確率の見える世界 〜あの子とエッチできる確率は○○%!?〜 作:tomoki/名和朋樹
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【2023年6月29日】
ごくごく普通の平穏な平日の放課後。
俺は教室で一人、なかなかにお暇な時間を過ごしていた。
俺の左前の机の方にぼんやりと視線を移すと、そこにはいつもいるはずの千春ちゃんの姿が無かった。
千春ちゃんとゆうり先輩は、昨日に引き続き部活関連のお話をしているみたいで、昼休みも放課後もほとんど一緒に過ごすことができていなかった。
どうやら吹部内部の問題が、ゆうり先輩に関与してるものもしてないものも含めて、ここにきて噴出しまくっているようで、かなりの大事になりつつあるらしい。
何をそんなに2日も話し合うほどの大問題があるのかが気になりはするのだが、俺はそもそも吹部関係者ではないのでここにはあまり踏み込まないようにと思っていた。
そういうわけで千春ちゃんと関係を持ってから初めてエッチをしない日に昨日はなったわけだが、そんな状況は今日も継続しそうな雰囲気がある。
珍しく向こうからもお誘いが来ないし、優先順位を完全に吹部の方に割いているようだった。
もう一人の吹部かつ俺との関係持ちのゆうり先輩からは、節操なく放課後のお誘いのラインが届いているが、こっちはちゃんと部活関連の問題が解決してからと丁重に断っておいた。
千春ちゃんがこういう状態な以上、ゆうり先輩を優遇するわけにもいかないわけで。
千春ちゃんは大切なお友達とまた一緒に部活がしたい、という思いがあってああいう行動を取って、今の状況になったからにはこのタイミングでちゃんと解決しておいて欲しい。
それにちゃんと終わらせてから、後腐れなくエッチしたいしね。
まぁそんなところであの2人はだめ。
となると、残っているのは妹のまりなということになるのだが、あのやかましい絡みは残念ながら放課後に来ることはなかった。
後々話を聞いた限りだと、少しばかりのお勉強タイムをやっていたようだ。
最近俺とヤリまくってるせいか、昨日「成績落ちたかも」ってぼやいてもいたし、この辺は俺とは違って勉強できる妹らしいな。
ちなみに学校でも下から数えた方が早い俺はというと……その辺に教科書をほったらかしたまま、適当にスマホをポチポチしていた。
勉強は高校受かったタイミングで燃え尽きちゃったんだよね。
それに最悪俺が持つ能力を自分に撃ってしまえば、どうにかなるんじゃないかな?
『東大に受かる確率』とかを変更させてしまえば、ね?
ただそんなのに大切な確率操作の1回を使うのかって話もあるし、もし『東大に受かる確率』が―100%―にしたところで、気づけば1日20時間くらい勉強してしまうガリ勉サイボーグになってしまう可能性すらある。
というかこの能力の仕様上そうなるだろう。
急に天から降りてくるのではなく、本来持てるスペックを引き出しているというのがこの能力の現実なのだ。
そんなことしたら本来の俺という人格が消滅してしまいかねない。
使うタイミングと回数は慎重にならざるを得ない。
話は逸れまくったが、こういうわけで、この奇妙な生活始まって以来初めて一緒に居てくれる女の子がいないという状況に陥っていた。
まぁ俺の目線的な話をすれば、『サーチ』能力――――あんま最近サーチしてない気がするけど――――の復活はしていかないといけないわけで。
その条件にもなっている中出しの回数が全く稼げていない。
1日3回でも1か月かかるのに変に遅らせていくのは厳しいが、この辺は俺以外の人間関係であったり、学校生活にも影響してくる。
こういうのは現実世界でまともに学生している以上、仕方ないことなんだよね。
それによくよく考えたら、3人でも結構手一杯じゃね?
1人1時間で3時間。30分でも1時間半。時間的問題はかなりある。
俺にはハーレム願望なんてものはないし、先輩みたいに他の男から寝取る趣味もないし、関係持った以上はそれぞれにちゃんと向き合っていきたい。
これ以上増やすことも現実的ではない。
この俺の姿勢にさっきラプちゃんには苦言を呈されたけど、俺の知った話ではないので無視しておいた。
俺に憑りついた方が悪いのだ。
てかそもそもなんで俺なんだよ。
なんとなーくぼーっとしている俺のスマホに、急な通知が舞い込んできた。
スワイプしてみてみると、それはこの前連絡先を交換していたあやねちゃんからのメッセージだったのである。
『まりなちゃんのおにいさん。こんにちは。今日会えたりしますか?』
どうやって時間を潰そうか考えているようなお暇な俺にはなかなかいい助け舟だった。
それにこの前まりなと3人で部室にいた時、念のため見た『今後身体の関係を持つことができる確率』がそれなりに何故か高かったということもあり、さすがに意識せざるを得ない。
さてはこういう展開が来ることを見越しての確率の高さだなこれ。
ほんと有能な時は有能なんだから。
俺としては全くもって断る理由がないので、前向きに検討しつつ返信しておく。
「お久しぶり。今暇だからいいよ」
『じゃあ部室に来ていただけますか?』
「わかった今から行くね」
>トントントン
俺は4階にある写真部の部室の扉をノックした。
ここに来るのは今週はまだ木曜日なのに3回目である。
基本サボってる写真部員よりここにきているのは本当に大丈夫なのだろうか?とか考えていると中から、癖のある語尾が伸びるようなかわいらしい声が聞こえてきた。
「はーーい。まりなちゃんのおにいさんですかー?どーぞどーぞ」
返事を聞くなり扉を開くと、そこには妹の部活の同期でもある彩音ちゃんの姿があった。
彼女は黒いロングの髪の毛を靡かせながらかわいくデコレーションされたスマホをいじっている。
「おにいさんお久しぶりですね」
「あやねちゃんもお久しぶり。今日は急にどうしたの?あやねちゃん?」
「えーっと、最近付き合い始めたおにいさんにちょっと相談したいことがありましてーー。彼氏について何ですけどねー」
前回話したときにも出てきた彼氏の話か。
そういう話ってあんまり男に対してするもんじゃないような気がするんだけれども、わざわざ俺をご指名ということは男目線が気になるってことなのかもしれないな。
となれば、俺で力になれることがあるのなら力になってあげてあげようというのは、俺が優しいのか、それともかわいい女の子に弱いのか。
多分両方かな。
「なるほど。彼氏くんと何かあった感じなのかな?」
あやねちゃんはうなずくと、そのまま話を続けるように相談内容を述べ始めた。
「そうなんですよー。うちの学校水曜日だけ早く終わるじゃないですかー。なので昨日彼氏とデートしに行ったんですけどー、エッチがもうさいっあくでー。下手で下手で痛かったんですーー。しかも私が痛いからやめてって言っても全然やめてくれなかったんですよー。もうほんと最低。私の彼氏酷いですよねー」
彩音ちゃんは直接男が聞くと失神してしまうかもしれないほどのクリティカルな意見をつらつらと口にしていく。
これがエッチ下手な奴に多いパターンよこれ。実際には他の人のこと知らないけど。
それにこの前彩音ちゃんは彼氏とエッチをしたくないってみたいなことを言ってたような気がする。
これが彼氏のテクニックの無さに起因しているなら、こんなかわいい女の子に対して本当にもったいないことをしているな。
「それは本当にひどい。男の方が100%悪い。女の子の身体はデリケートだから優しく丁寧にが基本なのにね」
「そうなんですよー。それでもう私彼氏とエッチしたくないなって思ってて、これからもああいう感じならほんっとうに嫌なので別れようかなって思ってるんですけど、でも悩んでて……。おにいさんどうしたらいいと思いますか?」
「うーん……。とりあえず彩音ちゃんの意見としては、彼氏とは別れたいんだよね?だったらその意思をちゃんと伝えた方がいいんじゃないかな」
「そ……それは……」
彩音ちゃんは一瞬言葉を詰まらせるも、すぐに話を続けた。
「そうですけどー。やっぱり彼氏と別れたくないっていうか、エッチが下手なだけで別れるのは勿体ないかなって思ってるんですー。なんだかんだで付き合い長いので……」
「なるほどね……」
「ここでおにいさんにとっても内緒なご相談なんですけどー」
「うんうん。俺にできることならいいけど?」
「私とエッチしてほしいんです。まりなちゃんのお話を聞く分にはおにいさんとってもエッチうまいらしいじゃないですかー」
急な発言に頭が大混乱の渦に巻き込まれる。
まさかエッチのお誘いが向こうからくるとは思わなかったんだけれど、それはまだ序の口で。
まりなのお話って、は?へ?
「ちょちょあ?ん?え?一つずつ確認しても良いか?」
「はーい。いいですよー」
彩音ちゃんは俺の混乱した様子には全然意にも留めず、平然と話を続けていく。
「まず俺はあやねちゃんにエッチのお誘い受けているということでいいよな?」
「そうですよー。おにいさんいやですか?」
クリクリの目を上目遣いにして、少し不安げな様子で彩音ちゃんは俺の顔を覗いてくる。
こういう女の子のお願いは男心をホント良くくすぐってくる。
それに俺も男子高校生だし、かわいい女の子からこんなお誘い受けたらそりゃさすがに断るわけないよ。
「嫌じゃないし、あやねちゃんみたいなかわいい女の子抱かせていただけるなんて光栄だよ。その点はこっちからもお願いするとして、えーっとまりなはあやねちゃんと何を話していたのかな?」
実のところを言うと俺としてはこっちの方が気になっていた。
まりなは妹だけあって俺のことは何でも知ってるといっても過言でもない。
それはもちろん最近のことも例外ではない。
今の話の流れを考えると、まりなが勝手に口走ったのは千春ちゃんとの話か、それか俺が持ってる能力の話か。
どちらにしても困るなぁ、と思っていたところに語られたその内容は俺が思っていた以上に衝撃的な内容だった。
「えーっとね。まりなちゃんとおにいさんがエッチしてることとか?兄妹でエッチしてるなんて創作の中の話だけかと思ってたからびっくりしちゃったー。あとはおにいさんがまりなちゃんをいっぱい気持ちよくさせてくれてるって話を聞いて、あやねもおにいさんとエッチしたいなって思ったの!」
俺は開いた口がふさがらないということを身をもって体感した。
そして同時に妹の口軽さにも驚かされた。
まさか学校で近親相姦の話をそんな軽々やってるとは思わなかった。
「あとー昨日もここでエッチしたんでしょ?まりなちゃんから昼休み聞いちゃったんだー」
早速昨日の部室エッチも人に話してるし……。
いや多分まりなのことだから、彩音ちゃんに俺の彼女と認識されている千春ちゃんに嫉妬して、私もエッチしてるからってマウント取ろうとでも思ったんだろうけども。
けどもね、兄妹のエッチはタブー中のタブー。倫理的に最悪な禁断の果実なはずなのになんでそんな簡単に言っちゃうかなぁ。
悪用しようと思えばいくらでも悪用できそうなタレコミを自分の口から……。
帰ったら『友達に話す確率』を―0%―にでもしといて説教だな。
口軽妹はもう仕方ないので置いておいて、問題は目の前の彩音ちゃんをどうするかだよな。
こっちもこっちでめんどくさい情報を握られてしまっている以上、今日のうちに中出し決めといて確率操作で口を封じた方が良さそうだ。
いくらいい子そうであっても流石に困ってしまう。
とりあえずは彩音ちゃんのお誘いを受けて、中出しエッチで堕としてからその後のことは考えよう。
「はぁ。我が妹はなんでそんなこと言っちゃうのかなぁ。引いた?こんな話されて」
「正直に言うと引いたけどー。一昨日にね、まりなちゃんがこの話をしてた時の顔がさーエッチでトロンとしてて、絶対気持ちいいエッチ思い出しながら話してるんだろうなぁって思うと羨ましくてさー。私、エッチでそんな風に思ったことないしー、おにいさんとならきもちいいかもって思っちゃうんだー」
彩音ちゃんはそう言って少し俯くと、上目遣いで俺の顔を覗いてきた。
俺はその仕草にドキッとしてしまう。
女の子のこういう顔ってずるいよね。普段と違ってあざとく見えるし、なによりもかわいいから男は簡単に落ちてしまうのだ。
そんな本能的に堕ちそうになるところをグッとこらえつつ、残った理性で確認すべきことを一つ確認しておいた。
「まぁ俺とやるのはいいけど、それって浮気になるけど大丈夫なの?」
「うーん。浮気って言われたらなんか難しいね」
「踏みとどまるなら今の内だぞ。いざ始まったら俺はあやねちゃんがこれまでの人生で一番気持ち良くなるようにするし、俺にはそれができる。もしかしたら俺とも彼氏とも元の関係には戻れなくなるかもしれない。それでも大丈夫?」
今言った通り、俺の能力は隠されたスペックを引き出してしまう。
それが快楽を享受する神経であったとしても。
だからこそ、それを使う相手にはしっかりと向き合わないといけない。
そんな真剣な思いが伝わったのか彩音ちゃんは長い時間悩んでいた。
「それでも……おにいさんお願いします」