翌日。
「やっぱ同盟結ぶ」
「早ぇよ」
終わった。
国家間交渉が終わった。
昨日あれだけ揉めたのに。
ガゼル王は腕を組む。
「一晩考えた」
「何を」
「面白そうだから」
「国の運営をノリで決めるな」
こうして。
俺達は。
初めて国家レベルの同盟を結んだ。
三行で。
――――――――――
その後。
同盟締結記念式典。
ドワルゴン国歌斉唱。
荘厳な音楽が流れる。
巨大なホール。
大勢のドワーフ。
豪華な装飾。
厳かな空気。
兵士達が敬礼する。
ガゼル王が立ち上がる。
「起立」
全員起立。
そして。
重厚な旋律。
荘厳な音楽。
歴史ある国家の威厳。
⸻
俺は少し感動した。
⸻
「なんか普通に良い曲だな」
『イ゛グゥゥゥゥゥーーーーーーッ!!!』
「は?」
兵士達も熱唱。
『イ゛グゥゥゥゥゥーーーーーーッ!!!』
「なんで全員歌詞覚えてんだよ」
モリ夫が震える。
「帰りてぇ……」
フェラリルは感嘆していた。
「王たる者は国歌まで持つのか…参考になる」
ソウエイも感心していた。
「我が街でも歌を採用しましょう」
ガゼル王は涙していた。
「何度聞いても名曲だ」
ーーー告、金輪際類を見ない名曲ですーーー
「どこがだよ」
――――――――――
その頃。
遠く離れた場所。
巨大な水晶。
グラビオとイルゼが映像を見ていた。
「……」
「……」
沈黙。
グラビオが口を開く。
「やっぱり下品」
「ですよね」
イルゼが頷く。
「というか風俗街行けよ!!」
「それな」
「原作で唯一まともに需要ある部分だろ」
「なんで国家資格上級ケツ穴管理士は残して風俗街は消すんだよ」
「行きましぇ〜〜〜んwwじゃねぇよ」
二人は真顔だった。
水晶の向こうでは。
ガゼル王が国歌第二番を歌い始めていた。
「切ろう」
「切りましょう」
水晶は消された。
5秒後。
ピカッ
勝手に点いた。
「!?」
映像。
ガゼル王。
演台の上。
「これより同盟締結記念ランキング発表を行う」
「まだやってんのかよ」
イルゼが頭を抱える。
ガゼル王が巻物を開く。
「まずは『今年最も意味の無かった国家資格ランキング』」
「国家資格なのに意味無いの」
「第3位」
「上級ケツ穴管理士」
「お前じゃねーか」
会場拍手。
「受験者数12万人」
「多すぎるだろ」
グラビオが水晶を叩いた。また水晶がついた。
「壊れてない?この国もこの水晶も」
「僕らは何を見せられているんだ…?」
パチン
水晶を消す。
数秒後。
別の水晶が点く。
「なんで!?」
「ドワルゴン公式配信チャンネルです」
「登録してねぇよ!」
ガゼル王が映る。
『高評価・チャンネル登録よろしく頼む』
「なんで俺らが見てるの把握してるんだよこいつ」
ガゼル王は笑った。
『ちなみにグラビオ殿』
「え?」
『先程から左手で水晶を叩いているが』
グラビオ硬直。
『傷が付くのでやめていただきたい』
沈黙。
イルゼ沈黙。
グラビオ沈黙。
『いつもご視聴感謝する』
プツッ
「怖い怖い怖い怖い怖い」
「もうやだコイツら怖いママァァァァァ”ァ”ァ”ァ”ァ”!!!!!!」
二人が逃げ出そうとしたその時。
ピコン
スマホ通知。
「……?」
グラビオが確認する。
【ドワルゴン公式チャンネル】
『配信を最後まで視聴いただきありがとうございました』
『おすすめ動画』
・国歌第一番(3時間耐久)
・ガゼル王が教える上級ケツ穴管理士講座
・【資格対策】実技編
「実技編ってなんだよ」
イルゼとグラビオは泣いた。