※この作品はR-18です。

【R18】冴えないエロゲの作り方(イラスト付き)   作:きりぼー

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今回は波島出海です
髪型はポニーテールになっています

出海回はどうでもいいなどといわず、愛でてやってくださいm(__)m


07 出海ちゃんのパンチラクイズ

「はっ?あんた身に覚えがないとは言わせないわよ!?」

 

 もう4月も終り、もうすぐゴールデンウイークだというのに英梨々の機嫌が悪い。登下校も一緒にしないし、気になって声をかけたらこの一言だった。

 

 俺としては身に覚えがありすぎるわけだが、詩羽先輩との秘め事がどこから漏れたのかわからない。

 

 英梨々には若干ストーカー気質があるので、もしかしてあの図書第二倉庫に隠しカメラやマイクでもあるのかと疑ったが、もう一つ心当たりがある。

 

 

 放課後、詩羽先輩を問いただしに地下フロアの図書第二倉庫へ向かった。

 

 照明のみの少し薄暗い部屋。気持ち埃っぽい気がするのは古書がたくさんあるせいだろう。

 悠々とノートPCにカタカタとタイピングしているところを見ると、詩羽先輩に怪しいところはない。仕事も好調のようだ。

 

「あの・・・詩羽先輩」

「あら、不倫理君。やっと来たわね。またしゃぶられに来たのかしら?」

「いやいや、まってください・・・実は英梨々が・・・」

「ああ、そのこと」

 

 詩羽先輩はホッチキスで止めたレポートを俺に渡した。どうやら小説のようだ。

 

「いや、今は小説ことよりも大事な話が」

「だから、それを読んだ方が早いのよ」

「どういうことです?」

 

 俺が再び質問したものの、詩羽先輩はまたノートPCに向かって執筆を始めた。俺のような凡人には分かりかねるところがある。

 

 しょうがないので部屋の隅に置かれたボロいソファーに座って原稿を読むことにする。

 

 ・・・ふむふむ

 

 ・・・なるほど

 

 ・・・ほう・・・

 

「って、詩羽先輩!?なんですかこれは?」

「何って言われても、ただの体験談に基づくフェラチオの赤裸々な描写だけど」

「・・・もしかして、これ・・・英梨々に見せました?」

「もちろん、挿絵をつけてもらおうと思って、彼女の意見も聞いたわよ」

「・・・なんてことを・・・」

 

 そこには、先日の俺との秘め事が細かく描写されていた。男性側は好きな相手がいるのに性欲に流されてしまうこと、女側は男に好きな人がいることを知りながらも情欲に火を灯して略奪しようと興奮を覚えたこと。

 

 性器の形や匂いや硬さ、口の中で出された精液の味わいや質感・・・、どれも生々しくてとても想像で書けるようなものではない。

 

「詩羽先輩・・・こうのって秘密にするものじゃ・・・」

「あら、そこに名前なんて書いてないわよ?」

「そうですけど・・・」

「私としてはいい勉強になったわ。それともこの事をネタに不倫理君を脅迫して、もっと露骨に澤村さんとの仲を邪魔した方が良かったかしら?」

「・・・俺が間違ってました」

「そうでしょうね」

「・・・」

 

 言い訳のしようもない。

 

「失礼します」

「あら、そんなに急がなくてもいいのに、またヌきたくなったらいつでもいらっしゃい」

 

 原因が分かった以上、ここに長居は無用だ。詩羽先輩と会話を重ねるうちに新しい選択肢が提示されてしまうかもしれない。そうなると話はさらにややこしくなる。

 

 次がどんな選択肢なのか気になるところではあるが・・・

 

 

※  ※  ※ 

 

 

 やらかしたことを悟った俺はトボトボと教室に戻った。

 

 教室には加藤がひとりぽつんと座っている。ちなみに加藤にはバレていないようで、加藤の態度はあまり変化がない。いつものフラットな状態だ。

 

「安芸くん。ちょっといいかな?」

 

 どうやら俺を待っていたらしい。なんて健気な。今や英梨々と口を聞いてもらえない俺としては加藤が唯一の癒しだ。

 

「どうした?」

「うん。えっと・・・エロゲーについて少し調べてみたんだけど」

「なんだとぉ!?」

「えっ・・・だって、安芸くんが頼んできたんだよね?エロゲのメインヒロインになって欲しいって」

「いや、そうだけど、ちがう・・・」

「ちがった?」

「いやあの・・・俺が作りたいのは恋愛シミュレーションゲームであってだな・・・」

「でも、澤村さんがそう言ってたし、確認したらそうだって言ってたけど」

「ぐはっ」

 

 エロゲーについて加藤が詳しくなったからには、俺はここで加藤にも振られるわけだな・・・

 

 自業自得とはいえ哀しい。あっという間に青春時代が終わってしまった。こうなったら図書第二倉庫で詩羽先輩とエロエロ学園生活を送るか・・・

 

 それも悪くないな。・・・あれ?

 

「それでね。なんだかすごくいっぱいあって、あんまり露骨なものは嫌だな」

「そりゃそうだろ・・・」

「でも、純愛に近いものとか、確かにそういうことはあるけど一般版が発売されているのもあるみたいだし、全部が全部、変なわけじゃないんだよね?」

「実は俺もあんまりエロゲーは詳しくないんだ・・・」

「ふーん」

「加藤は・・・内容によっては引き受けてくれるのか?」

「それは安芸くんのシナリオを見てから考えたいかな」

 

 ・・・まだギリで残っていたらしい。詩羽先輩との時間は魅力的だが、やっぱり加藤がいい。

 

 いや、詩羽先輩のおっぱいも捨てがたいんだけど・・・。あれ?

 

「それでゴールデンウイークなんだけど、安芸くん予定空いてる?」

「予定は未定だが、何かあるのか?」

「これ・・・」

 

 加藤が鞄から雑誌を取り出した。ページをめくるとゴールデンウイーク特集がされていて、六天場モールのところが開かれていた。

 

 JRの池袋から一本で行くことができる。埼玉の新しいショッピングモールで話題になっている。非リア充の俺ですら耳にする程度には人気のデートスポットらしい。

 

「六天場モールか。流行っているらしいな」

「混むと思うけど・・・ゴールデンウイークセールもしているみたいだし、近くに『観覧車』もあるし・・・」

「ふむふむ・・・」

「安芸くん?」

「はい」

「・・・」

「えっ、俺がここへ加藤を誘ってもいいの?」

 

 加藤が少し頬を染めて、こくんと小さくうなずいた。

 

 

 かわいい。

 

 

 だめだ。加藤カワイイ。ごめん詩羽先輩。俺やっぱり加藤でがんばってみる。詩羽先輩のでっかいおっぱいも魅力的だけど、加藤の少し着やせしている感じのおっぱいの魅力が勝る。うん。

 

「じゃ、加藤。俺で良ければ一緒に六天場モールいってくれないか」

「うん」

 

 俺は窓を開けて、校庭で部活に励む人を見下ろしながら、両手をにぎりしめたまま上にあげた。本当は「やったー」と叫びたい。

 

「何してんの?」

「心のガッツポーズ」

「・・・ふふっ」

 

 加藤がまた少し笑った。

 

 この後、窓の外から聴こえる部活の掛け声やボールの跳ねる音を聴きながら、ゴールデンウイークの約束を一日だけした。

 

 

※  ※  ※

 

 

 ぴーん ぽーん ぱーん ぽーん

 

 

「二年B組安芸倫也くん。いらっしゃいましたら、工作室まで至急おいでください。繰り返します、二年B組安芸倫也くん。いらっしゃいましたら、工作室まで至急おいでください」

 

 

 ぴーん ぽーん ぱーん ぽーん

 

 

「あれ、俺が呼ばれた?」

「うん。じゃ、またね」

「おう、またな~」

 

 にへら~と鼻の下を伸ばしながら加藤に手をふり、俺は教室を出た。何しろエロゲヒロインを受けてくれそうなのだ。脈ありに違いない。

 

 とはいえ、加藤と俺には接点がほとんどなかったし、どうしてそんなに好意的なのかはわからない。

 

 工作室に向かう途中にあれこれと考えていた。1つは英梨々と仲直りしないといけない。ゴールデンウイークといえば、英梨々と一緒に過ごすのが毎年の恒例だ。英梨々の那須の別荘へ行くことが多い。

 

 誤解を解くというのは語弊がある。何しろ事実なのだ。すべてを詩羽先輩に押し付けるのも無理があるだろう。すべてはゲーム作りのため・・・という理由で開き直るか。ふむ、それが良さそうだ。その後は謝り倒そう。

 

 そうこうしているうちに、工作室についた。ここは現在イラスト部が活動している。

 

 ということは、呼び出したのは出海ちゃんの可能性が高い。

 

 ガラガラっとドアを開けると、女子生徒が6名ほど一斉にこちらを見た。ノックぐらいするべきだったか。

 

「あっ、倫也先輩!ようこそイラスト部へ」

「呼び出したの出海ちゃん?」

「はい」

 

 倫也先輩という呼ばれ方がなんともくすぐったい。出海ちゃんの兄の波島伊織が中学時代の同級生で、小学生の時から出海ちゃんを知っている。将来有望な美少女で、英梨々に匹敵するぐらい絵が上手い。

 

 英梨々が繊細で緻密な絵を得意とするのに対して、出海ちゃんのタッチは荒々しく情熱的だ。英梨々に言わせると出海ちゃんの絵は下手さを誤魔化しているだけらしいが、果たして本当かどうかは俺にはわからない。

 

 ただ英梨々は出海ちゃんのような絵をささっと描き上げて証明したから、そうなのかもしれない。でも、もしかしたら出海ちゃんも英梨々のような繊細な絵を描ける可能性もある。

 

「ちょっとこっち来てください」

 

 出海ちゃんが廊下に出てきた。それから隣の倉庫に入っていった。こちらは工作室で使う各種工具などが置いてある。

 

「実は、さっきイラストについて揉めてしまって」

「ほう?」

「倫也先輩の意見が聞きたかったんです」

「なるほど・・・?」

 

 このイラスト部は出海ちゃんが友達と一緒に新規に立ち上げた部活だ。美術部があるのだが、そこは英梨々がいるので嫌だったらしい。仲が悪いわけではないらしいが、対抗心も強く、先輩風を吹かす英梨々とは折り合いが悪い。

 

 それで新しいイラスト同好会を作ったが、人数が集まったため部活として成立した。漫研は別にあるが、それとは活動内容似ているようで違うらしい。男子禁制なのは美術部と同じで、漫研が男子専用みたいな感じで棲み分けがされている。

 

 真面目に油絵をやりたい男子もいるだろうにと思ったが、英梨々ファンが多かったため男子禁制になった流れも納得がいく。

 

 ちなみにこの出海ちゃんはすでに『学校三大美人』の1人で入学時から有名だ。やや赤毛のポニーテールが似合っている。

 

 

 倉庫に入って、出海ちゃんがドアの鍵をガチャリと閉めた。

 

「・・・出海ちゃん?どうして鍵を閉める必要が・・・?」

「倫也先輩。確認しておきますが澤村先輩とは付き合ってないんですよね?」

「ああ、うん?」

「なら、私にもチャンスがありますよね?」

「あの・・・?」

「私、倫也先輩が好きです!付き合ってください!」

「出海ちゃん!?」

 

 なんだこの突然のフラグは!?」

 

「私は倫也先輩が好きでこの学校を受験したんです」

「そうだったの!?」

「私じゃダメですか?」

 

 ん・・・フラグじゃないかも?

 

 頭の中に選択肢は現れない。だったらいかようにも誤魔化せそうだ。結論はあとでいい。

 

「ごめん。今は気になっている人がいて・・・」

「まっ、振られますよね」

「ごめん」

「そんなに謝らないでください。倫也先輩が澤村先輩のことを好きなのは知ってますから」

「いや・・・ちょっとまって、どういうこと・・・」

「違うんですか?」

「・・・違くないような、そうでもないような・・・」

「はっきりしてください」

 

 ああ、ここで実は加藤のことがすごく気になっているとか言ったら、話がさらにややこしくなるだけだな。

 

「ふむ。英梨々のことは・・・もにょもにょっと」

「・・・」

「古い付き合い過ぎてな・・・いろいろあるんだよ」

「そうですか・・・」

 

 この工作室の倉庫は潤滑油くさい匂いがする。鉄の匂いがまざって工場みたいだ。元々はイラスト部でなく模型工作部があったらしいが廃部になってしまった。

 

 少し気まずい雰囲気が流れる。将来有望だった出海ちゃんはすでに英梨々よりは胸が大きい。まぁ同世代で英梨々ほどのまな板もそんなにいないが・・・

 

 まな板は言い過ぎか。最近は少し出てきてる気がするしな。

 

「じゃあ、私の質問に答えていただけますか?」

「どんな?」

「さっき話したイラストのことなんですけど、交差点や廊下で主人公君とヒロインがぶつかって、下着が見える展開ってあるじゃないですか」

「あるな」

 

 この出会いはギャルゲーの鉄板ともいえる。なんならトースト咥えるとこまでがテンプレだ。

 

 

「その時に見えるパンツはどんなのがいいと思いますか?」

 

 

 その時だ。俺の脳内に選択肢が浮かびあがった。この後輩からのとんでもない下ネタ質問に、ツッコミをいれることすら許されない。

 

 

① 英梨々なら王道を外さないから、『縞パン』それも水色と白のストライプだろうな

 

② そこはキャラクターに印象づける大事なところだからな、例えば年下キャラなら熊さんパンティーとかも捨てがたいぞ

 

 

 ・・・ん?なんだこの二択は。

 

 パンティーの種類は多々あれど、キャラクターとの紐づけは確かに重要だ。黒い際どいパンティーなら年上お姉さん。いちごパンティーの正ヒロイン感も捨てがたい。Tバックのエッチな女の子もありよりのありだ。

 

 だが、この二択は・・・英梨々と出海ちゃんということか?

 

 

 だとすると、これ以上英梨々を選らばないわけにはいかない。だが、これがゲームなら話は違う。ギャルゲーの攻略は最初は全員とフラグを立てることだ。

 

 出海ちゃんが不安そうな顔でこちらを見ている。加藤や詩羽先輩とはフラグを立てた。出海ちゃんだけを邪険にすることはできない。

 

 英梨々。英梨々なら・・・あとでいくらでも挽回がきくはずだ。

 

「そこはキャラクターに印象づける大事なところだからな、例えば年下キャラなら熊さんパンティーとかも捨てがたいぞ」

 

 俺は②を選んだ。

 

「ですよね!!」

 

 出海ちゃんが花が咲くような飛び切り明るい笑顔で答えた。さっき、告白されたのに曖昧に振ってしまったから、これ以上は傷つけたくない。

 

「結局はキャラによるから正解っていうのはないとは思うけどな」

「倫也先輩にはご褒美です!」

「えっ?」

 

 すると出海ちゃんはスカートともって、両手でたくし上げた!

 

 

【画像07 出海ちゃんくまさんパンティー】

 

【挿絵表示】

 

 

 

 なんと可愛い熊のプリントがされたパンティーをはいていた。これはなかなかの背徳感・・・

 

「ふふん」 出海ちゃんの鼻息が荒い。なぜか勝ち誇っている。

「ちょ・・・ちょっと出海ちゃん」

「倫也先輩、顔がどんどん赤くなってますよ~」

「戻して、戻して・・・」

「みたくないんですか?高校生ならパンティー大好きだと思いましたけど」

「好きだよ!?でも、こういうのは良くない・・・」

「誰もきませんし、いいんですよ倫也先輩。これでヌいてくれても」

「いやいや、まてまて・・・」

「倫也先輩なら写真とってもOKですよ~」

「えっ、ほんと?」

 

 その提案は捨てがたい。これで当分おかずに困らない。そういえばエロゲー制作もしないといけないし、大事な資料になりそうだな・・・

 

 俺はポケットからケータイを取り出した。

 

 

「彼女にしてくれたらですけど」

 

 

「・・・ですよねぇ~」

 

 ふぅ・・・危うく犯罪者の道を歩み始めるところだった。だが、出海ちゃんと付き合えばエッチな写真撮り放題なんだろうか、絵の資料にもなるしな。

 

 そういえば英梨々も自分自身を被写体にしているし、俺も時々撮影に協力している。そんな関係も悪くないかな。英梨々はぜんぜんエッチなポーズはとらないけど・・・

 

 名残惜しくも、出海ちゃんはスカートから手を離した。

 

 バイバイ熊さん。またいつか会える日まで。

 

「じゃ、倫也先輩ありがとうございました」

「ああ、うん」

 

 出海ちゃんは満足気に部屋から出て行った。

 

 俺としては悶々とする。今更ながらチンコが勃った。深いため息が出る。

 

「何だったんだ一体・・・白昼夢みたいな出来事だったな」

 

 ドア開けて出ようとすると・・・

 

 

『LOST!』と大きな声が頭に響いた。

 

 

 そして、世界が暗転して白黒になる。音が何もしない。時間が止まったかのようだ。

 

恵 +1

詩羽 +1

出海 +1

英梨々 -3

 

 頭に結果が浮かんだ。一体これはなんだ?英梨々が言った3つのフラグ管理か?

 

 扉の先には学校の廊下はない。

 

 漠然とした暗闇が広がっている。俺は不安になる。

 

 

 コツンコツンと足音が聴こえて、向こうから誰かが歩いてくる。

 

 

 そいつの顔が部屋の灯りに照らされると、俺はようやく自分がエロゲか何かの世界に迷い込んだのだとわかった。

 

 

(続く)

 

 

 

 

 




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