村長交代の理由を書いて下さい。」
「はい、OKです。」
「
鑑定で確認してみる、ユリアのジョブが『村長Lv1』に変わってた。
「お疲れ様でした。次は2番の窓口です。」
「盗賊のインテリジェンスカードの確認ですね。しばらくお待ちください。」
ユリアが盗賊から出てきたカード24枚を手渡す、Lv2の盗賊は等量交換で爆発しちゃったんで回収できてない。
「お待たせしました。8人の盗賊に懸賞金がかけられていました。お受け取り下さい。次は3番の窓口になります。」
あっけなく換金できた。
「捕虜の売買許可証ですね。担当の者が参りますので少しお待ちください。」
5分ほど待つと、受付で対応してくれた男が捕虜の女を引きずって奥から出てきた。
「お待たせしました。売買許可証です。捕虜は奴隷商人の店で買い取ってくれます。」
これだけ・・・・。
捕虜の女も返してくれた。
「奴隷を売り買いするのは初めてなのですが、信頼できる奴隷商人を紹介していただけると嬉しいのですが・・。」
聞くだけ聞いてみるエゲリアは抜け目無い。ここまでシステマティックなら、提携商人もいるだろ。
「それなら、馬車を停めた広場の向かいに奴隷商人の店があります。大きな建物なのですぐ解りますよ。騎士団の紹介と言ってもらえれば、スムーズに話が進むはずです。」
やっぱり提携してた。盗賊までもが経済システムに組み込まれてる。
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騎士団の詰め所を出て、徒歩2分で奴隷商人の店に着いた。
「ごめんください。」
エゲリアがドアノッカーを叩くと、使用人らしき男が出てきた。
「騎士団からの紹介で、捕虜の売却に参りました。」
捕虜の女を連れ、売却許可証を見せる。
「これはこれは、こちらにどうぞ、当家の主を呼んでまいります。」
広い応接室に通された。捕虜の女も一緒だ。
自分とユリアがソファーに座り、エゲリアは捕虜の女の手枷を引いてユリアの横に立っている。
「お待たせいたしました。主のオリビエです。」
鑑定!
オリビエ 男 55歳 奴隷商人Lv48
装備:身代わりのミサンガ
異常にレベルが高いな。
まずはエゲリアの出番だ。
「はじめまして、こちらはソマーラ村の村長のユリア、私は家令のエゲリアと申します。先日、盗賊に村を襲撃された所をそちらのマモル・モノベ様に助けていただき、捕虜を一人取りました。本日はその売却のご相談でお伺いしています。」
売却許可証を手渡すと、オリビエが読み込む。
「書類に問題はありません。盗賊団にいた17歳の女性、おそらく処女でないとは思いますが検査いたしましょうか?」
「いえ、その必要はありません。間違い無く非処女です。」
エゲリアが『間違い無く』って言ってる。捕虜の尋問って想像通りだったのが確定した。
「17歳非処女の買取相場は4万ナール程度ですが、この女は色艶が良く髪も綺麗です。娼館に売らなくても性奴隷として買い手はすぐに付くでしょう。5万5,000ナールでいかがでしょうか? よろしければ売買許可証の売り手欄にサインをお願いいたします。」
「その額で異存ありません。ユリアお嬢様、サインをよろしくお願いいたします。」
エゲリアが目配せしてきた。
僕の番に進んでいいみたいだ。
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「ところでオリビエ殿、私も今回の件で少し臨時収入が入った。そろそろ奴隷を買おうかと考えてた所なんだが、よければ相談に乗ってくれないだろうか?」
インテリジェンスカードの懸賞金の支払額は、業務提携してる騎士団から流出して知ってるよね。
「もちろん、ご相談に乗らせていただきます。マモル様はどのような奴隷をご希望でしょうか?」
流石に奴隷商人Lv48だけあって、表情は変えないな。
【条件】
・人間族以外の女奴隷が欲しい。
・処女奴隷には拘らない。
・戦闘奴隷にも拘らない。
・短気であったり虚言癖がある者は不要で、穏やかな性格が望ましい。
「これはこれは、失礼な物言いですが、マモル様はお若いのに達観した玄人のようですな。では、当家にいる奴隷の中から条件に合う者を選りすぐって参ります。10分ほどお待ちいただけるでしょうか?」
「急な話で申し訳ない、よろしくお願いします。」
売却した捕虜の女は、猿轡と手枷と足枷をしたまま使用人の男が連れていった。
「ユリア、騎士団から貰ったお金を数えてくれる?」
「えーと、旦那様はお金をいくら持ってるか知らずに奴隷を買おうとしてたんですか?」
「どっちみち奴隷商人のオリビエには所持金を把握されてるから、あんまり関係無いんだよ。」
「ユリア、後で説明するから今はマモル様の言う通りにして!」
「えーと、41万5,000ナールもありました。すごい大金です。」
「ありがとう、お金はそのままユリアが持っていてくれ。」
さて、どんな提案が来るかな? 楽しみだ。
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「お待たせいたしました。マモル様のご希望に沿ったご紹介できる女奴隷が、4名おりました。」
「さすがは騎士団から紹介された奴隷商人だけありますね。4名も推薦いただける人材がいるとは
アルミネ:狼人族 女 16歳
処女では無いもののまだ16歳で、獣戦士のジョブを持っている。巨乳で美少女。バーナ語のほかブラヒム語の読み書きもできる。
イリス:ドワーフ 女 22歳
探索者Lv10だが鍛冶師になれなかった。未亡人で処女奴隷ではない。145cmの身長はドワーフ女性にしては背が高いが、ドワーフとしてはスリム体型で腕力も弱い。ドワーフ語とブラヒム語の読み書きができる。
アルフリーダ:兎人族 女 32歳(母):
フレイヤの母。30歳を超えていて性奴隷としては高齢。兎人族は獣人のなかで一番力が弱く人間族並み。未亡人で盗賊に輪姦されている。戦闘奴隷では無くジョブは商人。耳が少し垂れている。入荷したばかりで奴隷教育はしていないが、バーナ語とブラヒム語の読み書きもできる。人間語は会話だけ可能。
フレイヤ:兎人族15歳(娘):
アルフリーダの娘。15歳で売却可能になったばかりの若さが売り。兎人族は獣人のなかで一番力が弱く人間族並み。盗賊に輪姦されていて処女奴隷ではない。耳が少し垂れていてニキビが酷い見た目。入荷したばかりで奴隷教育はしてない。バーナ語の読み書きだけできる。
「いかがでしょう、4人ともマモル様に自信を持ってお勧めできる奴隷ばかりです。」
「なるほど、素晴らしいですね。」
おもむろにソファーから立ち上がり、明るい窓際まで移動した。
「皆さん、お手数ですが私の前に一列に並んでもらえますか?」
一番に来たのはイリスだった。イリスの顔を上に向かせ観察(特に目の周辺)し、両方の下まぶたを引っ張って目視検査する。
イリスがブラヒム語の小声で話しかけてきた。
「私を買ってください。」
「なぜ私に買ってほしいのかな? 酷い主人かもしれないよ。」
「冒険者は僥倖なんて言葉は知りません。そんな教養ある方に買っていただくチャンスは2度と来ません。私は鍛冶師にはなれませんでしたが、8年の迷宮経験があって、特にマッピングには自信があります。」
二番目はアルフリーダだった。イリスと同じように検査してると、アルフリーダもブラヒム語の小声で言ってきた。
「私と娘を買ってください。私は夫と商家を経営していましたが、盗賊に店が襲われて夫も従業員も殺され、私と娘は借金返済の為に売られました。兎人族は力は弱いですが耳が良いので、イリスさんとの会話が聞こえてしまいました。奴隷商人とご主人様との会話も、とても年齢相当とは思えません。このチャンスを逃したら、私と娘は売れ残って娼館行きになるでしょう。」
三番目はフレイヤだ。前の二人と同じように検査するが、ブラヒム語が喋れないからか、何も言わずに見つめるだけだ。
最後がアルミネだ。明るい窓際で同じように顔を上に向かせて観察する。
やっぱりあった。口の周りに極めて小さいけれど『しこり』のような物ができてるな。下まぶたを引っ張って眼球全体を見ても、明らかに白目の部分が充血している。目の下も結膜炎のように赤い。
「4人ともありがとう。あとはオリビエ殿との商談だから、皆さんは一旦退席してもらっても良いかな?」
捕虜の女を連れていった使用人が、4人を部屋から連れ出した。
「さてマモル様、お気に召した女が居たでしょうか? 特に狼人族のアルミネなどは、あの美貌と巨乳で16歳の獣戦士、これからが楽しみな上に、性奴隷となることも承諾しております。」
「オリビエ殿、私は侮られてるのかな?」
よし、Lv48の表情がひきつった。
「私が見るところ、アルミネは梅毒でしょう。ビッチを45万ナールで売りつけるつもりだったのでしょうか?」
Lv48が固まって汗が出てきてる。勝ったな。
「いえいえまさか、仮にアルミネが梅毒だとしても検査した医者が見落としたのでしょう。仮にも我が商会はベイル騎士団と懇意にさせていただいてる仲、梅毒の女奴隷を販売することなど有り得ません。」
「そうでしょうそうでしょう、仮にもベイル騎士団と懇意な奴隷商人が梅毒の女奴隷を売り付けようとしたなどの噂が立っては、騎士団にも迷惑がかかります。有り得ないことですよね。ちなみに私は家名持ちの自由民で、誰の庇護下でもありません。試してみますか?」
「そうです、有り得ないのです。試してみるなんて滅相もございません。」
「では、他の3人は性奴隷としての価値は有りませんから1人当たり12万ナール、先ほどの捕虜の17歳女性は端数を切り上げて6万ナール、差し引き合計で30万ナールのお支払いでいかがでしょうか?」
「・・・・・。」
「マモル様はカルク無しに暗算もできるのですか・・・。今回の取引は勉強になりました。くれぐれも内密ということでお願いいたします。」
「当然です。私も商道徳は重視しますので内密は大好きです。ユリア、30万ナールお支払いして。」
春の3日