※この作品はR-18です。

【R18】冴えないエロゲの作り方(イラスト付き)   作:きりぼー

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倫也と英梨々が公園でだべって時間潰している時が一番青春感があるような気がする。

まぁ会話の内容はひどいんですけどね。


28 暴発の倫也と幼馴染ヒロイン

 気が付くといつもの喫茶店。そしていつもと違う非常事態。

 

 猛烈な射精感も引き継いでいた。こうなるともう白昼夢夢精になってしまいそうだ。

 

「なに倫也突然立ち上がってんのよ・・・って、はぁ?あんたバカなの?変態!」

「くぉぉぉ・・・ 」

 

 まずは下半身に力を入れてなんとか射精するのを食い止める。乗り切れば収まるはずだが、とりあえずトイレにいくのが先決だ。

 

 制服の上からでもわかる完全な勃起状態。大きなテントを張っているみたいだ。目の前の恵の視線は俺の下半身を凝視して固まっている。

 

 隣の英梨々が変態呼ばわりするのもわかる。だが今はそんな理解を示している場合ではない。

 

 

 ピコーンという現状とはほど遠い軽快な音が鳴った。

 

 

① 付き合ってないけど、英梨々!フェラしてくれ!

 

② 付き合ってない!俺が好きなのは加藤なんだ!フェラしてくれ!

 

 

 なんだよ!この選択肢は!? しかもカウントダウンが10秒。9・・・8・・・と容赦なく下がっていく。

 

 これ、カウント切れたらどうなるかわからないけど、どちらかというと射精を耐えられる時間の気がしなくもない。やばい。7・・・6・・・

 

 とにかく考えている時間もないし、余裕もない。どちらかに決めてこんな場所での暴発だけは回避しないと・・・5・・・4・・・

 

 って、フェラってなんだよ・・・3・・・2・・・

 

 ままよっ!・・・1・・・

 

 

「付き合ってないけど英梨々!フェラしてくれ!」

 

 

「はぁ~~~~?バ・・・バカじゃないの!?」

 

「ごめん。帰るね」

 

 英梨々はまだノリつっこみ気味だったが、恵は完全にドン引きしているらしく目のハイライトがない。立ち上がって鞄を持った。

 

 

「いや、これは深い事情があって・・・」

 

 だめだ。はやくトレイにいかないと・・・射精感は一向に収まる気配がない。恵は俺を無視して横を通り過ぎていく。

 

 俺はその手首を反射的に握って止めた。

 

「頼む・・・ここで待って話を・・・」

 

 俺が手に力をいれた途端、下半身の力みがピークを過ぎてしまった。

 

「うっ・・・」

 

 やばい。出た。このまま大惨事にならないように、俺は手を放してトイレへと向かった。

 

「加藤、少しまっててくれ!説明するから!」振り返ってそう言うのが精一杯だった。

 

 いったいどんな説明すればいいのか皆目見当もつかないが、今はそれどころではない。射精が続きブリーフを超えて制服のズボンが汚れる前になんとかしないと・・・

 

 幸いトイレは広く、男女別々だった。男トイレに駆け込み鍵をかけてベルトを外してズボンを脱いだ。ブリーフはびっしゃりと生暖かく濡れている・・・

 

「これ・・・間に合ったっていうのか・・・」

 

 とりあえすパンツの中が大惨事になっている。ティッシュで拭きつつブリーフを脱ぎ、それから適当に拭ってズボンをはいた。ノーパンだがもう下校の時間だし問題ないだろう。

 

 それからブリーフを手洗いの場所で軽く洗ってよく絞りポケットの中に隠した。

 

 

「ふぅ・・・」

 

 

 とりあえず一段落。

 

 トイレを出て席に戻ると、英梨々も恵もいなくなっていた。

 

「お連れさんは帰られましたよ」とウエイトレスのおばちゃんが言った。

 

 俺の不適切な発言を聞かれたとしても、耳を疑うことだろう。俺は会計をすませてそそくさと店を出た。

 

 恵の誤解はまだ解いていないが、英梨々が学校へ戻ることは知っていたので合流して一緒に帰った。

 

 その帰り道で、俺が壮大な白昼夢をみていて、ちょうどエッチなところで意識がこっちに戻ってきたことを説明した。もちろんところどころは話を濁し、英梨々に対してやましくなるような他の女子とのエッチな体験は全部伏せてだが。

 

 英梨々は「信じられないから、もう少し人が理解できるようにまとめて」と冷たく言った。

 

 それは無理ってもんじゃないだろか。だが、最善は尽くさないと誤解は解けそうにない。

 

 

 ※  ※  ※

 

 

 翌日の日曜日。夕方に近所の小さな公園で英梨々と会った。

 

「この話を信じろっていうの?」

「事実なんだよ・・・」

「ただの変態の方がまだマシよ」

「だよな・・・」

 

 俺はそういうわけで話をできるだけまとめて、自分がエロゲ主人公になって選択肢が現れる現象を書いた。英梨々がそれをブランコに座りながら読んだ。

 

 英梨々は白いキャミソールと黒いミニスカートで夏のような服装している。ときどき足で蹴ってブランコをゆらゆらと揺らしていると子供のように見える。

 

「でも倫也これ・・・肝心の誰と何があったかをぜんぜん説明していないわよ?」

「・・・そこはまぁシークレットということで」

「ふーん・・・あんたってそういう人だったのね」

「いや、だから成り行き上そうなってしまうわけで・・・俺にはどうしようもないことなんだって」

「はいはい。まぁエロい事ばかり考えている男子らしい妄想よね」

「事実なんだって・・・」

「はぁ・・・」

 

 英梨々が溜息をつき、俺も隣で溜息をついた。ちなみにここのブランコは1つしかない。

 

 

 ちょうど夕日が沈むのが見えて綺麗な時間帯だ。

 

 

 俺の家から英梨々の家に続く坂道の途中にある。丘の上なので街が一望できる・・・という程高くはないのだが眺望はなかなか素晴らしい。商店街や駅が見えるし、高架線を走る短い電車がなかなか情緒的で気に入っている。

 

 

「それで喫茶店であんなことを叫んでいたと言いたいわけね?」

「そうなんだよ。なっ?そうでなければ流石にあんなこと言わないよ」

「ちょっと驚いて聞き間違えたかもしれないから、もう一度行ってくれるかしら」

「あのなぁ・・・」

「大事な分岐だったのよね?」

「そうだよ。最初の分岐だ」

「ほんとに最初?」

「ああ、ほんとだよ」

 

 そうだよな・・・今回では最初だ。嘘はついていない。

 

「ほら、もう一回言いなさいよ」

「・・・『付き合ってないけど、英梨々!フェラしてくれ!』だったかな」

「・・・通報案件よね?」

「いや事情は説明したよねぇ!?」

「はぁ・・・いよいよ倫也の頭がおかしくなったかぁ・・・現実と妄想の間もわからなくなるなんて・・・」

「信じてくれよぉ・・・」

「その前に答えるわよ」

「何を?」

「何をってあなたの叫んだことによ。断るわ」

「・・・そりゃそうだろ・・・」

 

 どこに付き合ってもない相手にいきなりフェラを頼むというのだ。だいたい英梨々とは手を握る程度のプラトニック・・・いや恋愛感情未満の兄妹みたいな関係なのだ。話に無理がある。

 

「まぁあたしも同人作家の端くれとして、こういうとんでないもない展開には興味を惹かれるんだけどね。でも、さすがにひどいわね」

「ごめん」

「いいわよ。あなたの言ってることが本当ならしかたないじゃない」

「さすが英梨々!話の分かる女だ」

「で、もう一つの分岐はなんだったの?」

「えっ?」

 

 まだ春だというのに今日は真夏のように暑い日だったが、夕暮れになると流石に少し過ごしやすい温度になってきて、英梨々の格好では寒そうに思える。早く話をきりあげるか、どちらかの部屋へ移動した方がよさそうだ。

 

「分岐ならもう一方もあるわよね」

「・・・あるな」

「それ、どんな分岐だった?」

「えっとだな・・・正確じゃないかもしれないけど・・・『付き合ってない!俺が好きなのは加藤なんだ!フェラしてくれ!』だったかな」

 

 

「えっ。バカなの?」

 

 

 英梨々が口を開けて呆然としている。カラスが上空を飛んでカーカーと鳴いている。

 

「お前までどん引きするなよ・・・」

「っていうか倫也、加藤さんのことが好きなのね」

「いや・・・それは違う」

「じゃあなんであんなバカげたこと言った後に、加藤さんの手を握ったのよ」

「それは・・・こういうひどい理由があるから言い訳したくて」

「ふーん・・・それだけかしらね」

「それだけだよ・・・あんまり加藤とは仲悪くなりたくないんだよ」

「実際、あんたがその分岐を選んでいたら、加藤さんはほんとどん引きだけではすまなかったかもね」

「・・・そうだな」

 

 そうかな?案外全面的に受け入れたりして・・・

 

 すぐには無理でも手順さえ踏めば恵がフェラをしてくれそうになるのは事実だったのだ。俺がその前に果ててしまっただけで。

 

「じゃあ話をまとめると、倫也はあたしにフェラをしてもらいたくて叫んだわけじゃないってことね?」

 

 そう言われるとなんか語弊がある気がしなくもない。フェラして欲しいかして欲しくないかで言えばして欲しいに決まっている。

 

「どうだろ・・・して欲しいとか、して欲しくないとかでなくて・・・もっと切実な別な理由があってだな・・・」

「ふーん。どんな?」

「それも説明しないとダメか?」

「そりゃそうでしょうよ。いくらなんでも何の脈絡もなく最初の分岐でフェラになるわけないわよね」

「そうなんだけど・・・」

「なんか言いにくそうね」

 

 英梨々がブランコから降りた。俺が印刷したレポート用紙は折りたたんで鞄にしまった。

 

 それから両手をあげて背筋を伸ばし、柵のところまで歩いて街を眺めた。

 

 柔らかい春風が吹いて英梨々の長いツインテールを揺らして煌めいている。絵になる少女だ。

 

「怒らずに聞いてくれよ・・・」

「別に怒る義理もないわよ」

 

 関係性においていえばそうだけど、絶対に他の女子との絡みになると機嫌が悪くなる。俺と英梨々の関係はお互いにそうなのだ。

 

 くっつけないくせに、離れることもできない。

 

 

「夏頃までイベントが無風状態だと、出海ちゃんとの勝負になるんだよ」

「出海ちゃんって、あの波島出海よね」

「そうその出海ちゃん。伊織の妹のな」

「あんたまだ交流があったのね」

「入学してきて後輩になっているからな」

「波島出海は上手いのに美術部にはいってこなかったのよね。倫也はその理由を知ってるかしら?」

「ああ、友達とイラスト部を立ち上げたんだろ」

「そそ、なんか頭くるわよね」

「そういってやるなよ・・・」

 

 『英梨々を先輩と呼びたくなかった』という理由を教えるのは火に油を注ぐだけだし、話もそれてしまうので黙っておこう。

 

「で、その波島出海と何の勝負をするわけ」

「えっとだな・・・射精勝負。俺が10分イかなかったら俺の勝ち。10分以内で射精したら俺の負け」

「バカなの?もう少しマシな嘘を考えなさいよ」

「ほんとなんだってば!」

「まぁいいわ。100歩譲ってそうだとして、どうなったわけ?」

「大敗した。なんと1分24秒で負けた」

「・・・緊張しすぎたのね」

「あれ、バカにしないのか?」

「だって何の経験もないんでしょ」

「・・・そうだな」

 

 何の経験もないわけではない。死に戻りをしている間に何度か射精をしている。相手が美智留だったり、恵だったり、詩羽先輩だったりするだけで・・・

 もちろん英梨々にバカ正直に話すことはできない。

 

「ならそんなもんじゃないかしらね」

「・・・ありがと・・・英梨々」

「はぁ?・・・なに涙ぐんでるのよ・・・」

 

 涙腺から塩水が出てきた。そうだ、俺なりにバカげているとは思うけど、がんばってきたのだ。出海ちゃんは『早漏』ってバカにしてきたけど・・・

 

「それで、射精寸前で意識が飛んだと?」

「まぁそういうことだな」

「でも、いくら分岐があるとはいえ、そんな事態になるのはおかしくないかしら」

「だから、エロゲ分岐で不可避だったんだって。しかもあっちの世界の英梨々に相談したらだな、『絶対に勝て』って言われたんだよ」

「まぁ負けたままじゃ何かと悔しいわよね。特にあんなメスガキビッチに負けるなんて」

「そんな悪い子じゃないんだけどな・・・」

「はぁ?あんたをかばっていったのに、どうして波島出海の肩をもつのよ」

「いや、すまん・・・ずずずっ」

 

 泣いたら鼻水が出てきた。

 

「それでそのレポートによるとリベンジマッチをしたわけね?」

「そうだな」

「それでまた負けたと・・・」

「そうそう。勝てなかった」

「完全な経験不足ね」

「一応一ヵ月近く猶予があってトレーニングもがんばったんだけどな」

「チントレね」

「よく知ってるな」

「そりゃネタで出てくるもの。チントレしすぎて鋼のちんぽを手に入れても遅漏になるだけで辛いみたいよ」

「あんまりちんぽとかいうなよ・・・」

「ふん。エッチな倫也に対するサービスよ」

 

 まったく俺得だから困る。

 

「でさ、負けたら英梨々と別れて、出海ちゃんとエッチすることになったんだよ」

「なんで付き合ってないのに別れるのよ」

「ああああああっ、もう全部話さないと辻褄合わないな!」

「当たり前でしょ。嘘に嘘を重ねていずれわかるわよ」

 

「だよな。だからだな。俺は英梨々が好きなんだよ!」

 

 なんかもうちょいマシな告白手段はなかったものか。

 

 

「そう」

 

 

「いや、反応薄くね?」

「べ・・・別に、今はいいでしょ。あとで部屋でニヤニヤするわよ!話続けなさいよ」

 

 

 さすが天然物のツンデレは年季が違う。

 

 

「だから、俺はエッチ直前で死に戻りしてきたんだよ」

「ああ、それで射精寸前だったってわけね」

「そう!さすが英梨々」

「で、波島出海とヤったの?」

「ヤってないから!」

「どうやって死に戻りしたのよ」

「・・・キスすると死に戻りするらしい・・・」

「なにそれ・・・」

「ほんとな・・・なんなんだろうな・・・」

 

 カラスも呆れて、早く帰れとばかりに木の上でカァカァと鳴いている。夕暮れによく鳴くのは、巣に帰ることを仲間に知らせるためだろうか。

 

「じゃあ、波島出海とはキスしたわけね・・・」

「・・・はい」

「あんた、このレポートによると何度か死に戻りしていたわよね」

「・・・はい」

「そのたびにキスしたってことよね?誰とキスしたのよ」

「えっと・・・美智留と加藤と詩羽先輩と・・・」

「はぁ!?サイテー!」

「話の流れ上しょうがなかったし、全部英梨々ルートのためだったんだよ!」

「嘘つき。不潔。あんた相手が誰でもいいんでしょ」

「そんなことないから」

「信じられるか!・・・って・・・ハックシュン!」

「なんか冷えて来たし、まだ真夏の格好は早かったな・・・」

 

 英梨々がこっちを蔑んだ目で見ている。

 

 

【画像28 英梨々のキャミソール】

 

 

「そうね・・・帰る」

「送ってくよ」

「送るも何も、うちそこよ」

 

 英梨々が公園の出口に歩いていった。

 

「話がだいぶそれたけどさ、そういうわけで俺は夏に備えないといけないんだよ」

「わかったわよ」

「それであの分岐につながるわけ」

「はいはい」

「・・・」

「・・・」

 

 どうしようもない事情だなと思う。

 

「・・・だからってしないわよ?」

「そこは『だが、断る』ぐらいのネタで流してくれよ・・・」

「そういうことは氷堂美智留にでも頼みなさいよ。あのバカなら倫也のいうことなんでも聞いてくれるんでしょ」

 

 ふむ、まったくその通りなのだが。こっちの世界の英梨々も同じ思考回路なのは面白い。同一人物だから当たり前か。

 

 

 その時だ。ピコーン!と軽快な音が鳴った。

 

 

① だよな。美智留に頼んでみる。(美智留ルート)

② うーん。詩羽先輩に相談してみるよ。(詩羽ルート)

③ 加藤はワンチャン無理かな?(恵ルート)

④ 自主トレで出海ちゃんと戦ってみる。(出海ルート)

 

 ここにきて初の四択はいよいよクライマックスなのだろうか。ただ英梨々ルートがないことだけが気になる。

 

 

『セーブしますか?』

 

 

 人生にやり直しはきかない。選んだ選択肢が例え間違っていてもそこから修正を重ねて少しでもよくするのが人生だ。だが、エロゲ主人公の俺にはセーブ機能があったらしい。どうやってロードするのかもわからないが・・・

 

 もちろん俺はセーブをした。この4択を間違えたくはない

 

 

 そしてカウントダウンが160秒から始まった。

 

 

(続く)




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