ふたなり巨乳高スペック姉に洗脳されてた俺が、もう一度都合のいいオナホに戻るまで 作:ぷるりん@ぷるりん
姉貴が俺の部屋を去って数時間経ったあと、俺は一人泣き続けていた。
ショックだった。
悔しくて涙が止まらない。
叩かれて、泣かされて。
逆らえなくて、終いには自分から喜んで、いいように使われてた。
本当に情けない。
それに。
……とても、気持ちが悪い。
これほど憎んでいる姉貴を、少しも拒めない身体が。
甘えた声で媚びる、この口が。
今このときも俺を貶め続けているあの人。
それをまるで、愛する恋人かなにかのように勘違いして求めてしまった、自分自身が。
俺は心底、気持ち悪かった。
最低だ。
姉貴が気持ちよくなるために、また、いいように弄ばれた。
叩かれて痛かった。
とても怖かったし、……苦しかった。
それなのに。
そのはずなのに……、
俺の肉体は、精神は、……悦びを感じてしまっていた。
まだあの人に使われた口と喉の奥に、生々しい体温と感触が消えない。
胃の中に入ってしまった姉貴の体液は、きっともう腸の方に降りているだろう。
そのうち完全に分解されて吸収されて、やがて身体の一部に、……………。
「………!!」
転がっているディルドに手を伸ばしかけたところで、ハッとして、自分を止める。
俺は、性懲りもなく、また自分を慰めようとしていた。
ダメだ。
これじゃ、完全にあの人の思うツボだ。
腰掛けるベッドのシーツは、俺の涙とローションが染み込んで、ぐじゅぐじゅに塗れていた。
ベッドの端には、今晩何度も使ったディルドが転がっている。
俺はさっきまで一晩中、泣きながらディルドに跨り続けていた。
気付けば、身体も疲れ果てて。
時刻はとうに深夜を回っている。
悔しくて、情けなくて。
他のことを考えようとしても、あの人のことが頭から離れない。
まるであの人にエグられた傷に呼応するかのように、身体が疼き、隙間を埋めようと求める。
一度自分を慰めてしまえば、こんな滑稽な姿を晒している自分が馬鹿みたいで。
ますます自責と屈辱で頭が塗りつぶされて、それなのに内側がさっきよりも熱く、キュンキュンと甘く疼きだす。
そしてまた誘惑に抗えなくなって、こんな身体にしたあの人を憎んで、泣きながら腰を振り続ける。
まるで、終わりのない底なし沼のようだ。
尽きることのない暗い快楽に、ズブズブと身体が沈み込んでいく。
姉貴が俺を放り出して、自由を手にしたのも束の間。
結局、俺は今もまだあの人の手の内で踊らされ続けている。
小学五年生の夏、俺はあの人に『初めて』を奪われた。
ちょうど姉貴が中学に上がってしばらく経った頃。
姉貴は何故かいつも、妙にイライラしていた。
特に、俺への態度はどんどんキツくなっていって、昔はとても良好だった姉弟関係も完全に険悪なものへと変わっていった。
隙さえあれば、俺によく分からない因縁を付けてなじってくる姉貴。
それに対して、仕返ししてやろうと躍起になる俺。
大小問わずほぼ毎日言い争っていた。
しかし口喧嘩となると、やはり姉貴に軍配が上がる。
姉貴は当時から相当頭がキレた。
それに俺は、口喧嘩で毎日のようにボロ負けしていて。
だから、その日こそ言い負かしてやろうと思って、姉貴が『最も言われたくないこと』を言った。
具体的には……、
「お前はふたなりで気持ち悪いから、一生誰とも付き合えないし、結婚も出来ない」
みたいな事を、言った気がする。
正直、思い出すと今でも背筋が凍る。
俺は言い終わってからハッとした。
流石にマズかったと思って必死に謝った。
だけど、………もう遅かった。
あのときの姉貴の顔は、忘れられない。
姉貴は一瞬顔を真っ赤にすると、目に涙を滲ませながら見たことない形相で俺を睨み付けた。
直後、生気が抜かれたみたいにどんどん顔を青白くさせて……。
そしてそのまま、まるで幽霊みたいにフラフラと、どこかへ歩いていった。
俺は罪悪感で胸をチクチクさせながらも、内心ホッとして座り込んでいた。
しかし、しばらくすると姉貴が戻ってくる。
その時すでに俺より大きかった姉貴が、手に包丁を持って。
その後の姉貴は、思った以上に冷静だった。
まず姉貴は、俺を自分の部屋に連れていくと服を全て脱ぐように言った。
全裸に剥いた俺を正座させて、俺がどれだけ悪かったのか、自分の口で説明させた。
そして、泣き腫らしながら姉貴に謝り続けて一時間くらい経った頃。
姉貴は、その時すでに与えられていた俺のスマホを開かせると、男女問わず全ての連絡先をブロックさせた。
あと、スマホのロックも姉貴が勝手に変更した。
『ryouta ha dorei』あとで姉貴の知らないパスワードに変更出来ないように、何か設定を変えられた。
そしてその後、………結局姉貴は身体を要求してきたのだ。
姉貴に、襲われそうになって。
初めて他者から肉欲を向けられる恐怖を思い知って、俺はようやく本気で抵抗した。
姉貴はもう包丁を仕舞った後だったし、取っ組み合いになっても、今まで姉貴にコテンパンにされた事は無かった。
いくら姉貴が背が高くても、男の俺が本気を出せば勝てる。
そう思っていた。
しかし俺は、あっという間に床に組み伏せられると、姉貴に一方的に殴られ続けた。
おそらく、今まで姉貴は俺に手加減してきたのだろう。
俺がケガしたり、プライドをへし折られないように。
本気を出した姉貴には全く歯が立たなくて、俺は無抵抗になるまでボコボコにされた。
途中で泣き叫びながら、助けを呼んだりもした。
だけど、その時はまだ両親が共働きだった事もあって、結局姉貴が満足するまで行為は終わらなかった。
それが悪夢の始まりだった。
最も効果的な手段で俺を服従させるために、姉貴は毎日様々な方法を試した。
なんの前触れもなく冷水を浴びせてみたり、罵倒し続けて眠らせないようにしたり。
俺を殴りつけながら、笑顔で犯されるように強要した。
もちろん逃げたり逆らったり出来ないように、姉貴は事あるごとに俺を脅迫した。
誰かにバラしたら、顔が変形するまで殴り続けるとか。
言う事聞かないと、俺が笑顔で腰を振ってる写真を、学校中にばら撒くとか。
俺はすっかり萎縮しきって、毎日あの人に怯えながらも笑顔で身体を差し出し続けた。
暴力と脅迫で雁字搦めにされて、気付けばあの人の機嫌を取るためだけに、自分の時間と全神経を捧げるようになっていた。
そんな従順な態度がお気に召したのか、姉貴は徐々に、俺を甘やかすようになった。
俺がどんな命令にも素直に従っているうちに、みるみる姉貴の態度は柔らかくなっていく。
今思えばそれも、全て俺に対する『躾け』の一貫だったのかも知れないけど。
だから、どこまで仕込まれていたかは分からないけど、次第に俺はこう考えるようになった。
たぶん姉貴は、性欲が溜まっていたせいでイライラしていたのだろう。
特に、俺のせいでいつも姉貴をムラムラさせてしまっていた、……らしい。
なので本来であれば、その責任を取って俺が姉貴に身体を差し出すべきだし、そうするのが当たり前なのだ。
なのに俺は、それどころか……、むしろ姉貴に歯向かうような態度ばかり取っていた。
これでは姉貴が激怒するのも当然だし、だから彼女は俺を厳しく罰するようになったんだ。
でも、今は違う。
今は姉貴の言う事を聞いてるし、俺はちゃんと反省した。
だから、やさしい姉貴に戻った。
………許してくれた。
もしかしたら俺が出来るだけ姉貴を満たせるように努力すれば、また仲良くなれるかもしれない。
楽しかったあの頃みたいに。
それから俺は、脅されて言う事に従うだけの奴隷じゃなくて、姉貴を悦ばせるため奉仕する愛玩動物のように振る舞った。
あの人がいっぱい気持ちよくなれるように。
ただ、悦んでくれるように。
その為に、俺は全てを捧げた。
努力した俺を姉貴は褒めてくれた。
可愛いね、よく出来たねって。
俺はそれが嬉しくなって、もっともっと努力した。
苦痛と恐怖でしかなかった行為が、彼女への献身と快楽で埋め尽くされていく。
俺が頑張った分だけ、彼女は俺に応えてくれる。
俺を可愛がってくれる。
幸せだった。
………しかし、終わりは突然に訪れる。
中学二年生の春のこと、俺は彼女が溜まってきているであろう時間を見計らって、姉貴の部屋を訪ねた。
そしていつもの様に媚びる仕草で縋りついて、彼女から精を強請ろうとしたその時。
「………触らないで」
冷たい声で突き放された。
そのまま腕で俺を突き放して、距離をとる姉貴。
「今まで頑張ってくれてありがとね、………でも、リョウタの事はもういらなくなったから」
きっとまた俺の何かが姉貴の癇に障って、怒らせてしまったのだろう。
ショックで泣きじゃくりながら、何度も謝った。
「……聞こえなかった?」
これまでにも、こういう事は何度かあった。
たぶん今は機嫌が悪いんだ。
ちょっと時間を置いて、俺が精一杯謝ればきっと許してくれる。
「出ていってくれる?」
ごめんなさい。
悪いところは何でも直すから。
結局のところ、あの人に何かを感じていたのは、俺の方だけだったのだろう。
あっちから強引に迫ってきたのが嘘みたいに、俺のことに無関心になった。
どれだけ話しかけても、どれだけ気を引こうとしても、ただ煩わしそうに俺を避けるだけだった。
ほぼ三年間あの人に身体を差し出し続けた。
身も心も全て捧げて尽くしてきたというのに、ある日なんの前触れもなく捨てられた。
結局、あの人が俺に求めていたのは、最後まで身体だけだったのだろう。
姉貴は、とてつもなくモテる。
だからきっと彼氏でも出来て、俺はもう用済みになったのだ。
都合よく身体を許して、どころか愛されていると勘違いして自分から心まで捧げて、飽きたら好きな時に捨てられる。
我ながら惨め過ぎて泣けてくる。
本気で愛されていると思っていたのか。
勘違い甚だしい。
惨めで滑稽。
そしてなにより、アタマが悪すぎる。
結局あの人にとって俺は、何でも言うことを聞く都合のいい『奴隷』以外の何者でも無かったのだろう。
思春期のもっとも多感な時期を、俺はあの人の奴隷として過ごした。
そしてその歪みは。
あの人に付けられた傷は、……未だに無かった事にはできなくて。
「………っ♡♡」
気付けば俺は、ディルドにローションを垂らすと、自らの尻に突き立てていた。
ダメだ。
どうしようもなく奥が疼く。
俺はもはや、自分の衝動を抑えられなかった。
あと一回、あと一回だけ。
これで最後だから。
「……んッ、…♡♡」
ヌプッと、僅かな抵抗とともに、俺の中に無機質なゴムの棒が滑り込む。
先程から何度もしているせいで、ほとんど抵抗なく入ってしまった。
「……あぁ゛ぁっ…♡」
小五から中二までの三年間、姉貴のメスとして使われ続けた。
だから未だに、男として失格の『この悪癖』を手放せずにいる。
全く、本当に腹立たしい。
俺をこんなにしておいて、こんなにしたくせに。
それなのに姉貴は俺にご奉仕だけさせて、結局その後、俺に挿れることはなかった。
数時間前の事を思い起こす。
恥ずかしながら、先程……。
俺は自ら彼女に『おねだり』したのだ。
もちろん、今の冷静な俺ならそんな事はしない。
しかしその時の俺は、散々殴られてバカになっていた。
そのせいもあって、俺は思いっきり甘えた声で「お願いっ♡入れてっ…♡♡」てお願いした。
それなのに……、
なのに姉貴は「リョウタはもう彼女さんがいるでしょ…?浮気になっちゃうからダメだよ♡」なんて言ってきやがった。
欲情しきって爆発寸前だった俺は「まって…!なんでなんでなんでっ!?」て、とにかく姉貴を引き止めようとしてた。
「お願いっ…!!今日は、な、なんでもしてあげるからっ…♡ねっ?」なんて恥も外聞も捨てて、全力で媚びを売ってた気もする。
しかし姉貴は、そんな俺に向かってパチっと綺麗なウインクだけ残すと、そのままスタスタどこかへ行ってしまったのだ。
ああーっ……、思い出したらまた気分悪くなってきた。
記憶と一緒に、姉貴をこの世から消し去ってやりたい。
俺の口に出したいだけ出して、自分だけ気持ちよくなったクセに。
……涙目で火照ったままの俺を、一人だけ置いてくなんて。
「………んっ♡……んっ♡ぁっ♡」
ディルドで奥を擦って、喘ぎ声をあげる。
俺が何時も跨っているディルドは、十分大きい。
いつもはこのサイズで満足するのだが、しかし……、
「も、もっと……っ♡」
足りない。
より大きな快楽を得ようとして、さっきよりも強く、激しく腰をくねらせる。
さっき喉を押し広げてきたモノは、もっと大きかった。
あの人のは、もっと大きくて、カタくて……♡
「……ふーっ♡…ふーっ♡♡」
やめろやめろ……!!
思い出すな!!
思い出したくないのに、勝手に身体が思い出してしまう。
『相変わらず、男としてホントに情けないよね』
うるさいっ!!
全部、お前のせいだろ……っ!!
まただ。
またあの人のことが、フラッシュバックしている。
「……ん゛んんっ♡♡」
姉貴に言われたことが、されてきたことが頭の中で繰り返す。
何度も、何度も何度も。
あの人に付けられた傷痕は、やがて俺の行動に変わって、精神を形作る。
「んん゛っ……♡♡」
もっと…、もっとっ……♡
それを証明するかのように、俺は今も自分の『奥』をゴリゴリと削るように、すり潰すように嬲り続ける。
あの人の力は、もっと強かった。
お姉ちゃんはもっとカタくて大きくて……♡♡
姉貴に付けられた傷痕は、消えない。
消そうと藻掻けば藻掻くほど、俺の身体の深くに染み付いていく。
……パシン。
痛めつけられた事を思い出して、条件反射のように背筋が冷える。
「……っ♡ヒ、ぁぁっ♡♡」
パシン、パシン。
グーッと心臓を、掴んで持ち上げられるような心地が広がる。
ブたないで、ごめんなさい。
「あっあっ゛♡♡めんなさっぃ♡……ごめんなさぃ゛い♡♡」
………パシンッ!
ごめんなさい、ごめんなさい。
『んーっ、カワイイっ!!大好きだよっ♡』
俺が悪い。
姉貴は別に俺を嫌ってない。
こんなに可愛がってくれているのに。
それなのに、……俺が姉貴を怒らせた。
むにゅり♡
むにっ♡……むにっ♡♡
とても柔らかくて、いい心地がする。
あったかくて気持ちがいい。
……これ、すき。
すきっ♡すきっ♡
お、大きい。
大きくて、とても興奮する。
「ふふっ……♡誰のおっぱいより?」
えっ……?
ミナの、よりも。
「うん♡……正直でえらいね♡」
そのまま、お姉ちゃんはカタくて大きいのを俺の中に挿れてくれた。
「……あっ゛、おっ♡ぉ゛っ♡ぉっ……♡♡」
お姉ちゃんの太くて硬いカリ首が、切なかった内側をグリグリと押しつぶす。
そのまま俺は、頭を上から抑え付けられて、後ろから犯されていた。
「……リョウタ?何してるの…?」
俺がお姉ちゃんに激しく犯されていると、いつからか教室にはミナがいた。
ミナは心底不思議そうな顔で、俺が犯されているのを見つめていた。
姉貴と違って守ってあげたくなるような、小さくて可愛らしい女の子。
俺と同じクラスで、大好きな彼女。
どうやらずっと隣に立っていたらしく、最初から見ていたようだ。
「……ぁ、あぁ゛っ♡♡イ、くっ…♡イくっ♡♡」
え、まってなんでミナが……?
確かに、ここは………、教室だけど。
「……チッ、ハァーっ………」
相変わらず犯され続けている俺に舌打ちすると、ミナは蔑むように見下ろしてくる。
やばい。
ミナに失望される。
『女の子はなかなか相手には言わないけど、……そういうのって、結構気にするんだよ?』
本当は価値のない、ゴミみたいな男だって気付かれちゃう。
「………マジでキモいんだけど」
ごめん、まって……?
これは違くて、ほんとうの俺じゃない。
「おねえちゃんま゛ってぇ゛っ♡♡ミナが見てる゛っ♡……見てるから゛ぁぁ゛っ♡♡」
しかしお姉ちゃんは、気にせず俺の前立腺を嬲り続ける。
「………ん゛っ♡♡ぉ、ぉお゛ぉっ゛♡♡♡」
ほぼ白目を剥きながら、ガクガクと腰を前後に揺する俺。
それをミナは、心底気持ち悪い物を見る目で見下げていた。
おねがい、見ないで。
嫌いにならないで。
「……こんな男と付き合うんじゃなかった」
うそでしょ?
ミナまで、俺を捨てるの?
待ってミナ……!
置いてかないでっ……!!
ごめんなさいごめんなさい。
ごめんなさい。
◆◆◆
あっつ……。
ジージーと鳴く蝉の声がうるさい。
自然に目が覚めた。
喉がカラカラだ。
喉の奥が渇きすぎて、少し喉が痛い。
風邪を引いてないといいけど。
ベッド横の小さな机にコップが置いてある。
水を飲もうと起き上がる。
すると、服に汗がびっしょりと染み込んでいた。
うわ、めっちゃ汗かいたな。
そう言えば、先程までなにか良くない夢を見ていた気がする。
心臓がバクバクと、速めに鼓動している。
まだ緊張感が残っているようだ。
しかもよく見たら下半身丸出しだし。
恥ずかしい話、……横に洗ってないディルドまで転がっていた。
電気もつけっぱしなので、どうやら昨日は疲れすぎて寝落ちしてしまったのだろう。
カーテンを引っ張ると真夏の眩しい日差しが差し込んでくる。
もうとっくに昼過ぎのようで、照りつける日差しが少し陰りだしていた。
今は何時だろう?
今日は平日だし、普段ならとっくに遅刻の時間だ。
今週から夏休みでよかった。
そう言えば今日は、夕方からミナとデートの約束がある。
幸いミナのバイトが終わるには少し時間の余裕があったが、もう準備しておいた方がいいだろう。
学校がある時はなかなか見れない恋人の私服姿に思いを馳せ、少し胸を高鳴ならせる。
山城ミナ。
小柄で可愛らしい、明るい茶髪をショートカットに整えた同級生。
俺にはもったいないくらいの可愛らしい女の子。
こんな取り柄のない俺の、一体どこを好いてくれてるのだろう?
これから会ったときに彼女が向けてくれるであろう笑顔を想像して、自然と口角が上がってくる。
しかしそこまで考えて、急にズキっと胸が痛む。
今の俺に、胸を張って彼女と話す資格があるのか?
『お願いっ♡入れてっ…♡♡』
一体どの面下げて彼氏面して隣を歩くことが出来るのだろう。
こんな、気持ちの悪い身体で……?
俺は、とんだ恥知らずだ。
◆◆◆
……さすがに満腹だ。
カランカランと音がして、店のドアが閉じる。
外に出ると辺りはもう暗くなっていた。
「お肉、美味しかったねー!」
店の前に立っていると、続いて一人の女性が俺の隣に立ち並んだ。
ストリートっぽい服装に身を包んだ、かなりスタイルの良い美しい女性だ。
ダボッと涼しそうなパンツで、長くバランスの良い足を覆い隠し、上半身にはキュッと腰の細さが強調されたレディースのTシャツを身につけている。
服装こそなかなかボーイッシュだが、そのシルエットからは女性的な身体つきが全く隠せてていない。
むしろ対比するかのごとく、彼女の性的魅力をより一層全面に押し出してしまっていた。
まず一番に目が行くのは、胸の大きな膨らみ。
レディースの半袖は胸元がゆったりと設計されているようだったが、それでも彼女の大きすぎる胸はかなりキツそうに生地を押し広げている。
それに加え、キャップを嵌めた頭からはよく手入れされた長い黒髪が真っ直ぐに伸び、Tシャツが描く丸いラインの上を斜めに垂れ落ちていた。
それに加えて、幅広のパンツはただでさえ足の長い彼女が身に付けることでかなり面積が広く、下半身の長いスタイルを際立たせながらも、大きな胸との間にあるクビレのラインがより一層強調されていた。
他の誰かが着ていても、性的な要素は一切ない格好。
しかし『身に着けているのが彼女』というだけで、あまりにも扇情的な姿になってしまっていた。
おまけに彼女は、背が俺よりも高い。
そのせいで、何気にこの暴力的な光景が俺の目の前で晒されているのだ。
さっきからずっと、目のやり場に困っている。
俺よりも背が高くて、とてもスタイルのいい女性。
………姉貴だった。
俺はどういう訳か、姉貴に連れられて夕飯に来ていた。
あの後俺は、どうしてもミナと会う気分になれなかった。
なので悪いと思いながら、デートの日程を少しズラしてもらったのだ。
夕方になって俺は、今日の夕飯をどうしようかと考える。
父が長期休暇を取れた事もあって、今日からしばらく、両親が仲良く夫婦旅行に出掛けてしまっているのだった。
なので、夕飯を買いに行こうとコンビニに出掛ける事にした。
しかし家を出ると、後ろからガチャッと鍵を開ける音がする。
振り返ると、軽くメイクまで済ませて出掛ける準備をバッチリ整えた姉貴の姿が、そこにはあった。
どこか出掛けるのかと思いながらも、俺には関係ないことなので、姉貴を一瞥た後すぐにコンビニに向けて歩き出す。
すると「私もちょうど買いに行くとこだった」とか言いながら、姉貴が着いてきたのだ。
俺は相手をする気など無かったのだが、やはりその後、姉貴は俺にしつこく話しかけてきた。
無視する訳にもいかないので、仕方なく、なんだかんだと適当に話を合わせる。
するとあっという間に話に乗せられて、気付いた時には仲良く夕飯を楽しみつつ、しっかりご馳走までされてしまっていた。
なので、今はちょうどその帰り道を2人で歩いている途中だった。
しかし彼女の横を歩いているだけでも、かなり視線を感じる。
男に関してはもれなく視線を向けてくるし、彼女連れであっても、チラチラとこちらを意識しているのがバレバレだ。
女子って、普段からこんなに視線を感じてるものなのか……?
いや、……多分そうではない。
ミナとのデートを思い出す。
贔屓目を抜きにしても、ミナはなかなか可愛い子だ、と思う。
もちろん彼女だからより可愛く感じるのはあるが、ミナのことは付き合う前からずっと可愛いと思っていた。
しかしミナと歩いてる時ではここまで視線を感じたことはない。
もちろん多少見られることはあったが、ここまで露骨ではなかった。
だから、おそらく姉貴が異常なのだろう。
特に、さっきすれ違った子供連れなんか印象的だった。
直前まで楽しそうに話してたママが、こちらを見た瞬間ギョッと顔を引き攣らせた。
そして姉貴が男の子の目に入らないように、サッと間に入って、体で視界を塞いでしまったのだ。
一方でパパの方は家族と話しながらも、チャンスとばかりにすれ違うまでジロジロ覗いていたが。
いつもと同じ街道の筈なのに、普段とは全く違う景色に困惑しつつも、俺は数歩前を歩く姉貴について行く。
すると姉貴が、急に人気のない脇道に逸れた。
「………?」
妙に思いながらもついて行く。
すると姉貴は、外の街道からは見えにくい入り組んだ角で立ち止まった。
姉貴はこちらに向き直ると、ポッケから小さな箱のようなものを取り出す。
その青いパッケージには『hi-write』と白い文字で書かれていた。
………タバコだ。
彼女は箱から一本取り出して口に咥えると、風に煽られないようタバコの先端を手で包み込んで、カチッと火を付けた。
そのまま姉貴はタバコを吸い込むと、フーっと慣れた仕草で煙を吐き出した。
「………驚いた?」
姉貴はニコッと俺に笑いかける。
「前からよく遊んでる大学生のお兄さんに、まとめ買いしてもらってるんだー」
確かに、姉貴が煙草に口を付ける仕草はだいぶ様になっていた。
知らなかった。
おそらく、もう長いこと吸っているだろう。
少しだけ複雑な気持ちになって、その辺を眺める。
高校生が吸ってちゃダメだろとか、その大学生ってもしかして彼氏かなとか、家では優等生気取ってるくせに両親にバレたらどうするんだよ、とか……。
胸の中で、様々な考えが渦巻く。
思えば姉貴と過ごしたのは彼女が高一になった頃までだ。
だからそれ以降の姉貴の事を、俺は何一つ知らない。
やっぱり彼氏が出来たから、俺と関わらなくなったのかな。
別にもう、……どうでもいいけど。
こっちとしてもそれで良かった訳だし。
「もしかしてリョウタ、……嫉妬してる?」
そんな事を考えてながらそっぽを見ていた俺をどう受け取ったのか、姉貴は予想外の事を言い出す。
「………は、はぁ!?」
ちげーし!!!
「そんなにムッとすんなよー♪……ほら、よしよ〜し♡」
しかも、姉貴は馴れ馴れしく頭を撫でてきた。
「んな訳ないだろッ……!!」
癪だったので、サッと身をかわして姉貴から距離をとる。
動いたら自分から煙の臭いがした。
どうやらずっと隣に立っていたので、服に臭いが移ってしまったらしい。
俺は、なぜか真っ赤になっている自分の顔を戻そうと努力しながら、姉貴の事をジッと睨む。
「……吸ってみる?」
「……………!!」
思わぬ提案に思考停止する俺。
まだ高校生だし吸ったら違法になってしまう、………いや、忘れがちだけど姉貴もまだ高校生だ。
正直、学校の不良達が隠れて吸っている事なども知っていたため、気にはなっていた。
でも身体に悪いし、姉貴が口付けたやつだから間接キスになるし……。
色々悩んだ末、好奇心などもあって、結局俺の身体は姉貴の腕の中に吸い寄せられていく。
そして、先程まで姉貴が咥えていた、煙草の吸い口に口付けようとして……。
姉貴が腕を下ろしたせいで、スカッと空振った。
「……ぷっ、あははははっ!!」
そのまま、結局姉貴は自分で煙草を吸い込んだ。
「………リョウタはだーめ♡」
そして煙を吐いたあと、釈然としない顔をする俺の唇に、ぴとっと自分の人差し指をくっつける。
「体に悪いし、私がリョウタには吸って欲しくないから、……ね?」
姉貴は煙草に口を付けながら、その切れ長の目で、妙に色気のある流し目をこちらに送ってきた。
……なんだよそれ。
別に俺の体が悪くなったところで、姉貴には関係ないだろ。
しばらく、ジトッと、姉貴を睨みつける。
そんな俺のことを、姉貴は見詰め返しながら、突然自分の顔をグッと俺に近づけてきた。
「リョウタはこれで我慢して?」
なんだよ。
また、キスでもしてくるのか?
思わずまた顔を赤くしながらも、悔しいので負けじと睨み返す。
すると、姉貴は……、
「………ふぅーーっ…♡」
俺の顔に向けて、ゆっくりと煙を吹き付けた。
間近で煙を吸い込んだ俺は、思わずゲホゲホッ…とむせる。
「ね…?別によくないでしょ」
なんてケラケラ笑いながら、姉貴は小さな携帯用の灰皿を取り出す。
短くなった煙草を先っぽから、グリグリと手元の灰皿に押し込んで消した後。
そっとポッケの内側に仕舞って、また俺の少しだけ前を歩き出した。
お前はチンポでも吸ってろってか……?
たははっwww
草ァ!!wwwww(爆ゎら)
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