(休日の電車って平日の朝と同じくらい混雑してるな……)
周りの人たちも思っているであろう事を思い、満員電車に揺られて軽くため息をつく
リアの誘いでデートに行く事になり、こうして一緒に電車に乗っている訳だけど
行き先については内緒と言う事で楽しみと不安の混ざった気持ちだ
ちらりと隣で同じく吊革を握って立っているリアを見てみると
楽しそうな表情で電車内にある広告を見ている様子だった
釣られて広告を見てみるも、興味の引かれるような物は無く
再びリアの方を見た所で
(……あ)
満員電車の中、リアの後ろに身体を密着させて居る男と、その手がリアのお尻を
触っている事に気づいた。当のリアは触られている事など気にしている様子もなく
変わらず広告を眺めている
夫としてリアを助けないと
そんな気持ちとは反対に、お尻を触られるリアをただただ眺めてしまう
(今日はデート、リアも楽しみにしていたし、こんな事でデートを邪魔されたくないから
あえて触られているんだ)
勇気を出せない自分に言い訳をするように、勝手にリアの気持ちを決めつける
(それとも、普段から触られているから気にしないんだろうか)
よく考えなくてもリアは普段から露出の多い格好をしている
言い方はあれだけど、触ってくださいと言わんばかりだ
もしかすると、リアにとってこうして触られる事は日常的な事なのかもしれない
結局、目的に着くまで満員電車の中、男に触られるリアを横で見続けた……
「ん~っ!到着!」
電車を降りるとリアは伸びをして、先ほどの事など何もなかったように振る舞っていた
「それでリア、次は何処に行くつもり?」
だから僕も、何もなかったように振る舞う
「ネットで見たんだけど、ここには穴場の混浴露天風呂もあるらしくって
温泉なんて随分久しぶりだし行ってみたいな~って」
「温泉はいいけど、手ぶらで用意は無いよ?」
「あはは、温泉に入るだけだから大丈夫だよ、それじゃ行こ!」
リアに笑顔で手を引かれ、バスに乗って山の方へと向かう
プチ登山をしているような気分になりつつ舗装された山の中を歩いていると
ポツンと用意された露天風呂に到着した
あまり人気もなく開放的で、確かに穴場と言うような雰囲気だ
ただ……
「本当に自然と言うか、自然過ぎると言うか、入るにはハードル高いね……?」
自然の中にぽつんと置かれた、手作り感あふれる小さな風呂は脱衣所も申し訳程度に
置かれているだけで丸見えで、自分の様な小心者にはいささか入るのに抵抗のあるお風呂だ
中々入る勇気も出ず、何となくお風呂の周りの景色を見ていると常連らしき地元の男性たちが
歩いてこちらにやってくる
「あ、こんにちは」
お互いに軽く挨拶を交わし合うと、男性たちはこちらを気にした様子もなく脱衣所で服を脱ぎ
そのままお風呂の中へと入って行く
「……リア、どうする?」
お風呂の中で雑談を交わす地元の男性たちを横目に、リアに尋ねる
お風呂は大きくないこともあり、入るハードルはさらに高くなった
「んー……あたしは入るけど、正人は見学だけにしておく?」
「え?」
間抜けな声でリアに聞き返すと、リアは軽く手を振って脱衣所へ
先にお風呂に入っている男性たちに見られる中、ためらう様子もなく服を脱いでいき
裸になると、少し手狭な露天風呂の中へと歩いていく
男性たちはそんな堂々としたリアを笑顔で出迎え
あっという間にリアは男性たちの輪に加わって楽しそうに雑談をしていた
(リアは本当、凄いな)
誰とでも仲良くなれるタイプのリアだけど、初対面の男性たちの前で裸で温泉に入り
その視線も気にせず楽しく雑談をしていて、その馴染み具合はリアも地元の常連客に
見えるほどだ。改めて凄い女性だと思い知らされる
『そちらさんは夫婦?』
「そうです、今日は良い温泉の話を聞いて入りたいと思って」
『良い湯でしょ?ここは地元のおっさんたち御用達の温泉だからね、旦那さんはいいの?』
「旦那は恥ずかしいから遠慮しておくって、もっとお話聞かせてください」
そんなやりとりを少し離れたところで見守る
手持無沙汰だけど、リアを一人にしておくわけにもいかない
それから20分ほど常連さんたちと混浴を楽しみ、常連さんから借りたタオルで体を拭くと
着ていた服へと着替えてこちらへと戻ってくる
「あはは、温泉入るのにタオルの事すっかり忘れてた」
と、そんな失敗も上機嫌な様子だ
そんな上機嫌なリアと山を降り、街の方へと戻ってくる
次は何処に行くか聞こうとしたところで
「次はここね」
と、少し古ぼけた書店を指差した
「欲しい本でもあった?」
今時本屋で買い物なんて珍しいな、なんて思ってお店の中に入ると
リアは置いてある本を通り過ぎて店の奥へと歩いていく
その先にあるのは布で覆われたアダルトコーナーだ
「えーっと、リア?」
「ほら、地元だと知り合いに会ったら正人気まずいかなって思って」
聞きたいのはそもそもなぜアダルトコーナーに、と言う事だけど
そんな僕の疑問など無視してリアに手を引かれるまま中に入る
(とはいえ、アダルトコーナーなんて初めてだな)
初アダルトコーナーにキョロキョロと周りを見ている僕をよそに
リアはスカートに手をかけると折りたたむように丈を調節する
ただでさえ歩くとチラチラ見えてしまうスカートを、立っているだけで見えてしまうくらい
の長さにしてしまうリアに
「ちょっ、何してるのリア……!?」
出来る限り小声で注意をするも、リアは不敵な笑みを返すだけだ
結局それい以上注意も出来ずリアの後ろをついて歩いていく
アダルトコーナーという場所だからだろうか、下着を見せるけるように歩くリアを
周りの客も無遠慮に見ている、リアから見せつけているとはいえ後ろを歩く事しか出来ない
のは夫として情けない
「どうも、プレイ中ですか?」
そうして歩いているとプレイ中と勘違いした客に話しかけられる事もあり
「ええ、外だとこうして楽しめないので」
と、あたふたする僕をよそに、リアは涼しい表情で答える
先ほどまで露天風呂で全裸になっていた女性のセリフとは思えない
「理解ある奥様で羨ましいですなぁ」
「ふふっ、それほどでも。そちらもちょっと遊んでいきます?」
一度僕の方を見た後、話しかけてきた男にお尻を向けてスカートをさらに捲って見せる
「良いんですか?」
「ええ、夫も良いって言っているので」
リアは僕の気持ちを代わりに答え、それを聞いた男は頬を緩ませると
晒されたリアのお尻を下着越しに撫で始める
その様子を見ていた周りの客もプレイに参加できると思ったらしく
お尻を触られている間にリアの周りには一人、また一人と増えていき
最初の男が触り終わる頃には五人ほど客の男たちの集まりになっていた
「ねぇ正人、良いよね?」
「えっと……」
リアの言いたい事は分かる、集まるだけ集まらせて終わりと言う風にはさせたくないんだろう
「……うん、リアに任せるよ」
だから、空気を読んでリアに任せる事にする
リアに誘導される形で次の男に交代すると、同じように下着を触っていく
中にはお尻だけでなくアソコに手を伸ばして触れたり、リアの胸を揉んだり
代わる代わる知らない男たちに触られても、リアは変わらず楽しそうで
そんな姿を見せつけられるとリアの性経験の豊富さを思い知らされる
リアからすればこんなものは軽いお遊びなんだと
一通り男たちに触られた後は、男たちの希望で一人一人ハグをしていく
妻の身体を触られ、抱き合う所まで見せつけられ、ようやくリアはこちらに戻ってくる
「ふぅ、すっかり濡れちゃった。また来ても良いかもね?」
自分でスカートをたくし上げて濡れた下着を見せてくるリア
そんなリアの笑顔に、僕は射精しそうなチンポを隠しつつ頷いた……
『自分とリアの特別って何だろう』
デートを終えた帰り道、電車に揺られる中ふと考える
一般的な事を言えば、交際した相手はその人だけだったり
キス、エッチなど、特別な行為をその人とだけやっていると言うような所だろうか
リアはモテる、それは昔も今も変わらないし今日はそれを改めて理解した
リアからすれば、人と付き合う事も、キスやエッチも
常に求められてきたから特別と言うほどの事ではないんだろう
男友達も多く、スマホで良くやりとりをしていると言うのもリアから聞いたりしている
(今思いつくのは……結婚しているって言う特別)
とはいえ、それは書類上の事だし、リアは普段から結婚指輪をつけるタイプでもないので
あまり特別な感じもしない
リアはいつでも自然体だ
結婚しているからと言って、男との関係を制限する様な事はしない
もちろん、僕もそれをお願いしたりはするつもりもない
全ては自分に自信を持てず、さらに寝取られ性癖と言う事もあるけど
リアの周りには、常に寝取られの機会はあると思い知らされる帰り道だった……