※この作品はR-18です。

【R18】冴えないエロゲの作り方(イラスト付き)   作:きりぼー

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全話投稿予約完了しました。
これで安心していつでも逝けるな・・・

いつ終わるかわかると物語の風呂敷をたたむのが分かってしまうから不明のままお楽しみください。




10 出海ちゃんのエロイベントを妄想ですませる

「すみません!英梨々と帰る約束が今日はあるので、この辺で失礼させてもらいます」

 

 俺は伝家の宝刀『土下座』をする。右手に宿る邪神が純白のパンティーを触りたいと暴れまわったが、なんとか抑え込む。

 

「そう、そういう選択もあるのね」

 

 詩羽先輩は冷静に言い放ったが、顔は真っ赤だった。性格はいろいろ破綻しているコミュ症だが、根っこは内気な文学少女なのである。

 

「添削ありがとうございました!」

 

 頭を下げて、図書第二倉庫から逃げるように出た。

 

『詩羽 -1』

 

 頭に結果が浮かぶ。詩羽先輩には申し訳ないが、英梨々のマイナスを増やすわけにもいかない。

 

 なんとか性欲に打ち勝った俺は美術室へと向かう。

 

 

※  ※  ※

 

 

 本当は英梨々と帰る約束をしていなかったので、規制事実を作る為に英梨々に連絡をして教室で待ち合わせた。

 

「一緒に帰りたいってどういう風の吹き回しかしら?」

「たまにはいいだろ」

「よかないわよ。あたしにオタクの噂が流れたらどうするのよ」

「認めたらいいだろ」

「そうもいかないでしょーが!」

「じゃあ・・・駅で待ち合わせるか」

「別に一緒に帰らないとは言ってないでしょ」

「どっちだよ・・・」

 

 英梨々はぶつぶつ文句を言いながらも横に並んで下駄箱へと向かった。そこで靴を履き替える。

 

 部活が終わってぞろぞろと帰る生徒がいる中を、俺と英梨々は並んで歩いた。周りの目線が厳しい気がするが、ここは素知らぬ顔でやり過ごす。

 

「で、話って何よ。そんなに緊急を要することなんてないでしょ」

「・・・ないな」

「はぁ?」

「英梨々と一緒に帰りたかったんだよ。いいだろ」

「・・・別にいいけど」

「あと、シナリオを詩羽先輩に修正してもらったんだけど読むか」

「読むわよ」

「デジタルも印刷もあるけど」

「印刷は後で読むけど、音声読み上げにしてもらえるかしら?」

「それは構わんが・・・」

 

 さっき暇なので修正してもらったものをデジタル化しておいた。どうせ印刷物で読んでも英梨々は原稿のデータを欲しがる。

 

 デジタルデータなら音声読み上げソフトで再生させるだけでいい。多少ぎこちないが昔よりはずっとマシになった。

 

「今回は分岐二つを攻略した時のエロイベントなんだけど・・・」

「ふーん、いよいよR18を書いてみたってわけね」

 

 英梨々はワイヤレスイヤホンを片耳につけ、もう一つを俺に渡した。

 

 こうして英梨々がイヤホンで聴いていると、周りの人は「きっとクラシックでも聞いているに違いない」などと妄想をする。「いやいや、普通のJPOPだろ」とクールに推測する人や「英語のリスニングじゃね?」と英梨々を高く見積もる人もいるだろう。「実はアニソンだったりして・・・」と惜しい大穴狙いの人も中にはいるだろう。

 

 しかし、実は「エロ同人作品の読み上げを聴いている」などと想像できる人はいない。

 

 青春っぽい爽やかさとは対極的な腐った時間を過ごしながら下校する。

 

「うわ・・・これ恥ずかしすぎだろ・・・」

「しっ。顔に出さないでしょ。バレるでしょ」

「お前も耳が真っ赤だぞ」

「しょ・・・しょうがないでしょ!」

 

 何しろ朗読されているのはフェラチオシーンなのだ。音がぎこちない棒読みなのが助かるが、これを擬音に変更したらなかなかの出来栄えだ。

 

 改札を通って駅のホームについた頃にシナリオが終わった。

 

 

「・・・ふぅ」

「・・・」

「どうだった?」

「変態」

「だよな・・・」

 

 そりゃ現役JKに自分で書いたエロ小説を聴かせたのだ。変態以外の何物でもないだろう。

 

「これ・・・倫也が書いたのよね?」

「ん・・・まぁな」

「あんたにしてはずいぶんと描写が細かいし、言い回しが詩羽的なんだけど」

「一生懸命真似たからな。それに校正してくれたのも詩羽先輩だし」

「・・・それにしても倫也がこれだけのものを書けるかしら・・・?あんた何か隠しごとしてない?」

「してないぞ?」

 

 前世で詩羽先輩にフェラチオしてもらって、それを詩羽先輩が赤裸々に書き尽くしたものを俺が拝借して書き上げたなんて説明してもややこしくなるだけだ。

 

「あんた・・・どこで舐めてもらったのよ」

「は?」

 

 電車が来た。下校時刻なので周りに生徒がちらほらといる。声をでかく話したくない。

 

「あくまでも妄想だよ。いろんなサイトを参考にしたけどな・・・」

「あとで詩羽に確認するわよ?」

「もちろん構わないが・・・」

 

 詩羽先輩に口止めしておかないと、パンチラ挑発された事がバラされるかもしれない・・・

 

 英梨々ルートを選んで逃げたから問題ないか。余計な詮索をされてややこしくなるよりも自分から事実を伝えた方が傷が小さくてすむかもしれない。

 

「何よ。やっぱり何か隠しているでしょ。わかるんだからね。白状しなさいよ」

「ふむ・・・だが、他の生徒に聞かれる可能性もあるからな・・・」

「なら、メールでいいわよ」

 

 英梨々がケータイを立ち上げた。

 

 目の前に相手がいるのでケータイを通じて会話するというのもご時世だ。

 

 俺はそこで詩羽先輩にパンチラ挑発をされたが、無事に逃げてきたをことを伝えた。

 

「ふーん・・・」

 

 その感想はどっちだ。俺としては隠し事をしていないし、英梨々を選んだわけだし、これ以上の選択はできなかったと思う。

 

「それで美術室まで慌ててきたわけね?」

 

 言われてみればそうだな。詩羽先輩から逃げる言い訳で英梨々を使ったが、それを本当のことにするために向かった。

 

「そういうことになるな」

「なんであたしなのよ」

「一緒に帰りたかったから・・・」

 

 『選択肢に強制的に出てきたから』とか、意味不明すぎる。

 

「それ、あんまり答えになってないわよ」

「このシナリオを早く読んでもらいたかったから・・・」

「変態」

「・・・しょうがないだろ、詩羽先輩のパンティー見た時に、お前のことが思い浮かんだんだよ!」

「声でかいわよ・・・」

 

 周りの生徒が少なくなったとはいえ、つい興奮してしまった。

 

「悪かったな・・・変な事に巻き込んで」

「別にいいわよ」

 

 英梨々が下を向いて顔を赤らめた。

 

 

『英梨々±0』

 

 

 と脳裏に浮かんだ。どうやら無事に加点されたらしい。相手の心情が可視化されるのはありがたいが、未だにフラットなのは気になる。

 

 これで結果は

 

恵 +1

詩羽-1

英梨々±0

 

 となった。

 

 英梨々の機嫌はだいぶよくなった。

 

 それから最初の選択肢からキスまでのシナリオを完成させるように催促を受けた。お互いにアイデアを出し合いながら、一連の流れを構築する。

 

 それはまるでデートの約束をしているように感じだった。

 

 

※ ※ ※

 

 

 数日後。出海ちゃんに呼び出されて技術工作室の倉庫へと入る。いっそこのイベントを飛ばしてしまいたいが、それはそれで問題がありそうだ。

 

「ごめん。出海ちゃん」

「はい?なんでいきなり謝るんですか」

 

 心苦しい。よく懐いてくれて、俺を小馬鹿にしながらも敬愛の感情を抱いている後輩をふることになる。

 

 前世ではここで出海ちゃんの告白を受けて、それから分岐が現れるはずだ。

 

「実は今日は英梨々と変える約束をしていて、あまり時間がないんだ」

 

 英梨々の名前を使って牽制する。告白を1つのイベントとして捉えている出海ちゃんに告白させない方が丸く収まるだろう。

 

 イベント分岐フラグが立たないならそれはそれでいい。加点よりも問題なのは減点なのだから。

 

「また澤村先輩ですか・・・お二人は付き合っているんですか?」

「付き合う以上に複雑な関係なんだ・・・」

「なんですか?それ」

「と・・・とにかく澤村は特別なんだよ・・・付き合ってるわけじゃないけど」

「そうですか・・・」

 

 出海ちゃんが思案にくれている。そりゃ勢いに任せて告白しようとしていたのだ。出鼻をくじかれて混乱するのもわかる。

 

「じゃあ、質問いいですか?」

「おう、任せろ」

 

 前回の質問は角でぶつかった時に見えるパンティーの柄についてだった。俺は出海ちゃん的には正解を選んで、パンチラを拝ませてもらった。

 

 実にいいクマさんパンツだった。そういえば、彼女にしてくれたら写真を撮ってもいいっていってたな・・・

 

 いや、いかんいかん。

 

「ラッキースケベってあるじゃないですか」

「あるなー、現実にはねぇけど」

「倫也先輩の望むラッキースケベってどんなのですか?」

 

 ふむ。

 

 エロラブコメに必須なスキルだ。ぶつかって倒れた女の子のパンチラを見るのがラッキースケベの基本だが、いろんなパターンがある。

 

 ピーコン!と頭に音が鳴った。なんでこの音はレトロ音源なのか。

 

 

① 倒れた拍子にちっぱいを揉む

 

② ロッカーに隠れて着替えを覗く

 

 

 ん?今回の選択肢はこれか・・・

 

 もっといろいろありそうな気がするが・・・確かにどちらも王道だな。

 

 ①の視覚的でなく触った感触である。特にヒロインの胸のサイズがわかるという大事なイベントだ。見た目よりもでかいというのが王道だが、なぜか今回は微乳に限定されている。

 

 ②は現実には犯罪行為だがあるあるだ。読者がマンガやアニメを視聴する以上は視覚的なエロが喜ばれるのは当然だな。

 

 どっちを選ぶべきか・・・俺としては出海ちゃんには申し訳ないが、フラグを立てない方向で進めたい。今回はどっちも名前がないのでわかりにくいが・・・

 

 

「倒れた拍子にちっぱいを揉む。これだな」

「・・・ファイナルアンサー?」

「ファイナルアンサー」

「・・・なんで、ちっぱい限定なんですか?」

「ふむ。いいところに気が付いたな。さすが出海ちゃんだ。ヒロインを紹介する上で胸のサイズは重要だ。ここではあえて手の中に収める事でその小さい膨らみの魅力を伝えることに意味がある、でかいのは見ればわかるからな」

「巨乳を触ったっていいじゃないですか?」

「でかいのは視覚的な迫力でうったえるべきだ。だからこそ覗きなどのイベントでは巨乳の方が箔力があると思う」

「じゃあ、倫也先輩はでかいのよりも小さいのがいいってことですか?」

 

 うーん。そういうわけでもないんだよなー。

 

 加藤のおっぱいでかそうだし・・・すげぇ柔らかそうな上、肌も綺麗だろうし、意外と感度もよかったりして・・・

 

 あっ、勃起しそうだ。いかんいかん。

 

「ああ、小さいのが好きだ」

「倫也先輩って・・・ロリコンなんですね」

「・・・その誤解は解きたいが・・・」

「せっかくブルマを用意してきたのに」

「はい?」

 

 なんでブルマ??今ここで?

 

「絵の資料に着替えシーンが欲しかったんで、倫也先輩に撮影してもらおうと思って用意してきたんですよ」

 

 そういって出海ちゃんは紙袋から青いブルマを出して広げた。

 

 ちなみに今時のブルマはコスプレ用で、女子は短パンやスパッツが主流である。

 

「あのロッカーの中も空にしておいたのに」

 

 出海ちゃんが部屋の角に置いてある掃除用具入れの扉を開けた。確かに空になっている。

 

「そこに俺が入るってことか?」

「そうですよ。今からでも遅くないですよ?」

「ちょっと・・・考えさせてくれ」

 

 出海ちゃんの制服からブルマへの着替えシーン・・・

 

 

【画像10 出海ちゃん着替えシーン】

 

【挿絵表示】

 

 

 

 ぽわわ~んと妄想してしまう。

 

 二大美女から入学早々に三大美女と呼ばれる出海ちゃんの着替えだ。見たくないわけがない。

 

 撮影もOKって、前世は付き合ってからと言っていたような・・・

 

「そういうのって付き合ってからじゃないのか?」

「はぁ・・・倫也先輩が私と付き合ってくれるなら、もちろんその方が嬉しいですけど・・・あくまでも作品作りのための撮影ですから」

「だよな。だよな」

 

 作品作りのためならしょうがないか、フラグは折ったみたいだし、撮影していくか?

 

 いやいや、折れたフラグが修正されるかもしれない。

 

 負けるな俺。詩羽先輩の純白のパンティーに勝った俺が、そんな変態的誘惑に負けるわけにはいかない。

 

 ここは伝家の宝刀だ!

 

「ごめん。出海ちゃん!さっきも話したけど、英梨々が待ってるから・・・」

 

 『土下座』これ最強。たいていのことはなんとかなる。

 

「・・・」

「じゃ、そういうわけで!」

 

 

 そして、俺は逃げるように技術工作室の倉庫から出た。

 

 例えエロゲ主人公失格でも・・・成し遂げたいことがある!

 

 

(続く)




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