オーバーちんぽ 作:鈴木聡
「クックック……クックックック……!」
俺は今PCの画面を眺めていた。
映し出されているのはエロデモンズたちのあられもない姿。そこにはナザリックのカビ臭くジメジメした空間とは真逆の桃園が広がっていた。
両足を伸ばし股を広げた俺のスタンディングポジションは奇しくもシンクロナイズドスイミングそっくりだ。
「キモモちゃん先輩薄暗い部屋で一人で何してんすかwww」
「オチョチョ、ドラゴンゲェイッ!!(お前、ノックぐらいしろよっ!!)」
「いやこの部屋扉ねーし」
俺の右手は下腹部に収まるオナホをしっかりと握りしめ、左手で軽やかにマウスを操作する。俺ほどの達人となれば利き手でなくともお気に入りのシーンに移動させることは容易い。
「フム、誰かと思えばエビスケか」
「ノリスケみたいな呼び方すんなやキモハゲ」(ほんまキショいなこのハゲ)
「心の声聞こえてんだよ!! ていうか本音も建前も悪口じゃねぇか!!」
エビ野郎の頭をぶん殴りながらしかりつける。
硬すぎて俺の右手が折れた。死ね。
「そうだ丁度良い。貴様に良い物を見せてやろう。ちこう寄れ」
「いや他人とオカズ共有するとかキショすぎだろ……」
「ちげーよバカ! 聞いて驚くなよ、なんと俺はPCで遠隔地の映像を見る術を手に入れたのだ!!!」
「うおおおおお!!! モモちゃんSUGEEEEEEEEEEE!!!!!!!」
タカタカ、ターンッ!!と音を響かせてキーを叩く。するとPCの画面が切り替わりG○○GLEマップに衛星写真が映し出される。さらにマウスホイールをクルクルと回すとナザリック周辺の地図が表示された。
オイオイ写真がまだ沼地のままじゃねーか。仕事しろG○○GLE。
「かがくの ちからって すげー!」
「俺の力、な」
「G○○GLEのおかげじゃないっすか」
「俺のPCだから俺の力なの!」
「そんなことよりも、コ↑コ↓なんか変じゃないですか? もっとアップで映してくださいよ」
(コイツほんまブチ殺したろかな)
グロ虫の指さしたところを拡大してみると人間の村が見えてきた。
しかし確かに様子がおかしいな。リアルタイム映像に切り替えて良くのぞいてみるか。
「なんでリアルタイムで映像見れるのにナザリックの写真更新されてないんすか?」
うるせーな話の都合だよ。いちいち突っ込むな空気読めねえやつ。
これだから深海で引きこもってるヒキニートは嫌なんだよ。
村の様子をつぶさに覗いてみる。
な、なんと! 下半身を露出した騎士たちが村娘たちを追いまわしていた!
『コッチヲ見ロォ――ッ』
『ギャー変態!』
『誰か助けてえー!』
うひょーこれは面白い事になりそうだ! 野郎の粗チンなど吐き気を催しそうだが、ともすればこの後にエロ展開が待ってるかもしれない。
俺はチンコに刺さったままのぷに☆あなモフモフ(通称 PUNI☆MOFU)を硬く握り直した。
「あきまへんて、モモンガ様!」
「!!!!!!てめえは!!!!」
突如して姿を現した謎の影!
レンズの大きな黒縁メガネ。白いチャツに黒のサスペンダー。アゴが消滅した首。
――チャンカワイのヤロー! 何しにきやがった!!!
「ノゾキなんてやめなはれ! それは人として超えてはならん一線や。踏みとどまりや!」
「いや俺もう人じゃねぇし……」
「なおさらアカンですわ! ガイコツはガイコツらしく骨のエログラビアで満足せえや!」
「それただのレントゲン写真じゃねーか!!!」
「まぁまぁパイセン、カワイの言う事も一理ありますぜ」
こいつ俺と同類みたいな思考してるくせに裏切るつもりか?
まぁしょせんは海鮮物、至高の御方である俺とこんなナマモノが同じでたまるかってんだ。
「ここはいっそのことノゾキじゃなくて直接乗り込みましょうや! 祭り――いや乱交は参加してナンボですぜ」
俺と同じ思考だったわ。
なんか安心と同時に複雑な思いだよ。誰だこんな単細胞作ったの。
いや待てよ? 確かに混ざるのも悪くないが、逆にここは俺があの騎士どもを蹴散らしてヒーローになるのはどうだろうか?
そうすれば村は俺に大きな仮ができる。そうすれば俺はモテモテのハーレムに――。
(――とか考えてるんでしょうね。この方は)
気配に気づき部屋を見渡すといつの間にかデミウンコマンが白けた目で俺を見ていた。
俺はすぐさまよだれを拭って体裁を取り繕う。
「ん、んんっ! いや私はそのような目的で行くのではない。少し確認しておきたい事もあるし丁度良いと思ったまでだ」
「おお、流石はモモンガ様。既に次の目的のための布石をお考えなのですね」
まぁ嘘なんだが。
ただチャンカワイ――元セバスだが――こいつを作ったギルメン『ガッチマン』に借りがあるのを思い出したのだ。
忘れもしない、あれは俺が理不尽な異形種狩りに襲われていたころ……――
~鈴木聡の回想~
「オチンポゲットォ~!」
「あと二本で『クラス:浪花のキングギドラ』にチェンジだぁ!」
俺ともう一人のギルメンは夜の密林でドスマツタケの採取クエストに出かけていた。
この採取を成功すれば晴れて新しいクラスにチェンジできるので気合が入っていた。
しかしそのせいで俺は背後から迫る黒服の男たちに気付かなかった。
「ぐわっ!」
悲痛な叫びと同時にギルメンが倒れる。気付いた時には時すでに遅く、この俺も後頭部を殴られ地面に伏せていた。
「私はスペースレンジャーだ」
「お前チー牛やろ」
「本物のチー牛は秋葉原じゃなくて池袋でクエスト受けるんやな」
「おのれーザーグの手下めー」
「ほんまきっしょいなー」
「早く宇宙の彼方いけよ」
黒服はギルメンに薬を飲ませていた。すると見る見るうちに体がドロドロに溶けて小さくなってしまった。
というかなんか鶏肉になっていた。
「ん!? 間違ったかな……」
「どけ!! この知的障害者の頭を直す秘孔はこれだ」
――ドスッ
「グギャアァァァァアンンンオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!」
「ん!? 間違ったかな……」
いってええええ!!! スペースレンジャーが俺の眼窩に思いっきり人差し指をぶっ指してきやがった!!
っていうか誰が知的障害者だテメェ!! あと俺はガイコツだから脳みそはねぇ!!
「無限の彼方へさぁいくぞ」
意味不明な言葉の羅列と共に大斧が振り下ろされる。
俺は死を覚悟した――その時だった。
黒服たちとスペースレンジャーに銀の一閃が奔ったかと思うと全身の服が破けすっぽんぽんになった。
やつらは(多分)恋しさとせつなさと心強さに心をやられて気絶した。
ただ一人、その場に立っていたのは黒服の忍者装束を着たメガネのおっさんであった。
「はいみなさんこんばんは。それじゃゲーム実況初めていきたいと思いまーす」
「な、何故見ず知らずの俺なんかを……!」
俺が恐る恐る声をかけると忍者メシみたいな男は飄々とこう言い放った。
「誰かが困っていたら助けるのが(ホラゲの進行上)当たり前ですからねー」
俺は何も言えなかった。このような正義感に溢れた忍者がこの世に存在するなんて。
忍者とは悉く卑怯者。『汚いなさすが忍者きたない』といにしえの騎士ブロントさんもそう伝承に残していたからだ。
「あ~。このハゲポコチン映っちゃってますね。配信的にNGなんで殺しときましょうかね」
「え」
そして俺はチンコをちょん切られて死んだ。
「なるほど。死因は……ハゲですね」
~鈴木聡の回想 終了~
「……フフフ」
「モモンガ様?」
奴への借り。それは俺がホラゲの敵NPCみたいだからと殺してきた恨み!!!
今度は俺様が敵NPCみたく人間ども恐怖を与えてやるのだ!!
どうだガッチマン。なーにがゲーム実況者だ、ゲーム配信だけして楽に金を稼ぎやがって。
稼いだ金をもっとゲーム製作者たちに還元しやがれってんだ!!!!
※注意※ 多くのゲーム実況者は製作者へ多額の金銭的ご支援を行っています。
「私はこの村へ行く。チャンカワイよ、ナザリックの警備を最大限引き上げろ」
「任せてくんなはれ!」
「それとアルベドに完全武装で来るように伝えろ。そしてこの村に隠密能力、透明能力を持つ者たちを複数送り込め」
指示を受けたチャンカワイはすぐさま行動に移った。同時にデミウルゴスも手配に向かったようだ。
クキキキキ……待っていろ人間ども……地獄行きだ……。
「モモちゃん先輩、俺ももちろん行っていいっすよね!?」
「お前生臭くてすぐバレるから却下」
「ハフーン」ドサ
俺が転移魔法で村はずれへとやってくると、既にそこでは凄惨な光景が繰り広げられていた。
「ふっふっふ……!」
「ほーらお嬢ちゃんたち。こっちを見てごらん? お鼻のながーい象さんだよ~?」
下半身だけを露出した騎士たちがうずくまる少女たちへとにじり寄る。
手を頭の後ろにおいてチンコをぶらぶらと動かし、その揺れ動く汚物に少女たちは恐怖していた。
「お姉ちゃん、私怖い……!」
「やめて! そんなお粗末なもの近づけないで!」
「だ、誰の息子だお粗末さんだコラァ!?」
「玉も竿もンフィーの方があなたたちのモノよりよっぽど大きいわ! そんなサイズでイキれるなんて童貞か障害者か、『面白いんだよなあ、女友達と話している感じがして。これ嫌ってるやつは女と話したことないんだろな』とかほざいている養分以下のV豚くらいよ!」
この女危機に瀕してるくせに随分と辛らつな口撃してくるな。
騎士たちもショック受けすぎたのか、ムスコがマクドナルドのしなしなになったポテトみたいになっている。
「こ、このクソ女ぁ!」
激情にかられた騎士たちは大の字になって少女たちへと襲い掛かる。
今だ、と言わんばかりに俺は少女たちの背後に立ちはだかった。
「な――なんだ!?」
その場に座する者たち全てが動きを止める。
騎士たちに襲われ身をこわばらせていた少女たちですら、この俺の物々しい雰囲気に飲まれコヒュッと音を立てるので精一杯であった。
「ククク、ダセエ奴しかいねえな」
「な……な……――っ!」
「なんだこの変態はああああああああ!!!???」
「は?」
彼らの視線の先には俺のムスコがあった。
やっべ、そういえばチンコにオナホさしたまんまだったわ。
通りでおちんちんが気持ち良いわけだ。きもちきもちきもち
「キャアアアア!! 助けてえええ!! 犯されるうううう!!」
「この変態め、娘さんたちに乱暴する気だな!?」
「さぁお嬢さんがた、僕らの後ろへ隠れて!」
騎士たちが言うなり少女たちが露出狂どもの後ろへと逃げ隠れる。なんでだよ!!
「おかしいだろ!! なんで俺だけが悪者みたいになってんだよ!! だいたい貴様らも下半身露出してるじゃねーか!」
「黙れ変態め! チンコを勃起させてチンポケース身につけてる異常者と俺たちを一緒にするな!」
「同類じゃボケカス!! っていうか俺は急いでたからパンツ履き忘れたんだよ!」
「悪魔は皆そう言うのだ!」
「悪魔じゃねぇアンデッドだ! そもそも、俺はお前らがその女の子たちを襲ってたから助けに来たんだぞ!?」
「俺たちお前と違って勃起なんてしてないもーん」
「やましい気持ちとかないもーん」
「ついさっき罵倒されて萎えただけだろうが!?」
「……! あなた、まさかさっきまでの光景見ていたんですか?」
少女がはっとした顔を向けて口を開く。
そうだ、俺は一部始終を全て見届けていた。だからこの騎士たちが何を言おうと無駄なこと。既に犯人は割れているのだ!
「その通り。だから安心するが良い、私は君たちの味方――」
「助けようともせずにずっと見ていたんですか? 最低ですね」
「ちーがーうーだーろおおお!!?? 違うだろおおおおお!!!!! なんでそんな解釈するかなぁ馬鹿なのお前!?」
「少女は俺たちが守る!」正義感に満ち溢れた変態どもがいきり立つイチモツを武器に俺へとびかかる。
セリフと見た目が噛みあってない。絵面がきたねぇんだよなぁ。
「グラスプ・チンポ」
俺の右手に黒いディルドが出現する。それを勢いよく上下にこすりあげると騎士たちは絶叫しながら射精した。
俺の得意とする死霊系の第九位階魔法のひとつ。ゲーム内では手っ取り早く抜きたいときに自分に使っていただけなので敵に効くか怪しかったが……どうやら杞憂だったようだ。
「ふん。他人の射精を見ても何も感じない――いややっぱ気持ち悪いわ。こんなん見て喜ぶやつなんて刀剣乱舞とかあんさんぶるスターズとかやってる虐められて多店舗に異動したカマホモカラオケ店員くらいだろ」
さて。ひとまず危機は去ったが村にはまだ多くの騎士たちが村娘を追いまわしているはずだ。
この程度の雑魚どもを俺がプチプチつぶしに行くのも面倒だ。しもべを召喚しそいつに任せるとしよう。
……それに男の俺が男の手コキするとか読者も喜ばないしな。思い出したら吐き気を催してきた。
「注意アンデッド作成、デス・チンポ!」
黒い霧が突如として現れ果てた騎士たちを包み込む。霧は大きく膨れ上がりいきり立つイチモツが誕生した。
……ゲームのユグドラシルでは無から生み出されていたと思うんだが……まさか成人男性に乗り移るとはたまげたなぁ。
「シュッシュッシュ!! シュポポポ!!」
「デス・チンポよ、この村を襲っている騎士を懲らしめてやれ」
「シュポポポ、シュポオォォオオオオ!!」
でんちゃ好きみたいな奇声を発しながら二体の巨大黒チンポは村へと走っていった。
……ちょっと心配だな。射精フラッシュとか焚いて電車の運行止めたり進行の邪魔になる村人に奇声をあげて威嚇とかしなければいいんだが。
俺はちらりと少女たちを見やった。このまま放っておいたらまた騎士たちに襲われるかもしれない。
こいつらには後でエロいこととかエロいこととか――いや言いたいこととかあるし、よく見たら結構可愛いし死なれたらもったいな――げふんげふん、後味悪いしな。
「お前たち怪我はないか?」
「ヒッ」
声をかけると少女たちは再び委縮してしまった。うーん今助けてあげたばっかりなのにまだ信用されてないのかな? わけがわからないよ。
俺はオナホを取り外しチンポジと服装の乱れを直した。
「近づかないで! 私たちにエロいことするつもりでしょ!! エロ同人みたいに!!!!」
「YESロリータ、NOタッチ! YESロリータ、NOタッチ!」
「心配するな。私はマジックキャスターだ。お前たちに危害を加えるつもりはない」(今は、な……)
「そういう大人が一番信用できないのよね~」
「なんなのこいつら腹立つ~」(原辰徳)
くだらない問答をしていると突然空気が震え始めた。
地震……いや違うッ! こ、この気はまさか! 伝説の、、スーパーサイヤ人!!!
【アインズ様のぉぉぉぉぉぉぉ――――オマンコォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!!!!】
爆音をともない空間が割かれる。熱波と見まがうほどの気が木々を焼き払う。
緑色のオーラと剥きだしの殺意がこの場を支配する!
暴力の化身。アルベドが姿を現した!!
「うーんマンダム」
「あ――アルベドッ!! 落ち着けぇ!!」
「フシュルルルルルル…お願いダーリン許してマイダーリンフッフッフッーーーー!」
「お前は今暴走している! 冷静に俺のいう事をき――」
「いただきまんこおおおおおおおお!!!!」
「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!??????」
俺はアルベドにタックルされ村の方角へと吹き飛ばされた。
少女たちは一瞬の出来事に理解が追い付かず、ただその場で座り込むしかなかった。
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