※この作品はR-18です。

精子垂らす   作:超絶ゆるふわ乙女

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第10話|鬼人族の里!!迫り来る豚軍団と“最悪のオーク”!?

 

崩壊する乳首魔城ビーチクヘイムで、俺達はすぐには動けなかった。

 

瓦礫が落ち、床が軋み、地下から白い泥のような魔力が溢れ出している。モリ夫だけは、恐怖で身体を曲げた結果、なぜか一人でツイスターゲームみたいな体勢になっていた。

 

亀裂から這い出した白い粘液は、ゆっくり床を広がっていく。

 

まるで精液みたいに蠢いていた。

 

精液って蠢くの?

 

ーーー超警告ーーー

ーーー測定不能ーーー

ーーー危険度:規格外ーーー

 

ベニマルは刀を握り、シュナは杖を胸元へ引き寄せていた。

 

ビーチクですら、露骨に嫌そうな顔をしている。

 

そして、使い捨ての魔力ディルドを咥えたフェラチオだけが、低く呟いた。

 

「来るぞ」ジュポッ。

 

ドクン。

 

地下から響いた脈動に合わせて、白い泥が一斉に跳ね上がった。

 

ドロォォォォォォォッ!!

 

泥は空中で人の形を作り、長い白髪と黄色い瞳を持つ少女の姿になった。ぬるりとした白い身体の背後には、巨大な竜の幻影が浮かんでいる。

 

ただ立っているだけなのに、空気そのものが軋んだ。

 

「……久しいな」

 

少女のような声だった。

 

「フェラチオ」

 

フェラチオは舌打ちした。ついでに舌なめずりもした。

 

「最悪だ」

 

俺はそいつを見た。

 

「誰だ、このカウパーザウルス」

 

空気が止まった。

 

ベニマルが固まる。

 

「!!?」

 

シュナが、俺と白い少女を交互に見た。

 

「な、何を言ってるんですか!?」

 

フェラチオは、口から魔力ディルドを落としかけた。

 

「貴様……」

 

ビーチクですら引いている。

 

「死にたいのか?」

 

「いや、白くてぬるっとしてるし、精液みたいでカウパーザウルスじゃね?」

 

少女は数秒黙った。

 

その後、少し傷ついた顔で口を開く。

 

「……我が名は、原初の四大竜。白濁竜クラウディ」

 

名乗った瞬間、城全体が震えた。

 

モリ夫はツイスターゲームの体勢を崩して、半泣きになった。

 

「旦那ァ!! 絶対ヤベェやつですぜェ!!」

 

「長ぇな」

 

俺は白い少女を見上げる。

 

「カウパーザウルスの、カウパーくんとかでいいか」

 

「よくない」

 

クラウディは、はっきり傷ついていた。

 

「……貴様。妾を愚弄しているのか?」

 

「いや、愛称」

 

「愛称……?」

 

遠くでフェラチオが頭を抱えた。

 

「あいつは四大竜の中で最も善悪の区別がつかないってのに、最悪だ……」ジュプ。

 

ビーチクは鼻で笑う。

 

「ククク……精液スライムに相応しい、品性のない呼び名だ」

 

「乳首大公に言われたくない」

 

クラウディは崩壊した城を見回し、倒れた魔物達を眺めてから、がっかりした顔でビーチクを見た。

 

「……スライムに負けたんだな」

 

「チッ」

 

ビーチクが露骨に不機嫌になる。

 

「はるか昔、人間相手に封印されていた貴様に言われたくない」

 

クラウディは、指先で白い泥を弄びながら答えた。

 

「封印など退屈だった。なんか束縛プレイみたいだし」

 

その瞬間、白い泥が床から広がった。

 

壁。

 

瓦礫。

 

砕けた玉座。

 

全てが白く侵食されていく。

 

シュナが悲鳴を上げた。

 

「きゃっ!?」

 

ベニマルも刀を構える。

 

「なんだ、これは!?」

 

ーーー告、対象の精液ですーーー

ーーー多分、孕みますーーー

 

「ハラミカルビかよっ!!?」

 

クラウディは首を傾げた。

 

「……? 何を怯える? 城が消えても、また作ればよい」

 

「ワクワクさん?」

 

俺は理解した。

 

こいつは悪いやつではない。

 

でも、価値観が終わっている。

 

その時、森の向こうから咆哮が響いた。

 

「ブゴォォォォォォ!!」

 

ベニマルが顔を上げる。

 

「まさか……!」

 

シュナの表情が青ざめた。

 

「里が……!」

 

ビーチクが眉をひそめる。

 

「豚共か」

 

フェラチオも、面倒そうに鼻を鳴らした。

 

「そういえば、お前らの里をだいぶ放置していたな」ズズ。

 

森の向こうには、黒煙が上がっている。

 

ーーー告、鬼人族の里、超ピンチーーー

 

「ま、俺がいれば余裕っしょ!」

 

俺は振り返った。

 

「行くぞ、お前らァァァ!!」

 

⸻

 

数十分後。

 

鬼人族の里は、地獄みたいな有様だった。

 

家屋は焼け、血の臭いが漂い、重装備のオーク達が集落の中を荒らしている。ジャイアントオーク、槍兵、斧兵。雑兵の群れではなく、完全に軍隊だった。

 

「うわぁ……オークごときにやられてるとか、雑魚種族っすね」

 

「モリ夫がそれ言うの?」

 

シュナが、燃えた家々を見て唇を噛む。

 

「みんな……」

 

その横で、ビーチクが面倒臭そうに言った。

 

「話をつけりゃよくね?」

 

「へ?」

 

「元々、あいつら余の配下だぞ」

 

「そういえば、そんな話だったな!?」

 

ビーチクは肩をすくめた。

 

「魔眼で従わせていただけだ」

 

「支配系能力かよ」

 

フェラチオが、魔力ディルドを舐め取りながら鼻を鳴らす。

 

「分からせ能力系とか最低だな」ジュポッ。

 

「陰茎貪ってるお前に言われたくない」

 

ビーチクは前へ出て、燃えている里へ手を伸ばした。

 

「我が命令を聞け。武器を下ろせ」

 

オーク達は止まらない。

 

むしろ、こちらへ気付いた一団が、狂ったように突撃してきた。

 

「ブゴォォォ!! 侵入者を殺せェ!!」

 

ビーチクが眉を寄せる。

 

「……妙だな」

 

ーーー告、仲間化の影響で魔眼効力が消失した可能性がありますーーー

 

「デメリットでかくない?」

 

ビーチクは露骨に嫌そうな顔をした。

 

「弱体化した」

 

「RPGの強キャラが仲間になった時かよ!」

 

その時、ジャイアントオークが巨大な棍棒を振り下ろした。

 

ドォォォォン!!

 

しかし、クラウディが指を動かした瞬間、その巨体は白い泥へ飲まれた。

 

「邪魔」

 

オークは、白い泥の中でもがき、数秒後には動かなくなった。

 

誰も喋れなかった。

 

クラウディは首を傾げる。

 

「何故引く? 全て泥へ還せば終わるぞ?」

 

ベニマルとシュナの表情が凍りついた。

 

俺も悟った。

 

こいつらを連れて行ったら、オークの軍だけじゃない。鬼人族の里も、地形も、たぶん全部終わる。

 

俺はモリ夫を見る。

 

「モリ夫」

 

「へい」

 

「フェラチオとビーチクとカウパーザウルスを連れて、ゴブリン村へ戻れ」

 

「は?」

 

クラウディが、むっとした。

 

「余はクラウディだ」

 

「カウパーザウルス」

 

「クラウディ」

 

「カウパー」

 

「やめろ」

 

「仲良しか?」

 

モリ夫が泣きそうだった。

 

「俺がこの化け物三匹をォ!?」

 

フェラチオは欠伸をした。

 

「オークは醜いから食指が動かん」

 

ビーチクは腕を組む。

 

「我はどっちでもいい。鬼人族の里など興味もない」

 

クラウディだけが、俺をじっと見ていた。

 

「……お前、面白いスライムだから妾は残る」

 

「えっ」

 

フェラチオが、面倒そうに目を細めた。

 

「……オーク共は全滅確定か」チュポン。

 

ビーチクも、壊れた家々へ視線を向ける。

 

「……巻き添えは食らうなよ」

 

クラウディは当然のように、俺の横へ並んだ。

 

「よろしくな、精液スライム」

 

「相棒のピカチュウ枠かよ、お前は」

 

⸻

 

同じ頃。

 

ゴブリン村へ戻ったモリ夫は、半泣きで広場へ飛び込んだ。

 

「た、大変だァァァ!!!」

 

リグルドが、避難用の荷車を確認していた手を止める。

 

「どうしたのです!?」

 

モリ夫が答える前に、村の入口へ巨大な影が落ちた。

 

白銀の巨竜。

 

そして、その隣には禍々しい黒マントのバフォメット。

 

村中から悲鳴が上がる。

 

「乳首大公だァァァ!!」

 

「終わりだァァァ!!」

 

「乳首燃やされるゥゥゥ!!」

 

ビーチクは、露骨に不機嫌になった。

 

「失礼な奴らだな。乳毛燃やすぞ」

 

「いや、当然だろ」

 

リグルドは固まりかけた。

 

それでも村長として、ゆっくり前へ出る。

 

「ええと……避難誘導を続けるべきでしょうか。それとも、来賓用の炊き出しを準備するべきでしょうか」

 

「両方だ」

 

フェラチオが答えた。

 

「厚かましスギィ!?」

 

フェラチオとビーチクは、なぜか焚き火の前へ座った。

 

「陰茎はまだか」

 

「乳首もだ」

 

「お前ら順応早ぇな!?」

 

⸻

 

一方その頃。

 

俺。

 

ベニマル。

 

シュナ。

 

カウパーザウルス。

 

四人は、鬼人族の里の奥へ進んでいた。

 

ベニマルが、燃えた家々の前で深く頭を下げる。

 

「主殿」

 

「ん?」

 

「この御恩、必ず返します」

 

シュナも、その隣で頭を下げた。

 

「私達兄妹、これより貴方様に忠誠を誓います」

 

「えっ、急に?」

 

ーーー告、好感度が高いですーーー

 

「モテ期きた?」

 

ベニマルは真剣だった。

 

「貴方様は命を懸けて我らを救ってくださった。だからこそ、我らの主に相応しい」

 

「いや、まだ里は救ってないけど……まあ、よろしく? 的な?」

 

「はっ!!」

 

返事が軍隊だった。

 

横でクラウディが、やれやれとため息をつく。

 

「妾も昔は眷属がおった。そいつには、よく精液をかけていたものだ」

 

「四大竜って最悪な奴しかいないの?」

 

その時、焼けた家屋の向こうへ巨大な影が現れた。

 

異様に筋肉質なオーク。

 

しかも、妙にクネクネしている。

 

「嫌な予感」

 

そいつは妖艶に笑った。

 

「ウフフ♡ 可愛い子達がいるじゃなぁい♡」

 

「うわ、出た」

 

巨大オークは、棍棒を肩へ担ぎながら腰をくねらせる。

 

「アタシは“カマホモオーク”のガマンダ♡ 常に我慢汁が溢れてるわよ♡」

 

「名前も由来も見た目も終わってる!!」

 

ガマンダが、巨大な棍棒を軽々と振るった。

 

ドォォォォン!!

 

「ぐっ!!?」

 

ベニマルが吹き飛ばされる。

 

「兄様!!」

 

ーーー告、対象Lv260ーーー

 

「高っ!?」

 

ガマンダは、こちらへウインクした。

 

「ウフフ♡ 坊や達ぃ♡」

 

「アタシと遊びましょぉ♡」

 

「絶対嫌だァァァァ!!!」

 

つづく……

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