※この作品はR-18です。

遠坂凛の魔術授業   作:akdblack

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遠坂凛の魔術授業 3話

「凛。そろそろいいか?」

「……ふぁ、ぅうん」

 

撫でてもらってるうちになんだか気持ちよくなってぽーっとしてた頭の中が引き戻される。

悲しい気持ちもどこかへ消えてしまっていた。

休日だが、いつまでもこうしてはいられない。

「まずシャワーを浴びろ。昨夜はだいぶ汗をかいただろう」

「う、うん」

 

今更ながらに全裸でいた事を思い出す凛。

シーツをまとって素足のまま、恥ずかしそうに言峰から離れて脱衣所へ向かった。

冷たい廊下を早足で歩いて戸を開ける。

教会だからと言って特別というわけでもなく、ごく普通の家庭用洗濯機と小さなタイル張りのシャワールームがあった。

武術の練習をした後などよく利用してるし予備の着替えもおいてある。

洗濯だってちゃんと自分でしているのだ。

下着を見られるのが恥ずかしいし。

洗濯機にシーツを投入して髪をほどいてお湯を出した。

暖かい飛沫が瑞々しい肌に弾かれて丸い水の粒が生まれては流され落ちる。

寝ている間ずっと髪を結んでいたためか寝癖のようなあとが残っているのを指で梳く。

顔を洗い歯を磨いて、無頓着な言峰に変わって凛の用意したシャンプーや虎顔スポンジをいつものように使いながらも凛は昨夜の出来事を考えていた。

 

(あれってぜったいえっちな事だよね……)

 

言峰と一緒に色々とした行為、された行為。

宝石魔術の合間に教えてもらった説明と重なっていた部分が多かった。

男女が触ったり触られたりしながら最後に入れて射精をする。

半分くらいは近い行為をしていたという自覚があった。

嫌というわけでもないが、子供だからいいのかなとは思う。

 

「ぁっ……ん」

 

考えている中、丸っこいスポンジが胸に触れて昨夜ほどではないが快感が走る。

ただ身体を清めているだけなのに、以前より敏感で気持ちがよかった。

まるで一夜のうちに全身が作り変えられたかのよう。

それはどう考えても言峰のせいなのだけれど、同時に鋭敏な肉体は

内にある魔術回路と魔力の流れをしっかりと捉えているのがわかる。

 

(今ならできるかも……)

 

鈍感?だった以前に比べれば少しだけ魔術が出来る気がする。

 

(えっちな事かもしれないけれど綺礼の言った事は本当だったんだ。アレは美味しくなかったけどすっごく気持ちよかったし大丈夫だよね)

 

凛は言峰を信頼しきっているようで嬉しげに笑っていた。

シャワーを浴び終えた凛が軽い足取りで寝室に向かうと言峰はまだベッドの上にいた。

服は着ていたが、珍しくも茫洋としていて精彩に欠けていた。

凛の目にもわかるほどに疲れているようだった。

 

「綺礼、どうかしたの?」

 

だから凛は顔を見て昨日の夜を思い出し恥ずかしいと思う前に声をかけた。

 

「あぁ……凛か。たいしたことではない。昨夜の件で思いのほか疲労しただけだ。

「大丈夫なの?」

 

先ほどまでの楽しそうな様子は曇り不安そう。

自分の気持ちよさと嬉しさでいっぱいで言峰が疲れているとは考え付きもしなかった。

それはそういった弱さを普段は言峰が一切見せないせいでもあるのだが。

 

「休み栄養を取れば治る。悪いが今日の授業は行わない。凛もせっかくの休みだ。好きにするのだな」

「それじゃ私が綺礼のご飯作る!」

 

自分のせいで弱っている言峰を置いて出掛けるなんて凛ができるはずもない。

母の手伝いで簡単な料理ぐらいならやったことがあるのだ。

 

「そうか。それでは手伝ってもらおうか」

 

言峰が身を起こした。

 

「綺礼は寝てていいの。私が全部やるから」

「食べたいものがある」

 

凛が小首を傾げると厳かな響きを持たせて言峰は告げた。

 

「麻婆豆腐だ」

 

結局の所、凛はあまり手伝うことは出来なかった。

言峰が軽くシャワーを浴びる間、調理具を用意し豆腐を切っただけだ。

教会のキッチンには不釣合いな中華鍋(凛には重かった)を操る言峰を横から見ていた。

疲れてるわりに手際よくスープを作り挽肉を炒めて豆腐と細ネギを投入する。

凛はその手順を覚えようとしっかり見ていた。そして出来た麻婆豆腐は二つ。

テーブルについた凛の前にはほんのり赤い普通の麻婆豆腐。

言峰の前には黒い海となったスープから赤い唐辛子がやたらと目立つ麻婆豆腐。

もう一つ鍋を用意して中身を分けており、怖いくらいに豆板醤などの中華系調味料と鷹の爪を入れた結果だった。

キッチン近くのテーブルへ二人はついた。

 

「綺礼、それ食べて平気なの?」

「疲労を癒すには辛味が必要だ」

「え~」

 

いまいち質問に答えてないが言峰の目は真剣だ。

虚無を内包しているはずの瞳にはじっとりとした熱があった。

凛は黒すぎるマーボーを見て。鼻に刺さりそうなほど辛そうな匂いを嗅いで。

久々に不信げな眼差しで言峰を見ながらもお腹は空いていたので手を合わせる。

 

「いただきます」

 

言峰は無言で手を組み目を瞑る。そうして二人同時にレンゲですくった。

 

「辛い……けど美味しい!」

「ふむ……」

 

辛みある旨味に凛は目を輝かせて。鈍い味覚にも伝わる辛さに言峰は軽く頷いて。

両者なりに食を楽しんでいるようだった。

 

「料理上手いのね」

 

コクコクと水を飲みながらよく食べる凛。

 

「口に合えばなによりだ」

 

言峰のほうは早くも汗を額に浮かべながらもレンゲを止めない。

昨夜の行為で二人とも空腹だったのだ。

 

「私にも教えてね。今度綺礼に作ってあげる」

「それは嬉しいものだな」

「えへへ」

 

いまいち嬉しくなさそうに聞こえるが凛は微笑む。

言峰から嬉しいなんて一度たりとも聞いたことのない言葉だったから。

近い将来凛の特技リストに中華料理が並ぶのは間違いないだろう。

そうして二人が食事を続ける最中。

 

「凛」

「なに……むぐっ……!?」

 

言峰は激辛マーボーを載せたスプーンを凛に咥えさせた。

それは対峙した相手に挙動を悟られない無駄に達人的な動作。

 

「こちらも美味いぞ」

 

スルリとスプーンが抜かれて口の中に赤黒いモノが残される。

凛はしばし止まったまま。

ほどなく、頭が揺れだして顔色が真っ赤に変わる。

口元をおさえて、ティッシュに手を伸ばすが

 

「凛、食べ物を吐き出すのは優雅ではない」

 

言葉で動きを止められた。そういう問題ではないのだが効果は抜群だ。

凛は辛そうな涙目で、恨めしげに言峰を見ながらもぐもぐと口を動かす。

咀嚼のたびにビクンと身をよじって辛さに耐えようとする凛が全部を飲み込んで。

 

「み、水~~~!!!」

「私が全部飲んでしまったな」

「~~~! 綺礼のバカー!!!」

 

慌しく混乱のまま右往左往する様子に言峰は口の端を上げていた。

それからしばらくの間、凛が口を聞かなくなったのは当然辛さだけのせいではなかった。

 

次の日、授業で使っている部屋にて凛は大粒のルビーへ両手をかざしていた。

火の属性の魔力が注がれていき宝石の中でほのかな灯火が

ゆっくりと廻り炎の渦となって折り重なった円を描く。

火の魔力がわたあめのように渦に巻きつき絡んでいき小さな炎の珠が浮かび上がる。

それは惑星の力強さと緩やかさを持って自転していて、凛の手が離れても止まらない。

言峰がルビーを手にとって眺めると、火の星は宝石の中で回転したまま輝いているのがわかった。

 

「成功……だな」

「できた!」

 

凛の額に汗は浮かんでいたがほとんど疲れてはいない。

完璧な制御で魔力を宝石のなかで流転させているのだ。

以前ならば大きい魔力量を持って強引に流し込んでいたものだが

今の凛は流れる魔力を知覚し無駄なブレを省く事ができた。

魔力を封じるでも留めるでもなく流転させ続ける。

宝石魔術の基本ながらも極意を実行できるようになったのだった。

 

「よくやったな」

「綺礼のおかげよ」

 

頭を撫でられて嬉しそうにする凛。年の差もあって父娘のようにも見えた。

ただ父に撫でられて頬を赤らめる娘というのも凛ぐらいだろう。

 

「私は何もやっていない。お前の魔術だ」

 

言峰がルビーを凛に手渡す。

紅赤色のルビーを見つめる瞳に炎が映った。

 

「これを私がやったんだ……」

 

真紅の中にある星は変わらず輝いている。

角度を変えて見れば、カットされた屈折面から透明の赤い光が乱反射しているのがわかる。

研磨され美しく象られた宝石は凛の手によってその輝きを増していた。

くるくると回すと万華鏡のようで凛はうっとりと表情をとろめかせる。

 

「このルビーは上等なものだ。これから先も魔力を込める事ができる。続ければいずれ大きな力になるだろう」

「わかった……」

 

まだ見とれている凛は上の空ながらも頷いた。

こうして普段ならば授業は終わりという所だが

 

「凛、お前がよければだが、また魔力供与を受ける気はないか?」

「えっ……!」

 

言峰が切り出した。

ぼんやりとしていた凛もそれを聞いては驚いてしまう。

柔らかそうな頬がルビーの光とは別に赤く染まる。

すでに行為の意味をわかっている凛はあたふたと慌てた。

 

「何の魔術するの……?」

 

恥ずかしそうにしながら上目遣いで見上げている瞳は不安と期待で彩られている。

 

「凛に武術を教えているが、今のお前では魔術による肉体強化ができなければ仮に一般人に襲われたとしても身を守れないだろう。わかるな?」

「う……うん」

 

突然の色気のない話にぱちくりと瞬きして一応頷く。

ごく当然の話だし凛は人に害を成すような魔術は覚えていない。

なので小さく軽くても威力を発揮するだろう拳法と人体急所などを学んではいるが

それを実際にできるか機能するかはまた別の話だ。

 

「お前にはまだ肉体強化を使う事はできないが、一つ使えるだろう術を私は知っている。

 先ほどの宝石魔術を見る限り、私との協力で身につくだろう。

 魔術師であるならば自身すら守れないようでは何も為せまい」

「えっと」

 

要領の得ない言葉から凛は少し考え込んで

 

「つまり綺礼は私を心配しているの?」

 

言峰の申し出をそう結論づけた。

もちろん魔術で身を守るのは魔術師として当然な事だけれど唐突に過ぎるのだ。

言峰は驚いたように目が少しだけ見開かれる。

言われて初めて思い当たったかのように。

 

「そう……なのだろうな」

「なんか変な言い方」

 

凛は不満げに頬をぷくっと膨らませる。

言峰は視線を逸らした。なにかばつの悪そうな表情にも見えた。

 

「そう思うんならちゃんと綺礼から言ってほしいわ」

「…………」

 

凛は挑みかかるように言峰をじっと見つめる。

幼くても行為の意味を教えてもらってわかってはいるのだ。

魔術を行使するためだけの理由であってほしくない。

そう凛が考えてしまうのは当然かもしれない。

 

「……私は凛が心配だから魔術を教えたい。それに……」

 

言いよどむ言峰。

 

「それに?」

「凛をまた抱きしめたくなったようだな」

「……! ば、ばか! 変な事言わないで!」

 

うっすら赤みが差してた頬が熟れた林檎色へと一気に染まる。

あまりに直接的な表現で恥ずかしい。

とはいえ嫌ではないし、気持ちがよかったし、綺礼が望んでいるので。

 

「じゃあ、その……綺礼がどうしてもって言うなら魔力貰うわ。私も強くなりたいし」

 

真っ赤な顔のくせに、つんと横を向き余裕ありげな振りで凛は承諾したのだった。

 

(もしかしたら綺礼も私を好きなのかも)

 

流石に恥ずかしいから言えなかったが、どちらにしても嬉しいので凛は笑っていた。

 

「その……前みたいに手で擦ったりすればいいの?」

 

寝室にて法衣を脱いで身軽な格好になった言峰。

いつもの白いシャツと赤いスカートにニーソックスの凛。

二人はベッドの上で座ったまま向かい合っていた。

 

「そうだな。だがその前にこちらへこい」

「きゃっ」

 

言葉の終わりに引っ張り込まれてベッドが小さく軋む。

凛は膝立ちの姿勢で言峰の腕の中にすっぽりと収まった。

 

「これじゃできないわよ」

 

不服そうな口調で俯いているが、早くも鼓動が高鳴ってしまっている。

昨日の朝抱きしめられた時は父を思い出したのに今は違うのだ。

まるで胸の中でスイッチが入ったかのようにドキドキしてしまう。

実のところそういった想像は間違いではないのだが。

 

「私から頼んだものだ。凛だけにしてもらうわけにはいかないだろう。

 それに凛はこうされるのが嫌いではないようだからな」

「ふぁ……」

 

見透かされ頭を撫でられるとゾクッとうなじの辺りまで疼きが走った。

言峰の指で髪を梳かれるのが気持ちいい。

髪だけではなく首筋を撫でられると刺激で顎が上がってしまう。

その様子はもっとやってほしいとおねだりしているようにも見えた。

 

「ひゃんっ……!」

 

言峰は答えるように首筋へ顔を埋めた。

柔らかく皮膚の薄いそこを舐められると思わず声を上げてしまう。

 

「き、きれい、それへん……んあぁ……!!」

 

ちゅっと音がしたかと思えば強く吸われて薄く浮いた頚動脈を紫へと塗り替えた。

強い吸引も歯がわずかに食い込む硬さも、痛気持ちいい快感だ。

喉から顎までを舐められて滑る感触もくすぐったくて心地よかった。

 

(舐められるのって気持ちいいんだ……)

 

そう考えたのが顔を離した言峰に伝わったのか

 

(……!)

 

とろんとした目で見上げていると少しずつ近づいてきて視界いっぱいになって離れた。

 

目を見開いて驚く凛。

 

「キスした……」

「凛がやってほしそうに見えた」

 

一瞬だったけど確かに触れて短すぎてわからない。

どう感じたかと言えばそれは理不尽という奴で。

 

「よくわかんなかった」

 

むっと不満げに眉をひそめる。

キスというものをよくわかっていない凛だけれど大事な行為という事ぐらいはわかるから。

 

「ふむ……ならばもう一度」

 

凛はぎゅっと目を瞑ったまま受け入れた。

唇が触れ合って何秒間もそのままでいた。

 

「ん…………」

 

触れ合った唇が擦れて少しかさついた感触を感じて。

強く瞑っていた目蓋は自然にほころんでいき、握られていた拳は緩み言峰の胸板に寄せられる。

服のせいか言峰の鼓動はわからなかったけれど、自分の心音は痛いほどに強く感じとれた。

 

「……あ、はぁっ……はぁっはぁっ…………」

 

ようやく唇が離れた時は息も絶え絶え。

呼吸をどうすればいいかわからず律儀に息を止めていたからだ。

 

「わかったか?」

 

そう言われても何がわかって何がわからなかったのかがもうわからない。

一つだけわかったのは今までとは違うという事。

魔力が体内を駆け巡る熱さと衝撃。触れてくれて感じる気持ちよさ。

そのどちらよりもずっと嬉しかった。気持ちいいではなく嬉しいのだ。

 

「もう一回」

 

今度は凛から近づいた。

よくわからないなりに角度を変えたりしているが唇を押し付けるだけのキス。

何度かくっつけたり離れたりした時に唇から不意に高い音が響いた。

今度は呼吸しながらもキスをしたからだ。

凛はその大きさに一瞬驚いたが

 

「えへへっ」

 

面白かったのだろうはにかんでキスを続ける。

パールピンク色の唇からちゅっちゅっと啄ばむような音が鳴った。

無邪気で幼いキス。

親愛と自身の嬉しさを伝えたいと言うように何度も重ねられる。

だがしかし長くは続けられない。

 

「んぅぅっ……!?」

 

触れ合うだけのキスをする凛へと言峰が舌を差し入れ塞いだからだ。

口内に入ってきた舌が触れてきて凛は身を強張らせた。

不快や嫌悪ではなく、感じた事のない気持ちよさに衝撃を受ける。

ぬるぬると唾液が混ざり合う感覚。柔らかな舌の感触。味とは違う快感。

 

「あっ、ふっ……んんっ……」

 

じゅるっと濁った音とくぐもった声が漏れ響く。

 

(これってキスなの……?)

 

口の中に舌を入れたりするなんて想像したこともない。

でも気持ちがよかった。

唇やその裏側を舐められるとくすぐったさとゾクゾクするような快感がある。

 

「舌を出せ」

「ふぁい……」

 

凛は素直に口を開き舌をさらけ出す。

赤く火照った頬。涙で揺れる瞳。

幼さに似合わない表情はとろけていてどこか艶と色香を纏っていた。

 

「……いい子だ」

「んぁっ……!んっ、ちゅ、ん……ふぁっああ……」

 

舌が舌に絡めとられ咥えられる。

伸ばした舌を唇に挟まれて先端を吸われる。

そう感じたかと思えば舌そのものをくすぐるように舐められる。

体格差があるため、抱かれている凛はほとんど真上を向くような姿勢でキスを続けていた。

先ほど首筋を舐められた時よりもずっと気持ちがよくて、粘膜を触れ合わせる快感を

より味わおうと自分からも舌を擦れ合わせるようになっていた。

 

「やだっ……綺礼もっとキスして……」

 

ようやく唇が離れると凛は泣きそうな表情になる。

唇を近づけようとするが言峰が背筋を伸ばしているとあまりに高く遠い。

凛は数分にも満たない時間でキスをとても好きになってしまっていた。

 

「キスが好きか?」

「うん……好き……綺礼とキスしたい……」

 

恥ずかしげにポソポソと呟いている凛を言峰は抱き上げる。

凛の左肩が言峰の胸板に触れて背中は右腕に収まった。

お姫さま抱っこのような姿勢になって凛の心音が速度を増す。

そうして恋人のようにまた唇を触れ合わせた。

今度は言われずとも凛のほうから舌を伸ばした。

 

「ん、ちゅっ、んぇ……ちゅぶっ……」

 

混ざり合う唾液が舌で攪拌される。

舐めるのも舐められるのも気持ちが良くてキスをすればするほど

好きになってもっとしたくなってしまう。

夢中で凛がキスを続けていると

 

「ひゃぅっ……!」

 

幼いソプラノボイスが甲高く響いた。

言峰の左手がスカートの中へと入り触れてきたからだ。

布地の厚いコットン生地の内側から柔らかい感触が言峰に伝わってくる。

触られ凛は舌を動かすのを止めてしまった。

 

「やぁ……んぅっ!ちゅっ、あ、んぅ……」

 

局部だけではなく、内股を撫でられ尻が揉みこまれて声が勝手に出る。

より感じたいのか無意識に太ももを擦り合わせて無骨な手に押し付けると

肉付きの薄い肌は子供特有の瑞々しい張りで手指を歓迎する。

キスだけで感じて蜜を分泌しているそこをなぞられると凛の腰がわずかに浮いた。

性器も小さな尻も大きい言峰の手で覆われて感じてしまうのを抑えれない。

 

「き、れぇい……んぁ、あ、んぇ……ちゅる、ん……」

 

岩木を楽に砕く拳は掌に開かれて、繊細に愛撫を行い少女を悦ばせていた。

ざらざらとした木肌にも似た感触すら刺激となって気持ちがいい。

未熟な幼い性器は堅い指先で優しく快楽を掘り起こされる。

 

(き、もち……い……)

 

魔力のために精液を受け取るという事も忘れてしまい凛はされるがまま。

 

「……あ、はぁっ、はぁっ……」

 

ようやくキスが終わった時には凛は大きく息を荒げていた。

次に言峰は抱いた凛を胸板へと引き寄せて、背後から抱くような体勢へ取る。

とろけた表情の凛は言峰に背を預け次の行為を待っていると、視界に指が映った。

右手が額と頬を撫でてくれるとくすぐったくて凛は笑みを浮かべた。

 

「口を開けなさい」

 

言われて頷くと、指が唇に触れる。それだけで凛は微かな快感を覚える。

もうすでに言峰に触れられる事そのものが気持ちいいと身体がわかっているかのように。

人差し指と中指がゆっくりと口の中に入ってきて

 

「ん、ぇっ……!?」

 

瞬間、口の中から快感が溢れ出した。

咥えた言峰の指先から以前受けたものと同じ魔力が迸ったのだ。

それは敏感な粘膜に触れて溶け込むように凛へと伝わっていく。

 

「ふっ、ん、んあぁぁぁ……!」

 

指を含んだ口から悲鳴のような喘ぎ声。

感覚がより鋭敏になって舌を押されるだけで気持ちよくなってしまっている。

二本の指で挟まれ擦られた舌がわずかに汗の味とそれ以上の快感を伝える。

上顎の天井を擦られるとゾクゾクゾクと首筋まで怖気にも似た快感が走る。

トロトロとした涎が唇から零れ落ち、掻き回す指が濁った音を立てる。

 

「ひ、れぃ……!くひぃのな、かぁ、んあぁ……へんなのぉ……!」

 

口内が別の何かへと変わってしまったような感覚に、凛は戸惑いながらも喘ぐ。

言峰は答えずに口の端をわずかに笑みの形を作る。

それは人を和ませると言ったものではなく、どこか不吉な表情ではあったが

背を預けている凛には見えない。

見る余裕もなかった。

 

「ひにゃあぁあっっ!!」

 

責められる口と合わせるように、下着の中へ入った左手からまた魔力が溢れたのだ。

中から灼かれるような激感。

未成熟な、指が入るのも不思議なぐらい小さなそこが快楽の源泉へと変わり少女を昂ぶらせる。

 

「あっ、うあぁっ!にゃあぁあうぅぅーっっ!!」

 

咥えた指の隙間から猫のような悲鳴を上げ悶える凛。

無理矢理に高められた性感の熱が激しすぎるのだ。

言峰は凛の様子に笑みを深めると両手の動きを強めていく。

 

「あっああっあああっっ…………!」

 

膣へ浅く抜き差しされるだけで頭の中まで快感が貫いていく。

 

「んおぅ……えぅ、んん、じゅる……!」

 

喉元まで入ってきた指に口蓋睡辺りまでを擦られているのに苦しさよりも快感がある。

 

「えぁ……んん、あああっ! んぐぅ……んふうんっ……!?」

 

乱暴に掻き回される両穴から情欲の蜜を零して、与えられる快感に身を震わせる。

喘ぎ続ける凛は言峰によって嬌声と悲鳴を奏でる楽器と変わってしまっていた。

思考すらできない快楽の中、涙で滲む凛の視界が明滅する。

断続的な悲鳴が長く伸ばされるように変わり、無意識に力む身体が張り詰めて千切れそう。

昇っていくような、突き上げられるような感覚が凛の全身を包み

 

「………………!!!」

 

塞がれた口から声にならない叫びが上がった。

ビクン、ビクン、と激しく全身が震えて凛は絶頂を迎える。

手足は指の先まで伸びきっていて受けた快楽の激しさが伺えた。

襟から見える首筋は汗にまみれ、裾から覗く太ももには潤んだ液が流れている。

根元近くまで指を咥えていて苦しいはずなのに恍惚とした表情。

言峰が指を凛の中から抜くとトロトロになった唾液と愛液の糸がひいていた。

 

「どうした。まだ魔力供与は終わっていない」

「うん……」

 

頷いているがヨロヨロと頼りない。

快楽に浸かってしまった身体は泥が纏わりつくように重かった。

言峰は抱いた凛をベッドの背もたれへ寄りかからせると目の前でモノを露出させた。

 

「あ……」

「どうすれば射精させられるかわかるか?」

 

凛の脳裏にさきほどまでの行為が思い返される。

キスをしている時の舌の触れ合い。指を咥えた時の不思議な快感。

だから言峰の言いたい事がなんとなくわかってしまう。

 

「……キスすればいいの?」

「正解だ」

 

そう、唇や舌で触れて触れられるというのが気持ちいいのだと。

凛は今日それを学んでいた。

 

「私がキスしたら綺礼も気持ちいい?」

「そうだろうな」

 

幼くても女の子らしく潔癖な所がある凛は精液は飲んだとはいえ排泄に使う男性器へキスするというのに抵抗があった。

でも言峰が気持ちいいと聞けばしてあげたいとも思うわけで。

 

「……できるか?」

「……やってみる」

 

身を起こして近づいてくる性器へ、そっと唇を触れさせた。

 

キスをすると骨でも入っているかのように硬くて、お湯のような熱がある。

 

「先程のようにしてみなさい」

 

どうすればいいかわからずそのままでいると言峰の指示があった。

 

(えっと……)

 

思い返してからちゅっと音を立てながら何度もキスをする。

 

「わ、なんかビクビクした」

 

唇を押し返すように肉が動く。

快楽というほどではないが、それなりの心地よさを言峰は受けたのだ。

凛が見上げると言峰と目が合ってなんだか恥ずかしい。

 

「その調子で頼む」

「……うんっ!」

 

でも、お願いされると嬉し恥ずかしい気持ちに変わった。

言峰に喜んでもらえるなら凛も嬉しい。

キスの続きを思い出しながら先端へ触れると先走り液が分泌されているのがわかる。

ねちゃっとした感触だがあまり気にならない。

言葉少ない言峰が気持ちよくなっているという証拠だから。

わずかに開いた唇から舌を覗かせて舐めた。

ピリッとしょっぱい味だが敏感になってる舌には少し気持ちがいい。

ツンとくる男の匂いも言峰を強く感じる。

 

「ぴちゃっ、んぇ……んんっん……」

 

一度舐めてみるともう抵抗感は無い。

丸みのある先端部分をチロチロと舐め始めていた。

 

首を傾けて幹のほうへと寄せていく。

手でしてた時の要領で舌先を押し付けるように這わせる。

そうすると気持ちいいのかモノがピクっとまた動いた。

 

「んっえっ、んちゅっ、るぅ……」

 

勝手に出てしまう唾と一緒に柔い舌を押し付けてちゅっと音を響かせる。

大きすぎるモノへとヌルヌルが少しずつ纏わりつく。

まるで舌を絡み合わせてキスをしているかのようだった。

唾液に塗れた肉の舌触りも心地よくて気持ちがいいとすら凛は思った。

 

「ん、はぁ……ね、綺礼は気持ちいい?」

 

俗に言うフェラチオをしながらも問う凛。

男性器を舐める事で快感を得ている自分には疑問を持っていないようだ。

それは肉体的な感覚よりも精神的な要素で言峰を感じさせていた。

師の愛娘が本人の知らぬうちにいやらしく変わってしまっている事に愉悦があった。

 

「……気持ちがいい」

 

言峰に褒められ髪を撫でられると唇を触れ合わせたままの凛はとても嬉しそうな笑顔を見せる。

 

「じゃあ、もっとしてあげる。ちゅっ、んぇ、れお……ぴちゃ、んぉ……」

 

先端に口付けをしてから舌で尿道付近をねぶりはじめた。

小さな唇で亀頭を挟み隙間から健康的な色の舌が覗く。

 

「む……」

 

上ずった声が漏れる言峰。

先走りが滲み出る所を丹念に舐められ穿られるようにされればそんな不覚もある。

 

(綺礼もこんな声出すんだ)

 

舌に触れる熱く硬い感触を心地よく味わいながら見上げてみると殊更に無表情な言峰。

逆に不自然だった。もしかしたら綺礼も恥ずかしいのかとも考えるとなんだか面白い。

気持ちよくなってくれるのが嬉しくて、もう少し聞いてみたいなとも思った。

 

「ん、ちゅるぅっ! れろれろぅ、んじゅるぅ……」

 

舐めながらキスをされた時のように吸う。じゅるじゅると涎が空気と混じる音がする。

熱い子供の口の中で唾液と先走りが舌で混ぜ合わされる。

ただ舐めるだけではなく変化をつけた舌の動きは

もうキスの延長ではなく奉仕としての意味あいが強い。

言峰の反応を見ているのだろう。

頭のよさか天性の才か、凛の舌は幼さに似合わない技巧で責める。

言峰の表情が耐えるように歪み、凛の髪に置かれた手に少しだけ力が篭る。

痛苦を乗り越えてきた言峰も、快楽に対してはそれほどの耐性をもっていないようだ。

 

「咥えながら舐めなさい」

 

それどころか更なる快感のために奉仕を要求すらした。

フェラチオに夢中な凛はこくんと頷き、口を大きく開け呑み込んでいく。

 

「……ふぁ、あ、んんっ……むぁ……」

 

大きすぎて歯がわずかに引っかかる事すら快感に繋がる。

亀頭部分を咥内に受け入れると頬に丸みが浮かび上がる。

 

(これ、気持ちい……)

 

凛の瞳がとろんと揺れた。

口を埋め尽くさんとするモノが口内粘膜のあっちこっちに当たると気持ちがいいのだ。

言峰の足を支えにするように握って、首を前へと傾けていく。

 

「んっ、ンンンン……えぇぉっ……」

 

大きすぎる男性器を半ば近くまでも含むと凛は流石に苦しそうな声を漏らす。

だが涙が溜まった瞳は苦痛よりも快感の色が濃い。

すぅと鼻から酸素を取り入れて、口内を占有するモノへと舌を押し付ける。

 

「んちゅぅっ……じゅぼりゅっ……じゅるるっ……」

 

性器で埋まり隙間がない口の中でぐちゃぐちゃと湿った音。

言うとおりに咥え舐めしゃぶり快感を生みだし伝えていく。

 

「ぐ……」

 

言峰は食いしばった歯から堪えるように息を吐いた。

思った以上に上手い凛の奉仕に強く感じてしまう。

本来ならば別に耐える必要もない。ただ射精をして魔力を受け渡す。

それだけのことだ。

でも今の言峰は凛の奉仕をより長くより気持ちよく味わいたいと思うようになっていた。

淫らに男を咥えて舌を使い、苦痛と快楽を入り混じらせながらも喘ぐ凛の表情。

それに言峰は欲情してしまう。性行為に初めて悦びを感じてしまう。

 

「……凛、頼む」

「んぐぐぅっ…んぐっ! んんーっ……!?」

 

言峰は凛の返事も聞かぬままに頭に置いた手を自らへと引き付けより深く飲み込ませる。

凛の口蓋垂にぐりりっと先端が突き当たり、くぐもった悲鳴をあげる。

快苦の天秤が苦へと傾いて大粒の涙が頬を伝う。

幼い凛には大きすぎる男性器を五割以上も飲み込まされている苦悶の表情。

しかしそれこそが言峰の求めている凛の姿だった。

両手で凛の頭を掴むと指の隙間のツインテールが前後へと大きく揺れ始めた。

 

「んふぅっん!? んううんっ……!!」

 

硬さと柔らかさを併せ持つ肉棒が喉粘膜に突き刺さる。

上顎手前の硬い所を通り、奥の柔らかい場所を味わうように擦り付けられる。

頭が引かれれば、涎がたっぷりと乗った舌が幹に引き摺られるように伸ばされる。

何度もそれを繰り返した。

長いストロークで凛の頭を動かし咥内全てを使っている言峰は欲望の笑みを見せていた。

とはいえあまりにやりすぎては窒息をしてしまう。そうなっては元も子もない。

失神されては楽しめないし魔力補給もあるのだ。

後者の理由をもうどうでもよく考えながらも言峰が腰を引くと、ずるりといった様子で

長大なモノが唇から抜かれていく。

少女の口内にそれが収まっていたとは信じられないほどに大きい。

ようやく唇と舌の自由を取り戻した凛は涙を流し咳き込んでえづく。

 

「げほ、けほっ……んぇ……ひどい……きれ、い……えほっ、くるしいじゃない……」

「すまない。あまりに気持ちがよかった」

「……気持ち、よかったの?」

「ああ、夢中になってしまったな」

 

まだ苦しげにしながらも凛は言葉に反応する。

苦しいのは嫌だけれど、言峰にも気持ちよくなってほしいのだ。

自分だけ何度も気持ちよくしてもらうだけなのはもっと嫌だから。

幼くとも対等である事を望むのが凛の矜持だ。

 

「……じゃあ私がちゃんとしてあげるから頭動かさないで」

 

泣き顔で呼吸を整えながらも自らの意思で深く咥えていった。

 

「ずずっ……ぐぷっ……んじゅぅっ、はあぁんぅぅっ……」

 

先ほどのように激しくはないものの、喉元まで飲み込み顔を前後させていく。

凛の唇と鼻が幹の根元に触れそうなほどに深く入って、逆にカリが唇からはみ出そうなほどに引き離す。

 

「んぐっ! んえぇっ……っげぉ……!」

 

苦しいのだろう歪な声が時折喉を震わせて、羞恥で目をぎゅっとつぶる。

それでも自分の意思でやっているだけ加減が効くのか動きに淀みはない。

むしろそういった声が言峰を喜ばせているなどとは当然気づいてはいなかった。

 

「んぐぐぅっ……ん、んぐっ……!」

「できる限りでいい。先の所を飲み込め」

 

言葉の通り、凛は膨らんだ先を飲み込んだ。

太い幹に沿うように唇を丸く開き、大きなモノを狭隘な喉の中へ

収めてごくりっと音が出るほどに嚥下する。

喉辺りを見れば亀頭の丸みで微かに膨らんでいるのがわかるほどだ。

言峰は凛の髪や頬と首筋を撫でながらも言葉と共に魔力をさらに込めると凛の反応が変わる。

 

「んーっ……!? ぁんっ……!」

 

含んだモノが炎のように熱い。

その熱さに驚いて思わず首を引くとひっかかりが外れたように口から抜かれて声が出た。

今の刺激だけでイキそうになったのだ。

先ほど舐めていた時よりもずっと気持ちがよかった。不思議だった。

苦しかったはずなのにこんなに気持ちよくなるだなんて。

 

「きれぃ……なに、したのぉ……」

「苦痛を和らげるための魔術だ。お前も私も気持ちがよいほうがいいだろう」

「ぇ、でも……」

 

言峰は凛の感覚を変えるために治療に使う魔術を施し快感を上げて苦痛を抑えたのだった。

それは凛のためというよりは犯し欲を満たしたい自分のためだ。

どこか余裕の無い言峰が涎を垂らして開いたままの凛の口へと咥えさせる。

すると躊躇いが見えた凛は途端に顔がとろけてしまう。

 

「んぶっ……じゅるるっ!」

 

ごくりと喉が動いて我慢できないとでも言うように強く吸い込み首を前後に振りたてた。

喉だけではなく頬の裏側で擦るとリスが餌を頬張っているかのように膨らむ。

 

「じゅぶっる……! ぢゅぷぅっ!! んぶぅっ……」

 

躊躇無い動きでコツンコツンと喉を叩かせる。

 

「んくっ、んくっ……ごくっ!」

 

根元近くまで飲み込んで喉を鳴らすと先端が握られたように締め付けられて

柔らかな喉肉で扱きあげられモノが狭い空間で脈動する。

凛も口の中の至る所が擦られると、ジンジンと痺れるような感覚が心地いい。

息苦しくてフラフラとする事すら気持ちがいい。

悦んだ表情のまま夢中で口内全てを使う凛の頭に言峰の手が置かれる。

 

「んぶぅっ……!?」

 

ぼじゅるっと濁った音が凛の動きを止めた。

言峰が腰を突き出して今までにないほど強く喉をえぐったのだ。

小さすぎる凛の咥内から喉の中へと言峰のモノが完全に入り込んでしまっていた。

片手で覆えてしまう顔に跨り足で挟み込み腰で押し潰す体勢。

凛の顔が真上を向くような形になって唇と喉と食道がまっすぐの線となっている。

奇しくも凛の姿勢は言峰に抱かれてキスしている時と似ていた。

違う部分は凛の腕が言峰の背ではなく腰と脚に巻かれていて、舌ではなく性器を受け入れている所だ。

 

(くるしいのにきもち、い……)

 

喉の中まで埋められて窒息してしまいそうな息苦しさ。

無理な行為を強いられているのに凛は目を細めて感じてしまっていた。

 

「ぐぅ……」

 

言峰はあまりに狭く柔らかな喉粘膜に包まれて唸った。

猛った欲の塊で口腔を埋め尽くす、拷問にも等しい行為。

暴挙としか言いようの無い行いはそれだけに快感が強かった。

言峰は肉欲と欲情の赴くまま鍛えられた肉体を凛へとぶつけていく。

凛にさせるのではなく、自分の意思で犯しにかかる。

ゴリゴリと掘削する喉が破れてしまいそうなほどの口虐。

言峰が魔術を行使していなければ本当に破れてもおかしくはない。

けれど止める気は起きない。

嚥下の蠕動を感じながら突きこんで喉へ性器の形を刻み込む。

凛の小さな頭をまるで性の玩具のように扱い快楽を貪っていく。

言峰と凛の体格差はそのようなものを連想させる。

荒く息をつきながら少女の顔を犯す神父の姿は鬼気迫る異様さがあった。

 

「っ……」

 

我に返ったのか言峰が腰を引き上げるとぢゅぼりっとぬめった音を響かせて竿が抜かれた。

肉の竿がぴったりと張り付いた唇の端からはたっぷりの涎が零れ落ちてシーツを濡らす。

 

「げほっけほっ! はぁはぁっ……んはぁ……んんぅっ……」

 

咳き込み荒く息を吐く凛。

 

「けほ、きれぃ……なんでぬくのぉ……おちんちん、ちょうだいぃ……」

 

けれども発された言葉はいやらしいおねだりだ。

今や凛はどのような被虐でも快楽と受け取ってしまうほどに感覚を弄られてしまっている。

言峰の望む通りに変えられてしまっている。

 

「私も凛を犯したい……!」

「……んぉっ! んんんんっっ!」

 

言葉を隠す事もせず飢えにも情欲に駆り立てられて言峰は再度犯しにかかった。

股間に凛の頭を引き寄せて膨れたモノを叩きつけ突き入れると

細い首が目に見えて膨らんではちきれそうになる。

首を絞められているような激しい責めでも凛は受け入れていた。

 

(綺礼も気持ちいいんだ……)

 

涙で滲む視界にうっすらと見える言峰の必死な表情。

凛も言峰の動きに合わせるように頭を揺らそうとするが

串刺しにされているも同然の状態ではわずかにしか動かせない。

それでも細かな動きで纏わりつく粘膜は確かな快感を言峰へと伝えていた。

 

「じゅぼっ! ぶじゅるっ! ぼじゅるぅんっっ……!」

 

少女の口から発されるとは思えない異音が室内に飛び散った。

覆い被さるような体勢で、ただひたすらに肉竿で喉を穿ち粘膜を押し広げる。

口を犯す勢いで凛の背が弓なりに反らされていき、顔の向きが真上から逆さへと変わるほど。

小刻みに息を吐く言峰は腹の奥から痛痒にも似た疼きがこみ上げてくるのを感じる。

それは段々と大きくなり痙攣へと変わって凛の喉元で強く脈動を繰り返して

 

「……出るぞ!」

 

叫びとともに欲望の塊が注ぎ込まれた。

 

「ぁっっ…………!!!」

 

粘度の濃い液体が食道へと勢いよくぶつかってきて胃へと流し込まれた。

その瞬間、凛の全身が総毛立ち唇から腹の下まで快感電流が走り抜ける。

スカートの中の下着が濃く色づいて、細い太腿に透明の線が幾つも幾つも垂れ落ちる。

言峰を見つめていた瞳は宙を泳ぎどこか虚ろへと行ってしまう。

精液を撃ちつけられただけで絶頂に至ったのだ。

何度となく塊が叩きつけられると、身体の中が溶けてしまいそうなほど熱くて気持ちがいい。

精液が口内まで溢れてきて、激しく酷使した舌も喉も癒されているようだ。

事実、快楽だけがそこにあった。

以前のようにまずいとすら思わない。

美味しく感じてその味を快楽とも受け取ってしまう。

 

「ちゅるっ……んっくっ……こくこく……んちゅぅっ……」

 

無意識のまま熱い液を飲み下す。とろけた表情のままこくこくと喉を鳴らして嚥下する。

凛は美酒を味わおうと言峰の腰を抱きしめた。

 

「ぁはっ……ごくっ……じゅるぅっ。んんっあぁ……」

 

酔っているように微笑みながらも吸いだしてさらなる射精を促していく。

飲み込む事そのものが性の抽挿となって喉を擦り快感を生み出していく

精液に含まれた濃密な魔力は晒された粘膜を快感の坩堝へと変えていく。

射精が終われば凛の全身はだらんと弛緩してしまっていた。

頭と首に宛がわれた言峰の手と咥えたままの肉に支えられている有様。

絶頂の終点とばかりに意識を失ってしまったようだった。

言峰が腰を引くとよくも少女の器官に収まっていたとは思える大きさのモノが抜かれた。

溜息のように息を大きく吐いた。身体に帯びて纏わりつく倦怠感。やりきったうえでの疲労感。

それは悪い気分ではない。

言峰が性行為で本当の意味での満足を得たのは初めてだったからだ。

 

「思いのほか愉しいものだな」

 

味わったことのない喜びに呟く言峰は凛の状態を確かめ終えると

充実した気分のまま一緒にベッドへ倒れこむ。

今までにないほどに満ちたりた表情のまま二人は眠りについた。

 

一週間の時が流れその間も凛は言峰から幾つかの魔術を教えてもらっていた。

特にガンドという魔術は凛に合っていたらしい。

本来呪いを指から飛ばして相手の体調を崩すという程度のものなのに

凛の場合は樹木を削り折るほどの威力を発揮していた。

そんな子供には強すぎる効果だと言うのに怖いものが無いのか、凛はまるで機関銃の

ように連射を試したものだった。

そんなある日、凛は学校の授業を終えて教会へと向かっていた。

最初は普通に歩いていたのに、目的地まで近づくと気づけば駆けだしていく。

同級生どころか高学年にも負けないほどの速度。

走っているせいか上気した頬は紅を差しているかのように赤い。

到着した凛はドンと大きな音を立てて教会の扉を開け放つ。

 

「綺礼!」

 

輝く笑顔のままたったったっと走り抜けて言峰へ飛び掛るように抱きついた。

言峰ははぁっとわざとらしく溜息をつく。

 

「凛。また我慢できないのか」

「えへへへっ、だって綺礼としたいんだもん」

 

恥ずかしそうにしながらも凛がコートを脱ぐと露出した首筋に紫の内出血を覗かせる。

毎日のように続く官能の行為はくっきりと痕を凛に残していた。

 

「授業の前にか」

「うん。勉強もちゃんとできてるでしょ?」

 

座学も魔術の実践も上手くいっている。悩みなんて無くなってしまったかのように。

 

「……しょうがあるまい。上の空で授業を受けても無意味だろう」

「やったっ! 綺礼大好きっ!」

「だが魔力が乏しい。供与といえるものはできないが――」

「そんなのいいの」

 

無邪気に性を望む凛と答える言峰。

凛は言峰に抱きつきながら、寄り添い寝室へと向かっていく。

 

(これはこれで面白いが少々やり過ぎたようだ)

 

言峰は胸中で呟いた。

凛の身体を弄り感覚を鋭敏に性感を増幅させた結果、日常的に性行為を望むようになってしまっていた。

少女の身でありながら淫乱と言ってもいい有様だ。

 

(遠坂師に見せたいものだ)

 

口の端がつり上がる。

 

(……だがあまり懐かれてもつまらない)

 

最初は成り行きとはいえ師の愛娘を改造し、性の虜にするというのは愉しかった。

しかしそれは一時の事だ。

行為での満足も一度や二度までの話であって新たな趣向が欲しくなってしまう。

 

(例えば―――)

 

外来の魔術師を呼び出すのはどうだろうか。

遠坂時臣は有力であっただけに反感を持っていた在野の魔術師も多いだろう。

貴族ぶった高慢な遠坂時臣の娘を魔力供与の名の下に好きにできると嬲らせるのだ。

今の凛ならば幾人の魔術師達の魔力と精液を受け入れ悦ぶに違いない。

 

「痛っ」

 

言葉に反応して沈んだ思考が浮かび上がった。

知らず知らず抱いた凛の肩に力が込もっていた。

 

「――すまない凛。大丈夫か」

「うん平気」

 

凛は言峰を見上げて微笑む。

信頼の眼差しは言峰のあらぬ想像など気づいてもいないだろう。

 

(私も凛を責めれぬな。悦を求めて先走っているようだ)

 

まるで覚えたての少年のようだった。

本来凛は遠からず始まるだろう第五次聖杯戦争の大事な役者。

たかだか一時の欲を満たすために凡百の魔術師などへと晒すものではない。

その矛盾混じりの思考を言峰自身深くは意識していなかった。

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