※この作品はR-18です。

万年底辺冒険者ポンコツ淫魔になる   作:ミスリル加工されたワカメ

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遅れてすみません、難産でした


風呂!

「…おぉ…」

 

湯気が暖色の光に照らされる。

そこは女しかいない、男は入ることを禁じられた場所。

そう、そこは大衆浴場(女湯)!!!

いやぁ、凄い。

普段野暮ったい服や鎧に包まれた女冒険者の健康的な肢体が顕になっているのだ。

いやぁ、眼福だ。

…眼福なのだが…反応するはずのブツが無い。そう、無いのだ。

虚しい。

何がチンポだ!!クソっ!!!

ふと鏡を見てポーズを取る。

青いタレ目に長い銀髪には立派な角が生え、ハリのある胸、引き締まった腰に豊満な尻。

紛うことなき美女。

俺なんだけどね!!

いやぁ、見事に全身ツルツルだよ。

産毛すら生えてないとは恐れ入った。

 

「ふふぇぇぇ…」

 

気が抜けた声が出る。

ここのところまともにゆっくりできてなかった故仕方ないことだ。

 

(…今後…どうしよう…)

 

俺の事を知ってるのはカークとギルマス、あと受付のお嬢さんぐらいだ。

他の奴らに俺の事情を話した所でどうにかなる話でもない。

冒険者というのは女性も居るが大体は男所帯だ。

男とばかりつるんでた俺が突然女になってそこに入ってしまうと関係にヒビが入りかねないだろう。

いわゆるパーティクラッシュだ。

 

(そう考えると最初に会ったのが外見も中身も拘るカークで助かったと思うべきか…)

 

あいつは本当に物分りが良い。酒の入ってない時や悪ノリしてない時は物凄く頼りになる。

俺は湯船から出る。

体を洗う時間だ。

 

(…どうやって女は体を洗うんだ…?)

 

大体25年、男として生きてきた人間に女の体の洗い方など分かるはずもなく。

 

(うーんデカイ…)

 

心の中でそう思いながら無意味に胸を触る時間が過ぎていく。

決心するように髪を洗うが長くいつものようにしようとすると引っかかり、肌をいつものリヴァイアサン印の海綿(スポンジ)で擦るが白い肌は赤くなる。

 

(繊細すぎないか…?俺の体…)

 

勝手が違いすぎてどうすればいいのか、コレガワカラナイ。

 

「うーむ…」

「…ルード君…?」

「ヴェッ、へ、ヘルタ…?」

 

長い金髪を団子のように丸めたヘルタ(ギルマス)がそこにはいた。

 

「あ、こ、これは違くて…」

「えっと…うんうん唸ってる変な女が居ると聞いて来たんだけど…まさか君だったとは…」

「いやぁ、あはは…」

 

笑うしかない、笑えない。

終わった、俺の人生。

 

「…体の洗い方でも悩んでいるんだろう?」

「え、あ、はい」

 

そういうとヘルタは俺の後ろに座ると絡まった髪を手でほぐし始める。

優しい手つきは着々と俺の髪を真っ直ぐに戻してしまった。

 

「…えっと…」

「全く、肌が赤くなってるじゃないか。柔らかいスポンジを使わないからこうなるんだぞ」

「ぎ、ギルマス…?」

「ん?なんだ」

「俺がここに居るのに怒らないのか?」

「今は女なんだろ?」

「それはそうだが…」

「本当に困っている人間を無下にできないからね、それに君の事だ頼れる女性もいないんだろ?」

「うーむ、ぐうの音も出ない」

 

俺が頼れるとしたら店のサキュバス位だろうが、いつも忙しそうにしている彼女らを俺の為にわざわざ拘束するのも気が引ける物だ。

 

「さて、これで十分だろう」

「助かったよ…ギルマス…」

「ヘルタだ」

「?」

「ヘルタと呼んでくれ、それより今朝は大丈夫だったのかい? 」

「今朝?」

 

今朝…何かあっただろうか。

今朝は起きてすぐ着替えてギルドへ行ってギルマスへ会いに行ったくらいだが。

 

「あの妙な男の魔法が直撃していただろう?」

「…あぁ、何か変な衝撃に襲われたと思ったけどアレ魔法だったのか」

「逆に気付いてなかったんだな」

「いやぁ、こっちも焦っていた物で…」

 

そういえばあそこでは何があっていたのだろうか、妙に人が集まっていたが。

まぁ、今となってはどうでもいいことだ。

 

「ふへぇ…」

「気が抜けた声だね、分からないでもないけど」

「風呂は文化だからなぁ、身も心も暖まる」

「違いない」

 

そして俺は再び気の抜けた声を上げたのだった。

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