※この作品はR-18です。

精子垂らす   作:超絶ゆるふわ乙女

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第30話|始まる戦争!!英雄の死とオークロード!!

 

ブルムンド王国。

 

夕方。

 

カバル達三人はギルドの扉を押し開けた。

 

ギィ……

 

受付嬢が顔を上げる。

 

「あっ」

 

「カバルさん達」

 

「依頼お疲れ様です」

 

カバルは疲れ切った顔で笑う。

 

「あぁ……色々あった」

 

ギドは荷物を降ろす。

 

「にょほぉ……50回は漏れた旅にょ……」

 

エレンも苦笑する。

 

「乳頭宮殿なんて人生初めてでした」

 

受付嬢は書類を広げる。

 

「それで」

 

「シズ様は?」

 

三人の空気が止まる。

 

静寂。

 

カバルはゆっくり首を振った。

 

「……亡くなった」

 

ギルド内が静まり返る。

 

冒険者達が各々呟く。

 

「あのシズさんが?」

 

「死んだ?」

 

「俺好きだったのに」

 

「地上げの英雄が…」

 

カバルが続ける。

 

「最後は」

 

「リムルっていうスライムに看取られた」

 

空気が凍る。

 

「え……」

 

「嘘だろ……」

 

「スライムローションプレイかよ」

 

「俺好きだったのに……」

 

エレンが静かに続ける。

 

「最後は笑っていました」

 

ギドが鼻をすすった。

 

「にょ……」

 

ギルド中へ衝撃が走る。

 

しかし。

 

噂というものは。

 

必ず形を変える。

 

翌日。

 

酒場。

 

「聞いたか?」

 

「シズさん魔物に食われたらしい」

 

「え?」

 

「しかも喋る上に精液飛ばすスライム」

 

「怖っ」

 

商人。

 

「シズさんという英雄を喰ったスライムがいる」

 

「名前はリムル」

 

「本名はリムル・左近司・スカトローナ」

 

さらに翌日。

 

旅人。

 

「シズを殺した魔王級スライム」

 

「しかも乳首が敏感で陰茎を喰らう」

 

噂は。

 

尾ひれ。

 

胸びれ。

 

尻びれ。

 

全部ついた。

 

噂は瞬く間に世界へ広がっていった。

 

⸻

 

イングラシア王国。

 

自由組合本部。

 

職員が慌ただしく走る。

 

「英雄シズ様死亡!」

 

「イフリートの消滅確認されました!」

 

「至急各国へ共有します!」

 

紙は。

 

各国へ飛ぶ。

 

西へ。

 

東へ。

 

そして。

 

神聖法皇国ルベリオス。

 

純白の城。

 

廊下を一人の女騎士が歩いていた。

 

黒髪。

 

鋭い瞳。

 

聖騎士団長。

 

ヒナタ・サカグチ。

 

紙を読む。

 

ヒナタは黙って読む。

 

静かに。最後まで。

 

『シズ死亡』

 

『原因は魔物』

 

『スライム』

 

『リムル・左近司・スカトローナ(57歳無職)』

 

その手が止まる。

 

紙が。

 

ぐしゃりと握り潰された。

 

周囲の空気が凍る。

 

部下達は誰も声を出せない。

 

ヒナタは静かだった。

 

だからこそ怖い。

 

「……先生」

 

小さく呟く。

 

「約束しましたよね」

 

「また会うと」

 

静寂。

 

ヒナタは剣へ手を添える。

 

「……リムル」

 

「シズ先生の」

 

「仇はとらせてもらう」

 

誰一人。

 

声を出せなかった。

 

「誰だよリムル・左近司・スカトローナ……」

 

最後にヒナタが小声で吐き捨てるように呟いたのを除いて。

 

⸻

 

その頃。

 

とある城。

 

黄金の玉座。

 

魔王レオンは静かに頬杖をついていた。

 

部下が跪く。

 

「申し上げますッ!」

 

「申せ」

 

「ブルムンド王国付近にて」

 

「精霊イフリートが消失しましたァ!」

 

「ダニィ!?」

 

空気が変わる。

 

「宿主シズ死亡」

 

「イフリートごと取り込んだのは」

 

「リムルというスライム」

 

レオンは目を閉じた。

 

数秒。

 

静寂。

 

その後。

 

玉座の肘掛けへ指を置く。

 

ピキッ

 

黄金が割れた。

 

「……スライム風情が」

 

「私の…私だけのイフリートをよくも……」

 

部下達は震える。

 

「あ、あのレオン様…?」

 

「興奮しちゃうじゃないか♥」

 

「は?」

 

レオンは立ち上がる。

 

「NTRとは面白い」

 

「ならば見てやろうリムルとかいうスライム」

 

「貴様のその価値を」

 

魔王は静かに笑った。

 

「後でNTRビデオレターとか届かないかな」

 

「ええ…」

 

だが。

 

その笑みだけは。

 

誰よりも恐ろしかった。

 

⸻

 

一方その頃。

 

チンポリス。

 

地響きが近付く。

 

ベニマルは刀を抜いた。

 

「全員」

 

「配置につけ」

 

鬼人族が走る。

 

狼族も散開する。

 

ゴブリン達も武器を握る。

 

街の外全体が戦場へ変わる。

 

俺は城壁へ飛び乗った。

 

眼下。

 

森一面。

 

豚、豚、豚。

 

「うわぁ……」

 

「一面先までオークじゃんか」

 

モリ夫が肩を震わせる。

 

「旦那ァ!」

 

「あっし絶対役に立たないんで帰っていいですか」

 

「ダメ」

 

「死にやがれぇぇぇぇぇ」

 

ビーチクは腕を組みながら笑う。

 

「オークなど所詮数だけだ」

 

「我に魔眼など無くても雑兵ならば何万いようが結果は同じ」

 

フェラチオは鼻を五回ほど鳴らした。

 

「余、今日は百本同時くらい咥えられるなぁ?」

 

「何をだよ」

 

「陰茎」

 

「聞かなきゃよかった」

 

クラウディは大欠伸をした。

 

「妾眠い、オークの相手など怠いだけじゃ」

 

「いやお前ここで働かなかったらいつ働くんだ」

 

「なんか妾疲れちゃった」

 

「キモこの四大竜」

 

リグルドが走ってくる。

 

「リムル殿!!」

 

「避難確保致しました!!」

 

「よし」

 

「場所は?」

 

「全員地下です!」

 

「女子供と私もこれから避難致します!」

 

「なんで?」

 

「未来のこの国の王なので死にたくありません」

 

「戦えよお前も!!」

 

カイジンが叫ぶ。

 

「戦争は契約に入ってねえぞォォ!!」

 

「まぁいいじゃんドワルゴンが戦争の時は俺たちが手伝うよ」

 

その時。

 

森の先頭。

 

オーク将軍が巨大な斧を地面へ突き立てた。

 

ドゴォン!!

 

土煙。

 

オーク軍が止まる。

 

「覚悟しろハエ共」

 

その横。

 

V豚オークがスッと前へ出る。

 

「開戦前にさぁ!!」

 

「ちょっとだけ将軍にアンケートいい??」

 

オーク将軍が心底嫌な顔をする。

 

「嫌です」

 

「好きな配信時間帯とかある??」

 

「ないです」

 

「雑談枠好き??ゲーム実況派??」

 

「ほんと勘弁してください」

 

「あと切り抜き文化について一時間ほど」

 

ベニマルが終始真顔だった。

 

「主殿」

 

「あいつ俺が殺していいですか」

 

「頼む」

 

その瞬間。

 

ガマンダが棍棒でV豚を殴り飛ばした。

 

ドゴォォォ!!

 

「またァ!!?まぁ俺、物理プロテクターあるんですけどねぇぇぇぇ!!」

 

星になる。

 

ガマンダは棍棒を肩へ担いだ。

 

「戦争前くらい静かにできないのぉ♡」

 

「相変わらず味方ってかV豚に厳しいな」

 

「美学よ♡」

 

その時だった。

 

軍勢が。

 

左右へ割れる。

 

ザッ……

 

ザッ……

 

一本道ができる。

 

誰も喋らない。

 

ガマンダ達ですら。

 

頭を下げた。

 

ゆっくり。

 

巨大な影が歩いてくる。

 

オークロードはゆっくりと一歩踏み出した。

 

巨体がもう一歩前へ進むたび、大地が低く唸る。

 

空気が震える。

 

息が詰まる。

 

豚頭帝。

 

オークロード。

 

その巨体だけで。

 

森が狭く見えた。

 

オークロードは街を見上げる。

 

完成したばかりのチンポリス。

 

温泉。

 

城壁。

 

住民。

 

乳頭宮殿。

 

全てを見渡した後。

 

低く。

 

重い声で。

 

ただ一言。

 

「……お腹空いた」

 

「は?」

 

その声だけで。

 

空気が震えた。

 

リムルは拳を握る。

 

「あんなのが敵の親玉かよ」

 

ベニマルが刀を構える。

 

ビーチクが黒炎を出しながら笑う。

 

フェラチオは珍しくニヤけていた。

 

クラウディもようやく立ち上がった。

 

そして。

 

オークロードが。

 

静かに右手を上げる。

 

「フードロスには注意して進め」

 

その一言で。

 

数万のオーク軍勢が。

 

大音量の雄叫びと共に。

 

チンポリスへ雪崩れ込んだ。

 

こうして。

 

後に。

 

『豚戦争』と呼ばれる戦いが。

 

幕を開けたのである。

 

つづく……

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