※この作品はR-18です。

【R-18】オバエロ:至高の淫魔がスケベする話   作:口だけの淫魔

12 / 111
#12 催眠エッチ ラキュース(1)

「……ここね」

 

 

ラキュースは王都の大通りから外れた、とある雑貨店まで来ていた。

『銀翼』のベリルから紹介された店だ。

 

他の面々を誘ったが誰も着いて来なかったので、一人で来た訳だ。

興味がない奴、聞いたことのない店名で魔法道具(マジックアイテム)を売っている訳がないと思ってる奴、それぞれだ。

 

イビルアイからは『そんな所で魔法道具(マジックアイテム)が売られている訳ないだろう。行くだけ無駄だ』と言われてしまったため、ラキュースは一人で来ていたのだ。

 

 

ラキュースは腕を組んで、思い返す。

『銀翼』のベリルが身に付けていたシルバーの髑髏の鎖……アレは、見た目に反して使用すると低位の回復魔法を起動できる歴とした魔法道具(マジックアイテム)だった。

元々、信仰系の魔法詠唱者(マジックキャスター)であるラキュースには必要のない魔法道具(マジックアイテム)だが……似たような見た目であれば、正直効果がなくても良いと思っていた。

 

ラキュースは指に十つのリングを身に付けている。

その理由、それは強力な効果を付与された魔法道具(マジックアイテム)……という訳ではなく、ただのオシャレだ。

かっこいいからだ。

そういった実用性のない装飾品でも、構わなかった。

 

正直、強力な魔法道具(マジックアイテム)でなくてもいい。

それでも気に入ったアクセサリーを買えれば良いな……なんて思っていたのだ。

 

 

(しかし、『アクセサリーショップ・SODOM』って……変な名前ね)

 

 

大きく掲げられた看板、壁も舗装されている。

場所が大通りの裏道にあるという事で、あまり目立たないが、新しい店特有のフレッシュさがあった。

 

ラキュースは一人頷いて、店の扉を開けた。

鈴の音が店内に響いたが……特に人影はなかった。

 

店内には様々な装飾品が並んでいた。

工芸品のように見える独特な彫り込みがされた銀のアクセサリー……骨を模った小物。

謎の魔法陣の形をしたコースター、十字架のピアス。

 

その景色にラキュースは思わず目を輝かせた。

 

かなり『イイ』。

普段から目についたオシャレ(個人的主観ではある)な物を購入しているラキュースも、こんなに『そういう』装飾品が並んでいるのは見たことがなかった。

 

視線を移して、物色していると──

 

 

「いらっしゃいませ……何かお探しでしょうか?」

 

 

いつから居たのか分からない、店員に話しかけられた。

その店員は妙齢の女性であり、ラキュースから見ても気品のある女性だった。

どこかの貴族……そう言われても納得がいくほどの容姿だ。

 

 

「あぁ……いえ、そうね。ベリルさんからの紹介で来たの。彼の持っていたような魔法道具(マジックアイテム)はあるかしら?」

 

 

そうラキュースが問いかけると、妙齢の女性……店員はニッコリと笑った。

 

 

「ええ、ありますとも。確認のため、お名前をお聞きしてもよろしいですか?」

 

 

ラキュースは少し困惑する。

何故、名前を確認するのか……いや、貴重な魔法道具(マジックアイテム)を取り扱うのであれば、当然か、と勝手に納得した。

 

 

「私は『蒼の薔薇』のラキュースよ」

 

「あぁ、あのラキュース様でしたか。これは失礼を致しました」

 

「いいえ、構わないわ。謝らなくても大丈夫よ?」

 

 

こういう時に知名度があると便利だと、ラキュースは安堵の息を吐いた。

 

 

「では、ラキュース様。店の奥まで案内致します。どうぞ、こちらへ……」

 

「ええ、ありがとう」

 

 

表に置いてある雑貨は魔法道具(マジックアイテム)ではないのか、と納得しつつ、店員に促され店頭から奥へと進む。

 

そしてふと、気になる事を感じた。

 

 

「……そういえば、貴女の名前は?」

 

「あら、私ですか?」

 

「ええ、ただの店員ではないのでしょう?」

 

「いいえ、ただの店員ですよ。店主ですらありませんから」

 

 

そう笑顔を浮かべる店員に、ラキュースは少し違和感を覚えた。

普通の店員が、このような優れた振る舞いをしているのか?

そもそも、貴重な魔法道具(マジックアイテム)を持つ店に護衛の一人も居ないというのは変だ。

 

そんな疑問を呑み込み、改めて質問する。

 

 

「……では、何と呼べばいいの?」

 

「呼び名、ですか。でしたら──

 

 

店員は気品のある振る舞いで、ラキュースへと振り返った。

 

 

「ラズロとお呼び下さい」

 

 

その顔には自身の名前に対する、自信が満ちていた。

故にラキュースは頷いた。

 

 

「良い名前ね」

 

「あら、そうですか?そうですよね。父上が名付けてくれたのですよ。良いでしょう」

 

「え、ええ、そうね……?」

 

 

急に饒舌になった店員に少し驚くが、それでもラキュースは頷いた。

人間誰しも、己の価値観を持っている。

このラズロという店員は父を敬愛し、尊敬しているのだろうと思った。

 

 

 

店奥の階段を下り、ラズロが扉を開けた。

そして扉横の何かしらの装置を動かせば、光が室内を照らした。

 

そこには木箱が積み上げられていた。

倉庫のような場所だと、ラキュースは思った。

 

 

「では、幾つかお見せしましょう。ラキュース様」

 

 

そうして、ラズロは幾つかの木箱を手に取り、中身を見せてくれた。

 

第一位階の魔法を完全に無効化し、第二位階の魔法すら軽減する指輪。

第一位階の魔法を溜め込み、任意のタイミングで解放できるネックレス。

同じ装飾品を装備した者同士が、互いの居場所を感知できる二対のピアス。

 

それらは確かに、ラキュースの目から見ても希少な魔法道具(マジックアイテム)だった。

見た目もこう、髑髏とか悪魔モチーフ、ドラゴンとかでメチャクチャ格好良かった。

だが、逆にそのような見た目だと……信仰系魔法詠唱者(マジックキャスター)であるラキュースが普段から身につけるには少々、そう、『暗黒の力(ダーク・パワー)』過ぎた。

 

魔法道具(マジックアイテム)は高い。

趣味で買うにはあまりにも高すぎる。

対して見せてもらった魔法道具(マジックアイテム)の効果自体は、あれば便利だが……どうしても必要かと言われると首を傾げる程で、ラキュースには必要とは言い難いものだった。

 

 

「ラズロさん、見せて頂いた魔法道具(マジックアイテム)は確かに素晴らしい物だったわ……でも、もっとこう……信仰系の魔法詠唱者(マジックキャスター)に向いているような物はないかしら」

 

「……ええ。でしたら、これなんてどうでしょう」

 

 

そして次に、ラズロが箱から取り出したのは──

 

 

「腕輪?」

 

「はい、『聖骸の腕輪(ホーリー・バングル)』という名前の魔法道具(マジックアイテム)になります」

 

 

そこには複雑で可憐な装飾が施された腕輪があった。

彫り込みは波と光を表し、十字架のようなモチーフまで存在している。

そして、その十字架の中心には仄かに輝く緑色の宝石。

なるほど確かに、信仰系魔法詠唱者(マジックキャスター)らしい見た目だ。

 

 

「その、この魔法道具(マジックアイテム)の効果は?」

 

「……はい、では実践しましょう」

 

 

問いかけると、ラズロは腕輪を手に取り自身の腕に巻いた。

話すより見せた方が早い、という事だろうか。

 

腕輪を装着したラズロは服のスカート……その切れ込みから、何かを取り出した。

 

 

「ここにナイフがありますね?」

 

「えっ!?……え、ええ。あるわね?」

 

 

護身用……にしては大きなナイフだ。

やはり、このラズロという店員、ただ者ではないのだろう。

恐らく、過去にミスリル……いや、オリハルコン級の冒険者だったに違いない。

 

そう考えているラキュースの前で、ラズロがナイフの柄を強く握った。

 

 

「そしてこれを──

 

 

ドスッ──と、自分の肩に突き刺した。

ラキュースの目の前で、血が飛び散る。

 

 

「ちょっと、なっ、何してるの!?」

 

 

ラキュースは慌てて、ラズロに回復魔法を使おうとして──

 

 

「いえいえ、慌てなくて大丈夫ですよ。問題ありません」

 

 

ラズロの装備している腕輪、その緑色の宝石が輝いた。

 

瞬間、ラズロの肩の傷は一瞬で消え去った。

全くの無傷であり、怪我の痕跡すら全くない。

 

 

「え……?」

 

「これが『聖骸の腕輪(ホーリー・バングル)』の効果ですよ」

 

 

そう言いながら、ラズロはナイフをスカートに収納し、腕輪を外した。

腕輪の十字架モチーフの中心にあった宝石は……色を失って、ただの石のようになっていた。

 

困惑するラキュースに、ラズロは笑顔を見せた。

 

 

「『聖骸の腕輪(ホーリー・バングル)』は装備者が致命傷を負った時、自動で回復魔法を発動する魔法道具(マジックアイテム)になります。回復魔法を有する信仰系魔法詠唱者(マジックキャスター)であるラキュース様なら、その重要性が分かりますね?」

 

「え、ええ……回復魔法を扱える者は、他の誰よりも長生きしなければならない……だからこそ、保険はあった方が良い……そうよね?」

 

 

ラキュースの言葉に、ラズロは頷いた。

 

 

「はい、詳しく説明致しましょう。『聖骸の腕輪(ホーリー・バングル)』は装備者から魔力を拝借し、蓄積する宝石と一体化しています。命の危機がある怪我をした際には、事前に貯めていた魔力で第三位階程度の回復魔法が自動で発動する……魔法詠唱者(マジックキャスター)向けの防具となりますね」

 

「……再び回復魔法を使用できるようになるには、どれぐらいの時間が必要なの?」

 

「『聖骸の腕輪(ホーリー・バングル)』は所有者が睡眠中に発生させた、余剰魔力を蓄積するので、平常時の睡眠前には装備していただき……ラキュース様であれば五日もあれば再使用出来るようになるでしょうね」

 

 

その言葉にラキュースは驚いた。

たった五日、この『聖骸の腕輪(ホーリー・バングル)』を装備して寝るだけで……致命傷を負った際の保険として何度でも使用できるという。

信仰系魔法詠唱者(マジックキャスター)でありながら、接近戦も行う剣士であるラキュースにとって、喉から手が出るほど欲しい魔法道具(マジックアイテム)だ。

 

 

「素晴らしい魔法道具(マジックアイテム)ね……それで、その……値段は幾らするのかしら?」

 

 

恐らく、かなり高価な魔法道具(マジックアイテム)だ。

ラキュース個人の資産で購入出来るのであれば『蒼の薔薇』のメンバーに相談せず購入出来るが、個人の資産を上回る価格であるのならば『蒼の薔薇』の面々と相談し、チーム全体の戦闘能力を上げるためだと説得しなければならない。

 

魔皇バアルという強力な仮想敵を見ている中、少しでも装備の質を上げたい。

それはラキュースにとって切実な望みだった。

 

 

「はい、価格は……そうですね。こちらで如何でしょう?」

 

 

ラズロが紙にペンを走らせて、価格を記載する。

調達にかかった費用、仲介費、本体の価値……そうして内訳を記載する姿勢に感心しつつ、ラキュースは合計金額を確認した。

 

 

「っ……あの、ラズロさん?」

 

 

しかし、記載されている価格はラキュースの想定とは全く異なっていた。

 

 

「なんでしょう?」

 

「この価格……ちょっと、安過ぎないかしら?」

 

 

あまりにも安かった。

確かにただの装飾品としては高価だが、魔法道具(マジックアイテム)としては並の価格だ。

ラキュースの個人資産でも問題なく購入出来る程度の値段だったのだ。

この性能ならば、家を買えるほどの値段にしても良い筈なのに。

 

 

「……はい。ご説明しようと思っていたのですが、この魔法道具(マジックアイテム)には少し欠点があるのです」

 

「欠点……」

 

 

ラズロに騙すつもりはなかったのだろう、彼女は箱からもう一枚の紙を取り出した。

 

 

「呪われているんですよ、『聖骸の腕輪(ホーリー・バングル)』は」

 

「の、呪い!?」

 

 

ラキュースは驚愕した。

そして少し、興奮した。

呪われた魔法道具(マジックアイテム)……それは、ラキュースが夜にこっそりと書いている日記にも登場するような、ロマンのあるアイテムだ。

 

ショックを受けるべき場面の筈だが、ラキュースは逆にテンションを上げていた。

 

 

「と言っても、命に別状があるものではありません。イタズラ程度の呪いですよ?」

 

「あら、そうなの?」

 

「はい。ただ少し、装備しながら眠るとエッチな夢を見る事があるだけです」

 

「そう、エッチな…………え?」

 

 

ラキュースは思わず、ラズロの顔を見た。

 

 

「エッチな夢なの?」

 

「はい、エッチな夢です」

 

 

真剣な表情を浮かべている……冗談ではなさそうだ。

 

 

「睡眠中に魔力が充填されるのですが、その際に精神への影響としてエッチな夢を見てしまうのではないか……と言われています」

 

「そ、そう……?」

 

 

困惑するラキュースにラズロは笑顔を見せた。

 

 

「ですが、呪いの影響を受けるのは素養のない人間だけです。優れた信仰系魔法詠唱者(マジックキャスター)であるラキュース様なら、呪いの影響は受けません」

 

「は、はぁ……そ、そうなのかしら?」

 

「はい。私の知人の魔法詠唱者(マジックキャスター)も呪いの効果は受けませんでした。ただ、一般的な貴族令嬢の手に渡った際には呪いの影響を受けたそうです」

 

「……そのご令嬢は、何か後遺症などなかったかしら?」

 

「いいえ?寧ろ喜んでおられましたよ。何でも、本人が片想いしていた相手に抱いてもらう夢を見たそうで」

 

「そ、そう……なら危険な魔法道具(マジックアイテム)ではないのね?」

 

「はい。万が一、呪いの影響を受けてもエッチな夢を見るだけですから」

 

 

ラズロの言葉に、ラキュースは頷いた。

素晴らしい効果を持つ魔法道具(マジックアイテム)、そして価格も自身の資産で購入可能という破格の安さ。

 

 

「…………」

 

 

呪いというデメリットはあるが、万が一発動しても命の危機はない。

そして、魔皇バアルという強敵の存在……そこから考慮しても、悩む要素は一つもなかった。

 

 

「ラズロさん、この魔法道具(マジックアイテム)頂けるかしら?」

 

「はい、お買い上げありがとうございます。ラキュース様♡」

 

 

ラキュースの言葉に、ラズロは満面の笑みを浮かべた。

その目は細く、細く……ただ歓喜に満ちていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手持ちの金銭では足りなかったため、翌日にまた購入するとラズロに伝えた所──

 

 

「いえいえ、本日中にお渡しで構いませんよ。七日程の間はお貸し致しますので、万が一、呪いなどで悪影響があれば……お返しして頂いて結構ですので。その際はお代も頂きませんよ」

 

 

と、手渡されてしまった。

対応自体はありがたいものであり、ラキュースは承諾した。

エッチな夢を見てしまうかも知れない、という呪いの効果を考慮すれば、試着しておくのも悪くないと思ったのだ。

 

恐らく、店としても『聖骸の腕輪(ホーリー・バングル)』に魔力を再充填して欲しいのだろう。

誰も不幸にならないならば、素直に受け取っておくに限る。

 

宿に戻ったラキュースは、イビルアイ等の『蒼の薔薇』のメンバーに自慢した。

素晴らしい魔法道具(マジックアイテム)を購入したと報告したのだ……呪いの影響などは言わなかったが。

 

実際、魔法道具(マジックアイテム)に詳しいイビルアイは最初、疑っていたが……『聖骸の腕輪(ホーリー・バングル)』を詳細に確認した結果、嘘偽りのない本物だと判明した。

実際、目の前でラズロのデモンストレーションを目撃したラキュースは疑っていなかったが、他の面々からは──

 

 

「そんな魔法道具(マジックアイテム)が格安で売られて堪るか!絶対に偽物だ!」

 

 

と疑われていたようだ。

 

翌日にイビルアイとガガーランも案内する予定となったが、『聖骸の腕輪(ホーリー・バングル)』については本物の魔法道具(マジックアイテム)であるという保証を得られた。

イビルアイが言うならば間違い無いだろう。

 

『銀翼』には感謝をしなければならない、とラキュースは考えていた。

あんな良い魔法道具(マジックアイテム)を売っている店なんて、普通ならば人に紹介したくないものだ。

独占したくなるだろう。

 

今度、『銀翼』の二人に会ったら食事でも奢らせて貰おう。

そう決心した。

 

 

 

そして、夜。

ラキュースは宿屋の一室、個室のベッドの前で寝巻きに着替えた。

腕には『聖骸の腕輪(ホーリー・バングル)』を装備したままだ。

 

店員であるラズロは言っていた。

魔力の充填は装着者が睡眠する事によって発生すると。

 

聖骸の腕輪(ホーリー・バングル)』の効果を再度使用できるように、これから五日間程は装備しながら寝なければならない。

 

 

……だが、ラズロの話していた内容を思い出す。

『素養のない者が持ちながら寝ると、エッチな夢を見てしまう』という、説明。

 

彼女はラキュースであれば呪いの影響を受けない筈だと、そう言っていた。

イビルアイも、人を害するような魔力は感じられないと言っていた。

 

だから、問題はない。

問題はない筈なのだ。

 

 

(……ええ、ちょっと心配性過ぎたかしら。イビルアイも言っていたし、大丈夫よ。大丈夫)

 

 

男性との交際経験のないラキュースからして、『エッチな夢』を見る可能性があるというのは、それだけでドキドキするものだ。

不安が殆どだが、ほんの少しだけ……そう、ほんの少しだけ期待もあった。

どんな夢を見てしまうのか、という未知に対する期待だ。

 

そうして、ラキュースは腕に『聖骸の腕輪(ホーリー・バングル)』を装備したまま、眠りに着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

筈だった。

 

ラキュースが目を開くと、そこは宿屋の一室ではなかった。

異様に柔らかい、実家の貴族家ですら買えないような上質なベッドの上だ。

天蓋から溢れる白い衣も、見た事のない素材で出来ている。

王族の住む宮殿よりも豪華な一室。

 

そんな場所にラキュースは居た。

 

 

(な、なんなの……?ここは、どこ……?)

 

 

困惑して、自身の服装を確認する。

宿で着ていた厚い生地の寝巻きではなく、透けるような素材で作られたネグリジェになっていた。

胸の部分すら透けており、乳房の先端……その赤みすら──

 

 

「っ……」

 

 

思わず、手で隠した。

下の部分も透けて金色の陰毛が見えていたが、ベッドに座っている都合上、それほど恥ずかしくはなかった。

 

現実離れした豪華な部屋。

突然転換した状況。

自身の状態。

 

現実とは思えない。

 

ラキュースは悟った。

魔法道具(マジックアイテム)の店で言われた『エッチな夢』を今、体験しているのだと。

 

 

魔法詠唱者(マジックキャスター)は夢を見ないんじゃなかったの……?想定外だわ)

 

 

ラキュースはそう考えつつ、自身の肌に爪を立てた。

……僅かに痛みを感じた。

 

 

(夢とは思えないほど、精巧な感覚……これが呪い?でも、寝ている状態からこんな場所に移動するなんて、位階魔法だとしても第七位階はあるんじゃないかしら……やっぱり現実ではないわね。幻覚の一種かしら)

 

 

冷静に分析しつつ、そのまま動けずにいると、急にドアが開き──

 

 

「お待たせ、ラキュースちゃん?」

 

「なっ」

 

 

男……下着姿の『銀翼』のベリルが現れた。

その整った顔立ちに相応しく、細身で筋肉質な身体からラキュースは目を逸らした。

 

 

「な、なんで貴方が──

 

「嫌だな。俺達、恋人じゃないか」

 

 

そう言いつつ、ベリルに頬を掴まれた。

そして、顔を覗き込まれる。

 

 

(何その設定……って、あれ?設定……?夢、なのよね……?)

 

 

目と目が合えば、ラキュースの意識は朦朧としていく。

 

 

(いえ、でも、そうね……そう、恋人?恋人だった?恋人だったわ……そうよ、恋人ね?)

 

 

頭の中をぐるぐると掻き乱されて、妙に身体が熱くなる。

 

 

(そうよ、恋人だったわ。恋人なのだから、何も変な所はないわよね?隠す必要もないわ)

 

 

ラキュースはそのまま、手を下ろした。

蕩けるような目で、男を見ながら秘部を露わにする。

 

 

「良い子だ、ラキュース」

 

 

男に褒められ、頭を撫でられる。

それだけで多幸感が身体の中に満ちた。

 

そのまま頭から頬へ、手が降って行く。

まるで犬のような扱いだが、ラキュースはそれに満足していた。

 

そしてゆっくりと、男が触れる場所が下がっていき……ラキュースの胸に優しく触れた。

 

 

「あっ……♡ベリル、手が……む、胸に当たってるわ」

 

「それがどうしたんだ?恋人なんだから、当然だろう?」

 

 

少しラキュースは困惑したが、納得した。

そうだ、恋人なのだから胸ぐらい触られたって良いじゃないか。

 

 

むに♡むにぃ♡♡

 

「あっ♡……あっ♡♡」

 

 

同年代に比べて大きめの胸に男の手が触れる度、ラキュースの体に刺激が走った。

それはとても気持ちいい感覚だった

 

 

ぐにっ♡♡ぐにぃ……♡♡

 

「あぁ♡ちょっと、んっ♡触りすぎよ……?♡」

 

 

男に注意するが、言動だけで止める気はなかった。

ラキュースは淑女であったが、今はただ脳内が淫美な感覚で支配されていた。

 

 

「ん?これから性行為(セックス)するんだ。胸ぐらい揉んだって良いだろ?」

 

「え、せ、性行為(セックス)を……?」

 

 

それは流石に駄──

 

 

ぎゅぅ♡♡

 

「ひゃんっ……♡♡♡」

 

 

駄目じゃない。

恋人だもの、好き合ってるのなら当然だ。

性行為(セックス)するのは普通の事だ。

変な事じゃない。

 

 

もみ♡もにゅ♡♡

 

「あっ♡あぁっ♡♡」

 

「ラキュース、胸で感じるなんて随分可愛いな」

 

 

男の言葉にラキュースは首を振った。

 

 

「ち、違うわよっ……!だって私、自分で触ってもこんなっ───

 

ぎゅぅう♡♡♡♡

 

「やっ♡ぁ、ん……っ♡♡♡」

 

 

乳首を捻られ、ラキュースは思わず嬌声を上げた。

触られた程度で性的興奮を感じている自身の身体に驚きつつ、ラキュースはその快楽を受け入れていた。

他のことがどうでもよくなるぐらい、気持ちよかったからだ。

 

男の手が下腹部に伸びる。

ゆっくりと臍を撫でて、そのまま……ラキュースの女性器(おまんこ)に指先が触れた。

 

 

「随分と濡れてるな?ラキュース」

 

「そ、そんな事……い、言わなくても、んっ♡♡」

 

 

ぬぢ……と粘液が音を立てる。

ラキュースは少し恥ずかしくなった顔を赤らめた。

 

 

「少し味見させて貰おうかな」

 

 

そして、男は頭をラキュースの秘部へと近づけ──

 

 

れろぉ……♡

 

 

舐めた。

 

 

「ま、待ってっ、んっ♡そ、そんな所っ、汚いから、ぁっ♡」

 

「ラキュースに汚い所なんてないさ」

 

にゅりゅ♡ざりざり♡♡

 

「あっ♡だめっ、だめなのっ♡♡」

 

 

陰唇から恥丘までじっくりと舐められる。

陰核でざらざらとした舌の感触を感じて、思わず身をよじろうとし──

 

 

「こらこら、逃げちゃダメだろ?」

 

 

腰をガッチリと掴まれた。

 

 

れろ♡れろぉ♡

 

「あっ♡あぁっ♡♡」

 

 

逃げられない状態で、ラキュースは腰を痙攣させる。

あまりの気持ちよさから、今まで感じた事のない不思議な焦燥感すら覚えていた。

 

 

ちゅっ♡ぢゅぅ♡♡

 

「あ、っ♡だ、だめよっ♡そ、そんなっ♡♡」

 

ぢゅぅ♡ぢゅぅうう♡♡

 

「す、吸うのっ……♡ダメ……っ♡♡♡」

 

 

自慰の何倍も気持ちいい快楽に、ラキュースは自身の口元を押さえた。

抑えなければ下品な喘ぎ声を上げてしまうと、自覚したからだ。

 

それでも男の愛撫は止まらない。

それどころか少しずつ、強く、激しくなっている。

 

 

ぴちゃ♡ぴちゃ♡♡

 

「っ……♡うっ……♡♡」

 

ぢゅっ♡ずちずちゅ♡♡

 

「いィっ♡♡ダメ、待って♡待ってっ♡♡」

 

 

ラキュースの女性器(おまんこ)は既に限界を迎えていた。

快楽の波が押し寄せ、ほんの少しでも気を抜けば絶頂してしまう程に。

男の舌を敏感に感じ取り、陰核(クリトリス)を痛いほどに硬くしていた。

 

 

ぬぢっ♡ぬぢっ♡♡

 

「イ、クから……♡イク、イク♡♡」

 

 

絶頂を迎えそうな事を男に言うと、男はニタリと笑った。

 

 

「あぁ、イけよ。ラキュース」

 

 

そして、硬くなった陰核(クリトリス)に口を近づけて──

 

 

ぢゅぅぅぅ♡♡♡

 

「い゛っ♡♡ぅ〜〜〜〜ッ♡♡♡」

 

 

強く吸われたラキュースは、即座に絶頂した。

腰をかくかくと動かしながら、足を痙攣させれる。

自慰では感じた事のない膨大な快楽が身体を駆け巡り、腰を自然と浮かす。

身体が快楽から逃れようとしているのだ。

だが、そんな事では内側から湧き出る快楽から逃れる事はできない。

 

ただ、壊れた玩具のように痙攣する事しか、ラキュースには出来なかった。

 

 

「随分と派手にイッたな?ラキュース」

 

「や、やめてくれないんだもの……酷いわ……♡」

 

「酷いだなんて心外だな。ただラキュースに気持ちよくなって欲しかっただけさ」

 

 

そう言いつつ、男はラキュースの頭を撫でた。

ラキュースはその仕草に呆けつつ、顔を赤らめた。

 

ラキュースは異性に優しくされる事に慣れていなかった。

貴族家に居た頃は貴族としての振る舞いを強要され、家の外の男には卑しい目で見られていた。

冒険者となった後、舐めた目で見てくる奴は実力で黙らせて、アダマンタイト級になった後は畏れられるようになった。

 

故にこうして、ただ一人の女として愛でられる事に耐性がなかった。

 

 

ラキュースの元へ、男の顔が近付く。

思わず、唇を突き出せば……男と唇が重なった。

 

 

ちゅっ♡ちゅっ♡♡

 

「んっ……♡」

 

 

優しいキスに、ラキュースは目を閉じた。

 

 

ちゅぅ♡ちゅる♡♡

 

「ん……んっ♡♡」

 

 

そしてゆっくりと、男の舌がラキュースの口に入る。

 

 

れろ♡くちゅぅ♡

 

「んぅっ♡んぁっ……♡」

 

 

舌を絡めるキスをすれば、ラキュースの脳内はぐちゃぐちゃになっていた。

気持ちいいと、好きが脳内を駆け巡り……ラキュースは腰をへこへこと痙攣させた。

女性器(おまんこ)もヒクヒクしており、快楽を求めて切なくなっている。

 

そんな様子を見て、男は頬を緩めた。

 

 

「そろそろ挿れようか」

 

「え……?」

 

 

ラキュースの前で、男は下を脱いだ。

瞬間、太くて長い男性器(おちんぽ)がラキュースの前に現れた。

 

 

(お、男の人の……って、こんなに大きいの……?)

 

 

驚きつつ、思わず自身の股間に手を伸ばし……ラキュースは首を横に振った。

 

 

「だ、ダメよ!そこまでしたら、赤ちゃんが出来ちゃうわ……!まだ私、やるべき事が──

 

「大丈夫、だいじょーぶ。避妊用の魔法使うからさ、子供も出来ないよ」

 

「そ、そうなの?なら良いのかしら……」

 

 

ラキュースは困惑する。

避妊魔法なんて聞いた事がない。

そんなものあるかも疑わしい。

だというのに、ラキュースは納得しかけていた。

 

理性では挿入を伴う性行為(セックス)はするべきではないと思っているが、身体は性行為(セックス)を求めているのだ。

 

 

「いいじゃないか、ラキュース。なぁ──

 

 

ラキュースの肩に手が触れる。

ゆっくりと男が耳元へと口を近付ける。

 

 

「子作りじゃない、ただ快楽を貪るための性行為(セックス)……したいだろ?」

 

「あ……え、ええっと──

 

 

ラキュースの脳内がぐるぐると回る。

倫理と性欲、快楽と自制心、ぐるぐると混ざり合い、そして最終的に導き出された答えは。

 

 

「し、したい……♡」

 

 

性行為(セックス)への同意だった。

ラキュースの言葉に、男は嬉しそうに目を細めた。

 




夢オチではありません。

今後欲しい話は?

  • クレマンティーヌの続き
  • ラナーの続き
  • エンリ
  • ヒルマ
  • ドラウディロン
  • プレアデス
  • その他、現地人
  • その他、ナザリック勢
  • ※結果だけ確認する
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。