※この作品はR-18です。

確率の見える世界   〜あの子とエッチできる確率は○○%!?〜   作:tomoki/名和朋樹

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2章 恋心編
3% 【4-1話】 失恋したクラスメイトに声を掛けてみた


【2023年6月22日】

 

「春のつれづれ、御物忌みにてのどやかなる昼つ方、姫君の御方に渡り給へれば、例の御帳のうちに、箏の琴を忍びやかに弾きすさび給ふなり。……」

 

 相変わらず古典の授業は何言ってんのかわかんねぇなホントに。

 結局これが何の役に立つんだよ。

 役に立たないならせめて読み物として面白いのにしろよ。

 SFファンタジーものとかないんかこの時代には。

 気づいたら男女逆転してました~みたいな『君の名は。』的な奴なら読むぞ俺は。

 

 

 毎日恒例の睡眠時間と化している古典の授業ではあるが、珍しく俺は起きていた。

 といっても、もちろん授業を真面目に受けているわけではない。

 少し考え事をしようと思っていた。

 

 授業が始まる前には、ちゃんとなけなしの10回の内の1回を使って、『老害が授業中俺に当てる確率』が―3%―になっていることを確認してから、さらに―0%―に変えておいた。

 これで俺が何してようと当てられる心配はなくなったというわけだ。

 いやぁ今のところ、エロ関係以外で一番有益な使い方だなぁこれ。

 1日1回確定で使うんだから、若い女の先生がよかったなぁ。

 回数節約のために真っ先に中出ししといてやるのに。

 ついでに成績もコントロールできたりしたら完璧よ。

 現実的には定年近いよぼよぼ爺さんなわけだが。

 あと、俺の教科担に女がいないのはマジで最悪だな、今すぐ全員変えてくんないかな。

 

 

 

 

 

 考え事にも飽きてボーっと目の前の虚無空間を見ていると、アニメでしか見たことないようなごりっごりのキラキラエフェクトと共に、サキュバスみたいな見た目の悪魔が現れた。

 相変わらずロリっぽい感じの顔のくせにでかいなその胸。

 ちなみに今日の角はトランプのクラブの形だった。

 

≪君、ほんとうにクソガキだよね。授業くらいまともに受けたら?≫

 

 一度も勉強なんてしたこと無さそうな悪魔がそんなことを言ってきやがった。

 俺だって古典以外はちゃんと受けてるぞ。あんま授業ついていけてないけど。

 

 てか元はといえばラプちゃんがこの能力を無理やり渡してきたからでしょ。

 この『サーチ』能力を手にしてしまったら、あとはどう邪なことに使うかしか考えることないでしょ。

 どうやって抜け道を突くかが重要なわけで。

 

≪まぁそれもそっか☆ あと、ラプちゃんって呼んでくれるんだ。わたしうれし~~~☆≫

 

 手を口に当てて嬉しさを表現してくるラプちゃん。

 うざいがここはじっと我慢する。

 

 昨日名前が判明してからというもの、ラプちゃんって呼ばないと、あの悪夢を脳裏に焼き付けてくるという新手の拷問をするようになってしまった。

 流石にあれを見るのは1回で寿命が1日縮むので従わざるを得ない状態に追い込まれている。

 

 てかなんで俺の記憶を再生することができるんだよ、ずるじゃねーか。

 悪魔は俺の脳に取り憑いてるからか、脳機能に関連してることなら何でもできるっぽいのが腹立つ。

 まさか、そのまま俺の身体乗っ取られたりしないよな?

 うわっそう考えたらちょっと寒気が……。

 

≪そんなことしないって☆ だいじょうぶだいじょうぶ☆≫

 

 大丈夫なんだな?信用するぞ?

 で、なんでわざわざ今出てきたんだよ。

 そっちからくるの珍しいじゃねぇか。

 

≪いやさ、新機能についての大切なこと先に言っておこうと思って☆ だって後から言うと怒るじゃん☆ だから、あつし君が気付く前に教えてあげようかな~~って☆≫

 

 ラプちゃんさすがっ。思わず手をグッドマークにしてしまったよ。

 ラプちゃんにしては珍しく、ちゃんと情報を先出ししてくれるみたい。

 それはとってもありがたいな。

 で?その情報って何だ?良いのちょうだいよ

 

≪重要な情報だからよく聞いててね≫

 

 耳をかっぽじって聞いとくよ!

 

≪あの確率を操作する能力は、1日1回限定だよ☆ あ、もう使っちゃってたっけ? ごめんごめん☆ 遅くなっちゃった。てへっ☆≫

 

 ラプちゃんはありえないほどの邪悪な笑みを浮かべながら、そう告げてきた。

 それもちゃんと先に言っとけっ!!!!

 わざわざ使った後に煽りに来るとはね……!!!!!

 お前表に来いよ!!!一発殴ってやる。

 

≪こわいかお~~ 触れるもんなら触ってみやがれっ☆ べ~~~だ おしりぺんぺん≫

 

 実際に舌を出してお尻を叩くクソ悪魔。

 いっっっっっっっちミリもかわいくねぇからなそれ。

 先に言うとか言っといて結局後出しじゃねーか。

 もう使っちまったよ今日の分。

 

 怒るとうるさい老害野郎の前では暴れることもできず、さりとてイライラを発散することもできず、持っているシャーペンを力いっぱい握るくらいしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最高に腹立つ悪魔の煽りを受けた古典の授業も終わり、時間は昼休みへと移っていた。

 目にも止まらぬ超高速で、買っといたメロンパンを胃に突っ込んだ俺は、道行く女の子をじっくりと観察していた。

 

 俺のその行動には『サーチ』能力を完成させる条件が関係している。

 

 昨日判明した通り、『サーチ』能力を完全体として完成させるには、100回の中出しが最低条件になっている。

 とはいえ、100回の中出しを完遂させるのは当たり前だがそう簡単な話ではない。

 そもそも女の子1人当たり、1日1回しかカウントされない。

 だからといって早く完成させようとして、変に女の子たちを無理にレイプしようとした結果、誰かに見られたり通報されたりしたら余裕で捕まる。

 残念ながら逮捕を防ぐ能力は備わっていないようだ。

 

 それに俺の性欲が持つかっていう地味に心配な悩みもある。

 モチベがあってイケるときにやってしまう方がいいと考えると、100回達成を長期目標にしたくはない。

 出来る限り短期決戦で勝負した方がいいだろう。

 

 なら俺が自由に中出しできる女の子の頭数は最低3人。理想は5人以上いてくれるとありがたいわけよ。

 気分によって日替わりでできるし。

 万が一のことがあって、自分の身に危害が加わりそうになっても1人くらい簡単に切れるし。

 あれ、俺なかなかの悪役になってます??

 

 まぁとはいえ、『1分以内にイク確率』を使ってしまえば、おそらくどんな女の子も快楽で堕とせるわけで。

 となれば、事実上の問題はどうやってエッチにまで持ち込むかのみってことよ。

 そこでうまい具合にエッチまで持ち込めそうな女の子を、教室の端から廊下と校庭を見ながら探していたのだった。

 

 もうちょっと進んで、『エッチできる確率』を50%くらい弄れるなら話が変わってくるんだけどな。

 どんな美人でも50%の確率でエッチできるとか最強すぎるんよ。

 今後そういう状態になった時が楽しみすぎんだろ。

 

 妄想だけは捗るが、残念ながら今は3%しか弄れないし、さらに『サーチ』能力もあと9回しか使えない。

 ちゃんと見極めて照準を合わさないと、簡単に回数を減らしてしまう。

 

 俺やってるの、満員電車で狙えそうな女の子を探してる痴漢とおんなじじゃねーか。エロい目で見てるし。

 まぁでも?俺だってかわいい女の子とエッチしたいって欲望はあるし、ハーレム築いてやりたいっていう願望もなくはないし、さやかと付き合うって最終目標もある。

 せっかく使える能力だから有意義に目いっぱい使わないとね~~~

 

 気づかない間に俺は最低最悪な男に成り代わっていたようだが、その時は全く気づいていなかったし、気づく必要すらなかった。

 

 あっ、あの女の子が重そうな本を頑張って運んでる。

 手伝ったりしたら好感度上がったりしないかなぁ。

 手伝ってこよ~~~

 

 

 

 

 

 はい。重いもの持たされただけでした。

 好感度を調べるのに無駄に『サーチ』能力使ってしまった。

 これだから世の女はほんとに最悪だなぁ。

 しかも、まさか体育倉庫の方に荷物を運んでとお願いされるとは思わなかったよ。

 正直この女をエッチまで行くのは無理だとわかったから断ればよかったのに、なんで俺はそこで無駄な優しさを出してしまうかなぁ。

 てか、このギプスの入ったかご重すぎるだろ。何着入ってるんだよ。

 

 

 

 頼まれたことはちゃんと実行する優しい俺は、体育倉庫にギプスを直すと面白そうな場面に出くわしていた。

 

 

『あ、あの、小川君。ちょっと時間良いですか?』

 

 あの子は同じクラスの巨乳美少女千春ちゃんか?

 そして、千春ちゃんに声を掛けられてる男は――――サッカー部のエースで超癖強くて重い彼女を持ってると学校中で話題の小川友輝(おがわともき)じゃねーか。

 彼女持ちとクラスメイトが体育倉庫の裏で謎の会話。

 なかなか面白そうじゃねーか。覗いとこーっと。

 

『うんっ 時間あるから良いよ どうしたんだい?』

 

『あ、えっと、この前のサッカー部の練習試合見ててかっこいいなと思いまして……』

 

『あぁぁ、あの2ゴール決めた試合か。応援してくれてたんだねありがとう』

 

 なんなんだよ、あの妙にすかしたような感じでにっこり笑うやつ。

 お前彼女持ちだろ?何、女が誤解するような笑顔見せてんだよ。

 くっそ、まぁまぁ顔良くて運動神経良いとかずるだわ、反則だわ。

 神は二物を与えるなよ、せめて一物にせい。

 ついでに神は俺にもう少しデカいイチモツをくれ。

 

 あと、胸の方にちらちら視線が向いてるの見てるぞ俺は。

 まぁ気持ちはわかるぞ、普通にデカいからな。

 千春ちゃんは緊張してるのか全然気づいてないけど。

 

『そ、それで、気になっちゃったんです。付き合っていただけませんか?』

 

 あ、すぐに告白しやがった。

 まさか、あいつにめちゃくちゃ有名な彼女がいること知らなかったのか?

 明らかにムードもできてないし、成功する確率間違いなく0%だぞ。

 

『ごめんね。俺彼女いるんだ。だからごめんな』

 

 ほら見ろよ、やっぱり失敗したじゃないか。

 それにしてもお淑やかで優しそうな感じの千春ちゃん振るなんてなかなか罪な男ですね~~。

 うっわ、泣いてるじゃん。かわいそうに。

 泣いている女の子を見捨てて、すっとその場から離れていく見た目はイケメンだが、中身は残念な男(注:俺の偏見)を横目に見ながら俺は気づいてしまった。

 

 ん?待てよ、これスーパー大チャンスでは?

 失恋してガードが下がってるところに味方してあげたらいけるよこれ。

 俺が振られた時も誰かに話して楽になりたいって思ってたし、意外と堕とせるかもしれない。

 うわーでも失恋の記憶思い出したくねぇ。

 

 でも、今は今だ。チャンスとなれば、確認しとこう。

 

『今日エッチまで持っていける確率』は?

 

 ―37%―

 

 3回に1回か。

 十分勝負するに値する期待値あるな。

 そしてお持ち帰りしたら、あのでかいおっぱいも俺のものにできるし、腹立つイケメン野郎への優越感も味わえる。

 さらに千春ちゃんは吹奏楽部だから、そこら辺の女の子も大量に釣ってこれるかもしれん。

 そうなれば、ハーレムまっしぐら確定じゃねーか。

 やべぇ考えただけでちんこ勃って来たぁ。

 失敗すること考えても仕方ないし、話しかけに行くかっ。

 

 

 

「千春ちゃん? どうしたの? 大丈夫?」

 

 俺はあたかもたまたま通りかかったよって感じで話しかけた。

 体育倉庫の裏にフラッと現れる奴なんていないけどな普通。

 

 俺は右手を屈んで座っている千春ちゃんの肩に軽く置く。

 

「ん? あつし君だよね。同じクラスの」

 

 千春ちゃん呼びは意外にもすんなり受け入れられた。

 いや、そんなことにも思考が回ってないのかもしれないが、それはそれで気づかず距離を詰められたのでラッキーだ。

 

「名前覚えていてくれたんだ。ありがとう。それで、その涙どうしたの? もしかして誰かに虐められてたとか?」

 

 俺は千春ちゃんが虐められて泣いているのでは?っていう感じの体にしといた。

 

「え?そんなこと、ないです。」

 

 首を軽く振っていじめとかではないことをアピールしてくる。

 まぁ、振られて泣いてる一部始終を見てたからな。知ってはいた。

 

 ただ、なんかの罰ゲームか何かで告白してたって線もあるにはあった。

 むしろそっちである方が嬉しかった。

 なぜならこの説が外れた場合、千春ちゃんはガチで惚れてたってことになって、あのすかしたイケメン野郎に無性に腹が立って仕方なくなりそうだったからだ。

 現に俺はむかついてる。

 

 なおその場合、ガチ失恋ではなくなってしまって堕としにくくなることに本人は気づいていないのだが。

 

「じゃあ、なんで泣いてるの? 話聞かせてよ。俺泣いてる女の子スルーできないしさ」

 

「ごめんなさい。大丈夫ですから」

 

 千春ちゃんは立ち上がり、スカートについた砂を手で払っている。

 

 やばいっかける声間違ったか?

 逃がしてしまいそうだ。

 脚を止めるにはどうしたらいいんだ?

 

 いや、ろくに恋愛経験のない俺が悩んだところでうまくいかない。

 なら、一旦彼女のことを『サーチ』するのが正着だろう。

 回数のことはどうにかなるやろ。

 

『今俺に振られた話を聞いてほしい確率』は?

 

 ―89%―

 

 なるほど、千春ちゃんとしては誰かに話したい。

 ただ、俺のことを信頼できるかどうかでストップがかかってるってことなのかな。

 この確率は、その人の本心が反映される。

 ただ、本心と行動は必ずしも一致することはないってことか。

 いざ、実際にその光景を見ると面白いな。

 

「千春ちゃんはさ、誰かに失恋したんじゃない?」

 

 教室に戻ろうとしていた千春ちゃんの脚が止まる。

 図星だったので驚いたのか?告白失敗したのを見られたのと思ったのか?

 なんにせよ、脚を止めてくれたのは大きなチャンスだ。

 

「見てたんですか?」

 

 多分千春ちゃんの性格からして見てたのは言わない方がいい気がする。

 

「千春ちゃんの顔が、俺が昔 大失恋したときの顔に似てたから。あの時俺は話を聞いてくれた人がいたから立ち直れたんだ。だから今度は俺が聞く側に回りたいなって思ったんだ」

 

 千春ちゃんは何かを考えているような表情をしている。

 おそらく、俺にすべてを話すかどうかを悩んでいるはず。

 ただ、悩んだ末に出す答えを俺は知ってる。

 

「ごめん。お節介だったかな? 失恋してるときにごめんね」

 

「あ、あのっ」

 

 一歩引いたら簡単に掛かった。

 

「話聞いてもらってもいいですか? 話したら落ち着くかもしれないので……」

 

「もちろん! 今日のうちに全部話して切り替えよっか。そのためのお手伝いするからさ」

 

 俺の表情は、傍から見ればやさしくて純情な男の子がクラスメイトの悩みに乗っているというイメージを持っただろう。

 ただ、その裏に、はるかに邪悪で打算的な考えがあるとは悟らせることはなかった。

 

 

 今日堕とす相手は決まったな。

 あとはどうお持ち帰りするかだ。

 

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