【完結後オマケ】お隣の天使様を変態紳士がいつの間にか堕天使にしてしまった件 作:麒麟人間
周くんがかなりオープンエロな変態紳士です
学内で「天使様」とまで呼ばれている美少女、椎名真昼。たまたまマンションの隣の部屋だと言う以外に縁のない高嶺の花だと思っていたが、ひょんなことから風邪の看病をしてもらい、晩飯を作って貰う程度の関係になっていた。
そして今日、周の部屋のあまりの汚さに辟易した真昼が、部屋の掃除を申し出てくれた。
「いや、でも流石に男の部屋を掃除させるのは申し訳ないな」
「安心してください、隣に汚部屋があると思うよりは私も気分が悪くなりません」
「……汚部屋で大変申し訳ない」
「ただ、貴重品や、その……見られたくないものは隠しておいてください」
「いや、そこは特に心配してない」
「……本当に大丈夫なんですか?」
少し言いづらそうに聞いてくる真昼。
「その、男性的に隠しておきたいものはないので……?」
ああ、そういうことか。確かに普通の高校生男子なら、エロ本を同い年の女子に見られたりするのは恥ずかしいじゃ済まないくらいの恥辱だろう。
「大丈夫だ。俺の部屋に隠しておかないといけないようなものはない」
「そ、それならいいです。では……徹底的にしますね、掃除」
「ああ、よろしく頼む」
そこからの真昼の活躍は凄まじかった。
見る見るうちに足の踏み場もなかった床から衣類やゴミがなくなり、入居時のような広々とした部屋が現れた。
「見事なもんだな」
「感心していないで、藤宮さんはゴミをまとめておいてください。私は洗濯し終わった衣服を仕舞っておきますね」
「ああ」
きっちりと畳まれた衣服を持ってクローゼットを開けた真昼。
「えっ……きゃああああああ!??」
その瞬間、聞いたことがないような悲鳴と共に、周の服がぶちまけられた。
「どうした、何かあったか?」
「なななな何かあったかじゃないですよ! 隠しておきたいものはないって言ってたじゃないですか! なんなんですかこれは!!」
クローゼットの中には、俗に言うエロ本やオナホールが所狭しと詰め込まれていた。
「言った通りだぞ。別に隠しておかないと思ってないからな。見たければ存分に見てくれていい」
「馬鹿ですか、馬鹿なんですか藤宮さんは。こんなのどう考えても隠しておくべき物でしょうに。せめてなんで先に言っておいてくれなかったんですか!」
「それはもちろん、その方が面白そうだったからだ」
真顔で言ってのけた周に、真昼はふらりと意識が遠のきそうになったようだった。
「捨てます、全部捨てます」
「まあまあ待ってくれ椎名。それは俺にとって必要な物なんだ。勝手に捨ててもらっちゃ困る。ほらここのシーンなんか何度世話になったことか」
「知りません! って中身見せないでください!」
せっかくお気に入りのシーンを共有してあげようと思ったのに、真昼にはお気に召さなかったようだ。
「はぁはぁ。藤宮さんがこんな人だと思いませんでした。少し身の危険を感じてきました」
「いや、別に椎名を襲ったりする気はないぞ。ただ天使様ってのはエロ本を読んで堕天するのが最近のトレンドかなと思ってな」
「どこのトレンドですか! はぁ、もういいです。とりあえずわかりましたから、奥の方にまとめて仕舞っておきますね」
周とのやりとりの方が疲れると思ったのか、諦めたように片付けを再開する真昼。
そんな思いをしても「やめる」と言い出さない辺り、一度自分から始めたことには責任を持つ性格のようだ。
「う……こんな本ばかり。男の人は何でこんな物が好きなんでしょうか」
極力見ないようにしつつも、どうしても視界に入ってしまい、顔を真っ赤にしながら整理を続けてくれる。
周はというと、そんな真昼の様子を眺めるのに忙しくて何も手がつかなかった。
「そんなに興味があるならちゃんと読んで見ればいいじゃないか。なんなら掃除のお礼に貸してあげてもいいぞ?」
「い、いりません! 藤宮さんが捨てるのは嫌だというから整理しているだけです。他にもゴミだらけで……このブヨブヨした物とか、なんなんですか、コレ?」
ブヨブヨした筒状の物体。真昼はそれが何かわからず、下部の穴を拡げて覗き込んだりしている。ご馳走様です。
「それはオナホールだ」
「おな…………えっ!?」
ちなみに、使用済みで、確かそのまま放置していたやつだ。それを天使様がいじくり回していると思うと、自分のモノを触られているようで興奮する。
「な、なんてモノを置いているんですか! って、藤宮さん、そ、それは……!??」
おっと、つい真昼の前で勃起してしまっていた。
襲わないと言った手前、こういうところを見せるのはルール違反だろう(今更)。
「悪い、椎名。そのオナホールとエロ本を貸してくれ。洗うついでに、トイレでヌいてくる」
「えっ!? ぬ、ヌいて……って、ええっ!?? い、今からですかっ!?」
「当たり前だろ。男の勃起はそう簡単に収まらないんだ。椎名もこんなの長時間見たくないだろ?」
「それはもちろんですけど! その……女性に面と向かって言うことではないのではないでしょうかっ!」
まあそれはそうだが、だからと言ってどう取り繕えと言うのだろうか。そもそも取り繕う気もないが。
「あー、椎名のおかげで部屋も大体片付いたし、もし嫌だったらもう終わりにして自分の部屋に戻ってくれていいからな。十分助かったよ、ありがとう」
「そんな……別にお礼を言われるようなことじゃ、ないですけど」
学生の貴重な休日を一日潰してしまったのだ。十分お礼に値することだろう。
「あ、エロ本の中で気に入ったのがあれば自由に読んでくれて構わないからな」
「読みません!」
——真昼視点——
藤宮さんは変態発言を連呼しながら、本当にトイレにお、おな……オナホールとエッチな本を持って籠ってしまった。
最初はクールで安心できる人だと思っていたのに、とんだ変態で正直がっかりした。
「でも、あそこまで明け透けだと逆に不快感もないですね」
私に話しかけてくる男子たちは、どんなことを言っていても結局顔ばかり見て、下心が透けて見えていた。
それに比べれば、藤宮さんは発言内容はともかく、私に対しての下心は一切感じなかったので、気持ち的に不快に感じたことはなかった。
「って、なんで私は藤宮さんを庇うようなことを……さっさと片付けて部屋に戻りましょう」
もう大体は終わっているが、最後に散らかしてしまった衣服だけは綺麗にたたみ直して仕舞っておかないと私の気が済まない。
「あっ」
仕舞い終えてクローゼットを閉めようとした時に、奥に積んでおいたエッチな本が崩れてしまった。
非常に触りたくないが、このまま中途半端に終わらせると気になって部屋に戻っても勉強に集中できなくなるので、改めて積み直そうとした。
「あれ、この本。こんな可愛い絵のもあるんですね」
エッチな本というのはもっと胸の大きな大人の女性ばかりだと思っていたけど、この本は高校生くらいのカップルで、露骨な性行シーンも少なく、ぱっと見だと少女漫画のようにも見えた。
(最近の少女漫画は過激なのも多いですからね。)
あまり漫画自体嗜む方ではないけれど、それでも多少は知識がある。
つい気になってペラペラとページを捲っていると、かなり無理のある展開でエッチなシーンが始まってしまった。
(やっぱり男性の読む成人向け漫画だとこういう感じなんですね……って、私はなんでこんなにじっくり読んでしまったのでしょうか!)
お話自体は割と面白くて、ついつい読み進めてしまっていた。
(それにこの主人公の男の子……少しだけ藤宮さんに似ていますね)
ヒロインの方はなんだか過剰なくらいキラキラしていて、私には似ていないけれど、地味な装いをしていても素材の良さが現れている主人公がどことなく藤宮さんを彷彿とさせた。
(って、これでは私がエッチな本に自分と藤宮さんを重ねているみたいじゃないですか!)
もうこれ以上は耐えられなくて、片付けを終わらせて部屋から出ようとする。
トイレの前を通り過ぎようとした時、中から物音と激しい息遣いが聴こえてきて、思わず足を止めてしまった。
『うっ、ふぅっ……はぁ、はぁ。もう、イきそっ!』
(〜〜〜〜〜〜!!)
トイレの扉越しとはいえ、同じ学校の男子が射精する瞬間を盗み聞いてしまうだなんて思わず、混乱したままようやく自分の部屋に辿り着いた。
「はぁ、はぁ。隣の部屋から戻るだけでこんなに大変な思いをするとは思いませんでした……」
ひとまず藤宮さんの部屋は片付いたことだし、これで当分は汚部屋になることもないだろう。
でも、たった一つだけ問題が発生していた。
(ああああああああ!! なぜ私は、この本を持ってきてしまったのでしょう!?)
さっきまで読んでいたエッチな本。それを右手に持ったまま帰ってきてしまったことだった。
(確かに藤宮さんが「貸してやる」と仰っていましたが、だからといって本当に持って帰ってしまうなんてどうかしています!)
自分の行動が信じられずに頭を抱える。
今すぐにでも返しに行くべきだと思っているのに、何故か再び本を開いてしまう。
(ああ、本当にエッチです。高校生がこんな、こんな本を読むなんて不健全です)
序盤が健全な場面が多かった分、中盤からはエッチなシーンが多く濃厚だった。
そのシーンの最後、ヒロインと繋がったまま主人公が果ててしまうシーンで思わず想像してしまった。
(ふ、藤宮さんもトイレの中でこんなに射精していたのでしょうか?)
男性のことはわからないから、漫画のような量が出るのか定かではないが、多分似たようなものなのだろう。
「あっ……下着が」
自分でもわかるくらいに下着が濡れているのに気づいて、慌てて本を閉じた。
「こんなことになるなんて……どんな顔で藤宮さんに本を返せばいいのでしょうか」
許可されているとはいえ、勝手に持ち出してしまった本の処理に困って途方にくれる真昼だった。
——周視点——
「ふぅ、スッキリした。っと、椎名は流石に部屋に戻ったか」
トイレから出てきた時には、真昼の姿はなかった。
「それにしても……」
部屋を見渡す。とても自分の部屋とは思えないくらいキチンと整理整頓されていた。
「今度改めてお礼しないとな」
料理だけでも助かるのに、部屋の掃除までさせてしまって、申し訳なさすぎる。
「とりあえずコイツは仕舞っておくか」
さっき使ったオナホール(洗い済み)とエロ本をクローゼットの中に仕舞う。
「ここに纏めてあるんだな、把握した。……ん? 一冊無いような?」
もしかして、本当に借りていったのか? あの天使様が?
「まあ若い女子高生でも、そういう気分になる時もあるか。それにしてもあの本か」
他に残った物から、持っていった本を察する。
「あれ、ヒロインが少し椎名に似てるんだよな。主人公は少女漫画みたいにキラキラしてて俺とは大違いだけど」
しばらく特にお気に入りだった一冊が使えなくなることは、少しだけ残念だった。
あまりの変態紳士っぷりに、天使様も堕天寸前です