万年底辺冒険者ポンコツ淫魔になる 作:ミスリル加工されたワカメ
「うーん、スースーするな」
「今日一日はそれで過ごすしか無いかもですね…」
アリシアはチラチラとこちらを見ながらそうつぶやく。
服が燃え屑へとなっから数日、俺は再びドリームインスウィートの淫魔のお姉さん…ターニャから服を借りていた。
彼女は俺と体型が比較的一致していた為初日に借りたのもこれだ。
「ルードちゃんになら幾らでも貸しちゃうわよ!」
との事で快く貸してもらった。
かしてもらったのはいいのだが。
「肩と背中が心許ない…」
「その…綺麗な背中してますよ…?」
「うーん、複雑な気分だ…」
服を借りたは良いのだが、どうも落ち着かない。
というのも肩はともかく背中がバックリと開いた服故、着なれていないのだ。それにずっと借りているというのも行けない。
「ということで、どこかいい服屋はないっすか?」
「…えーっと、服が燃えたのは…なぜ…?どこの…誰…が…?」
エリカは若干怖い顔でそう俺に質問する。
今朝の気まずそうな様子は息を潜め、どちからと言えば俺が淫魔にされた時と同じ感じだ。
「アルバート・エルシアって貴族のボンボンの放った火球が当たった感じだ」
「くっ…エルシア卿のご子息か…け、怪我は?」
「お、おいオーナー?」
エリカはそういうと駆け寄り、俺の身体を見回す。
「威力は大したこと無かったから大丈夫だぞ?ほら」
そう言うとルードは腹部の服を捲り、エリカとアリシアに見せつける。
引き締まった白い腹部と胸部の下部が顕となる。
「!?る、ルードさん!無闇にお腹晒したらダメですって!」
「そ、そうですよルードさん。あ、余りそういう事しては…その…」
「お、おう?わ、わかった」
服を元に戻し、若干一名前屈みになってはいるが本題に入る。
「服が欲しいんでしたね、それなら紹介状を書きます。アリシア着いて行ってあげて?」
「わ、わかりました」
「た、高いとこじゃ…ないよな…?」
「私の方で出します」
「へ?」
エリカの発言にルードは少々驚きを見せる。
保証はしてもらい、住処すら与えられている。これ以上何を貰おうと…いやコレ貰わないと逆に失礼なのでは???確かに向こうは色々やってくれてるし…淫魔にされた事も…あれ?これ俺もらった方が向こうも気が楽になるのでは?
そう思ったが吉日、喜んで出してもらおう。
「わ、わかった。それなら…」
「では、オーナー行ってきます」
「はい、行ってらっしゃい 」
正直足がガクガクしている。
こんな量の施しをされ正直吐きそう。
カークから応急処置ポーションを貰った時でさえ戦々恐々としていたのに。
500Gから高級淫魔娼館御用達の服屋となると何万Gになるだろうか。
貧乏生活の俺には恐ろしい金額だ。
「ん、るー、ルードさん?」
「うぇっ!?な、なに?」
「その…もしかしてなんですが…下着着けてないんですか?」
「?下着か?まぁ、付けてないな」
「……買いましょう」
若干残念な人を見るような目で見られたが気のせいだろうか、ただ下着、いわゆる胸当てについては考えた事がなかった。
それこそ余り気にならなかった故今回買うのも有りだろうか。ダメだ出費が増えると言うことを考えると変な汗が出てきた。
「その…胸当てが無いと大きい人は揺れて…目に悪いと言いますか…」
「揺れる…そうか、胸が揺れるのか」
「はい…揺れて若干危ないと言いますか…」
「そうか…危ないのか…!」
それはそうだ、こんなデカイんだ。そりゃ揺れるだろう。
街の男の目を独占し家事代行では旦那の目を独占する。そりゃ目に毒だと言われるはずだ。
そう思うと恥ずかしくなってきた。
「ルードさんにも羞恥って概念あったんですね…」
「うるへー…」
熱い顔を抑えながら、アリシアと共に色街の路地裏へたどり着く。
そこには山羊の顔の生えた謎の生物がラッパを吹いている看板があり、そのには《バフォメェ装具商》と書かれていた。
「ここが…」
気の扉を開くと、そこは外観からは想像できないほどに広く、服が所狭しと、しかしどの服も丁寧に飾られていた。
奇抜な物から、実用性の高そうな防具のインナー。はたまたドレスから、陰部が隠せないであろう下着や、着け耳着け尻尾など、様々なジャンルの服や、装備がそこには存在した。
「店長さーん?あれぇ?いつもなら居るんですが…」
「すごいな…ここ」
「フフ、私もここ好きなんです。私は店長さん探して来るので少し見ててくださいね」
そう言うとアリシアは建物の奥へ消えていった。
ここは興味深いものだらけだ。何に使うのかさえ分からない、それこそ馬の被り物なんて使わないだろう。
ふと、俺の肩に何かが触れる。
「おや…これはこれは。また可愛らしいお客様だ…おや?」
背後を見た瞬間黄色い瞳と眼が合う。
横長の黒い瞳孔があった瞬間、どんだけ高いんだろう…と内心ビクビクしていた俺はぷっつり糸が切れたように気絶してしまった。
「ううぅ…やめろ…俺のちんぽを持っていくな……はっ…」
「おや、起きたようだ。アリシア〜君のお連れが目を覚ましたよ」
気がつけば俺はソファに眠らされていたようだ。
ソファの傍には、黒く短い髪、巨大な捻れた角に尖った歯を持つ200cm程の身長に、更に山羊の蹄を模したようなヒールレスの靴により更に身長の高く見せ、シャツとベストで隠しきれない胸や大きな尻など色々大きな身体に眼鏡をつけたお姉さんが俺を見守っていたようで、俺が起きたからかアリシアを呼んでくれた。
「はーい、おはようございます。ルードさん。」
「えーっと…この人は…」
「あぁ、これはこれは。申し遅れたね。ボクはカプラ・バフォメェ。バフォメット族の魔族だよ」
カプラ店長は丁寧に自己紹介をする。
バフォメット。いわゆる悪魔と呼ばれているが彼らも魔族の一種である。それこそ山羊の獣人と魔族の中間くらいの種族で魔法の腕が良いらしい。
バフォメット族の特徴とも言える、その鋭い牙や角と尻尾、瞳やその高身長はなんとも言えない威圧感を放っているが穏和な雰囲気を醸し出している。
「エリカちゃんからの紹介状は貰ってるよ。何時でも始められるからね」
「おお…話が早くて助かる…」
正直服が必要な理由を一々説明するのも嫌になっていた。
これで準備してくれるという事だろう。
かに思えたのだが。
「それじゃあ身体の採寸からしていくよ」
「…採寸…?」
そう、ここは良い服屋。そこら辺の雑貨店とは違うのだ。
カプラは両足の軸を合わせるような歩き方をしながら何かを持って来る。
困惑していると突如紐が俺を縛り付ける。
「ー???」
「身体のサイズを測る測り紐だよ、少しくすぐったいけど我慢してくれよ?」
そうだ、忘れていた。ここが魔族種族の暮らす場所である事を。
「な、ひあっ!?ちょ、アリシア…!?」
「し、しーりません…よぉ?」
「は、図ったな…」
いや謀ったなアリシア
恐らく俺が縛られるのを見たくて黙っていたのだろう。
このムッツリインキュバスめ、俺が縛られているのを見て勃起しているのは知ってるんだぞ。
「身長165…胸囲94…腰部57…臀部90…脚部47…」
「ぐぅ…俺のサイズが測られてしまう…」
「いいサイズしてるね。今夜どうだい?」
「すみません…ルードさんは従業員では無いので…」
「む、それは残念だ」
「…生えてんの…?というかナチュラルにセクハラされた…」
「あぁ、30cm位の大きさだ。今夜どうだい?」
「デケェ…ご遠慮させていただく…」
「それは残念」
なんでもバフォメット族に性別の概念はなく、両性具有らしい。
魔族のなんでもあり具合には淫魔でだいぶ慣れたはずだったが他も大概だ。
しかも普通の山羊と言った動物と違って陰茎は馬に似ているとの事。正直何が何だかよく分からなくなってきた。
カプラのズボンの中にトンデモナイ棍棒が隠されている事が分かったが採寸はまだ終わっていないのである。
「くうぅ…角がムズムズする…」
「角…縦10…幅3…角は敏感だからね。それにしても上向きに生えている角とは…久々にいい物が見れたよ」
「上向きってそんなに良いのか?めちゃくちゃ引っかかるんだが…」
「とても珍しいらしいですよ?それに上向きの角は商売繁盛を意味するって魔族の商人たちの間では語り継がれていたんです」
「…成程…っとと」
「これで採寸はある程度完了だよ、次はルードクンの要望を聞いてソコから服を作るからね」
カプラは紙と炭ペンを俺に渡す。
「要望…か…うーん、悩ましいな。」
重視する点、いくつか有る。
まず動きやすい事、これが大前提だ。
そしてズボン系列であること。スカートはちょっと…。
次に洗いやすくて丈夫な物だ。
正直これ以外に浮かばない。
「だな、よし。コレで頼むよ」
「はい、じゃあ作るから見ててくれ」
カプラが手を回す。店内の照明が消えると同時に糸や針が光を帯び宙に浮遊し服を作り始める。
「…これがバフォメット族の魔術…」
蛍のように光り飛ぶ針と糸は、周囲の皮やボタンを取り込みソレは形創っていく。
アリシアは目をキラキラさせながらそれを眺め、カプラは時折指を動かしつつそれを見守っている。
「ボクの衣服を作っている際に思いついて軽く組んでみた魔術だよ。暮らしを豊かにするっていい事だと思わないかい?」
「正直感激だ。バフォメット族が魔術に長けた種族ってことは知っていたが…ここまでとはな」
「そうだろう。そうだろう。そこで今夜どうだい?」
「丁寧に遠慮させて頂く」
「ソレは残念だ」
魔術の行使を止めず、カプラはほんとに残念そうにそう呟いた。
書いてるとどんどん文字数が増えていく呪いにかけられました。
少し不自然ですか一旦切ります