【完結後オマケ】お隣の天使様を変態紳士がいつの間にか堕天使にしてしまった件 作:麒麟人間
――ピロン
「お、樹からメッセージか」
「私にも千歳さんから来てますね」
アプリを開くと、『ちぃと姫始め♡』という内容と、繋がっている最中の画像が送られてきた。周は間髪入れずに『よかったな』とだけ返し、アプリを閉じた。
(相変わらずだな、あいつらも……)
隣を見ると、真昼にも同じ内容が千歳から送られてきたのだろう、少し頬が赤くなっていた。
「ったく、あいつらも新年早々から……あんまり変なこと送りつけて来るようなら、俺から一言言っておこうか?」
「い、いえ……人に見られたりしないようには気をつけておきますし、仲がいいのはいい事だと思います、し」
「そ、そうか……」
なんとなく会話が止まってしまう。大晦日以来、どこかギクシャクしてしまう。険悪というわけではないが、どこか気恥ずかしくて気まずい空気が流れる。あれ以来エロいことも特にしていない。
しばらく沈黙が続いた後、またスマホにメッセージが届いた。
「父さんからだ。もうすぐ到着するらしい」
「あ、ではお茶を淹れておきますね」
「ああ、頼む」
そして数分後、チャイムが鳴り響いた。
「やあ周、元気だったかい?」
「久しぶり、父さん……母さんも」
「あらー? ついでみたいに言わないでよぉ」
いつも通り穏やかな笑みを浮かべた修斗と、いつも以上にテンションが高そうな志保子を部屋に招き入れる。
リビングには、真昼が既に暖かな湯気をたてる紅茶を淹れて、緊張した顔で立っていた。
「真昼ちゃーん、久しぶりねぇ、元気だった?」
「は、はい。お久しぶりです。志保子さんもお元気そうで」
志保子と挨拶し、チラリと修斗の方を見る真昼。志保子もそうだが、周の父親に見えないくらいの若い見た目に戸惑っているのだろう。
「初めまして、周の父の藤宮修斗です。椎名さんのことは二人から伺っているよ。いつも息子がお世話になっています」
「初めまして。椎名真昼と申します。こちらこそ、周くんにはいろいろお世話になっているので、お気になさらないでください」
いろいろというかエロエロというか……。そっちの話を差し引いても、生活面では真昼に世話になりっぱなしな周は、少し居心地が悪かった。
「周、ちゃんと日頃から椎名さんを労っているかい?」
穏やかながらも、芯を感じさせる声色で問いかける修斗。昔から、優しくはあっても女性に対しての振る舞いには厳しかった。
「可能な限りは」
「よろしい」
簡潔に応える。これだけでも修斗には伝わっているだろう。
「それでそれで? 二人はどこまで進んだの? 避妊はしてる? 子供が出来てもフォローはするけど、学生の内からだと大変よぉ」
「母さん……」
志保子が、とうとう我慢できずに暴走し始めた。目をキラキラさせて、妄想の世界を溢れさせている。
「だから、真昼とはそんな関係じゃないって言ってるだろ」
「でも、いつの間にか名前で呼び合うようになってるわよね。周もやるじゃないっ!」
全く話を聞かない志保子に振り回されてるのはいつものことだが、真昼を巻き込んでいる以上、早急になんとかしなくてはいけない。
だが、周が動くより先に、修斗が動いた。
「志保子さん」
「なぁに、修斗さん……んっ」
「わぁ……っ!」
騒ぐ志保子の口を、自らの口で塞ぐ修斗。幼い頃から見慣れている周はともかく、初対面の真昼には刺激が強かったみたいだ。
「志保子さん、少し、落ち着こうか……ぢゅ、れろっ」
「あっ……修斗、さん……んちゅ、れっ、んろっ、ちゅぱっ」
人の目も気にせず、熱烈なキスに変わっていく。志保子はすっかり目が蕩けてしまっていた。
「ちゅ、ぢゅぽっ……落ち着いたかな、志保子さん?」
「は、はいぃ」
口から唾液の糸を引きながら離れた頃には、蕩け切った志保子からは先ほどまでのハイテンションはなくなっていた。
「すまないね、椎名さん。こんな所を見せてしまって」
「い、いえっ、仲がよくて羨ましいです」
「そう言ってもらえると助かるよ。志保子さんを止めるにはこうするのが一番でね」
「周りの目は気にして欲しいけどな」
子供の頃から、何かあれば外でも構わずイチャつくし、家の中だと歯止めもないので、周からしてみれば親のイチャイチャを見させられ続けるという拷問だった。
というのも、ただのイチャつきどころではない。
二人は盛り上がると、周がいてもセックスまでおっ始める。
周が物心つく前から、毎晩当たり前のようにセックスする両親の姿を見てきて、親とはそれが当たり前なのだと思っていたくらいだ。
小学校くらいの時に、友達にそれを言ったら周囲に腫れ物扱いされるようになってしまった。
それ以降、あまり周りには言わないように気をつけているが、子供の頃からの性的なことに対する認識が違いすぎて、時々やらかしてしまう。
そんな話を真昼にすると、呆れと納得の入り混じった複雑な顔をされてしまった。
「だから周くん、そこまで面識のなかった私にエッチな本なんて勧めたりしたんですね」
「真昼の反応が面白そうだったからっていうのもあるけど、エロ本見られて恥ずかしいっていう意識はなかったな。父さんたちのせいで、エロいことも生活の一部みたいな認識になってるんだよ」
「それでも、愛がない親よりはいいと思います」
修斗と志保子を見る真昼の目は、言葉通り憧憬の眼差しだった。
今までも何度か見た、家族への醒めた目からぼんやりと察しはしていたが、やはり真昼の家族仲はよくなかったようだ。
「わっ……周くん?」
気づけば、自然に真昼の頭を撫でていた。真昼にもなんとなく意図が伝わったのだろう、髪が乱れるのも気にせず、されるがままになっている。
「あらあら〜? やっぱりすっごく仲良くなってるじゃない」
いつの間にか復活していた志保子の声に、パッと手を引っ込める。
「これはっ……そういうんじゃないから。それより、その大荷物はなんなんだ? 泊まりってわけじゃないだろ?」
日帰りにしてはやけに大きなカバンを持った志保子に問いかける。それを聞いた志保子は、楽しそうに表情を華やかせた。
「そうそう、二人とも初詣まだ行ってないわよね?」
「まあ人混みは確実だろうからなぁ」
新年早々、わざわざあんな人混みの中に突っ込む意味がわからない。真昼も同感らしく、行くにしても落ち着いてからだろう、という話はしていた。
「そんなことだろうと思って、着物持ってきたのよー。私娘に着物着せて初詣に行くのが夢だったのよ」
あんなに毎晩子作りしておいて、周が一人っ子なのはある意味奇跡だ。元々子供が出来にくい体質だったのかもしれない。
ちなみに、毎晩のようにお盛んなのは今でも変わらず、周が一人暮らしを始めた理由でもあった。
「真昼を着せ替え人形にするのもほどほどにしておけよ」
「でも絶対似合うと思うのよ。周もそう思うでしょ?」
志保子の問いかけに、真昼が反応した。少し不安げに周の解答を伺っている。どう返すのか気になるようだ。
(そんな顔、するなよ……)
真昼にこんな顔をされては、軽くあしらうわけにもいかない。少し照れ臭くはあるが、正直に思ったことを口に出した。
「……まあ、真昼は元が良いから、和服だって似合うだろ」
ぶっきらぼうな言い方になってしまったが、これが今の周の精一杯だった。真昼もそれを聞いて満更でもなさそうに髪を手で梳くような仕草をする。
「あ、ありがとう、ございます」
居心地が悪い。なんとも言えない空気が二人の間に流れる。誰か、この状態をなんとかしてくれ……。
「あら? あらあら〜。やっぱりとっても仲良しじゃない。この調子なら真昼ちゃんが本当にウチの娘になるのも遠くなさそうね!」
「だから、そういうのじゃないって言ってるだろ。いいから、初詣行くならさっさと行ってくればいいだろ」
「なんで周は行かない前提なのよ。もちろん一緒に決まってるでしょ」
「真昼と歩いてて学校の奴らに見られたらまずいんだよ。真昼は有名人だから、一発で噂になるぞ」
いくら志保子や修斗が一緒とはいえ、真昼が男連れで初詣に行けば確実に噂になる。
「じゃあバレなきゃいいのね? 任せて、そういうと思っていろいろ用意してきたから」
「おい、まさか……」
カバンの中には、周用の服や髪を整えるワックスなどが大量に入っていた。こうなることまで予定通りらしい。
「それに、真昼ちゃんだって着飾った周見てみたいわよね?」
「え、えっと……?」
「一緒に初詣、行きたくない?」
チラリと周の顔を伺った後、控えめに同意した。
「は、はい。一緒に初詣に行きたい、です」
真昼の期待するような視線。やはり、周は真昼のこういう表情には逆らえそうにない。
「周、これは諦めた方が早いよ」
「はあ……わかったよ、行くよ」
結局一緒に行くことになってしまい、がっくりと肩を落として項垂れた。
「はい、かんせーい。ほら、こうして見ると周もちゃんとイケメンじゃない」
あの後、真昼は自分で着付けができるとのことで一旦自宅に戻っていった。
その間に周は志保子によって髪型や服装を弄りにいじられ、今ようやく解放されたところである。
「ほらほら、どう?」
鏡で自分の姿を確認する。そこには、普段の周とは似ても似つかない爽やかな好青年がいた。
「まあ悪くないんじゃないか?」
「もう、捻くれてるんだから」
確かに、普段と比べると雲泥の差だ。だが、隣にいるのが真昼であるなら、こんな付け焼き刃で釣り合うものではないだろう。
「あ、真昼ちゃんも準備できたみたいね。連れてくるわね」
やがて、玄関から着物を着た真昼が顔を出した。
おず、と控えめにやって来た真昼は、少し気恥ずかしそうにしていた。
「きゃー! とっても似合ってるわよ。ねっ、二人とも」
「ああ、よく似合っているよ、椎名さん」
ひとしきり感想を言った二人がチラリと周の方に振り返る。この流れは……。
「……似合ってる、と思う」
「あら? 最後のは余計だけど、えらく素直じゃない?」
「どうせ言わされるなら最初から言った方が早いだろ」
それに、別にお世辞を言っているわけでもない。元々なんでも着こなす真昼のこと、和服だって似合うだろうとは予想していたが、それにしても似合いすぎている。
派手すぎず、上品かつ可愛らしいピンクの小紋。髪を一房に纏めて横に流しているため、露わになったうなじが色気を醸し出している。
「あ、ありがとうございます……周くんも、その……カッコいい、ですよ?」
ポソっと耳打ちするような声で真昼からも周の外見を褒めてきた。
お互いを褒め合うような状態になって、顔が熱くなる。顔を伏せた真昼も、耳が赤くなっている。
「周も普段からこうしてれば女の子にもモテるのに、ねぇ真昼ちゃん?」
「えっ、いえ、わたしは、その……」
いきなり話を振られて戸惑っている。あまり真昼に変なことを言って欲しくないものだ。
「わ、私は……周くんは普段からカッコいいと思いますし、あまりモテてしまうのは……嫌、です」
「んぐっ」
周の服をキュッと摘んで恥ずかしそうに言う真昼。こういう独占欲みたいなものを真昼が顕にしてくるのは珍しかった。
「まあ! そうよね、真昼ちゃんにとってはライバルが増えちゃうものね。でも大丈夫よ、周は浮気なんか絶対しないから。だってこんなにも可愛いんですもの、なんなら今すぐにでも結婚――」
「ほら、志保子さん、ストップ」
「んんっ! んっ、ちゅ、んはぁ……」
「ちゅ、ちゅく、れろっ……ふぅ、落ち着いたかい、志保子さん?」
「ふぁ、ふぁい……」
再び暴走した志保子を止めるために、またもや熱烈なキスが目の前で行われる。ようやく落ち着いた志保子の手を引いて、修斗は外へ向かう。
「じゃあ、私たちは車を回してくるよ。二人は少しだけ待っていてくれるかな」
「わかった」
そして、取り残される周と真昼。こんな空気で二人きりは気まずい。
「本当に、仲が良いご両親ですね」
「近所でも有名なおしどり夫婦だよ」
「それに、志保子さん、とっても気持ちよさそうでした……そんなにいいんでしょうか、キスって」
つい真昼の方を振り向いてしまう。真昼は、口元に手を当てて、周の方をじっと見つめていた。
何を言いたいのか、口に出さなくても伝わる。
周も、今日一日で学んだ。
――周は、真昼のこの目には逆らえないのだと。
「……んっ」
そっと、真昼を抱き寄せて、触れるだけのようなキスをする。
瑞々しい唇は、同じ体の一部なのかと思うほど柔らかくて、蕩けてしまいそうだった。
「……しちゃいましたね、キス」
「……ああ」
「一瞬で、よく、わかりませんでした」
「ああ、俺もだ」
「んっ」
もう一度、優しく唇を触れ合わせる。今度はすぐに離さず、少し長めのキスだった。
「ん、はぁ……キス、すごいです。周くん、もっと、もっとしてください」
「真昼っ」
キスで蕩けた表情の真昼が可愛すぎて、周ももっと強く真昼が欲しくなる。
長めのキスや、啄むようなキスを連続でしていく。その度に、真昼と溶け合うような錯覚に陥り、段々と理性も溶けていく。
「んっ……れろっ」
「んんっ!? ……れっ、ちゅぱ……はぁ……」
閉じている唇に舌を這わせると、驚きながらも、真昼からも舌が伸びてきた。お互いの唾液を貪るように、貪欲に真昼を求める。
「んちゅ、ぢゅる……れぉっ……あまね、くん……ちゅ……」
「はぁ、はぁ……真昼、真昼っ!」
「あっ……んんっ」
耐えきれずに、真昼のお尻に手を回す。さらさらな着物の手触り越しに、柔らかな真昼のお尻を揉みしだく。
「周くん……わたし…………きゃっ!?」
「ん? おわっ!?」
真昼の悲鳴に振り返ると、いつの間にか陰に隠れていた志保子の姿があった。
「あ、ごめんなさい、お邪魔しちゃったかしら? 私のことは気にせず、続きを楽しんでちょうだい」
「できるかっ! く、車の用意できたんならさっさと初詣行くぞ。ほら、真昼も」
「は、はい」
若干怪しい足取りの真昼の手を引いて、玄関に向かう。
ニヤニヤしている志保子の顔が、これから道中でからかわれ続ける未来を語っていた。
7万字超えてようやく初キスシーンまで辿り着きました
順序がおかしい恋愛って、いいよね
開発レベル
名前:椎名真昼
絶頂59回
オナニーレベル8
露出レベル9
性癖 露出 匂いフェチ M ぶっかけられ キス