【完結後オマケ】お隣の天使様を変態紳士がいつの間にか堕天使にしてしまった件 作:麒麟人間
「不覚でした」
最近、ついついぼーっとしてしまうことは増えたが、その結果が、猫を助けようとして足を挫いてしまうとは。
救急車を呼ぶほどではないが、我慢して帰るには痛みが強い。
かといって、誰か頼れる人なんて……。
「お前こんなところでなにしてんの」
その後、たまたま通りがかった周に背負ってもらい、自宅まで帰ることができた。
普段の言動が言動なので、変なところを触られたり、動けない真昼を自宅に連れ込んだりするのではと少し疑っていた。
しかし、周は足を不必要に触ってきたりすることもなく、実に紳士的に対応してくれた。
「悪い人では……ないのですよね」
恥ずかしげもなくエッチな本を見せてきたり、堂々とオナニー宣言したり、変態だが、私を襲わないという言葉は信用はしてもよさそうだ。
「それなのに、私は……」
手くらいならともかく、それ以外の場所を異性に触れられたのなんてもう記憶にもない。
背負ってくれている周の手が足に触れるたび、軽い刺激が真昼を襲っていた。
「また……濡れてる」
突然体が昂って下着を濡らすのも何度目だろう。周の部屋でエッチな本を読んでから時々そうなってしまう。
真昼にもちゃんと性知識はある。最初は自分の体がおかしくなってしまったのかと思ったが、今はこれが性的な興奮のせいだと理解している。
とはいえ、この状態をどうしたらいいのかわからない。
先日の絶頂が忘れられず、ずっと体の熱を持て余している。
「あの時と、同じことをすれば……」
あの時は下着を付けずに玄関に向けてスカートをたくし上げた。
だが真昼の中の衝動は更に強い快感を求めている。
「…………」
シュルリ、と音を立てて上着のリボンが解かれる。
お風呂にでも入る時と同じように服を綺麗に折り畳んで脱いでいく。
自分の部屋だというのに、一枚一枚脱いで行くたびに興奮が高まっていく。
そして、とうとう下着に手をかけ、ゆっくりと巻くように降ろしていく。
周に背負われていた時からずっと濡れっぱなしだったので、もうクロッチの部分は黒い染みが出来てしまっていた。
「ああ、はぁ……ぁっ」
風呂場や脱衣所ならともかく、普段着替える時も部屋の中で下着まで脱ぐことは少ない。全裸ともなればなおさらだ。
そのままの姿で玄関に向かおうとして、踵を返す。
真昼が向かう先はベランダだった。
「この、カーテンを開けたら……外から見られてしまうかも」
マンションの一室とはいえ、下から全く見えないというわけでもない。
離れた場所からであれば、見られる可能性も十分にある。
「あっ、んんっ!」
人に見られた想像をしただけで気持ちよくなってしまう。
意を決して、カーテンを開く。
「あっ……」
いつもと変わらない景色。それなのに、真昼の目には映る全てが自分の体を見つめる視線のように感じてしまう。
「こ、これ以上は、いけません!」
すぐにカーテンを閉める。時間にすればほんの数秒程度だったが、それでも真昼の興奮は跳ね上がった。
「あ、ああ……こんな姿を見られてしまったら……」
股間に手が伸びる。今まで自慰などしたことがなかったが、本能的にどこを刺激すれば快感を得られるのか理解できた。
「んっ、ふぅっ、んあっ! ここ、気持ちいい、です」
女性器に指の腹で撫でるように触れる。敏感な体は、それだけでも十分すぎるほど震えた。
「ここ、確かあの漫画では……」
下品な言葉だとは知っていた。けれど、今はあえてその言葉を使う方が気持ちよくなれる気がした。
「お……おま、んこ。おまんこ、触るの……気持ちいいです」
口に出すと、誰が聞いているわけでもないのに恥ずかしさが込み上げてくる。
既に愛液でドロドロになってしまった指先を開くと、愛液が糸を引いていた。
「もうこんなに……私はやっぱり、変態になってしまったのでしょうか」
下着を付けずにスカートをたくし上げたり、裸でベランダのカーテン開けたり、こんなことは今までやろうとも思わなかった。
エッチな本を読んだ時は、外で裸になるなんてあり得ないとまで思っていたのに、今は羨ましいとすら思う。
それもこれも、全てあんな本を見せてきた変態な周の影響だ。
「……そういえば、ジャージとパーカーお借りしたままでした」
足を捻って、背負われて帰ってくる際、スカートだからと顔が見られないように、ジャージとパーカーを貸してくれた。
肌の上に直接パーカーを羽織り、ジャージを履く。こうしていると、背負われた時のように、周と密着しているような気分になる。
「悪いのは、藤宮さんっ、だから、んっ、あっ、仕方がないん、ですっ!」
真昼が変態になってしまったのは全部周のせい。そう思うと、性欲のままに快楽を求める自分が少しだけ許されたような気がした。
パーカーの匂いを嗅ぎながら、ジャージ越しに秘部を愛撫する。
「あっ、んっ! ふああっ、またっ、目の前がチカチカって、んんっ!」
意識が飛びそうなくらい視界が明滅する。絶頂が近いことが自分でもわかった。
絶頂する時は確か……。
「んふぅ、あっ、これは、そう、『イク』と言うのでしたね、あんっ」
周の本で得た知識を口に出してみる。やはり、その方がより快感が増すようだ。
「イく、イってしまいますっ! んっ、ああっ! んぁああああっ!!」
激しい絶頂で真昼の秘部から愛液が噴き出し、ジャージがずぶ濡れになる。生まれて初めての自慰行為で、前回の比ではない絶頂に、真昼は息も絶え絶えになってしまった。
「はぁっ、はあっ、んっ、はああああ……」
しばらく横になって、ようやく呼吸が落ち着いてきた。
「気持ち、よかった……」
今までの真昼は、自慰行為も含む性的な行為全てに嫌悪感すら抱いていた。
愛のない家庭に産まれた真昼は、男女の恋愛というものをよく思っていない。
自分に言い寄ってくる男性たちも、顔や表面上の立ち居振る舞いだけを見ているのだと直感的に理解していた。
求められているのは『天使様』であって、椎名真昼という人間を求めている人などこの世にはいないと、本気でそう思っていた。
だからこそ、クラスの女子やテレビなどでよく言う恋愛というものに全く興味が持てなかったし、性欲なんてその最たるものだと忌避していた。
なのに、一度快感を覚えてしまった途端にタガが外れたように自慰行為に耽ってしまった。
「……こんなに気持ちいいこと、我慢なんて出来ませんよね」
周ほど堂々と言ってのけるのは無理だが、その気持ちは少しだけ理解できる気がした。
男性に性的な視線を向けられるのは嫌いだが、周の場合は性的なことをしていても、私に対して直接そういう視線を向けてこない。
むしろ、そういう視線を向けないように、自分で処理しているのかもしれない。
「……どちらにしても、変態ですけどね、変態紳士です」
クスリと笑みが溢れる。男性のことを考えてこんな気分になったのは初めてだ。
「あっ、ジャージ、洗濯しておかないと……」
借り物の服を随分汚してしまった。股間部分はグショグショだし、うっすらと真昼の匂いが付いている気がする。
「ど、どうせ洗うのですし、もう少しだけ……」
その後、真昼の意識が飛ぶまで、三回も絶頂を迎えた。
——周視点——
「こんばんわ」
「ああ、椎名か」
「先日はお世話になりました」
そう言って真昼が掲げる紙袋の中には、丁寧に折り畳まれた俺のジャージやパーカーと、その上に今日の分の差し入れが入っていた。
「わざわざ洗濯までしてくれたのか……ってどうかしたか?」
「い、いえ、何でもありません」
目を逸らす真昼。まあ自分が履いたジャージをそのまま返すのは抵抗があるか、と納得する。
「おお、今日は豪華だな」
差し入れのタッパーを開けて中身を確認する。いつもより品数も多いし、美味そうな物ばかりだ。
「お世話になりましたので」
「……たまには出来立て食べてみたいよなぁ」
うっかり口に出してしまう。これではまるで真昼の部屋に上がり込もうとしているように聞こえるかもしれない。
「あーいや、今のは……」
すぐに撤回しようとしたが、それを止めたのは、意外にも真昼だった。
「……食費、折半であなたの部屋で作るならいいですよ」
本編の流れも汲みつつ……
開発レベル
名前:椎名真昼
絶頂5回
オナニーレベル2 (覚えたての男子レベル)
露出レベル2(裸でベランダのカーテンを開ける)
性癖:露出 匂いフェチ