「旦那ァ!!見えてきましたぜ!!」
モリ夫が羽をバサバサさせながら叫んだ。
ワームの巣を抜けた先、そこには巨大な空洞が広がっていた。
天井には青白い鉱石がびっしりと埋め込まれており、まるで地下神殿のような光景だ。
「うおっ……なんだここ」
俺は思わず身体を震わせた。
スライムなので震えてるのか溶けてるのかよく分からないが。
ーー告、この先に強大な魔力反応を確認ーー
「強大ってどれくらいだ?」
ーー告、例えるなら“電動オナホをコンセント直挿しした時くらい”ですーー
「分かりづれぇよ」
その時だった。
ズズズズズズ……
空洞の中央に刻まれていた魔法陣が光り始めた。
「な、なんだ!?」
「旦那ァ!!来ますぜ!!!」
次の瞬間。
ドォォォォォン!!!
魔法陣の中心から、巨大な“何か”が姿を現した。
それはローブを纏った老人だった。
しかし普通の老人ではない。
尻だけが異常に発達していた。
「……」
「……」
「……」
「いやケツデカすぎだろ」
老人の尻は尋常ではなかった。
まるで二つの満月を無理やりローブに押し込んだようなサイズ感。
歩くたびにプルンッ……プルンッ……と地鳴りが起きている。
「フハハハハ!!!!」
老人は杖を掲げた。
「ワシこそは“尻穴の賢者アナルディウス”!!」
「絶対嫌だそんな二つ名」
「長き時代、この洞窟の最奥で“秘奥義・真ケツ魔法”を研究してきた大賢者よォ!!!」
「研究テーマ終わってんな」
モリ夫が小声で話しかけてきた。
「旦那……ヤベェですぜ。アイツこの辺りじゃ有名な変態です」
「変態として有名なの嫌すぎるだろ」
するとアナルディウスがこちらを見た。
「ほう……貴様……妙な気配を感じるな」
「え?」
「その粘液……その濁った魂……」
賢者は目を見開いた。
「まさか!!貴様が“伝説の白濁スライム”!!?」
「そんな伝説残すな」
ーー告、嫌な予感がしますーー
「今更かよ」
アナルディウスは興奮したように震え始めた。
「素晴らしいィィィ!!ぜひ研究させてくれぇぇぇぇぇ!!!!」
「絶対嫌です」
「安心せい!!痛みは最初だけじゃ!!!」
「何が安心なんだよ」
ドンッ!!!
突如アナルディウスの杖が地面を叩いた。
瞬間、無数の魔法陣が空中に展開される。
「くらえぇぇぇ!!秘術!!
『百連ケツ圧砲(アナル・インパクト)』!!!」
ブリュリュリュリュリュッッッ!!!!!
「うわぁぁぁぁぁ!!?」
とんでもない衝撃波が襲いかかってきた。
「旦那ァ!!避けろォ!!」
「無理だこんなの!!」
俺は咄嗟に水刃を放った。
「水刃ツバペッペ!!」
しかし。
パシュッ
「弱ァい♡」
「えぇ……」
水刃はアナルディウスのケツ圧にかき消された。
格が違う。
ーー告、対象のLvは68ですーー
「終わった」
モリ夫が青ざめる。
「旦那……逃げましょう……」
だが俺は違和感を覚えていた。
68?
たったそれだけか?
俺はこれまで何をしてきた?
死んで。
死んで。
死んで。
死んで強くなってきたんじゃないのか?
「……なぁクンニ君」
ーー告、なんでしょうーー
「もし俺が今ここで死に続けたら」
ーー告、理論上は勝利可能ですーー
「だよなぁ?」
俺は笑った。
久々に心の底から笑えた気がした。
「モリ夫!!お前先に逃げろ!!」
「は!?旦那何する気だ!?」
「レベル上げだよ」
「またそれかよ!?」
俺はアナルディウスへ突撃した。
「うおおおおおおおおお!!!!」
「自ら飛び込んでくるとは愚かなァ!!!」
ドゴォォォォォォ!!!!
俺はケツ圧砲を真正面から食らい、爆散した。
俺は死んだ。
ーー告、復活を使用しますーー
「まだまだァ!!」
ドゴォォォォォ!!!
死んだ。
復活。
死んだ。
復活。
死んだ。
復活。
「なんなんじゃコイツ!!?」
アナルディウスがドン引きし始めていた。
ーー告、Lv35ーー
ーー告、Lv42ーー
ーー告、Lv51ーー
ーー告、Lv64ーー
「もうちょい!!」
ーー告、Lv69ーー
「よっしゃ逆転!!!!」
「何故そこで嬉しそうなんじゃァ!!!」
俺は新たな力を感じていた。
体内から溢れ出る莫大な粘液。
そして脳内に響く新たな言葉。
ーー新スキルを獲得しましたーー
『超連続絶頂水刃
ギガント・スプラッシュ』
「名前終わってんな」
だが分かる。
これは強い。
圧倒的に。
俺は静かに構えた。
「行くぜジジイ」
「ヒィッ」
「ギガント・スプラッシュ」
ドバァァァァァァァァァァァァァァッッッ!!!!!
洞窟全体を埋め尽くすほどの超高圧水刃が放たれた。
「ぎゃああああああああああああ!!!!!」
アナルディウスは断末魔を上げながら吹き飛び、遥か洞窟の彼方へ消えていった。
静寂。
そして。
「勝った……?」
ーー告、勝ちましたーー
モリ夫が駆け寄ってくる。
「旦那ァァァァ!!!流石ですぜ!!!」
「ハハ……当然だ……」
その時だった。
洞窟の最奥から、“何か”の咆哮が響いた。
「──誰だ、今フェラチオ様の昼寝を邪魔したのは」
空気が凍りついた。
モリ夫の顔面が青を通り越して白くなる。
「ま、まさか……」
巨大な影が闇の中から現れる。
それは山ほども巨大な白銀の竜だった。
そして次の瞬間、俺の脳内にクンニ君の焦った声が響いた。
ーー告、超警告ーー
ーー対象
『口淫竜フェラチオ』
Lv 999ーー
「は?」
つづく…