※この作品はR-18です。

【R18】冴えないエロゲの作り方(イラスト付き)   作:きりぼー

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連載なかだるみ中みたいな内容だった汗


21 美智留レオタードが天使な件

 呆然自失としながら自分の部屋にたどり着いた。

 

 これでケツの穴がヒリヒリと痛むなら被害者としての悲壮感が漂うが、穴を犯されながらも射精してしまった俺は、何か新しい性癖の扉を開いてしまったのかもしれない。

 

 どうやら俺は詩羽ルートに迷い込んだようだ。それは百歩譲って受け入れてもいい。詩羽先輩は充分に魅力な女性だ。

 

 俺が詩羽先輩の体に溺れ、あのたわわなおっぱいを堪能し、退廃的にあの地下室で性行為にふける青春時代というのは悪くはない。

 

 しかしだ。詩羽先輩はこう言ったのだ。

 

 

「今度は私の穴にいれてね」と

 

 

 俺は恍惚としたまま、上気した詩羽先輩をぼんやりと眺めていた。過去に経験のない射精後だったのもある。犯されながらも妙な満足感があった。

 

 そして詩羽先輩の言った『穴』がいったいどっちをさしていたるのかと思案した。前の穴か、後ろの穴か。

 

 文脈的に、あるいはイベントの流れ的に後ろの穴のような気がする。

 

 あの天才文学乙女は頭のネジが何本が抜けていて、性的な興味に対して壁がないのだ。

 

 性的行為がエスカレートして後ろの穴を開発する・・・という流れならまだわかるが、好感度3イベントのアナルセックスで童貞するのは避けたい。

 

 それだったら俺は・・・恵と普通にベッドインして、英梨々に対して罪悪感を抱きながら生きた方がマシだと思う。

 

 詩羽先輩と性的倒錯をしながら、英梨々や恵と疎遠になるのは詩羽ルートのようでバッドエンドと変らない気がする。

 

 

 俺はそんな未来は望んでいないのだ。

 

 

「美智留~ いるんだろ~ 出てきてくれ!」

 

 

 頼みの綱はこのわけのわからないエロゲ世界で役割を担っている美智留だ。あいつもわかってなさそうが、今回のルートをリセットすることはできるのではないか。

 

 

「お~い 美智留~ ルールとか固いこというなよ。今度焼肉奢ってやるからさー」

 

 

 ガチャ。扉が開いた。

 

 ひょこっと美智留が顔をのぞかせている。さすが元祖チョロイン。俺に無条件に優しいだけのことはある。

 

「ほんと?」

「ほんと」

「んじゃ・・・ちょっと待ってて、着替えてくるー」

「・・・おう」

 

 ふぅ、助かった。焼肉は高い出費だが背に腹は代えられない。それに美智留は別に高級焼肉でなくても文句は言わない。どこかの食べ放題に連れていけば十分なので、一日バイトすれば事足りる。

 

 しばらくすると再び扉がガチャリと開いた。

 

「おまたせー」

 

 美智留はまた小悪魔風衣装になっていたが、即席コスプレ感がする。

 

 ピンク色のエグい水着をベースに背中にはとってつけたような悪魔の羽をつけている。どうも縫い付けが悪いのか羽の角度が悪い。こういう小道具にはもう少し予算をかけて作りこんで欲しいものだ。頭のツノもピン止めが甘くずれていた。

 

「おっ、可愛いな」

「ありがとー」

「それに美智留。髪切ったよな」

「うん。夏だからねー」

「ベリーショートもすげぇ似合ってるよ」

「ほんと?」

「おう」

 

 とりあえず褒め殺しておく。頼み事するのに相手の機嫌が良いに越したことはない。

 

 

【画像21 小悪魔美智留】

 

【挿絵表示】

 

 

 

 実際可愛いと思う。けっこうイケメンなところのある美智留だが、女の子としても充分に美人なのだ。明るい性格で裏表がなく、男女共に人気が高い。特に学校で女子と会話することのないような根暗男子にも壁がないので、その辺からの支持はさらに高いようだ。

 

 こいつの一番の自慢は俺よりもバレンタインの時にチョコをもらってくる事だ。俺が英梨々と母ちゃんと美智留から貰うのに対して、美智留は大きな紙袋いっぱいにして帰ってくるぐらい貰えている。はっきりいって数では勝負にならない。

 

「それでな美智留・・・俺はいま詩羽先輩ルートにいると思うんだが」

「ちょっとまってね・・・」

 

 美智留が後ろ向いてメモ帳を確認している。

 

「うん。そうみたいー」

「だろ?それで次のイベントがたぶん・・・詩羽先輩のアナルセックスになってないかみてくれ」

「うーん。それは禁則事項?だからダメー」

「牛タンってうまいよな」

「うん」

「厚切り牛タン好きか?」

「うん」

「次のイベントがアナルかどうかだけ頼む」

「うーん」

「な?ネギ塩とかすげぇうまいじゃん」

「うん。トモの予想通りだよ」

「だよなっ!」

 

 

 ふぅ・・・危うく地雷に突っ込むところだった。

 

 

 詩羽先輩が何を考えているのか計りかねるが、アブノーマルな道へは進みたくない。

 

「そこでだ美智留!俺を元に戻してくれ」

「またやり直すのー?」

「そそ。頼む」

「無駄だと思うけど・・・」

「俺は普通の恋愛がしたいんだよ」

「うーん。ますます悪化すると思うー」

「まじで?」

「うんー」

 

 もしかしたらすべては釈迦の手のひらの上だろうか。やり直したら次はたぶん出海ちゃんルートだ。しかし、伊織とのBLがすでに示されている。確かによりひどい未来が待っている気がする。

 

「なんとかならないか?」

「さぁ・・・あたしはそういう難しいことわかんないよー」

「あのさ・・・美智留」

「ん?」

 

 俺は右手を伸ばして美智留のおっぱいを触った。さっきからポヨンポヨンと上下に揺れているのが気になっていたのだ。

 

「トモー」

「俺さ・・・童貞卒業するなら・・・美智留がいい」

「それは心配しなくてもそういうものだけど。今回のトモは童貞のまま終わるはず」

「まじで?」

「うん」

「ちょっとそのメモ帳みせてくれないか?」

「ええダメだよー」

 

 俺はこの悩めるエロゲ世界で選択肢を自分で選んできたつもりだ。しかし、本当はちがうのかもしれない。

 

 本当は自由意志なんてなくて、美智留のもっている予定表・・・あるいはプロットに沿って選んでいるのではないだろうか?

 

 俺は立ち上がってベッドに座った。

 

「美智留もベッドこいよ」

「ダメだってー」

 

 俺はベッドから手を伸ばした。美智留は迷ってその手を握った。

 

 その手を引くと美智留はベッドの上に膝をついた。迷っているのがわかる。

 

「このままだと俺・・・転生しても伊織に犯されるんだろ?」

「伊織ちゃんはそういうことしないよー」

「じゃあ、どうなるんだよ」

「さぁ?」

「そこに決まっているんだろ?俺の未来が」

「ううん」

「メモ帳みせてみろよ」

「ダメだってー」

 

 俺は半ば強引にメモ帳を奪い、それをパラパラと開いた。

 

 第20話までが完成していて、いままでの流れが簡潔に書いてあった。

 

「・・・これ、もしかして・・・」

「うん、未来のプロットは何もないよー」

「まじか・・・」

「だからねトモ。霞ヶ丘先輩を信じてみてもいいと思うよー」

「いや、もう掘られたくないし・・・」

「掘られるって?」

「ここ読んでみろよ・・・」

 

 美智留が第20話のプロットを読んだ。

 

「・・・トモも苦労しているんだねー」

「あのな・・・」

「ほら、あたしもいろいろあるから・・・トモの味方はしたいけど、女同士も大変なの。わかるでしょ?」

「それはわかるが・・・」

 

 未来が何も決まっていないなら、せめて普通の幸せを願いたい。

 

「トモにはエロゲ主人公の役割があるんだし」

「・・・そういわれてもな・・・」

 

 美智留がベッドの上でこちらを向いて胡坐をかいた。ピンクのハイレグなので股間が気になってしょうがない。

 

「トモ、すごい勃起してる」

「まぁな」

「いや、別に褒めてないけど。あれ?さっき霞ヶ丘先輩で抜いたんだよね?」

「その言い方は語弊があるが・・・まぁそうだな」

「まっいっか」

 

 美智留が何かふっきれたみたいに俺のズボンのベルトをいじりだした。

 

「トモ、脱いで」

 

 

 美智留に言われたので全裸になった。

 

 

「・・・う~ん」

「何悩んでいるんだ?」

「どっちが強いかなって」

 

 美智留が俺を押した。俺はバランスを崩してベッドの上で仰向けになった。チンコだけがびんとまっすぐにそそり立っていた。

 

「どっちって何が?」

「あたしの童貞を奪う権利と・・・」

 

 そんな権利があったんだ・・・

 

「加藤ちゃんのプロット」

「・・・加藤?」

 

 美智留は俺に跨ると、ピンクの水着の股間を横にずらした。性器の上にはうっすらと陰毛が生えているのが確認できた。

 

「あんまり濡れてないけどさー」

 

 そして俺の股間に性器を押し当てた。亀頭の先端が美智留の閉じたままの大陰唇を押し広げた。

 

「トモ・・・」

「美智留」

「やっぱり今回はダメみたい。だからさ・・・」

「美智留?」

 

 美智留がさらさらと消えて行った。

 

 

「残念ね、不倫理君」

 

 

 詩羽先輩の声がどこからともなく聴こえた。あたりが暗転して暗くなっている。

 

 

「もう三千文字を越えたのよ」

 

 

 それが何を意味するのか、俺にはわからない。詩羽先輩によると俺は中継ぎみたいな存在らしい。

 

 あたりが明るくなると、詩羽先輩は机にノートPCを広げて仕事をしていた。どうやら図書第二倉庫へと飛ばされたらしい。

 

 俺に抗える運命があるのか、俺に選択できる未来があるのか。そういう難しいことはわからない。

 

 詩羽先輩は全裸でタイピングをしている。

 

「って、なんで全裸なんですか!?」

「話がダレてきているから読者サービスね」

「・・・」

 

 

【画像21 詩羽全裸】

 

【挿絵表示】

 

 

 

 詩羽先輩は少し寂しそうに笑っている。相変わらず何を考えているのかわからない。

 

 詩羽ルートの好感度は+2イベントも終えている。次の質問に正解すれば攻略完了だが。

 

 

「私は・・・もうずいぶんとひどい脇役になってしまったの」

 

 

 詩羽先輩がノートPCを閉じて、俺に微笑んだ。

 

「あなたにこの意味がわかって?」

 

 俺は意味がわからないので首を振った。

 

「加藤さんですら脇役になる程度には、澤村さんは育ったのよ」

 

 英梨々が育った?

 

「彼女が言うには、美人薄命らしいわ。都合のいいことに原作にも病弱設定があるし、物語を完結させるにはもってこいよね」

 

 詩羽先輩は何を言っているんだろう?

 

「だから、不倫理君。あなたは選ばなければいけないの」

 

 頭が軋むように痛い。

 

 

① 英梨々が死んで物語を終わらせる

 

② ハーレムエンドで目指す

 

 

 なんだこれは、まったく意味がわからない選択肢が現れた。

 

 

 俺がエロゲ主人公だとして、これは選択肢と言えるのだろうか。

 

 無情にも、カウントダウンが30から始まった。

 

 ②を選べば目の前の全裸の詩羽先輩とのエッチなことがはじまるのだろう。

 

 

 けど・・・恵の時のように俺は臆していてすでにここから逃げ出したい。

 

 

(続く)




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