※この作品はR-18です。

王都の日常   作:伊倉米磁

4 / 4
4.英雄の目覚め

「う、ううぅぅ……ぐすっ……」

 蜜蜂のささやき亭の一室、普段は女性陣の泊っているそこは、今は一人しかいない。

 ベッドに縮こまって座り、頭を抱えて呻くユーファだ。

 

 

 

 あの後、乱入した仲間は恐慌をきたしたユーファを速やかに部屋の外に連れて行き、全裸で勃起チンポを晒した豚男を取り囲んだ。

「なんだね、君たちは? 私はユーファと愛し合っている最中だったのに」

 ユーファを犯していた時の気持ち悪さを当たり前のように引っ込めて、口調だけは高貴さを込めて言っているのが聞こえた。

 

 ……ユーファはその時、自分のやったことで頭がいっぱいで、目の前のこともよくよく見えないような状態だったので細かいやり取りは覚えていない。

 涙ぐんだジュナが優しく抱きかかえてくれて、ただ頭を撫でてくれていた。

 部屋の……さっきまでユーファが大喜びで豚男のチンポを味わっていた部屋の……中で、何か言い争っているのが遠くに聞こえた。

 

 豚男の屋敷に乗り込み、ユーファを取り戻したは良いものの、それ以上のことはできなかったらしい。

 当然だろう。この国では、貴族がムツタリの女を強姦した位で重い罪に問える法は無いのだから。

 ましてや、ユーファは自分から付いて行き、喜んでセックスに興じていた。

 

 セックスを喜んでいた部分については多数の証人が居るが、魅了の魔道具は破壊されたので強姦の証拠はない。

 客観的には金欲しさに股を開き、豚男と同じかそれ以上の変態女がセックスを楽しんでいたとしか見られない。

(マリアちゃんには、申し訳ないことになってしまいました……)

 

 その時のユーファは、現実逃避した頭でそんなことをぼんやり考えていた。

 虚ろなその表情を見てジュナが泣きそうに顔を歪める。ユーファに肩を貸して立たせ、屋敷からゆっくり連れ出してくれた。

 その時、背中にかけられた声がまざまざと甦る。

 

「ユーファたん! ぼくちんは何時でも歓迎するからね! まだまだ気持ちよくしてあげるぶっひぃぃ!」

 

 

 

 ぞくり。

 その粘質な声を思い出し、ユーファの背筋が震える。

 夜のうちに蜜蜂のささやき亭に戻り、部屋が空いているというので独りにしてもらい、眠れるはずもなくベッドの上で丸まって座っている。

 

「いや……いや……いやぁ……!」

 身体が芯から冷え、恐怖に震える。

(よりにもよって……)

 

 隊長に。ユーファの愛する人に。あんな場面を見られてしまった。

 男性陣とはあれから一度も顔を合わせていない。

 もちろん女性陣とも合わせる顔がない。

 

 仲間たちは、ユーファを蔑んだりはしないだろう。気持ちよかったのか、など無神経なことも言わないだろう。

 ただ、何にも触れず、普段通りに扱ってくれるだろう。

 腫れ物に触るように。

 

 隊長も、これから先、ユーファの身体に触れるのをためらうようになる。

(うううぅぅぅぅぅ)

 それを想像しただけで、死にたくなる。

 

 どれほど気を使った態度を取ったところで、さほどの意味は無い。

 ユーファは、あの時絶叫していたのだ。

 恥も外聞もなく、レイプ魔のデカチンを咥えこんで、大喜びで快楽を叫んでいた。

 

 そういう女だと知られた上で接されるという烙印は、一生消えることはない。

 そもそも……

(どうして……魅了が深まってしまったのか……)

 

 恐怖と不安に冷えた頭が事実を拾い上げ、真実を指し示す。

(あの男とセックスをしている時……ワタシが……ワタシ自身が……悦んでいたから……)

 ユーファが自ら魅了された人格と同化していった、その原因はもはや明白だった。

 

(あんな男に……良いように弄ばれて……玩具のように扱われて……)

 気持ちが良かった。

 そんな感想が出てくる自分に、比喩でなく吐き気がこみ上げてくる。

「ゔっ……」

 

 目の前に置いてある木のバケツに嘔吐する。

 朝から胃に入れたものは、朝食と……それ以上の量の、男の精液だった。

 びちゃびちゃとバケツに吐き出される液体は、胃液よりもなお濃い精液の臭いを立ち昇らせている。

 

 ぞくん。

 

 その臭いに性的に興奮してしまう自分が、汚らわしくて疎ましくて仕方ない。

「うっ、ぐ、うぅぅぅぅ……」

 両親が死んだとき、本当に悲しかった。

 兄が島を離れる時、不安で、強く無事を祈った。

 生贄として死ねれば自分の人生が完遂できると思いつめ、遺跡に向かった。

 

 産まれてからユーファの経験した辛いことは、本当にその程度でしかなかった。

 こんな、自分という存在が何より悍ましく、今すぐ消えてなくなりたいと願うような屈辱と悔恨など、想像することさえできなかった。

(こんな穢れた人間は……彼の仲間に相応しくない……)

 

 心底そう思う。もはや、自分は彼の仲間ではいられない。二度と、あの目をまっすぐ見ることは出来ない。

 失われたものを思うと、とめどなく不安と恐怖があふれてくる。

 どくん、どくん、と心臓が強く脈打ち、際限なくマグラを生み出している。

 

 ユーファの顔、身体、手足に至るまで、ぼう、と光の筋が浮かび上がる。

 強すぎる体内のマグラの流れが発光現象を起こしている。

 その色は、闇より昏いかのような、紫。

 

 消えてしまいたい、死んでしまいたい、何にも立ち向かわないユーファの心は、もうじき化け物……ニンゲンになり果てるほどに追い詰められている。

 意味のある思考などほとんどできず、ただただ絶望に打ちひしがれて自分の身体をギュッと抱いて縮こまっていた。

 膝を抱えるユーファの乳房は、太ももに圧迫されている。

 

 じく、じく、とこんな時にも訴えてくる感覚に、ユーファは顔をしかめた。

(乳首が……寂しい)

 あの男に貫かれたユーファの乳首とクリトリスには、今も穴が空いたままだ。

 

 不安で何も考えたくないユーファの脳裏に、つい数時間前に味わった快楽がフラッシュバックする。

 ベッドの上、すぐ手の届く場所に、あのピアスは3つ揃っておかれていた。

 仲間はすぐに破壊しようと言っていたが、自分で外すと言って、保管し……壊しもせずにいる。

 

(もう……どうでも、良いんじゃない……?)

 自分はもう終わりだ。ムツタリの巫女としての誇りも、恋する乙女としての尊厳も、彼の隣に立つ気概さえ失った。

 残されたのは、快楽だけ。ユーファがセックスが大好きな変態女という事実だけ。

 

 虚ろな瞳で、ピアスを手に取る。

(これを付ければ、気持ちよくなれる……)

 あの激しい快楽を味わえば、絶対に声を出さずに居られない。

 

 仲間もきっと、ユーファへの評価を改め、唾棄すべき変態女を見る目に変わるだろう。

 もうそれでいいじゃないか……

 暗い部屋の中、紫に光るユーファの手が、ピアスを掴んで胸元へと伸びていく。

 

「はいるよ、ユーファ」

 弾かれるように、ユーファの手が胸から離れる。

 汗に濡れた手のひらの中に、ピアスを握りこんでしまった。

 

 隊長の声がして、返事も待たずにドアが開いた。

「えっ、あ、ちょっと……」

 慌てるが、もはやピアスをどうにかする機会は逃した。

 

(この人にだけは、こんな醜い姿を見られたくない)

 せめてベッドに投げ出されたピアスを見せまいと立ち上がり、歩いてくる隊長に近づく。

 腰の後ろに隠した手にはピアスを握ったままだ。

 

 歩くたび、月夜に照らされた白銀の髪がさらりと揺れる。

 ようやく慣れてきたその新しい姿を、今はとても直視できなくてユーファは俯いた。

「ユーファ……ユーファは今、本当につらい思いをしていると思う」

 

 今までは、訥々とした語り口を聴いているとそれだけで心が温かくなった。

 けれど今は、彼の目に自分がどう映っているか恐ろしくて仕方がない。今すぐ逃げ出したいという思いばかりが大きくなる。

「ジュナが言っていた。惺教に心を癒すのが専門の医者が居るから、紹介するって」

 

(ああ……)

 ユーファの心に、諦念が広がっていく。

「時間はかかるかもしれないけど、心の傷を癒すこともできるって」

 

 つまり、そういう事。

(隊長が、自ら……ワタシに別れを告げに来てくれたんですね)

 ユーファの様子はどう見てもまともに戦えるようには見えなかったし、自分でも同意する。

 

(ムツタリの誇りを示すこともできず、彼と共に歩むこともできず……ワタシは……)

「でも、その道は選ばないで欲しい」

 一瞬、何を言われたのか分からなかった。

 

「…………は?」

 意味不明な言葉に、思わず視線が上がる。

 彼の晴れた青空の色をした眼光は、当たり前のようにユーファをまっすぐに見つめていた。

 

「今すぐ立ち直って、ルイとの最終決戦にも参加して欲しい」

 言葉の意味は分かるが、何を言っているのか分からない。

「何を……言って……いるんですか……」

 

 彼に面と向かって言葉をぶつけられ、ユーファの心が揺り動かされる。

「それが、出来たら……! どんなに良いか……!」

「出来る」

 

 言葉の100倍言いたいことが募り、ユーファは睨むような目つきで滂沱と涙を流した。

「出来ないんです……! こんな、汚らわしい女が新王の傍にいれば、必ず邪魔になります……!」

「かまわない」

 

 睨んでも、泣いても、隊長は全くひるまずにユーファの心を射抜くような眼光を浴びせてくる。

「自分は、ユーファに隣を歩いていて欲しい。だから、今すぐ立ち直ってもらう」

「そんなことが……出来るわけが……!」

 

 隊長に対して、これほど憤りを感じるのは初めてのことだ。

 文句を言いたい気持ちが大きすぎて、言葉に詰まってしまうユーファに、隊長は柔らかく、いつもの調子で微笑んだ。

「大丈夫。ユーファは、もう分かっているはずだよ」

 

 一歩、隊長が踏み込んでくる。

 唇が触れそうな距離に、ユーファの胸が甘く高鳴った。

 次の瞬間には顔を顰める。

 

(こんな時にも……ワタシは……!)

 色ボケた自分が呪わしく、疎ましい。その気持ちがどうしても止められない。

「ユーファは前に、こういっていた。生贄として死のうとした昔があるから今の自分がある、って」

 

 それは、彼との大事な思い出だ。

 命を捨てれば産まれてきた意味が成せるという甘い誘惑に乗って、深く考えず死を選ぼうとしたからこそ、寄り添える思いもある。

 そんなことを、確かに言った。

 

 じわじわと……隊長の言っていることを頭が理解し、ユーファの眉が寄せられて眉間に深いシワが刻まれていく。

「あなたは……なんて事を言うんですか……!」

 お門違いな激昂だと、そう思っても吹き上がる怒りが収まらない。

 

「こんなに、辛くて……! みじめで、汚らしくて……! 最低な事を考えてる……!」

 まだ明かしていないが、ユーファの胸の中からは悍ましく救いがたい、その全容が嫌になるほど見えている。

 幼気なマリアを遊び半分で強姦し、金を握らせれば問題ないと放逐した。ユーファの身体を弄び、身体に穴をあけて傷物にした。

 

 そんな最低な男としたセックスが……とても気に入っていて(・・・・・・・・・・)、|ほとぼりが冷めたらまたセックスしに行きたい《・・・・・・・・・・・・・・・・・・・》などと考えている、どうしようもない最低女が。

「そんな自分が、本当の自分だって(・・・・・・・・)……そう認めろって言うんですか!?」

 隊長の瞳は、残酷なまでに美しく……ユーファの目をじっと見つめている。

 

「過去を、無かったことには出来ない。ユーファの記憶を消してあげられない。けど……ユーファならきっとそこからでも歩き出せる」

「…………!!」

 言葉もなく叫ぶ。

 

(嫌! そんなの嫌! こんなもの……ワタシじゃない!)

 本当の自分は、世間知らずの箱入りで……男の事なんか、何も知らなくて……愛する隊長にだけ肌を許し、いつか心が温かくなるような交わりで子供を身ごもる、そんな『綺麗』な女の子だ。

 しかし、そうなれる道はもう失われた。

 

(こんな、穢れたワタシに……隊長は、隣を歩いて欲しいと……)

 願われている。欲されている。

(貴方の隣を歩くだけの、交わらない人生であっても……)

 

 

 

 そう決意したとき、ユーファの足は石畳を踏みしめていた。

 既にどこかを知っている、石造りのドーム、天井に光。

 

――汝、愛欲に惑う人よ。

  憂いを抱える旅人よ。

 

――立ち止まることをやめ、貴方は歩み出した。

  道を選ぶときです。

 

「ワタシ……神の涙が好き。頭も体もふわふわして、気持ちがよくて」

 場の力なのか、心からの言葉が自然と溢れてくる。

「外の世界でいろんなものを見たり、隊長に恋をしたり……きっと、昔から……気持ちいいことが好きだった」

 

 血を吐くような思いで……よりにもよって、この声の主に告げる。

「ワタシ、セックスが好き。大きなチンポを一番深くまで突っ込まれて、乱暴に突かれるのが大好き」

 それは、別れの言葉だ。

 

「今だって、乳首にピアスを付けて、気が狂うほど気持ちよくなろうとしてた。きっと、相手は誰でも良いんだと思う」

 綺麗な女の子である事。彼だけの妻になること。人としての最低限の尊厳。

「そんなワタシでも、彼の王道を支えるという思いだけは曲げたくない!」

 

――ありがとう、気高き別れを選びし人よ。

  これよりは、恐れも、不安も、貴方の光。

 

――汝、『王道』を照らす、輝ける星よ。

  目覚めなさい。

 

 心が、嘘のように軽い。

 かつてサマナーのアーキタイプに覚醒したときの数倍するマグラの奔流が、心臓からあふれ出す。

 まだ、引き返せるかもしれないのに。快楽のためにどんな雄ともまぐわう、穢れた女として生きていく。

 彼に軽蔑される。バレて王政の邪魔をするかもしれない。その不安は、かつてないほどの大きな力だった。

 

 全身から金の輝きを放ち、自らの心臓から覚醒器をえぐり出す。

「どれほど穢れて歪んでいても、この愛は本物だと示し続ける!」

 こうして、ユーファは不安を胸に立ち上がり……

 

 二度と、まともな貞操観念を取り戻さない道を選んだ。

 

 

 すぅ、と静かに、景色が宿屋の一室に戻ってくる。

 新たに身に着けたアーキタイプは、鎧であるはずなのにペルソナダンサーよりも胸や股間を強調した裸婦を思わせるデザインで、今のユーファにはひどくしっくりくる。

「アーキタイプ……ハーロット(淫乱女)」

 力ない女が、権力者を相手取り……時に操り、殺してさえ見せる。そんな浅ましくも強かな英雄像。

 

 部屋を壊さないうちにアーキタイプを解き、隊長に微笑みを返して見せる。

「ありがとうございます。また、貴方の隣を……歩いて見せますから……だから……」

 不安は解消されても、現実は変わらない。

 

 あふれる涙を止めることもできず、ユーファは決別の言葉を紡いだ。

「ワタシをレイプした男の所に、行ってきます。ワタシの身体の疼きを、癒してくれるのは……あの人だけだから……デカチンをいっぱいハメてもらって……すっきりしてきます、ね」

 これで、隊長も理解してくれるだろう。自分はもう、ただの仲間で……気持ちいいセックスをしてくれる雄になびく卑しい女だと。

 

 そう思って脇を抜けようとするユーファの腕を、力強い手が掴んだ。

「えっ……?」

 そこには、初めて見る顔を赤らめた隊長が居る。

 

「その……ユーファの声を聴いてから、ここがムズムズして……」

(ああ……隊長も、ワタシの身体を使ってくれるんですね……♥)

 まさか、愛する人に抱かれる日がこんなに突然訪れるなんて。

 

 それが、ただの性欲発散できる便利女扱いなのだとしても……と思いながら、滑らかな動きで股間をまさぐる。

(……?)

 彼の今のアーキタイプは、道化ではなかったはずだ。

 

(では、この手に当たる、腰に帯びた剣のようなものは……)

 とくん。

 心臓が甘やかに跳ねる。

 

 跪いて、彼のズボンを一息に脱がせると、べちんっ! と勢いよくユーファの顔を彼のチンポが叩いた。

「ああ……♥」

 顔面に当たるどころか載っているその感触に、涙が出るほど歓喜する。

「前はそんなでもなかったんだけど、力と耐を思い切り鍛えてこの身体に戻ったらこんなになっちゃって……」

 上から降ってくる隊長の説明も、まるで耳に入ってこない。

 

「おっきい……♥ あのチンポより、とても……こんなにカリも広がって、段差もエグくて……♥」

 一目見ただけでわかる、理想のチンポ。

「あもっ♥」

 

「わあっ!?」

 突如亀頭を咥えたユーファの奇行に、隊長が声を上げる。

(ああ……♥ 隊長は、こんな声で感じるんですね……♥)

 豚男と違い、何もかもがユーファの心を沸き立たせ、性欲を掻き立てる。

 

 結局、夜が明けるまで2人で必死にセックスし……蜜蜂のささやき亭にとんでもないスケベ女が居るという噂を生み出すのだった。

 

 

 

 

 

 

 そんなことがあってから、1年ほど経った。

 戦線復帰したユーファは目覚めたアーキタイプを育て、ハーロット、最上位のマザーハーロット、そしてロイヤルハーロットをも極めた。

 それは淫乱女としての自己の内面化を強力に促し、ユーファは今や、身も心もごく自然に淫乱女をやっている。

 

 と言っても、王の六本槍が性にだらしないとなればとんでもないスキャンダルなので、相手は限られた。

 今のユーファの身分は司法府の高等法官。そして、それなりに位の高い貴族であった豚男……ブータリンを配下に付け、各方面の折衝を行わせている。

 当然、少しでもムラムラしたらチンポをハメて気持ちよくなっている。

 

 それでいて、ユーファの評判は『未来の王妃』。ユークロニアの王、愛する隊長とも、当然のように身体が空いていれば毎晩セックスしている。

 普段高等法官として、人々の深刻な困りごとの相談に乗り、罪を公平に裁くときも子宮の中には常に王の精液をちゃぽちゃぽと揺らしていた。

 そして今、鉄の曜日の夜、休息日の習慣として……ユーファは、空を飛んでいる。

 

 遺失魔法、『トランパ』。王の転移魔法と同系統だが、直接宙を飛んで移動する魔法だ。

 発見者のジュナすら扱えない魔法だが、ユーファは有り余るほどのマグラ出力で実用を可能にしている。

 

 夜風、しかも上空は冷えるので、出発前に『地獄巡り~我慢の湯~』を入れた風呂に浸かり十分身体を温めている。

 マンコを酷使するユーファには嬉しい、身体を丈夫にする効能がお気に入りの一品だ。

 

 ユーファは王都から飛び出して南へと向かっている。

 そこは、何の変哲もない……ように見える、森。

 

 かつての冒険で、ユーファが合流する前に訪れたという、『小鬼の巣窟』と呼ばれる危険地帯だ。

 すた、と降り立つと、すぐさま目を赤く光らせた怪物が寄ってくる。

「ゲギャギャ!」

「ギャヒギャヒ!」

 

 総じて欲に塗れた醜い中年男性のような顔をした種族、ゴボルンである。

 卑しくも醜い笑みを浮かべて、ユーファの身体に触れようとする小鬼たちに、ユーファは自ら歩み寄った。

 ぱし、と2匹のゴボルンに両手を取られ、ぐいぐいと引っ張られる。

 

「ふふっ。貴方達も待ちきれなかったんですか?」

 まるで、小さな子供に遊びをせがまれているような自然体で、ゴボルンに導かれるまま森の奥深くへと進むユーファ。

 

 葉っぱを敷き詰めたベッドに、ひときわ大きな体格の醜悪な亜人が座っている。

 生意気にもキャンプファイアのように木組みで火を焚き、周囲は暖かい。

 ゴボルンの王と呼ばれる、軍に存在を知られれば賞金首になるような凶悪モンスターだ。

 

「ああ……♥ 一週間ぶり、ご無沙汰しています♥ 貴方の肉便器嫁のユーファです(・・・・・・・・・・・・・・)♥」

 淫乱女のユーファが3人目の夫に選んだのは、人ですらない、醜悪な怪物だった。

 

 誰にも秘密を漏らすことなく、それでいて人外のデカチンを持ち、酷く性欲が強い。

 そんなゴボルンの王がユーファの心を射止めるのはごく自然の成り行きだった。

 

 王の六本槍で司法府の高等法官、未来の王妃である心は愛するデカチンの隊長に捧げ。

 夫が居ない間に小腹がすいたら豚男のデカチンで満たし。

 淫乱女としての身体の主人として認め、本性を剥きだしにした本気交尾をゴボルンの王と存分に楽しむ。

 

 それが今のユーファの、充実した私生活だ。

「キャッ! キャッ!」

 足元には、小さなゴボルンが駆け寄ってくる。

 その子は、ゴボルンとしては珍しく金髪を生やし、額にオデキのような不完全な三の目を持っている。

 

 そう、ゴボルンの王とユーファの、実の子供である。

 ロイヤルハーロットは戦闘向けでない代わりに、避妊したり妊娠したり堕胎したり、孕んだ子を早く産み落としたりといった能力があった。

 男を惑わせるための能力を使いたくて子宮をウズウズさせ、興味本位で畜生との子を産み落とす、それが今のユーファだ。

 

「うふふ……♥ そろそろ、この子にも兄弟を作ってあげましょうか♥」

 高等法官の、美しい刺繍の入った外套が葉っぱのベッドに落ちる。

 ニタニタと嗤うゴボルンの王は胡坐をかいて座っており、もうビンビンに勃起していた。

 

 人間ではありえない、ユーファの太ももほどはあろうかという棍棒にも等しいチンポを見て、股間が期待に潤む。

 この一年、暇さえあればセックスを楽しんできたユーファの身体は、ゴボルンを孕んだ事で胸が2周りは大きくなったが揉みこまれて垂れ気味になっていた。

 勿体つけて焦らすようにストリップするユーファを、ゴボルンの王は余裕の笑みで待っている。

 ユーファが自分に股を開くのは当たり前だと確信している態度だった。

 

 やがて全裸になると、むわりと夜の森にメスの甘酸っぱい性臭が広がった。

 遠巻きに赤い光が幾つも浮かぶ。

 ゴボルンの王とこってりセックスした後は、雑魚そのもののゴボルンたちにマンコもアナルも自由に使わせて、一日中乱れるのが最近のお気に入りの休日の過ごし方だ。

 

 ユーファの両の乳首には、当たり前のようにピアスが付けられている。

 ちり、ちり、とかすかに金属音を奏でながら、わざと揺らして歩いて股間をぐしょぐしょに濡らす。

「失礼いたします……♥」

 ゴボルンの王のレベルは24に過ぎない。レベル80を超えるユーファなら、楽勝で縊り殺せる実力差だ。

 

 格下の相手に、好みのデカチンだからという理由だけで媚びへつらい、目の前でがに股になる。

 ユーファの褐色の肌が焚火に艶めかしく照らされ、股間が煌めく。

 蕾のように密やかだった股間は、常時ピンク色の膣肉……膣前庭が見えるように大陰唇が拡がり、大輪の花を咲かせていた。

 

 チンポ欲しさによだれを垂らすように下がるクリトリスのピアスに加え、膣口にほど近い小陰唇の左右にもピアスを増やしていた。

 もちろん、ピストンの時に当たってセックスの快楽を倍増させる魔道器のアクセサリだ。

 乳首も、クリトリスも、小陰唇も、もはやピアス穴はすっかり定着し、もうふさがる事は無い。

 

 がっしりとした魔物の肩に手を置き、今にもよだれを垂らしそうな締まりのない笑みを浮かべ、舌なめずりまでしてユーファががに股の腰を下ろしていく。

 まるで杭に腰かけるような太さのソレが、手品のようにユーファの穴を押し拡げ、ぬるぬると飲み込まれていく。

「は、お……♥ ゔぅ♥♥」

 挿入する前から本気汁を垂れ流していたユーファの膣が、手慣れた様子で赤子の頭ほどもある太さの肉の棍棒を飲み込んだ。

 

 小陰唇に取り付けられたピアスがちゃりちゃりと弾かれて振動し、ユーファの頭の中に極彩色の火花が散って絶頂の晴れやかな光景が脳裏に広がる。

「お゙っほ♥♥♥ イきましたぁ♥♥♥ ご主人様のデカチンっ♥♥♥ 挿れただけでガチイキしましたっ♥♥♥」

 ゴボルンが人語をしゃべることは無いが、目の前の雌が恥知らずな畜生に身を落として興奮する変態女だという事は十分伝わっている。

 

 ニヤニヤと豚男と同じく嗜虐的な笑みを浮かべて、ゴボルンの王は踏ん張っていたユーファの脚を掴み支えを無くす。

 ずどん、と棍棒で膣奥を殴りつける衝撃に、ユーファは激しく絶頂した。

「お゙うっ♥♥♥ ほぉお゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙♥♥♥♥」

 濁り切った下品な善がり声は、ゴボルンの好みに合わせたものだ。

 

 我慢できなくなったゴボルンの王が、ユーファの腰を掴んで自分勝手に上下に振る。

「んごおぉっ♥♥ ほぐぅ♥♥ おっご♥♥♥」

 セックスの快楽しか頭にない恥知らずの馬鹿女の顔、声、膣の締めをして、ユーファがチンポの上で舞い踊る。

 宴は始まったばかりだった。

 

 

 

 ……6時間後。朝日が昇る森の中で、ユーファが腰を振っている。

「もっと♥ もっと♥ 強くして良いですよっ♥♥」

 ゴボルンの王はもう満足していびきをかいて寝てしまったので、お待ちかねとばかりに大挙してきた雑魚ゴボルンの輪姦を楽しんでいた。

 

 洞穴のようにガバガバに広がっていた膣穴を回復魔法で治し、体格にしては大きいゴボルンのチンポにぴったりと膣ヒダを絡ませて快楽を得ている。

 爛れた生活でとっくにクタクタに使い込まれ、縦に割れたアナルにもゴボルンを受け入れていた。

 モジモジと、自分の目の前でまごついてるのは金髪のゴボルンだ。

 

「ぼうや♥ おいで♥」

 自分が腹を痛めて産んだ化け物の仔に、性欲がたっぷり乗った微笑みを向けるユーファ。

 母親の愛情を始めて感じた子が、既に立派なチンポを乱暴にユーファの顔に押し付けた。

 

 それを咥え、垢だらけの表面に唾液を這わせて汚れをこそげ落として飲み下していく。

 膣とアナルをうねるように締め付けて、さっさと雑魚を射精させると、精液まみれになった葉っぱのベッドに美しい金髪を浸すように寝そべって息子を誘った。

「さあ、お母さんがセックス教えてあげましょうね♥♥」

 

 犯して良いメスを前に、悍ましい化け物の本性をむき出しにした金髪のゴボルンが襲い掛かる。

 自分の母親を孕ませようと、躊躇なく穴に突っ込んで腰を振り始めた。

「あっ♥ あっ♥♥ 上手よっ♥♥」

 

 こうして、群れのゴボルンと一匹残らずセックスし、自分の身体を貪らせる。

 日が高く登り、また沈むころになってようやく全員の金玉が空になり、締まりのない顔で眠った。

 それを見届けると、うっそりと笑ってユーファは森を立ち去っていく。

 

 

 森の入口には、旅装の王が待っていた。

「お迎えありがとうございます、あなた♥」

「そっちこそお疲れ、ユーファ」

 

 ゴボルンたちとの身体の関係を、王にはすべて話してある。

「上手くいってる?」

「ええ。もうみんな、ワタシの身体の虜です♥」

 にぃぃ、と口角を釣り上げて嗤うユーファの表情は、『悪女』と評すべき酷薄な笑みだ。

 

「気が長いんじゃない? ゴボルンの寿命ってどのくらいだっけ」

「寿命自体は、50年は生きるそうですが……普段から他の魔物と小競り合いをして減りますから。近隣の女の子をさらって増えない限り、先細っていきますよ」

 ちょっとした慈善事業として、人々の身近な脅威であるゴボルンの駆除を行っている。

 

 ……という事にして、人間では得られないデカチンの快楽に溺れる大義名分を得ているのだ。

 自分が産み落とした仔も含めていずれ死ぬと知っていて、ゴボルンたちがセックスで産ませられる女だと思わせるために産み落とした。

 もちろん、経産婦になって母乳をまき散らしながらのセックスを王や豚男と楽しむためというのも大いにある。

 

 そもそもゴボルンを駆除したいならこんな回りくどいことなどせず殺せばいいだけなので、8割以上はユーファの性欲を満たすための行動だった。

「はあ、なんだかお腹が減っちゃいました。すみませんけど、ズボンを脱いでくれますか?」

「うん。どうぞ」

 

 人間としては最高峰の、イケメンチンポがユーファの前に姿を現す。

「ああ♥ これこれ、ワタシの愛しいおチンポ……♥」

 瞳を閉じ、恭しく亀頭にキスをするユーファは、先ほどとは打ってかわって恋する乙女のように柔らかい微笑みを浮かべている。

 

 ユーファは外套の中でもぞもぞと動くと、白いレギンスをズリ下す。

 一日中人外のデカチンで犯してもらった精液が腹が膨れるほど詰まった股間を露出させてM字開脚でしゃがむと、王からは外套で見えないところで精液だまりが広がったのだろう、濃厚すぎる精液の臭いが立ち込めた。

 ユーファの片手はチンポ扱きつつも、外套の中の手がグジョグジョとねばついた音を立てている。

 一日中セックスした直後だというのに、自分でマンズリしながら発情顔でフェラを始めた。

 

「じゅぽっ♥♥ がぽっ♥♥♥」

 恋する乙女の顔をひょっとこに歪めて、王のチンポを激しく貪るユーファ。

 夕暮れの森の中で、何の脈絡もなくフェラに勤しみ、出てきた精液を喉を鳴らして飲み下す。

 

「ふぅぅっ♥♥ お口直し、とっても美味しいです♥」

 夕日に照らされて、口元を精液と陰毛で汚したユーファが微笑む。

 変態の淫乱、人間以下の畜生に堕ちても、笑顔を浮かべて愛する人の腕に抱きつくユーファはとても幸せそうに歩いていくのだった。

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