一日目の夜、就寝時間が近づいて天津風さん達が全員部屋に戻ってきた。みんな自前のパジャマを用意して、僕と一緒にちゃぶ台を囲んでいる。
「はい、これ志摩くんの分。」
天津風さんが僕にパジャマを差し出した。全体はピンク色で、所々に小さいフリルのついた可愛らしいデザインのもの。
「えっと…ありがとう…ございます。」
複雑な心境でそれを受け取る。正直こんな可愛らしいものを着る気にはなれないけれど、天津風さんは善意で貸してくれるわけだし、他の人に借りるわけにもいかない。
それにまあ、この制服をずっと着るよりはマシ…そう思っていると、初風さんが口を開いた。
「それで、志摩はどこで着替えさせるの?」
天津風さん、初風さん、時津風さん、島風さん。その場にいる全員の視線がこっちを向く。
「んー、ここで着替えていいんじゃないの?」
「はぁ?時、あんた何言ってんの?」
「べつにぃー。裸ぐらいどうってことないっしょ。ねー?」
ニヤニヤしながら時津風さんが僕を見ている。彼女にされた事を思い出して思わず顔が赤くなってしまったが、他の子は単に僕が恥ずかしがっていると思ったみたいで、特に何か聞かれることはなかった。
「何か仕切りがあれば志摩くんもここでいいと思うけど…無いわね。カーテン外すわけにもいかないし。」
「わたしは別にどこでもいいけど。早く寝たい。」
天津風さんは僕に配慮してくれていて、島風さんは興味が無さそうだ。時津風さんは乗り気だけど…
「うーん………あっ!そうだ!女子トイレで志摩を着替えさせるのはどう?」
「志摩くんを?」
えっ?
「この時間帯ならパジャマ着て廊下を歩いても不思議じゃないでしょ?誰かがトイレまで志摩を送って、私達は部屋で、志摩はトイレの個室で着替える。その後トイレで志摩を回収して戻ればお互いに裸を見ることもないわ。」
「それで、志摩くんを送り届けるのは誰がやるの?」
天津風さんが質問を飛ばすと、初風さんは黙ってしまった。
「ここは言い出しっぺだよねー。」
「そ…そうね!初風、お願いできる?」
「えっ…いや…それは…」
初風さんは露骨に嫌そうな顔をしたが、票数では1対2。結局僕は初風さんにトイレまで案内されることになった。
「はぁ…なんで私がこんな…」
廊下を先導する初風さんはブツブツと僕に聞こえるか聞こえないぐらいで文句を垂れ流していた。
正直、ちょっと怖い。島風さんは僕に対して無関心だし、天津風さんは優しくしてくれる。時津風さんは…とりあえず悪気が無さそうなのは理解してる。
初風さんが振り返って僕の姿をちらりと見て、またため息を吐いた。心なしか歩く速度が早くなる。この姿であんまり早く歩くと、その…あれが食い込んで痛い。
ずっと彼女の背中を見ながら歩いていると、唐突にその背中が止まった。青い髪に顔をぶつけてしまう。
「わっ!初風さー」
瞬間、僕のつま先に激痛が走った。下を見ると初風さんのかかとが僕のつま先を踏んでいる。激痛で声にならない叫びがこみ上げてくる。
「みょ、妙高姉さん!お、お疲れ様です!」
初風さんはその場で直立不動のまま敬礼をしていた。彼女に相対するように、廊下の先から女の人が歩いてきている。
年齢は初風さん達より一回りは上だろうか。大人の女性で背も高くて、ものすごい美人。紫色の制服を着ていて、きっと学校の先生があんな人なら人気だろうなあ、という印象。
「あら初風、お疲れ様。これから出撃?」
妙高姉さんと呼ばれたその女の人は微笑みながら初風さんに挨拶を返した。なんというか、上品な笑み。口角も目元、眉なんかはほんの少ししか動かなかったのに、確かに笑っているように感じる。
そんな気持ちのいい微笑みを返されたというのに、当の初風さんはガチガチに緊張したままで、肩も少し震えている。
「いっ…いえ!これから就寝です!ちょっとお手洗いに行くだけで!」
「あらそうなの?お休みなさい。…ああ、島風もいたのね。お疲れ様。」
初風さんの後ろに隠れていた僕にも微笑みと声を投げかけてきた。初風さんも僕もビクリと全身を震わせたけど、妙高さんはそれに気が付かずに手のひらでをさっと振ると、香水らしき香りを仄かに漂わせながら僕たちの来た方へと通り過ぎていく。
「………っああああ!びっくりした!」
小声で、しかし声を荒げながら初風さんが叫ぶ。
「は、初風さん?今の女の人は…」
声をかけた瞬間、彼女はいきなり振り向いて僕の両肩を力強く握りしめた。
「痛ッ!は、初風さん…?」
「いい…?例えバレるにしても絶対に…!絶対に妙高姉さんにバレるのだけはやめなさいよ…!そんな事があったらアンタの首飛ばすからね…!」
両肩にかかる力も、突き刺してくるような鋭い視線も、僕にそれが本気だとわからせるには十分だった。
「は、はい…」
初風さんはどうも妙高さんがとても怖いようだ。僕はむしろ初風さんの方が怖いんだけど…。
それから暫く歩いて、といってもほんの数十秒程度でトイレには到着した。
「ほらここよ。入りなさい。」
部屋から少し離れた所にトイレはあった。学校と同じように男子用と女子用で分かれている。そのまま足を進めると初風さんに思いっきり肩を引かれた。
「ちょ、ちょっとアンタ!何そっち入ろうとしてんの!今はこっちでしょ!」
「えっ?いやだって…あ!」
表示を見て気がついた。僕が入ろうとしていたのは男子トイレだ。今は島風さんの姿なんだから女子トイレに入れということらしい。
「あのでも僕…やっぱり男だし…」
「それがバレたら困るから今こんな事してるんでしょ!早くこっち!」
女子トイレに入ると、そこには個室が3つ並んでいるだけだった。女子トイレなんだから当然ではあるけれど…。
「はい、これに着替え入ってるから。あとは個室で。」
そう言って天津風さんのパジャマが入った手提げ袋を受け取る。
「…そう言えばトイレはどうしてたの?昼間は時と一緒じゃなかった?」
「行ってないです。それに…」
汗をかいたからかあまり尿意は感じなかった、と言おうとして踏みとどまった。時津風さんと汗だくになったあの行為を思い出す。
女の子の部屋で、あんなことをしてしまった。その上今は女装して女子トイレにまで侵入している。
そう考えると、体が熱くなってくる。処理出来ないモヤモヤが立ち上ってきて…
「うわっ…あ、アンタ、それ…」
気がつくと初風さんが蔑むような目で僕を見下ろしていた。正確には僕の下半身を。彼女の視線を辿った先、僕の下半身では短いスカートが膨れ上がっている。
「えっ…あっ!いや、そ、そんなつもりじゃ!ごめんなさい!」
自覚すればするほど、僕のチンチンが大きくなっていく。変態的な行為で勃起してしまって、それを初風さんに見られている。
「いいから早くなんとかしなさいよ!本物の島にそんなの無いんだから見られたらすぐにバレるわよ!?」
「で、でも…」
いきなり引っ込めろなんて言われても出来るわけがない。自然に収まるのを待たないといけないけど…。
そう考えながらモジモジしていると、廊下から女の子の話し声が聞こえ始めた。少しずつではあるけれど声が大きくなってきている。
「誰か来ちゃうでしょ!早くなんとかしなさい!」
「そ、そんな事言われてもすぐには…」
もたついている間にもどんどん音は近づいてきていた。
「ああもう!とにかく入りなさい!」
初風さんは僕の腕を掴むと、ドアを開けて個室へと無理やり押し込んで便座に座らせた。その後すぐに彼女も入ってきて個室のドアを締め、鍵をかける。
廊下の女の子達はやはりトイレに向かってきていたようで、初風さんが入ってきた後すぐに他の個室でもドアの開閉音が聞こえた。間一髪の所だったらしい。
ドアに耳をつけて様子を探る彼女に小さく声をかける。
「えっと…なんで初風さんまで入ってきてるんですか?」
「あっ…」
しまった、というような顔で僕を見つめる初風さん。勢いに任せて後のことは考えていなかったらしい。微妙な空気が個室の中に漂う。
「それより、アンタそれなんとかしなさいよ。」
初風さんはまた僕の盛り上がったスカートを見下ろしながら、冷たく言い放つ。
「なんとかって言われても…収まるまで待つしか…。」
「じゃあいつ収まるの?」
「わ、わかりません…。」
「はぁ…いつまでもここに隠れてるわけにはいかないのよ?それにその…えっと…スカートの下のそれ、そのままじゃパジャマ着ててもバレるでしょ。」
「………。」
厳しい現実が僕を突き刺している。確かに、スカートを履いてこれなんだから、柔らかい布のパジャマなら同じようにバレてしまう。
これを直すとなると…。
「……あの、初風さん。個室から一度出てもらっていいですか?」
「…? なんで?」
「えっと、ここで…するので…すれば小さくなるので…?」
「何するのか知らないけど、それで小さくなるから早くやって。」
「で、でも初風さんがいると…」
「今は他の子がいるから出たらバレるでしょ。そんなこともわからないの?」
怪訝な目で見つめられている。初風さんは今から僕が何をするのかもわからないらしい。当然と言えば当然だけど。
「早くしなさいよ。そろそろ就寝時間なんだから早く戻らないと怪しまれるわ。」
僕の事情も知らず、冷たいままの初風さん。
ここでするから、って言ったのも大分勇気がいる事だったのに。そもそも女子トイレに入るのでさえ死ぬほどハードルが高いのに。僕をこんな場所に引き止めた張本人は素知らぬ顔で被害者の僕を見下ろしている。
もう、知るもんか。そう思って立ち上がった。
「ん?志摩、アンタ何を…」
個室の角にどいた初風さん。恥ずかしいけれど、結局やることをやらないことには小さくならない。便器の方に向き直ってスカートをめくり、紐パンツと一緒にブリーフを下げた。
「はぁっ!?ななななな、何して…」
「ええっと、お、お、オナニー、です…」
消え入りそうな声で答える。
すごく恥ずかしい。時津風さんの時よりもずっと。あの時はまだ時津風さんからやってきた事だからまだマシだったけれど、僕の方からこれを言わされるのはちょっと…。
でも、そんな僕の頭の中とは違い、チンチンは大きく膨らんで反り返っていた。先端はもう先走りで濡れている。
両手の長手袋を脱いでチンチンを握る。すごく温かくてビクビクしている。いつもどおりにそれを擦り始めた。
「あ、アンタ何してるの…?こ、こんな場所でそんなモノ出して…へ、変態!」
初風さんは顔を真赤にして僕を罵倒する。時津風さんがそうだったから、艦娘でも人間の体については知っているのだと思っていたけれど、個人差があるみたいだ。
それに構わず無言でチンチンを擦る。初風さんは硬直したまま、何か恐ろしいモノを見るような目でその光景を見ていた。
「……………。」
眼の前でチンチンを擦る度、あの感覚が思い浮かぶ。時津風さんの柔らかい舌、温かい口。あれの事を一度考えてしまうと、頭の中が全部そっちの方で埋まってしまう。
出さなきゃいけないのに、刺激が足りない。気持ちいいのに、物足りない。
「し、志摩…?それ、まだ治らないの?どれだけかかる?」
「出さないと終わらないです…。」
「出すって…おしっこを?」
「えっと…せ、精液を…。」
「精液…?あ、ああ…あれの事ね…ええ。確かに…そんな事も習ったような記憶があるわ。出せば…縮むのかしら?」
「は、はい。でも…」
「でも?」
「その。物足りないというか…これ、気持ちよく慣れないと終わらないので、もう少しかかるかも。」
「物足りない?なんで?」
「時津風さんと…」
あっ。
「時津風?時がどうかしたの?」
うっかり名前を出してしまった。頭の中がエッチな事ばかりで正常な判断がついてないんだ。
「ねえ志摩、アンタ…時となんかあった?」
頭からブワっと汗が吹き出す。どう誤魔化そう。
言い訳を考えてもつい時津風さんの事が思い浮かぶ。そうして彼女との行為ばかり考えてしまって、僕のチンチンは更に上へ上へと向き始める。
そして、ちらりと僕のチンチンを見た初風さんがそれに気がついた。
「アンタ…まさか…時にヘンな事したんじゃ…」
「ち、違うんです!と、時津風さんの方から…!」
それは僕が『時津風さんにヘンな事をされた』とバラすようなものだった。でも初風さんは何故か納得のいったような顔をしている。
「あー…そう。あいつ、本当に事態をややこしくさせるわね…。」
「す、すみません…。」
僕が謝ることでもないのだけれど、申し訳なくなってつい言葉が出た。
「そ、それで…と、時はどんな事をしたのかしら…?」
僕から目線を外し、口元を抑え、顔を真赤にした尋ねてきた。
ここまで言って、嘘をつくような理由もない。時津風さんと一緒の時に何があったのか、僕は正直に話した。
「く、口で!?そ、それを口に咥えたの!?」
「はい…。」
ドン引きしながらも僕の話を聞いていた初風さんは、一通り聞き終わると何か考え込み、暫くしてからようやく口を開いた。
「男の人って、そういうのが…その…気持ちいいの?」
「は、はい…。」
初風さんはまた考え込む。僕の顔と、チンチンと、そして懐から取り出した懐中時計を交互に眺めてウンウンと唸っている。
「志摩!そ…その!」
次の言葉はとても小さい声で、よく聞こえなかった。
「…でならしてもいいわよ。」
「…?すみません、もう一度…。」
「ッ!手!手でならシてあげてもいいわ!」
恥ずかしいのか怒っているのか、やはり顔は真っ赤なままで、体もプルプルと震えている。そんな彼女を見て拒否するわけにもいかず、提案を受け入れた。
「お、お願い…します…?」
「うわぁ…普段どこにしまってるのよこれ…」
「しまっているというか、普段は小さいんです…。」
僕は何を言わされているんだろう。
結局、初風さんが手でシてくれることになり、僕は両手でスカートをめくってチンチンを出したままの姿でジロジロと観察されている。
初風さんは恐る恐る手袋を履いたままの指先で触ろうとするけれど、やっぱり抵抗があるようでなかなかシてくれない。
かといって僕の方から何かを言うわけにも行かず、黙ってそれを見ていると…。
コンコン、と扉がノックされた。
「あっ、すみー」
反射的に返事をしようとしてしまったその瞬間、初風さんが後ろに回り込んできて僕の口を押さえた。
「ご、ごめんなさい!入ってます!」
ドアの向こうに慌てて叫ぶと、さっきよりも小さい声で僕に囁く。
「何考えてるのよ!今アンタが返事したらまずいでしょ!」
その言葉で自分が危うい橋を渡ったのに気がついて、心臓がバクバクと鳴り始めた。
「は、はい…」
パタパタと床のタイルを踏む音が遠ざかっていく。多分、別のトイレに行ったんだろう。
個室の中ではぁ、と二人共息をついてそこで気がついた。初風さんの吐息が耳に当たっている。
それを意識すると、彼女の体が僕にぴったりくっついているのにも気がついた。初風さんの鼓動も、体温も伝わってきている。そしてちょっと…柔らかい。
「…ん?う、うわっ!なにしてんのよこれ!」
ちょっと怖い性格をしてるけど、初風さんが可愛い女の子であることには違いない。そんな子に後ろから抱きつかれている。そう考えたせいかチンチンはさっきより上を向いていて、初風さんの指が先端に触れていた。
「何もしてないです…。その、初風さんの、胸が当たって…。」
「…ッ!」
怖くて後ろは見えなかったが、彼女の息が荒くなったのはわかった。
「こ、このまますれば…すぐ終わるの?」
「多分…。」
それを聞くと、初風さんは僕を後ろから抱きかかえたままチンチンを握ってくれたけど…。
「痛っ!痛いっ!も、もうちょっと優しく!」
「えっ!?ああ、ごめんなさい。このくらい…かしら…?」
最初にぎゅっと握りしめてきたその手がふわりと開かれて、撫でるぐらいの力加減に変わる。優しい手つきのまま、僕がしていたようにチンチンを擦り始めた。
しゅっ、しゅっ、しゅっ。
乾いた皮の上を乾いた手袋が滑っている。刺激は時津風さんの口の方が強かったけど、こちらは刺激が弱い分ジワジワと快感が登ってくる。
少し寒いトイレの中で、背中の初風さんの胸と、チンチンに触れている初風さんの手がとても暖かくて気持ちいい。
しゅっ、しゅっ、しゅっ。
手袋越しでも五本の指がわかる。初風さんの息遣いも心臓の鼓動も。
しゅっ、しゅっ、しゅっ。
目を閉じて想像してみる。初風さんの体…時津風さんよりは背が高いけれど、裸は想像しにくい。少なくとも背中の感触を考えれば時津風さんよりは大きそう。
しゅっ、しゅっ、しゅっ。
裸が想像しにくいなら口だ。時津風さんの時みたいに、お口でしてもらう。この場所で。口なら想像できる。暖かくて、はぁはぁと熱っぽい息が出て来て…。
しゅっ、しゅっ、しゅっ。
僕に文句を言っていた口が、それを咥える。そんな妄想をしていると初風さんの手が止まっていた。
「ね、ねえこれ…終わったの?」
「え?」
下を向くと、ちんちんの先から透明な液体が滴っていた。初風さんの白い手袋が濡れている。
「これは…気持ちよくなると出るんですけど、その…射精する時はもっと白いのが出るんです。」
「つまり…まだやるの?」
「はい…。」
それと聞くとはぁ、と深い溜め息をついてまたちんちんを擦り始めた。耳元で息を吐かれて、女の子の匂いが鼻をくすぐる。
ふと、ある匂いが個室の中に漂っていることに気がついた。トイレの臭さでもちんちんの臭いでもない、どこか場違いな香り。
すんすんと鼻を鳴らして嗅いでみると、どうも初風さんの方から来ている。でもついさっき、この匂いを嗅いだような…。
「なに?アンタ?時の真似事?」
いやーな顔をして聞かれた。
「いえ…なんだかいい匂いがして…あっ!これ、さっき妙高さん…って人の匂いに近いような…。」
その名前を出した瞬間、ちんちんに大きく力がかかる。
「痛っ!痛い!どうしたんですか!?」
「え?あ、ああ…ごめんなさいね。その…妙高さんと同じ香水つけてるから…それかしら。」
「へ、へぇ…」
どうも初風さんは妙高さんの名前を出すと変な挙動をするみたいだ。あんまり出さない方がいいかもしれない。
「お、男の人はやっぱりこういうの…好きなのかしら?」
「多分…好きだと思いますけど…。」
「ふ、ふぅん…」
「あ、初風さん、手が止まって…」
それを指摘した瞬間、また力強くちんちんが握られた。痛い…ほどではないけど怖い。
「は、初風さん…?」
「アンタねえ…せっかくアンタみたいなガキにも大人の色香が理解出来るのかと関心してる時に…!」
そのまま力強くちんちんが擦られる。少し痛いけれど、気持ちいい。後ろから抱く初風さんの腕はさっきより力も入っている。でも、その分柔らかい胸が当たっている。
「あっ…初風さん…こ、これ…ちょうどいいかも…」
「そもそもよ!アンタが女装なんてしなけりゃこんな事にはなってないのよ!変態!」
耳元で罵られる。恥ずかしいはずなのに、どこかむず痒い。服のせいかもしれないけど背中からゾクゾクと震えが登ってくる。
「よりによって島のコスプレ!?気持ち悪いっ!」
ちんちんが擦られる最中、上下に動く初風さんの腕が僕のお腹を叩く。
「は、初風さん、もうちょっと抑えて…」
「時も時よ!こんな…へ、変態の、ち、ちんちんを舐めるなんて…!」
「あっ、は、初風さん、も、もう出…」
「早く出しなさいったら!」
初風さんが力強く僕のちんちんを握り、手前に引いたその瞬間、一気に皮がめくれる。暖かかった初風さんの手から、冷え切ったトイレの空気に晒される。
「ああっ!は、初風さんっ!出、出ますっ!」
腹筋が締まり、思わず前に屈むと同時に精液が放たれた。白い液体がびゅっと放物線を描いて便座を外れ、便器の蓋へと飛びかかる。粘着質な精液は落ちずにその場でねばっこくこびりついていた。
「う、うわ…き、きもい…」
初風さんは皮の剥けたちんちんを知らないようで、赤黒く光るそれを見てドン引きし、手を離していた。
「あ、あの、初風さん…」
「な、何よ、気持ち悪いわね…」
「なんか収まらなくてその…もう一回…」
「はぁ!?」
「えっと、皮がないとデリケートなので、直に手でやって欲しいんですけど…」
ほんの少し、自分の欲望を混ぜてみる。実際あの手袋で擦られたら血とか出るかもしれない。
初風さんはじろりとちんちんを見る。さっきよりも角度が鋭いちんちんを見て諦めたのか、苦虫を噛み砕くような顔で手袋を脱いだ。
無言で同じように僕を後ろから抱きしめ、今度は素肌を晒した右手で僕のちんちんを握る。
「初風さんの手、冷たい…」
「アンタのが熱いのよ!変態!ド変態!」
そうは言っても、初風さんの鼓動はさっきよりも早かった。多分、僕も早いけれど。
「うわっ…」
皮が剥けたとはいえ、先走りで満遍なく濡れていたので摩擦は問題なかった。おっかなびっくりで直に触る初風さんの手。擦らなくても触れられているだけで気持ちいい。
「…変態。」
僕の耳元でぼそりと呟く。それは口から出たというより、なんだか僕に向けて、明確に言った言葉のように聞こえた。
「…やっぱり今のでびくって反応してるじゃない!変態!」
証拠とばかりに白い指が僕のちんちんを包み込む。
「あ、あの、それは違…」
「変態、変態、変態、変態…!」
違う、と思いたい。こんな場所、こんな格好で、初風さんにちんちんを握られて興奮しない人はいないと思う。でも、初風さんの言う事も事実に聞こえる。僕は変態なんだろうか。
面倒くさくなって反応しないでいても、初風さんはボソボソ声で僕を変態と罵っている。
変態、変態、変態、と耳にすり込みながら、小刻みに動かしたり。
ちんちんの先端の先走りを手のひらに集めてさきっぽだけを擦ったり。
出そうになってびくびく痙攣し始めるとチンチンの根本ばかり擦るようになったり。
初風さんもなんだかその気になってないかな?そう思っているともう片方の手もちんちんに伸びてきた。脱いだ手袋を携えて。
「アンタのせいでもう使い物になんないわよこの手袋!でも…どうせアンタみたいな変態、こういうのが好きなんじゃないの?ほらっ!」
そう言って手袋を亀頭に被せると、片手で竿を握りつつもう片方で手袋ごと亀頭を握る。
「さっさと出しなさいよ変態!露出狂!スケベ男!」
「あっ!は、初風さん、それ、は、激し…!」
初風さんの責めは本当に容赦が無かった。竿の方は握りつつも撫でるように上下し、亀頭の方は何かを磨くようにゴリゴリと手のひらで遊ばれている。
吐息はどこか色っぽくて、妙高さんと同じ大人の女性の香水の匂いが彼女の熱気と共に流れてくる。逃げられないように足も絡められ、全身ぴったりとくっついていた。
「変態、変態、変態、変態…!」
捕獲された僕は言い聞かせるように罵られる。すごく恥ずかしいけれど、初風さんにやられているのならいいかもしれない。とっても、気持ちいい。
腰が抜けていくけど、初風さんの膝がそれを許さない。玉が初風さんの温かい生脚に乗って、前後にもう逃げ場がない。
「これで出したらアンタ本当に変態ね?」
射精のイメージが湧いてくる。初風さんの、あの手袋の中。初風さんに囲まれて、初風さんの手袋の中に出す…そうイメージすると込み上がってくるものがある。
「あっ…ああああっ…は、初風さん、出ますっ…♡」
「出しなさいよ、変態。」
命令形でそう言われて、僕は射精してしまった。
「~~~~~ッ!」
びゅるる、びゅるると勢いよく噴射する。飛び出た精液は初風さんの手袋の指へと入り、誰もつけていないはずの手袋の指がびくんびくんと動いていた。
竿は相変わらず生の手で固定され、びゅくびゅくと精液が移動する様を初風さんに感じ取られてしまっている。恥ずかしいけど、本当に恥ずかしいけど、どこか満足感がある。
全部出しきった後、ぼとぼとと手袋の中から精液が漏れ出して、便器へと吸い込まれていった。
ふぅ、とため息を吐いた初風さんは手袋を外してぽいと横に捨てると、先走りで濡れた手をじっと見つめ、時折臭いを嗅いでいた。
「くっさ…」
二度も手でされ、下を向いていた僕のちんちんがぴくんと反応した。硬さが戻るわけではなかったけど、反応してしまった。
これからどうしよう、という目で初風さんを見つめていたけれど、そんな目線を向けられた彼女は逆に僕の方を睨んでいる。
「…なによ?出してあげたでしょ?それ収まったのならさっさと着替えなさいよ。」
「あ、はい…。」
トイレットペーパーでチンチンを拭く間、初風さんは誰も外にいないのを見計らって外で出てしまった。
射精時の快感と高揚はどこへいったのか、今は後悔ばかり押し寄せている。
本当になんでこんな事してるんだろう。初風さんの言う通り本当に変態じゃないか。それに確か、この後天津風さんのベッドで一緒に寝るはず…。
立ち上る精子の臭いを気にしながら、どうにかパジャマへと着替える。くんくんと自分を嗅いてみるがパジャマについた芳香剤のいい香りがするだけ。杞憂…だと思いたい。
手を洗って外に出ると、同じようにパジャマ姿の初風さんがいた。僕を睨みるけるとすぐ廊下を歩きだしてしまったので無言でついていく。
「あー、初風、シマくん、おかえりー。」
「遅かったじゃない。何かあった?」
時津風さんと天津風さんが迎えてくれた。島風さんは…もうベッドの中らしい。
「こいつが入った後に別の子が沢山トイレに来てなかなか出れなかっただけよ。今夜は天津風のベッドでいいのよね?」
「ええ。」
天津風さんがこちらを向く。僕とおそろいのピンク色のパジャマで、頭につけていた飾り?は外されている。
「じゃあ志摩くん、一緒に寝ましょう?狭いかもしれないけどごめんなさい。」
さっきまでの初風さんの態度に比べると、天津風さんはめちゃくちゃ優しい。素直だし、可愛いし…。
ちらっと初風さんの方を見ると、なぜかニコニコと笑っている。あまりにも不気味な笑みが怖くて天津風さんに視線を戻した。
「? どうかしたの?」
「い、いや、なんでもないです…」
一人用のベッドになんとか二人で入り、天津風さんと背中合わせで寝る。
天津風さんの体がとても温かい。触れてはいないはずなんだけど…。それに、いい匂いもする。初風さんの大人っぽい香りじゃなくて、別のジャンルの匂いというか…。
「ふぁああ…消すよー。」
時津風さんが照明を消して真っ暗になると、より天津風さんを感じる。正直、ドキドキする。さっき射精してなかったら、多分…我慢出来なかったかもしれない。
心の中で初風さんにありがとうと言って、目を瞑った。
明日はこんな事がありませんように…いや…あったら…いいかも…。