※この作品はR-18です。

精子垂らす   作:超絶ゆるふわ乙女

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第34話|最悪の共闘!!胃液と黒歴史と消去法の王!!

 

黒い魔素が。

 

戦場全体を覆っていた。

 

吸収し、進化したオークロード。

 

背中から生えた四本の巨大な腕。

 

腹部に並ぶ無数の口。

 

全身。

 

どこを見ても歯。

 

「歯キモッ!!」

 

俺は思わず叫んだ。

 

オークロードの無数の口が一斉に開く。

 

「いただきまんこ」

 

「だから俺の持ちネタ取るなって!!」

 

オーク将軍が横で戦斧を構える。

 

「今気にすることか?」

 

「持ちネタは命より重い時あるだろ」

 

「ない」

 

「即答すんな」

 

オークロードの四本腕が地面へ叩きつけられた。

 

ドゴォォォォォン!!

 

地面が四方向へ割れる。

 

「右から行くぞ将軍!!」

 

「承知した!!」

 

俺は右へ。

 

オーク将軍も右へ。

 

激突。

 

ゴッ!!

 

「いってぇ!!」

 

「貴様の右か余の右か言え!!」

 

「俺から見た右だよ!!」

 

「今お互い同じ方向を向いていただろ!!」

 

「じゃあお互いの心の右!!」

 

「どこだ!!」

 

オークロードの腕が俺達をまとめて殴り飛ばした。

 

ドゴォォォン!!

 

俺とオーク将軍が地面を転がる。

 

「連携下手すぎだろ俺ら!!」

 

オーク将軍は戦斧を支えに立ち上がる。

 

「貴様が曖昧な指示を出すからだ」

 

「じゃあお前が出せよ!」

 

「余は中間管理職だぞ」

 

「威張れないだろそれ」

 

二人。

 

沈黙。

 

オークロードが俺を見る。

 

「やーい消去法の王」

 

「クンニ君から聞いたの?」

 

ーーー告、共有しましたーーー

 

「余計な情報共有すんな!!」

 

オークロードが腹部の口を開く。

 

黒い液体が集まる。

 

ーーー告、高密度魔力反応ーーー

 

「何か来るぞ!!」

 

オーク将軍は戦斧を盾のように構えた。

 

「余の後ろへ隠れろ!」

 

「お前意外と優しいな!」

 

「貴様が死ぬとこいつを倒せん!」

 

「理由聞かなきゃよかった!」

 

オークロードが黒い液体を吐き出す。

 

「胃液砲」

 

「技名そのままスギィ!?」

 

漆黒の奔流が戦場を薙ぎ払う。

 

俺とオーク将軍は戦斧の陰へ身を隠した。

 

ジュウウウウウ……

 

戦斧の表面が溶けていく。

 

「おいお前の武器なくなってるぞ!」

 

「見れば分かる!」

 

「temuで買ったの?」

 

「……これは我が一族に代々伝わる斧だ」

 

「いやごめんじゃん!!」

 

オーク将軍の目から一筋の涙が流れた。

 

「泣くほど大事だったの!?」

 

「……祖父の形見だ」

 

「急に重い設定出すなよ!!」

 

戦斧。

 

半分消滅。

 

オーク将軍は残った柄を見つめる。

 

「爺様……」

 

「ごめんって!!なんか俺が悪いみたいになってる!!」

 

オークロードが再び口を開く。

 

俺は水刃を構えた。

 

「今度は俺が攻撃を防ぐ!」

 

「どうやって?」

 

「スケベ力」

 

「舐めてんのか」

 

「ギャラクシー・スプラッシュ!!」

 

白い水刃が胃液砲へ激突する。

 

ジュバァァァァァァ!!

 

蒸気。

 

悪臭。

 

戦場全体に。

 

胃酸と精液を混ぜたような匂いが広がった。

 

全員。

 

動きを止めた。

 

「……」

 

ベニマルが鼻を押さえる。

 

「主殿」

 

「これは流石に擁護できません」

 

「俺のせいじゃねぇぇぇぇぇ!!」

 

前線のシオンは涙目だった。

 

「リムル様ぁぁぁ目に染みますぅぅぅ」

 

シュナも結界の中で袖を鼻へ当てた。

 

「リムル様。結界は匂いまでは防げません」

 

「そんな具体的な苦情今!?」

 

フェラリルが遠くから全速力で飛んでくる。

 

「この匂いは国を脅かす匂いだ!!!!」

 

「匂いで国家転覆かよ」

 

フェラリルは戦場中央へ着地した。

 

懐からブレスケアを大量に取り出す。

 

「緊急事態だ!!」

 

「全軍口を開けろ!!」

 

「戦争中に口臭対策すんな!!」

 

フェラリルは走り回りながら敵味方へブレスケアを投げつける。

 

「一人三粒!!」

 

「オークは30粒だ!」

 

オーク兵の一人が素直に受け取った。

 

「シトラス味だ!」

 

「敵から受け取るな!!」

 

別のオークが手を挙げる。

 

「ミント味ありますか!」

 

「在庫切れだ!!」

 

「何の交流始まってんだよ!!」

 

オークロードは胃液砲を止めた。

 

腹部の口がブレスケアを一粒吸い込む。

 

ぽり。

 

「すっきり爽やか」

 

「お前も食うの!?」

 

オーク将軍が俺の肩を掴む。

 

「今だ」

 

「何が?」

 

「ロードの口内環境が改善している」

 

「そこ狙うの!?」

 

二人で地面を同時に蹴る。

 

俺は左。

 

将軍は右。

 

今度こそ。

 

別方向。

 

「挟み撃ちだ!!」

 

「今度こそ承知した!!」

 

オークロードの右腕へ水刃。

 

左腕へ戦斧の柄。

 

ドゴッ!!

 

俺の水刃が肉を切る。

 

将軍の柄が折れる。

 

「爺様ァァァァァ!!」

 

「溶けた時点で武器として機能してなかっただろ!!」

 

オーク将軍は折れた柄を抱えて膝をついた。

 

「二度も死なせてしまった……」

 

「無理だからそこでシリアスいこうとしても」

 

オークロードの背中の腕が将軍を掴む。

 

「危ねぇ!!」

 

俺は将軍へ体当たりした。

 

二人まとめて転がる。

 

オーク将軍は俺の下敷きになった。

 

「退け」

 

「助けてやっただろ!」

 

「尻が顔に乗っている」

 

「俺スライムだから尻ないよ」

 

「ではこれは何だ」

 

「全身性感マッサージ」

 

「最悪」

 

⸻

 

戦場の上空。

 

フェラチオとガマンダ。

 

二人の戦いも。

 

まだ続いていた。

 

黒い舌が空を這う。

 

ガマンダは棍棒を振り回しながら必死に避ける。

 

「当たったら黒歴史思い出すんでしょぉ!?」

 

フェラチオは鼻を十八回鳴らす。

 

「そうだ」

 

「絶対嫌よぉ!!」

 

「逃げても無駄だ」

 

黒い舌がガマンダの頬を掠める。

 

その瞬間。

 

ガマンダの脳裏へ。

 

一枚の記憶が蘇る。

 

十年前。

 

鏡の前。

 

まだ細かった眉毛。

 

普通の声。

 

普通の服装。

 

手には我慢汁教本其の32。

 

ガマンダは鏡へ向かって呟いていた。

 

『今日からボクも普通のオークとして頑張るぞ』

 

現在。

 

ガマンダの身体が止まった。

 

「……」

 

フェラチオは首を傾げる。

 

「どうした」

 

ガマンダは棍棒を落とした。

 

「見た……?」

 

「見た」

 

「何を……?」

 

「一人称がボクで普通だった」

 

「イヤァァァァァァァァァァァ!!!!」

 

ガマンダが頭を抱えて空中を転げ回る。

 

「殺してぇぇぇ!!」

 

「あの時キャラが薄いと思ってて方向転換したアタシを殺してぇぇぇぇ!!」

 

フェラチオは満足そうに舌なめずりした。

 

「良い羞恥だ」ジュルリ

 

「記憶消してよぉぉぉ!!」

 

「無理」

 

「一体何のための技なのよォォォ!!」

 

ガマンダは泣きながら棍棒を拾う。

 

「こうなったらアンタも道連れよぉ!!」

 

「極・我慢汁剛尻撃!!」

 

棍棒がフェラチオへ振り下ろされる。

 

フェラチオは片手で受け止めた。

 

「評価を改めようガマンダ」

 

「貴様の陰茎や我慢汁は賞賛に値する」

 

フェラチオは棍棒ごとガマンダを持ち上げる。

 

「おやちゅみ♡♡」

 

「嫌な予感しかしないわぁ♡」

 

フェラチオはガマンダを地面へ向かって全力で投げた。

 

「バイバイ」

 

「雑ゥゥゥゥゥゥゥ!!」

 

ガマンダが戦場へ落下する。

 

その先。

 

金玉王冠を被ったビーチク。

 

「ん?」

 

ガマンダがビーチクへ直撃した。

 

ドゴォォォン!!

 

土煙。

 

フェラチオが空から見下ろす。

 

「全ては余の計算通り」

 

俺は遠くから叫んだ。

 

「絶対嘘だろ!!」

 

土煙の中。

 

ビーチクがゆっくり立ち上がる。

 

金玉王冠。

 

ビーチク本体。

 

無傷。

 

ガマンダ。

 

頭から地面へ突き刺さっている。

 

ビーチクは王冠の埃を払った。

 

「王冠と乳首が危なかった」

 

「ガマンダとか周囲の心配しろよ!!」

 

ビーチクは地面に刺さったガマンダを見る。

 

「誰だこいつ」

 

「乳首が……2つ見える……」

 

「正常だな」

 

「判定基準おかしい!!」

 

⸻

 

戦場の入口。

 

リグルドとV豚オークが。

 

地下から飛び出してきた。

 

リグルドは槍を構える。

 

V豚はスマホを構える。

 

「何でお前は武器持ってないんだ!!」

 

「精神攻撃担当なので!!」

 

「具体的に何をするんだ」

 

V豚は配信を開始した。

 

『緊急生配信!オークロード、仲間を食べて炎上中!』

 

「絶対今やることじゃない」

 

「戦争は情報戦ですよリグルド氏!」

 

視聴者数。

 

百。

 

千。

 

一万。

 

コメントが流れる。

 

『オークロード最低』

 

『味方食うのは解釈違い』

 

『チンポリス側応援するわ』

 

『リグルドってやつキモくね』

 

リグルドは画面を覗き込む。

 

「最後のコメントだけ開示請求しろ」

 

「リグルド氏効きすぎィw」

 

V豚は戦場へカメラを向ける。

 

「見てください!」

 

「オークロードは仲間を非常食扱い!」

 

「対するリグルド氏は!」

 

リグルドは慌てて姿勢を正す。

 

「民を守るクソ雑魚国王!」

 

「舐めてんのか」

 

「ここで一言どうぞ!」

 

リグルドは槍を掲げる。

 

「私の国を守るのは、この私だけだ!」

 

遠くで俺が叫ぶ。

 

「俺の国だよ!!」

 

コメントが加速する。

 

『次期国王きた』

 

『現王ブチギレ』

 

『内戦始まってて草』

 

『今王位争いすんのアホじゃね』

 

リグルドは画面を見て微笑む。

 

「支持率は?」

 

「現在0.2%です」

 

「低すぎるだろ」

 

オーク兵が背後から槍を振り上げる。

 

「村長後ろ!!」

 

地下から様子を見にきたゴブリン達が叫ぶ。

 

リグルドは振り返らず。

 

槍の石突きを後方へ突き出した。

 

ゴッ!!

 

オーク兵の顎へ直撃。

 

一撃。

 

オーク兵が倒れる。

 

V豚は目を見開いた。

 

「え、普通に強い」

 

リグルドは得意げに胸を張る。

 

「かつてゴブリン村を他種族から守っていた村長を舐めるな」

 

コメントが流れる。

 

『リグルドかっけぇ』

 

『推せる』

 

『王におなり(エルデンリング)』

 

『でも顔がきも』

 

リグルドの顔が曇る。

 

「最後の奴の住所特定しろ」

 

「権力の使い方早すぎる」

 

さらにオーク達が押し寄せる。

 

V豚はスマホを向けた。

 

「今こそ精神攻撃!頼むぞ先生!」

 

「……まぁもう正気失って味方喰らうロードに義理立てすることもないかぁ」

 

V豚は息を吸う。

 

「オークの皆さぁぁぁん!!」

 

「あなた達の推してる王!!味方食べてまぁぁぁす!!」

 

オーク達の足が止まる。

 

「え?」

 

V豚は畳みかける。

 

「しかも説明なし!!」

 

「謝罪配信なし!!」

 

「活動休止の予定もなし!!」

 

オーク兵達がざわめく。

 

「確かに……」

 

「説明責任がない……」

 

「推し変するか……」

 

「なんか効いてる!?」

 

リグルドは槍を掲げた。

 

「今だ!!お前たち!我が国ならオークすらも受け入れるぞ!」

 

それを聞いたオーク達が反対を向きロードの方に突撃する。

 

V豚も拳を掲げる。

 

「お気持ち表明突撃ィィィ!!」

 

「お前も戦うんだよオラこいっ」

 

「精神攻撃しかないぃぃぃ!!」

 

「本当に役に立たねぇ!!」

 

城壁の上。

 

その光景を眺めていたシュナが、驚愕していた。

 

「す、凄い…城内に入ったオーク全員味方につけたリグルドさん」

 

⸻

 

戦場中央。

 

俺とオーク将軍は。

 

オークロードの四本腕に追い回されていた。

 

「左!!」

 

「どっちの左だ!!」

 

「もう全部左!!」

 

「いや意味が分からん!!」

 

巨大な拳。

 

俺は液状化して回避。

 

オーク将軍は跳び越える。

 

次の腕。

 

俺が水刃で受け止める。

 

オーク将軍が腕の上を走る。

 

「今だ!!」

 

「ふんっ!!」

 

将軍は折れた戦斧の柄を振り下ろす。

 

ポキッ。

 

残った部分も折れた。

 

沈黙。

 

「……」

 

「……」

 

オーク将軍は小さく呟く。

 

「爺様」

 

「いや柄の部分振り回すなよ」

 

俺達が揉めている間。

 

オークロードの切られた腕が。

 

再生する。

 

それどころか。

 

二本。

 

増えた。

 

合計六本。

 

「増えたァァァ!?」

 

ーーー告、対象は受けた攻撃を解析し、肉体構造へ反映していますーーー

 

「俺より進化早くない!?」

 

オーク将軍は折れた柄を投げ捨てた。

 

おい形見。

 

オーク将軍は拳を構える。

 

「武器がなくとも戦える」

 

「お前素手いけるの?」

 

「幹部を舐めるな」

 

オークロードの腕が迫る。

 

オーク将軍は真正面から拳を打ち込んだ。

 

ドゴォォォン!!

 

腕と拳が激突。

 

オーク将軍の身体が。

 

地面へめり込んだ。

 

「いや無理ですけど」

 

「でしょうね」

 

その時。

 

シオンが巨大な剣を振り回しながら走ってくる。

 

「リムル様!!」

 

「シオン!お前マジで今までどこにいたんだ」

 

シオンはオークロードの背後へ回り込む。

 

「メタ認知やめてください!!」

 

巨大剣を。

 

横薙ぎ。

 

ズバァァァン!!

 

オークロードの背中の腕が二本切断される。

 

「おお!!普通に強い!」

 

シオンは笑顔で振り返る。

 

「いかがでしょう!私の怪力は」

 

「ベルセルクのガッツみたい」

 

「ありがとうございます!」

 

切断された二本の腕が地面で蠢く。

 

そのままシオンの足首を掴んだ。

 

「え」

 

シオン顔面から地面へ転倒する。

 

「シオォォォン!!」

 

シオンは顔を上げる。

 

「リムル様のおまんこォォォォォ!!」

 

「は?」

 

切断された腕がシオンを引きずり始める。

 

「リムル様ぁぁぁぁお助けえぇぇぇ!!」

 

「まじで何しに来たんだお前!」

 

俺は水刃で腕を切り刻む。

 

シオンが解放される。

 

オーク将軍は倒れたシオンを見る。

 

「貴様の配下も大概だな」

 

「今ので判断すんな!!」

 

シオンは立ち上がる。

 

「私もリムル様と共に戦います!」

 

オークロードの口が一斉に開く。

 

シオンは一歩下がった。

 

「やっぱ後方支援を」

 

「逃げんなや」

 

ベニマルがシオンの肩を掴み、後ろへ下げる。

 

「シオン、今は主殿と将軍に任せろ」

 

「ですが兄者ァ!リムル様のまんこが」

 

「お前の発言は本当にわからん」

 

ベニマルは俺を見る。

 

「主殿、奴の動きが変わっています」

 

俺も気付いていた。

 

オークロードは先程から攻撃を止めている。

 

六本の腕を垂らし腹部の口を閉じ静かに立っている。

 

「……何だ?」

 

オーク将軍が拳を構える。

 

「油断するな」

 

オークロードの身体から黒い魔素がさらに溢れ始めた。

 

倒れたオーク達。

 

砕けた武器。

 

焼けた大地。

 

氷。

 

黒炎。

 

戦場に残った全てが。

 

ゆっくりと。

 

オークロードへ引き寄せられる。

 

「また吸う気かよ!!」

 

オークロードは首を振った。

 

「違う」

 

無数の口が。

 

一斉に開く。

 

「残したら怒られちゃうでしょ」

 

「誰にだよ」

 

空間が歪んだ。

 

地面。

 

空気。

 

全てが。

 

口の中へ引き込まれ始める。

 

「規模デカくなりすぎだろ!!」

 

俺は地面へ水刃剣を突き刺す。

 

オーク将軍も素手で地面へ指を食い込ませた。

 

周囲。

 

オーク兵。

 

ゴブリン。

 

瓦礫。

 

全てが吸い込まれていく。

 

「踏ん張れェェェ!!」

 

ベニマルが刀を地面へ突き立てる。

 

シオンはベニマルの腰へしがみつく。

 

シュナは結界を最大まで広げた。

 

フェラリルはブレスケアの袋を咥えたまま空中で回転する。

 

「見よ我が空中ブレスケア殺法!!」

 

「殺すの!?」

 

ビーチクは金玉王冠を押さえる。

 

「やべ王冠が飛ぶ」

 

「それ以外を心配しろよ」

 

クラウディは。

 

寝たまま岩ごと引きずられていた。

 

「……んぁ」

 

目を薄く開く。

 

「うるさいのぉ」

 

白い尻尾を地面へ突き刺す。

 

停止。

 

「お前だけ対処雑に強いな!!」

 

モリ夫は木に刺さったまま叫ぶ。

 

「あっし誰か抜いてェェェ!!」

 

木ごと吸い込まれている。

 

ハクロウが通りすがりに刀を振るう。

 

木だけ切断。

 

モリ夫。

 

そのまま飛ぶ。

 

「いやあっし助かってねェェェェ」

 

オーク将軍が俺へ叫ぶ。

 

「リムル!!」

 

「何だ!!」

 

「このままでは全員喰われる!!」

 

「分かってるよ!!」

 

「策は何かないのか!?」

 

「今考えてる!!」

 

ーーー告、提案ーーー

 

「クンニ君!!」

 

ーーー対象の捕食領域へ直接侵入し、内部から能力中枢を破壊してくださいーーー

 

「俺が食われろってこと!?」

 

ーーー告、Exactlyーーー

 

「言い方ァ!!」

 

オーク将軍が俺を見る。

 

「何とか出来るのか?」

 

「多分な」

 

「失敗すれば?」

 

「多分全員死ぬ」

 

「貴様は死んでも戻るだろ」

 

「俺でも捕食されちまったら多分無理だよ」

 

「多分多すぎるだろ作戦に!!」

 

オークロードの吸引がさらに強くなる。

 

地面へ亀裂。

 

俺は少しずつオークロードへ歩を進める。

 

オーク将軍が俺の腕を掴んだ。

 

「待て、何をする気だ貴様」

 

「アイツにワザと捕食されて中から食い破る」

 

「確実に飲まれるぞ」

 

「他に方法ないだろ」

 

俺はオーク将軍の手を見る。

 

戦斧を失い。

 

拳も潰れ。

 

爪も剥がれ血まみれだった。

 

それでも。

 

俺を離さない。

 

「将軍」

 

「何だ」

 

「外は任せた」

 

「貴様」

 

オーク将軍は歯を食いしばる。

 

「死ぬなよ」

 

俺は笑う。

 

「復活持ちの俺にそれ言う?」

 

「そうだったな」

 

将軍は俺の腕を離した。

 

その瞬間。

 

俺の身体が。

 

オークロードへ吸い込まれる。

 

「主殿!!」

 

「リムル様!!」

 

「旦那ァァァ!!」

 

「下劣スライム!」

 

「よし!リムル殿多分死んだ!」

 

仲間達の声。

 

リグルドは後でしばく。

 

オークロードの巨大な口が。

 

目の前まで迫る。

 

歯。

 

闇。

 

底がない。

 

「待ってろよ」

 

「全部」

 

「中から食い返してやる!!」

 

オークロードの口が閉じた。

 

バクンッ!!

 

光が消えた。

 

音が消えた。

 

クンニ君の声も。

 

仲間の声も。

 

何も。

 

聞こえない。

 

「……」

 

暗闇の中へ落ちていく。

 

どこまでも。

 

やがて。

 

足が。

 

何かへ触れた。

 

柔らかい。

 

ぬるい。

 

俺は魔力感知を使い下を見る。

 

そこにはおびただしいほど無数の顔。

 

オーク。

 

オークナイト。

 

食われた兵士達。

 

黒い闇の中から。

 

顔だけが浮かび上がっている。

 

「痛い」

 

「苦しい」

 

「気持ちいい」

 

「王よ何故我らを」

 

無数の声。

 

怨嗟。

 

悲鳴。

 

空腹。

 

全てが。

 

暗黒空間を作っていた。

 

「ここは……」

 

背後。

 

何かが。

 

立っている。

 

俺は振り返る。

 

オークロード。

 

だが。

 

外の巨体とはまた違う姿だった。

 

黒い影。

 

無数の口。

 

無数の腕。

 

食われたオーク達の身体を繋ぎ合わせたような姿。

 

オークロードは静かに俺を見下ろした。

 

「ようこそ我が腹の中へ」

 

足元の顔が。

 

一斉に口を開く。

 

「食材」「精液」「おもちゃ」「トイストーリー5」

 

「一斉に違うこと喋んなよ!」

 

暗黒空間が。

 

俺の身体を。

 

少しずつ。

 

削り始めた。

 

つづく……

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