【R18】冴えないエロゲの作り方(イラスト付き) 作:きりぼー
新緑の美しい初夏。一年で一番過ごしやすい時期。
ゴールデンウイークの間、加藤改め恵とは会えなかったけどオンラインで会話をしながらシナリオ作成を進めた。
先日のキスイベントを書き起こし、恵にチェックしてもらう。
読みながら恵の顔が赤く染まっていくのが画面越しでも確認できた。表情はなんとか平静を装っているが、そろそろ限界だったのだろう。画面からフェードアウトした。
「もう、恥ずかしいよ~」と言った声がか細い。
俺としてはこのまま状況で発展していきたい。どうも両想いのようだから焦る必要はないはずだ。
少し時間がたち冷静さを取り戻した恵は、デートの修正点や反省点をあげていった。俺はそれを聴きながら、なるほど・・・女の子はそういうことを考えるのかと思った。
例えば喫茶店で休憩したが、露店のクレープの方が良かったかもしれない。そこで1つのクレープをシェアした方が間接キスになる。みたいな話だ。
服もちゃんと試着して感想を言ってもらった方が良かったけど、恥ずかしくて着れなかったとか、トイレ時間を作るために途中で別行動の時間があった方が良かったかなとか。
俺がぜんぜん気が付かないことばかりだ。
英梨々と行動する時は、トイレの看板を見つけたら声かけをする。思えば確かにデリカシーもないが、昔からだからしょうがない。英梨々だって「ちょっと行ってくる」って感じで抵抗はなさそうだ。
その点で俺はぜんぜん気が回っていなくて、店を効率よく回ることや、予約をとることで必死だった。案外恵はトイレを我慢している時間があったのだろう。
それに別行動でなくても・・・と思ってしまった。
恵はこういう女性的な奥ゆかしさというか恥じらいを有していて、やっぱり俺は英梨々とは距離が小さいというか、兄妹みたいなんだなぁと改めて考えさせられた。
だいたい一時間ぐらいの予定で恵とは話をしていたが、ついつい時間が過ぎてトイレや食事の時間など、キリのいいところまで話し込んでしまった。
ゴールデンウイークのあけるころには、第一シナリオが完成した。但しそれは『メインヒロイン』のものだ。
修正と校正を重ねているのでだいぶいい感じに仕上がった。これなら英梨々も喜んでイラストをつけてくれそうな出来栄えだったが、いかんせん経緯が経緯なのでこちらから見せる気がおきない。機嫌が直ったら読んでもらおうかと思っている。
「倫也くん。好感度2で、もうエッチなことするんだよね?」
最期のタイミングで恵が聞いてきた。エロゲ作りとしてはその予定だ。サブヒロインの幼馴染ルートではフェラに発展するものをすでに書いている。ただその原稿はまだ恵にはみせていない。
「エロゲならそうだけど・・・」
「だって倫也くんエロゲー作ってるんでしょ?」
「いやぁ・・・そう・・・なのか・・・」
「何か次のエッチなイベント考えないとね」
「・・・めぐみぃ!?」
「じゃ、また明日学校でね」
「あっ、うん」
それから無言の時間がしばらくあってから恵がログアウトした。
「エッチなイベントは・・・恵が考えるのか・・・?」
やっぱり・・・おっぱい系がいいなぁと、俺は妄想がはじまったしまった。服をまくりあげてブラを拝ませてくれるだけでもヌけそうだ。
しかし、その次がセックス・・・と考えると進捗が冗長かもしれない。やっぱりなんらかの形で射精まで導いてもらった方がいいだろうか。
となると手か口か。いきなりパイズリと言われても詩羽先輩ぐらい吹っ飛んだ人ならいざ知らず、恵では無理な気がする。
でもまぁ、とりあえずおっぱいは揉みたい!うん
※ ※ ※
そうだな・・・まずは土下座しておっぱいを触りたいと頼むのがいいかな。エロゲーだしそんな軽い展開がいい。
次にベッドに押し倒すんだけど、恵は表情を崩さないから、俺はどうしていいかわからずにきっと固まるよな・・・
「脱ごうか?」
なんて聞かれて、俺は耳を疑いながらもうなずくと、恵は着ている服のボタンを1つずつ外して、それから折りたたんで、ベッドにまた横になる。
「いやいや、表情ぐらい恥ずかしがろうぜ!?」
と、思わず口にしちゃうんだけど。恵は「充分恥ずかしいよ」って、フラットに応える。
スカートから延びる太ももとか、下から覗けば見えそうな下着とか、その辺もゆっくり堪能したいんだけど、今回は胸だ。
ピンク基調のレースをあしらった可愛いブラジャーが合うと思う。恵はああ見えて体は鍛えているみたいだから、あばら骨なんかはくっきりと見える方だと予想する。
着やせしているけど、いざ解放されたら迫力のある胸じゃないだろうか。DカップかEカップぐらいあったりして。それがどれくらいのかよくわからんけども。
「じゃ・・・さ・・・触るぞ」
わざと確認をとってみたりして。もうたまんないなっ。
「ん・・・どうしようかな・・・」
こっちも焦らされたりして。
「・・・はぁ・・・はぁ」
言葉が見つからない時は呼吸音を大きく。
「こういうのはやっぱり、キスからじゃないかなー」
この状況でも冷静さを失わない恵に俺はたじろぎながら、キスしたら止められないよな?と迷う。
止められないって何が?
「ごめん。恵っ!」
わしっっと。
【画像12 恵のおっぱい】
驚いたように目を見開く恵。俺はその魅力的な胸の柔らかさをブラごと堪能し・・・
どんな感じだろうなぁ・・・
やっぱり乳首つまんだら怒るのだろうか。どの辺で止めたらいいのかわからない。
このシチュエーションで途中までって難しくないか?
だとすると、どんな風に胸揉みイベントを発生させるかが問題だな・・・
※ ※ ※
学校が始まる。英梨々は口をきいてくれないが登校してきてくれて良かった。
お昼休みに恵からお声がかかる。
「安芸くん、以前話したと思うけど、お弁当作ってきたんだけど」
まだ教室内に多くの生徒が残っていた。周りがザワザワとするのは恵の言葉を聞いたからだろうか。
ヒュ~と誰かが指笛を鳴らした。
恵は耳だけ赤くして、何食わぬ顔で窓際の机を向かい合わせにくっつけている。こうなるともう俺も開き直るしかないんだけど・・・
振り返ると英梨々の目が据わっていた。友達に促されて食堂の方へ向かっていったが、あのまま教室にいたら俺は睨まれて目線で火傷しそうだった。
俺としては英梨々とも恵とも仲良くしたいし、2人が友達になればいいのになと思うのだが、仲をとりもてる気はしない。
恵の作ってきたお弁当は実に模範的なものだった。白いご飯にゴマ塩。ミニハンバーグ、プチトマト、タコさんウインナーに、卵焼きだ。これで魔法瓶の中身が味噌汁なら文句のつけようもない。
「どうかな・・・?」
恵の澄んだ少し高い声は不安そうだった。
「いいんじゃないか?」と俺は気の利かない返事をする。もう少し褒めるべきか。
恵は紙コップに魔法瓶の中を注ぎ入れた。味噌汁だ。完璧じゃないか。小さく切られた豆腐が紙コップの中でぷかぷかと幸せそうに浮いている。
「倫也くん座ったら?」
俺は呆然と立ったまま準備する恵に見惚れていた。
甲斐甲斐しく食事の用意する奥ゆかしい乙女。それでいてスカートから延びる生足。揺れるってほどでもないがそこそこでかいと思わせる胸の膨らみ。
あんまり見ているとチンコが勃ちそうなので、ここは冷静にイスに座って誤魔化す。
「いただきます」と手を合わせる。
「いただきます」と恵も言った。
さて、弁当をどう攻略するかは大事だ。
よくある弁当イベントだと主人公側が食べていない、あるいはパンをかじっているだけのところにヒロインが栄養バランスのいいものを供給するというのがある。
今回は俺の分がしっかり一人前作ってある。
「というわけで倫也くん。ここでイベントフラグを立てようと思うのだけど、いいかな?」
「・・・はい」
『どれから食べる?』
恵が口元に小さな笑みを浮かべて、首をかしげながら聞いてきた。この仕草がなんとも可愛いのだがどういうわけか目にハイライトがなく、少し怖い印象を受けた。
ここは解答を間違えられないところだ。
① 「この手作りの卵焼きから」
② 「まずはこのタコさんウインナーから」
んっ・・・なんだこの2択は?これに正解と不正解があるのか。
卵焼きから手を付けるのはセオリーな気がする。卵焼きが甘いかどうかで話題も広げやすい。見た感じはとても綺麗に巻けているから料理スキルも高いはずで、一口食べれば褒め言葉も自然とでてきそうだ。
一方でタコさんウインナーはどうだ?これは子供用のお弁当の定番であって高校生のお弁当のおかずとしては気恥ずかしい感じもする。それも踏まえてあえて入れてきたとすると、お弁当に可愛さアピールを加えたいのだろう。
ある意味で恵の趣味が出ているのかもしれない。タコさんウインナーから攻略を開始することでお弁当全体の構想を紐解けるかも。などと無理矢理難しく考えてみる。
一見どちらも正解に思える。だとすると不正解の理由から探すべきか?
・・・5・・・4・・・
だめだ時間がない。
・・・3・・・2・・・
「この手作りの卵焼きから」
俺は①を選択した。第一印象からして焦げ目もなく綺麗な黄色の卵焼きは魅力的だった。
「そう」
「・・・正解なのか?」
「さぁ?どうだろうねー」
俺が箸で卵焼きをつまもうとしたら、恵が「ちょっと待って」と止めた。
それから腕を伸ばして箸で俺のお弁当箱の卵焼きをつまむと、俺の口元の前で止めた。
「はい、あーんして」
「恵!?」
「こういうのって定番だし、メインヒロインならやってみたいんじゃないかなー」
それはそうだな。初期カップルイベントとして欠かせないかもしれない。あるいはお弁当イベントとセットともいえる。
「もぐもぐ・・・」
卵焼きは甘かった。適度な弾力もありみずみずしい。実に上手な卵焼きでとても素人とは思えない。それでいてどこか懐かしい味がする。
「美味いな!」
「そうよかった」
恵はフラットな表情でそういった。
「もうちょい嬉しそうな顔しようか・・・」
「そうなんだけどねー」
「どうかしたか?」
「倫也くんさ。最初からこういうイベントをコツコツ積み上げていったら良かったんじゃないかなー」
「何が?」
『恵+2 英梨々-3 になりました』
「なっ!?」
脳内に言葉が浮かんだ。恵が+1されて、好感度2になるのはわかる。これで次のイベントが解放されるはずだ。
だが、なぜ英梨々が-になった?
-3だと・・・ゲームオーバーだ。
世界が暗転して白黒の世界になった。時間は止まって・・・
「うーん」
「あれ、恵動けるの?」
「こういう演出はいらないんじゃないかな」
「俺もよくわからないんだけど」
「でもリスタートならしょうがないのかな?・・・とりあえず目の前で氷堂さんにキスされるのは流石に癪だから」
「・・・」
教室の扉がガラガラと元気よく開いた。
「やっほー、トモ!」
能天気な美智留が小悪魔の格好で入ってきた。シリアスな展開にはしたくないらしい。
「じゃ、倫也くん。今度は間違えないでね」
「俺・・・どこを間違えたんだろ?」
恵は俺の首に両手を後ろに回した。それからキスをした。
それは甘いキスというよりは、哀しいキスの味な気がする。この役割は美智留じゃなかったのかよ・・・
めまいがして、俺は気を失った。
(続く)
「感想とか評価をしてもいいんじゃないかなー」
(匿名希望さんのぼやき)