※この作品はR-18です。

【完結後オマケ】お隣の天使様を変態紳士がいつの間にか堕天使にしてしまった件   作:麒麟人間

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文字数多くなったのと、エッチシーンが納得できなくて書き直してて更新遅れそうなので、半端ですが分割します
続きはなるべく早めに上げます


天使様を看病①(着替え)

「くちゅん!」

 

 それは、周の隣から唐突に響いた。

 いつものようにソファーの隣に座っている真昼が、可愛らしいくしゃみをしたのだ。

 

「風邪か?」

「………………いえ、大丈夫です」

 

 大丈夫とは言うが、真昼の顔は真っ赤だし、ぼーっとしているように見える。

 何より、さっきの返事も反応がやけに遅かった。

 

「大丈夫なわけないだろ。どう見ても熱あるじゃないか」

「……そんなことありません」

「強情なやつめ」

 

 仕方がないので、真昼の前髪をかき上げ、おでことおでこをくっ付ける。

 ほんの少し抵抗のそぶりを見せたが、反応が鈍くなっているおかげで難なく捕まえられた。

 

「うわ、ちょっとした風邪どころの熱じゃないぞこれ。寝てないとダメだろ」

 

 かなりの高熱で、とても動き回っていていいような状態ではなかった。

 

「……これくらい、大したことはありません」

「俺が風邪引いた時はあんなに休めってうるさかったのに、自分は無茶するのか」

 

 以前周が風を引いた時は、真昼に傘を貸したせいだと責任を感じて手厚い看病を受けた。

 思えば、真昼との関係はあそこから始まったのだ。

 

「でも、ご飯を作らないといけませんし……」

「流石にこんな熱出してる真昼に作らせたりしないって。いいから休め」

「……別に、大丈夫ですもん」

 

 頑なに休もうとしない真昼。理由はわからないが、これは強硬策しかなさそうだ。

 

「よっ……と」

「きゃっ!?」

 

 座っている真昼をお姫様抱っこで抱える。慌てる真昼をよそに、周の寝室に入りベッドに寝かせる。

 

「とりあえず、今の格好で寝るわけにもいかないから、これに着替えてろ」

 

 周のシャツなど、真昼でも着れるサイズの服を選んで渡す。しかし真昼は一向に動く気配がない。

 

「……やです」

「無理やり脱がすぞ」

「はい、周くんが着替えさせてください」

 

 脅しのつもりで言ったのに、まさかの返しだ。

 一瞬躊躇したが、そうしないと真昼はテコでも動かない気がしたので、素直に真昼の上着に手をかける。

 

「ほら、バンザイして」

「ん……」

 

 真昼の頭を通すようにして上着を脱がせる。いくら風邪を引いているとはいえ、いつも一方的に世話をしてもらっている真昼の世話をするのは、なんだか新鮮な気分だった。

 

「次はシャツだな……」

「……」

 

 チラリと真昼の表情を伺うが、周の方を見つめるばかりで、やはり動く気配はない。

 むしろ、胸を突き出すようにしていて、ごくり、と唾を飲む。

 ゆっくりとシャツのボタンに手をかけ、一つ一つ外していく。

 もう何度も体を重ねた関係でも、人形のように服を着せ替えるというのは緊張する。

 やがて、下までボタンが外れると、シャツが左右に開き、真昼の白い肌とブラジャーが露わになる。

 

「…………」

 

 つい見惚れてしまう。真昼の熱で赤くなった顔と白い肌のコントラストが情欲を唆るが、今は風邪が悪化しないように着替えさせるのが最優先だ。

 

「周くん、エッチなこと、しないんですか?」

 

 着替えさせたのは、誘っている意図もあったらしい。

 

「風邪のやつに無理させられるわけないだろ。体が冷えるといけないから、替えの服着せるぞ」

 

 すぐに周のシャツを着せて、ボタンを付けていく。これで上着は完了である。

 

「周くん、我慢してませんか?」

「病人が気にすることじゃない。早く元気になってから、いっぱいセックスしよう」

「は、はい……」

「その代わり、元気になったらめちゃくちゃエロいことしまくるから、覚悟しておけよ」

「め、めちゃくちゃえろいこと……」

 

 どんな想像したのか、熱で赤くなった顔が更に赤く染まった。

 

「ほら、次は……タイツも脱がすぞ」

 

 なんとなく真昼を着替えさせるのもちょっと楽しくなってきた。

 タイツ……実は以前から少し脱がしてみたかったのだ。

 真昼はセックスの時は自分で脱ぐ派だったが、一度自分で脱がしたいと思っていた。

 腰のタイツに指をかけると、さりげなく腰を浮かしてくれたので、スルスルと巻くように降ろしていく。

 真昼はもうあまり気にしていないようだが、こういう時に見えるパンツは、それはそれで男心をくすぐるのだ。

 惜しい気持ちもあるが、体が冷えないようにさっさとタイツとスカートを脱がし、周のズボンを履かせる。

 

(ブカブカで可愛い)

 

 サイズが合わないので仕方がないが、全体的にブカブカな服を着る真昼が可愛い。

 着替えも終わったことだし、真昼をベッドに寝かせて水分補給用のペットボトルや熱冷ましシートなどを用意する。

 

「……随分手際がいいですね」

「前に真昼に看病されたのを思い出してるだけだけどな」

 

 以前真昼に看病された時は、まだただの顔見知り程度の仲だったにも関わらず手厚く看病してくれた。

 その時してくれたことを返しているだけにすぎない。

 

「というか、なんでこんな無理をしてるんだ」

「その……今までは体調を崩しても頼れる人は居ませんでしたし」

 

 真昼の親がどんな人物なのかは知らないが、今までの真昼の態度から相当酷い扱いを受けていただろうとは想像していたが、まさか風邪を引いても看病すらしないような親だったとは……。

 

「小雪さん……実家にいた頃のお手伝いさんはよくしてくれましたが、時間になったら帰ってしまうので、朝と夜はいつも一人でした」

「ならいい機会だし、存分に看病されとけ」

「…………はい」

「大体、いつも頑張りすぎなんだよ。もっと頼ってくれていいし、我慢しないで言いたいこと、やりたいことをしていいんだ」

「――我慢、しなくていいんですか?」

「まあ、俺じゃ頼りにならないかもしれないけどな」

「そんなことはありませんが……聞きましたからね?」

 

 やけに念を押してくる。まあ真昼の我儘なんて可愛いものだろうし、何かしたいことがあるならいくらでも叶えてやるつもりだ。

 

「まあ今日のところは大人しく寝てろ」

 

 静かに寝られるように部屋を離れようとしたが、くい、と服が引っ張られた。

 

「あ……ごめんなさい」

 

 真昼がつい無意識にといった風に、周の服の裾を掴んでいた。

 申し訳なさそうな表情の中に、寂しげな色が混ざっているのを感じて、踵を返す。

 

「……周くん?」

「ったく、そんな顔されたら放っておけないだろ」

 

 真昼の布団の中に入り込んで、真昼を抱きしめる。

 

「あ、周くんっ!? ダメです、風邪移っちゃいます」

「その時は、また真昼が看病してくれよ。今は真昼が安心して眠れるように、側に居てあげたいんだ」

 

 最初はジタバタともがいていた真昼だったが、諦めたのか大人しく腕の中で縮こまる。

 

「周くん、ひんやりしてて気持ちいいです」

「真昼が熱で熱くなってるんだよ。湯たんぽみたいだ」

 

 こうして真昼を抱きしめながら寝ていると、心が安らいで周まで眠ってしまいそうだ。真昼を安心させるつもりが、自分の方が安心してしまっている。

 

「……真昼?」

 

 しばらくすると、腕の中から規則正しい寝息が聞こえた。どうやら眠ってしまったらしい。

 高熱で無理をしていたから、疲れていたのだろう。

 

「……おやすみ」

 

 額に軽くキスをして、周も眠りに落ちていった。

 

 

 

 

「……ん」

 

 さわさわと頭を撫でられる感触で目を覚ますと、寝る前とは逆に、真昼の胸に抱き締められた状態になっていた。

 

「起きましたか? おはようございます、周くん」

「…………おはよう、真昼。よく眠れたか?」

「はい、おかげさまで。周くんもぐっすり眠ってましたね」

 

 変な時間に寝てしまったせいで、時刻は日付が変わったくらいの真夜中だった。

 柔らかな胸に包まれているのは心地よいのでずっとこのままでいたい気もするが、頭を撫でられ続けるのも気恥ずかしいので誘惑を振り切って起き上がる。

 

「ぁ……」

「そんな名残惜しそうにしなくても、またいつでも撫でさせてやるから。それより体調は大丈夫か?」

「はい、少しだけ楽になりました。看病して下さってありがとうございます」

「って言っても着替えさせて一緒に寝てただけだけどな。お腹は減ってるか? 食欲があるならお粥でも作るけど」

「周くんが作るんですか?」

「まあ真昼と違ってレトルトだけどな。味は期待するなよ」

 

 前に真昼が作ってくれたお粥は、ただのお粥とは思えないくらいに美味しかったが、周がそんなものを作れるはずもなく、レトルトを温めるくらいが精一杯だ。

 

「ふふっ、それで十分ですよ。じゃあお願いします」

「おう」

 

 

 

 レトルトのお粥は問題なく作れたが、真昼がしきりに「あーん」と「フーフー」を要求してくるので終始タジタジのままご飯を終えた。

 

「……なんとか食べさせ終わったか」

「ごめんなさい、少し我儘言いすぎました」

「いや、もっと我儘を言えって言ったのは俺の方だしな。これくらいの我儘ならいくらでも言ってくれ」

 

 ご飯を食べさせてあげるくらいはなんてことないのだが、問題は真昼が「あーん」で口を開ける度に、なにかイケナイことをしているような気持ちになってしまうことだった。

 

「まあ今日は休みの日だし、家事は置いといてゆっくり休め。まだ寝足りないだろ」

 

 なんせまだ夜中だ。いくら安心して眠れたと言っても、時間的には足りないだろう。

 

「……結構汗をかいてしまったので、お風呂に入りたいですね」

「風呂か……」

 

 多少楽になったとはいえまだ熱はあるだろうし、この寒い時期にお風呂に入ったら、逆に体を冷やしてしまうかもしれない。

 

「お風呂はやめておいた方がいいんじゃないか? 熱がぶり返したら明日まで長引くぞ」

「でも、服がベタついて気持ち悪くて」

「……俺が体拭いてやろうか?」

「え?」

 

 しまった……「あーん」でエロい気分になっていたせいで、つい下心感満載のセリフを口走ってしまった。

 

「あー……嫌か?」

「いえ、周くんが積極的なことを言ってくれるのは珍しいから驚いてしまいました。ではお願いします」

「お、おう」

 

 真昼は、周の下心も理解した上で受け入れてくれた。

 真昼が元気になるまではセックスはお預けだが、少しでも触れ合いたいというのは真昼も同様のようだった。




分割なのでいつものは省略します
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