真希に花沢が真依の事を電話で聞いている設定になったのんな
◇◇◇
「ふぃーっ 入院生活は地獄やのぉ」
義父に任務での軽率な行動をこっぴどく叱られ暫く花沢は京都校にお世話になることとなった。
リハビリの時間以外の入院期間は特にやる事も無いので自分の鞄からスッとスマホを取り出して電子書籍版の『高校鉄拳伝タフ』を読み返しているのだが、任務に出向く事も出来ない、外出も出来ないこの現状況にかなり身体的退屈を感じていた。
遂に、アイアン木場戦の辺りまで読み、若干目が疲れてスマホを閉じてベッドに横たわり、いよいよ精神的退屈も感じそうになっていた時であった。
ガラララ
「ウンスタ〜w元気してるかしらw」
病室の扉を開けて、カツカツとハイヒールの音が鳴り響く。
スリットの入ったチャイナドレス風の学生服のスカートから、シミひとつないスラリとした美脚を覗かせる。
片腕を形の整った大きな美乳の下で組んで腰に回しもう片方の手を口に当ててクスクスと悪巧みをしている小悪魔の様な笑みを浮かべた花沢の同級生である真依が現れ、花沢のベッドのそばの椅子にドカっと座り脚を組む。
「笑いに来たんスか?」
(うおおおおーっ 真依ちゃんが…真依ちゃんが俺のそばに練り座っているっ やばっ ほのかに香るシャンプーの匂いスイートでセクシーすぎる 本気で惚れちゃうかも)
花沢は表面上こそ素っ気ない態度を貫いているが内心はめちゃくちゃ真依に惚れ込んでいる。美貌は勿論なのだが、彼女の女王様の様な高圧的な振る舞いと時折見せる弱々しい姿のギャップに見事に魅了されてしまったのだ。
思春期の花沢は真依と煽り合う腐れ縁の関係を作っておき、そこから真依を自分の事を好きにさせようと画策していたのだった。
「両手は大丈夫なの?」
「ああ、反転術式を施してもらったから大分問題ない」
「違うわよ、そんな包帯でぐるぐる巻きの手でちゃんとトイレでお尻拭けてるって言ってんの。まさか拭かないでそのままなんてことないわよねw」
「な…なにっ」
そう言いながら真依は目を三日月型に細めて新しい虐める用おもちゃを見つけた猫の様にニヤニヤと口角を上げる。
早速ワシのウンスタいじりが始まったと花沢は嫌な表情を見せた。
「欺瞞だ、ちゃんと紙で拭いている
『へぇ〜…………』
…………看護師
「プ…フッ…wアハハハハ!
やっぱり拭けてないじゃないの!自分で拭けないって赤ちゃんじゃないの赤ちゃん!脳みそ赤ちゃんレベルしか無さそうとは思ってたけどw」
「ククク…酷い言われ様だな いやマジで酷い言われ様だな」
真依が花沢の言葉にツボったらしく花沢の布団をバンバン叩きながら甲高い声で爆笑して花沢を煽り散らかす。内心めちゃくちゃ興奮するが花沢は額に青筋を立ててジト目で真依を睨みつけていた。
「あのぅ マイ・ペンライさん、気が済んだらさっさと帰ってくれませんか?俺もイメトレの最中だったんですよ」
((まっ いかにも俺を揶揄うのを楽しみまくってるから)まぁ帰らないだろうな ムフフ…いかにも帰って欲しいような態度を取ることで真依ちゃんの嗜虐心を利用して余計に此処に居座らせてやるのん……)
憎まれ口を真依に叩きながらも、花沢は真依ともっと一緒に長くイチャイチャする為の計画を進行していた。
「漏らさないイメトレ?w イメージ・トイレットかしら?w」
「ワシが瞬殺した特級に失神させられた雑魚は黙れよ」
「あら?もしかして図星だったかしら?言い返せなくて悔しくて悪口に走るなんて貴方本当に赤ちゃんじゃないw」
「黙れクソゴミ」
「めっちゃキレてるじゃないのwやばw」
「う あ あ あ あ(pc書き文字)」
真依のキレキレの煽りに花沢は顔を真っ赤にして叫ぶ演技をする。花沢は本当は真依とめちゃくちゃ話せててめちゃくちゃ嬉しいのである。
「ってゆうかマジで何しに来たんだよ、用がすんだら真依・ペンライはさっさと帰れよ」
依然として花沢は素っ気ない態度を取る。顔を明後日の方向に向けて不機嫌になって拗ねている振りをする事で喜びで緩んでいる顔を隠す。
「あ…そうそう、アンタあの時結果的にとはいえ私のこと助けてくれたでしょ…?アンタに借りがあるのも癪だから、入院中手伝える事があったら言いなさい…アシストしてあげるから
『素直に仲直りしに来たって言えばいいのに』
は……はぁっ?!何言ってんの馬鹿じゃないの!そもそも私はアンタと仲が良いとは思った事無いわよ!勘違いしないでくれるかしらこの自意識過剰のウンスタハゲ!」
図星を突かれたのか余裕綽々な態度が消え失せて、声色と語気が少し強まり、ペラペラと喋る速度が速くなる。心なしか顔も赤くなっている…気がする。可愛い。
咄嗟に出てくる『ハゲ』という罵倒のチョイスに、乙骨をいつも禿げてないのにハゲ呼ばわりする真希の妹である事を実感しながら花沢は真依をおちょくることにする。
「おーっ 怖ィイ 急に取り乱して俺をハゲって猿の様な的外れな煽りをするなんてもしかしてあなたは効いてる人?」
「うるさい」
花沢の煽りを真依は不機嫌そうな顰めっ面で黙らせようとしてくる。先程と完全に立場が逆転する。
「効いている!効いているぞっ!」
「うっさいわね!!馬鹿!!」
ヒュッ ガソッ
「はうっ」
真依によるティッシュ箱の投撃。それが花沢の反転術式で治ったばかりの左手に直撃し、花沢その場で身体を丸めて顔をうずめて唸っている。
「う あ あ あ あ あ あ あ」
「わあっ?! タフ君ごめん大丈夫?!痛くなi
『…………ニーッ』
!?」
真依が慌てて花沢を気に掛けようとすると隠していた顔を顕にする。花沢が痛がっていたのは演技であり、その顔はしてやったりと言わんばかりに腹立たしい顔つきをしていた。
「…………はっ…謀ったわね…!」
真依は湯気が出ているのかと見える程に顔を羞恥と怒りで真っ赤にしてプルプル身体を震わせている。完全に花沢を罵倒するサディスト側から花沢にイジられるマゾヒスト側の人間になってしまった。
「ふーん 咄嗟に俺の手を心配してくれるなんて、真依ちゃんって奴は結構お人好しで可愛らしいんだな
『か…かわ…?!』
真依ちゃん…さっき電話で真希から聞いてます」
(なんで真希だけ呼び捨てで私にはちゃん付けなのよ気持ち悪い…)
言っても逆にイジられそうなので内心に留めておく真依を無視して花沢は続ける。
「…言い方がキツい部分があるかも知れないけど本当は恥ずかしがり屋の寂しがり屋…甘えん坊の衣を纏っていると…仲良くしてくれと…小さい頃は呪霊が怖くて橋を目を閉じて…ククク…お姉ちゃんの手を繋いでそれを頼りに渡ったりしていたと……夜中の時トイレに行きたくても怖いから一緒に行っていたと…ヒャハh
『はぁっ!?!な、何そnえっ?!なんd……
なんd?『なんで俺にそれを知らせたの』ってっスか?w……」ニィーッ
真依は姉の真希に自分の知られたくない幼少期の思い出を花沢に話されたことにより知らない素振りを取り繕えず此処から消えてしまうほどの恥ずかしさで取り乱し、結果花沢に弱みを握られる。
もうどう弁解したってどうにもならない事が分かっているがなんとか誤魔化そうとする。
「クッ……ち、違うわよ?!私はo『お姉ちゃんスか?w』違う!真希とそんな手を繋いだりしない!!怖くもない!!シャイじゃない!トイレも一人で行ってた!嘘じゃないから!!!』
「………ふぅん、ああそう(笑)」
「なんなのよその言い方?!!?」
◇◇◇
完全に真依は花沢に弄ばれて数十分、双方大分熱が落ち着き、そろそろ真依も退出する雰囲気になっていった。
「……ねぇ、真依ちゃん、借りを返して貰う形でお願いしたい事があるんです」
「何?言っとくけど変なお願いしたら身体の穴一つ増やしたげる」
「ふぅんああそう(笑)」
「その言い方やめて」
真依は片手の銃をチラつかせるが花沢に完全に舐められている。ジト目で睨みながら怒りで震えるごとに癖っ毛のボブカットの髪がピョコピョコはねる。可愛い。
「両手治したばかりで握力があるか不安なんスよ……手を握って貰って…いースか?」
「ッ………」
最後の最後で花沢は一か八か真依とのボディランゲージを試みた。普通に却下されるかもしれないが何か花沢には成功するという言語化し難い確信があった。
「…………それくらいなら良いわよ、ちゃんと手洗ってるわよね」
スッ
ニギ…
(う お お お
お お)
真依の柔らかい白い片手が自分の片手を包み込む。爪は綺麗に整えられていて肌は絹の様にきめ細かい。男性より体脂肪が多い女性特有のひんやりした体温で包み込まれる。興奮する。
「ちゃんと握り返してるから握力は問題ないけど………大丈夫なの?傷とか……」
先程までとは嘘の様にしんみりした様子で花沢に真依が問いかけてくる。幾らウンスタと煽っているとはいえ、自分を庇いながら特級呪霊と闘い負傷した事に負い目を感じているらしい。
「医者が言うには手を生やして再生させて神経も問題ないけど火傷跡は呪いとして肉体に刻まれて残るそうっス」
「……………」
真依の顔の影が濃くなる。罪悪感が強くなっているのだと感じる。真依が謝ろうとしているのを見て花沢はすかさず話す。
「まっ あの傷は舐めプで出来たものだから完全に俺に非があるんだけどねっ 後傷跡って勲章みたいでカッコいいしそれに…ちゃんと真依ちゃんも守れたしなあっ! ムフフフ…何処にも怪我が無くて綺麗なままで良かったのん……」
「……………ッ」
真依の花沢の握る手の力が強まる。りんやりとした冷たさは無くなり布団の様な心地良い暖かさがある。
「そう……?本当に?」
「本当を超えた本当」
その"本当"は、真依は悪くないという事が本当なのか、真依が綺麗というのが本当なのか定かではないが、どちらにしても花沢は曇りなき眼で答える。
それから花沢と真依は東京での真希や乙骨達との話をしたり東堂について盛り上がったりした。花沢の話を聞いて笑っている真依は今日一番綺麗であった。
「あのぅ、本当にいいんスか?」
「いいのいいの!どうせそんなぐるぐる巻きの手じゃ剥けないでしょ」
真依は花沢に差し入れられていたりんごを剥き、花沢に食べさせている。
「なんや俺達カップルみたいですねぇ」
「フフ…思い上がんないでよ誰がウンスタなんかとw」
「なにっ」
「アハハハw」
〜〜
(真依ちゃん…神……マジで……神)
その後、真依は退出し、カップルと言われ満更でも無かったあの時の真依の純粋無垢な笑顔を何度も思い出しては、頬を染めて、思いを馳せながら花沢は眠りについた。
アニメ版の真依ちゃん…(哀)
真依ちゃんのイラストの印象を教えてくれよ
-
可愛い
-
エロい
-
下手