【R-18】オバエロ:至高の淫魔がスケベする話 作:口だけの淫魔
バハルス帝国の皇帝、ジルクニフがナザリックに来てから一週間が経過した。
その間に、モモンガさんが「アインズ・ウール・ゴウン魔導王」という名前を名乗る事が決まったり、建国される国の名前が「アインズ・ウール・ゴウン魔導国」に決まったりした。
領地の話やら他、色々とデミウルゴスが指定したり……うん。
その辺は全部任せてる。
それでもって決まった情報やら何やらを、帝国と連携する事となり、その担当となったのが──
「という訳でジルクニフ殿、以上がナザリック内で決まった内容だ。帝国側に問題はないか?」
「あぁ、構わないとも。ベリアル殿……そちらの要求は全て呑もう」
俺の目の前でジルクニフが好青年のような笑みを浮かべた。
まぁ、内心は死ぬほど緊張しているのだろうが。
ここは帝国の帝城、その一室。
俺とジルクニフ、そして、俺の付き人としてラズロが居て、ジルクニフの付き人として帝国四騎士のレイナースが居る。
普通の心情なら、もっと護衛の騎士が欲しいだろうが……俺を相手に何人騎士が居ても意味がない事をジルクニフは理解しているのだろう。
騎士を複数人用意しても意味がないのならば、俺への印象を悪くしないために、最低限の騎士を一人のみ方がマシだ。
しかし、レイナースか。
定期的に俺へ向けて熱っぽい視線を向けて来ている。
俺が色男だからか……なんて自惚れはしない。
ラズロからも聞いていたが、顔の呪いについて相談したいのだろう。
皇帝の前だから話しかけられずに居るみたいだが。
っと、今はジルクニフとの会談に意識を戻そう。
「それで、王国への布告は済んだのか?ジルクニフ殿」
「いいや、それがまだ……少々手間取っていてね。先程頂いた情報も含めて、どこまで王国へ話を通すかが難しいんだ。国政というやつだな……ベリアル殿にも分かるだろう?」
分かんないよ。
俺、国王とかやった事ないし。
「それは確かにそうだな。なら、そちらの話が進展する目処は立っているのか?」
でも、舐められない為には知ったかぶりもしないとな。
見よ、デミウルゴスとの会話で鍛えた知恵者 (偽)ムーブを。
「一週間程、時間を頂きたい。その間、可能であれば帝国に滞在してくれると助かるのだが……」
「構わないとも。それで、宿でも取ってくれているのか?」
「いやいや、ベリアル殿にそんな事はさせられんよ。帝都内にとびっきりの邸宅を用意させて貰った。メイドも含めて用意してあるから、良ければ受け取って欲しい」
「それはありがたい。受け取らせて貰おう」
うーん、至れり尽くせり。
でも、これ親切心だけじゃないよな。
そもそも都合よく用意している事からして変だし。
俺を懐柔しようという策か。
ナザリックという強大過ぎる国に対して、帝国側の意見を通せるようにNo.2である俺を手駒にしたいのだろう。
いや、手駒にする……そんな所までは、ジルクニフも望んでいないか。
高望みだしな。
恐らくは、とにかく帝国に対して好印象を抱かせたい一心だ。
モモンガさんは帝国に対して、これっぽっちも好意的な目を向けてなかったし、ジルクニフの焦りも理解できる。
しっかし、モモンガさん。
帝国に対して苛々してたのは……あれか。
原作では対等な友達がいなかったから、ジルクニフを友として扱い、同じ国を治める者として参考にしたがっていたのだが……俺という存在が横にいる所為で、対等な立場の人間を欲していないみたいなんだよな。
嬉しいような、申し訳ないような気持ちだ。
まぁ、俺としては帝国に滅んで貰うと後味が悪いし、ジルクニフの事は最大限守ってやる気だ。
嫌いじゃないし、別に。
「屋敷に関して、今後もベリアル殿が帝国に来られる際には使って頂きたい。中にある家具や、配置したメイドに関しても完全にベリアル殿に譲渡させて頂こう」
「良いのか?そんなに貰ってしまって」
「良いとも。私とベリアル殿との仲じゃないか」
うーん。
つい最近、帝都内に用意していたベリル商店の邸宅を売り払ったばかりなんだけどな。
媚を売りたいんだろうな……まぁ、貰えるものは貰っておこう。
俺は机に置いてあるティーカップを手に取り、紅茶を口に含む。
流石は皇帝……高級品っぽい、お紅茶ですわ。
まぁ、ナザリックの……ラズロが淹れてくれた紅茶の方が美味いんだが。
「では、これから屋敷を案内させよう。レイナース、頼めるか?」
「了解致しましたわ、陛下」
おっと。
レイナースがジルクニフの言葉に頭を下げて、俺の側まで来た。
「では、私が案内させていただきますわ。ベリアル様」
「それはどうも、レイナース殿」
そのままレイナースに案内され、俺とラズロは部屋を後にした。
後にしたのだが……。
人外の聴力の所為で、部屋の中からクッソ大きな吐息の音と、椅子に深く座り込んで軋ませるような音が聞こえた。
ジルクニフ、ストレス抱えてんだろうなぁ。
可哀想に……俺達の所為だけど。
「どうかされましたか?ベリアル様」
「ん?いや……何でもないさ。行こう」
俺はレイナースの言葉を誤魔化して、苦笑した。
ジルクニフから貰った館は、帝都の一等地だった。
正面に本館、左右に別館もある大規模な邸宅だ。
ここが本当に一等地なのか疑いたくなるほど、敷地が広い。
庭でサッカーと野球が同時に出来るぐらい広いぞ。
床は埃がないほど磨かれており、窓も透き通っている。
無数にある部屋には一級品の家具が配置されており、莫大な財力をかけて用意されたのだと理解できた。
まぁ、そりゃナザリック以下だが。
これが帝国の全力だろう。
別に見下しているつもりはない。
寧ろ、ジルクニフはここまでしてくれたのかと感心したぐらいだ。
ナザリックがこの世界のどんな財宝よりも優れているのは事実だしな……仕方ない。
しかし、金や宝石の装飾品が少ないのはいい事だ。
度が過ぎた高級品は、中々普段使いし辛いんだよな。
俺の性根は一般人だからな……金銀財宝みたいな家具で生活すると、息苦しいんだわ。
「うん、素晴らしい屋敷だな。レイナース殿」
「ベリアル様に喜んで頂ければ、幸いですわ」
レイナースが安堵の息を吐いた。
……レイナースは、他の四騎士であるバジウッドやら、騎士達やら、ジルクニフに比べて、それほど俺に怯えていないようだ。
まぁ、レイナースはナザリックに入って来なかったしな。
他の面子と違って、異形種の軍勢も言伝だろうしな。
それでも、ほんの少しの怯えが見えるのは……俺がツノやら羽根を生やしているのを見たからか。
今はもうツノも羽根も生えていない完全な人間モードだが……ここに来る時に、箔を付けるために敢えてツノと羽根を生やしていたのだ。
ちなみに本物のツノと羽根ではなくて、アクセサリーの偽物なんだが……ハロウィンイベントのガチャで出た賑やかしアイテムで、能力値は何も上昇しないゴミだ。
そのまま、レイナースに屋敷内を案内されて──
本館のエントランスホールに、メイドが並んでいた。
統一感のあるクラシックなメイド服を来た女だが……年若い者なら少女と呼べるほど、上の方でも妙齢、というぐらいだ。
そして、どのメイドも美しい顔立ちをしている。
合計で14人、美人メイド達だ。
うん、いいね。
可愛い女の子は好きだよ、俺。
「彼女達はベリアル様に贈与されるメイドとなります。お好きなように扱って下さって結構……との事です」
ん?
ちょっとレイナースの物言いは、歯の奥に何か挟まったかのような物言いだな。
……あー、なるほど?
このメイド達は俺に対する人身御供みたいなものか。
贈り物というより捧げ物、なんだな。
だからそう、誰も彼も緊張した顔をしているのか。
ナザリックのベリアルという強大なバケモノに贈り物とされてしまい、恐怖を感じているのだ。
……うーん、可哀想に。
俺は努めて笑みを浮かべた。
人好きのするイケメン笑顔を喰らえ。
「来てくれてありがとう。これから、よろしく頼むよ」
「「は、はい」」
メイド達が各々、頭を下げた。
ちょっと怯えていた。
ジルクニフの真似をしてみたがダメだったみたいだ。
……まぁ、俺もジルクニフも顔が良い男だが、俺はどっちかというとこう、ヤンチャしそうなイケメンだからな。
オラオラ系のイケメンだし、怯えられても仕方ない。
……うん、俺は悪くない。
「メイド達に関しては、別館で生活させて、本館を含めて維持させればよろしいかと思いますわ」
「なるほど。その辺りの担当は、俺のメイドであるラズロに管理を任せよう」
そう言いつつ、メイド達に視線を戻した。
「後で今後についての話をさせて貰う。このままで悪いが、エントランスで待機して貰っても構わないか?」
「は、はい!畏まりました!」
メイドの一人が返事した。
そのままエントランスを抜けて、レイナースから更に案内される。
でも庭やら水回りだとか説明されても、あんまり面白くないな。
適当に聞き流していると、邸宅内の案内が完了したようだ。
レイナースが頭を下げた。
「では、これにて案内を終了させて頂きますわ。何かお困りのことがあれば、相談して下さい」
「長時間ありがとう、レイナース殿」
「いえ、仕事ですので……」
俺の言葉にレイナースは少し笑みを浮かべた。
ちょっとは緊張もほぐれたみたいだ。
「……それで、レイナース殿。俺に何か話したい事があると聞いたのだが」
ちら、っと俺がラズロに視線を向けると、レイナースは頷いた。
「はい……その、この顔の件で相談できればと」
レイナースが長い前髪を掻き上げると、顔の右半分がグズグズに崩れているのが見えた。
うわ、痛々しい。
左半分が美女なのに、右半分が溶けている。
黄色い膿みたいなのも滲んでるし……可哀想だな。
「……申し訳ありません。お見苦しい物をお見せしましたわ」
俺が黙っているのを見て、レイナースが申し訳なさそうな顔で謝った。
いや、確かにまぁ、うん、気持ち悪い……が……我慢出来ない程ではないし……レイナースも好き好んでこんな状態になった訳でもないし、彼女を責めるつもりはない。
生理的悪寒が全くない訳ではないが、彼女への同情や憐憫の方が遥かに大きい。
だから──
「気にしなくて良い。少し驚いただけだ……レイナース殿が謝る理由は一つもないさ」
「そう……ですか。ありがとうございます」
安堵したような顔でレイナースが頭を下げた。
……色々と言われてきたんだろうな。
少し卑屈になってるみたいだ。
「場所を移そう。どこか適当な部屋で詳しく見ても良いか?」
「は、はい。お願いしますわ」
そのままレイナースを連れて、部屋の一つに入った。
これからする内容であったり会話を、メイドに聞かせたくなかったからだ。
人の耳って何処にあるか分からないしね。
レイナースをベッドに座るよう促して、真正面に立つ。
「少し触れるが……構わないか?」
「……はい」
嫌そうだな。
俺は片手でレイナースの前髪を持ち上げて、もう片方の手で崩れていない左頬に触れた。
「っ……」
レイナースが緊張したように息を呑んだ。
しかし、この顔の呪いが解けるのであればと我慢しているようだ。
健気なものだな。
俺は視線をレイナースの崩れた顔へと向ける。
うーん、さっぱり分からん。
というか俺、解呪師でも神官でもないし、この世界の呪いについては詳しくないんだよな。
じゃあ何で、こんな触診紛いの事をしているかというと、いきなり解呪方法を提案しても納得して貰えなさそうだからだ。
例えば、だ。
自身が謎の奇病にかかった時、医者が検査もせずに「手術をしよう」とか言われたら信用できるか?
様々な審査やら、質問やらの上で「手術が必要だ」と言われた方が信用できるだろう。
……まぁ、これ以上見ても仕方ないし、質問するか。
「……この呪いを受けた状況について、説明してくれるか?出来るだけ詳しく」
「はい、分かりましたわ。この呪いを受けたのは──
ぽつり、ぽつりとレイナースは語り始めた。
まぁ、俺が知っている情報と差異はなかったな。
自領のモンスターを討伐した際に、死に際の呪いを受けた事とか。
まぁ、色々と。
「……なるほど。モンスターの呪いに効くアイテムに関しては、思い当たる節がいくつかある」
「っ、本当ですか!?」
レイナースが思わず、と言った様子で顔を近づけてきた。
……まつ毛長いな。
黙ってしまった俺を見て、レイナースは慌てて座り直した。
「も、申し訳ありません……失礼しました」
「いや、君みたいに綺麗な女性に、顔を近づけられて驚いただけさ」
「……お世辞が上手いのですね、ベリアル様」
お世辞じゃないんだが。
今の状態でも全然抱けるぐらいには可愛いぞ、レイナース。
寧ろ抱きたい。
顔にデバフのってる状態でも、全然可愛い。
めちゃくちゃ抱きたい。
……いや、違う違う。
俺はそういう事のために、こんな事をしている訳ではない。
レイナースの呪いを解く目的は、別にレイナースを抱きたいからとかそういう訳ではない。
帝国内に俺の、というかナザリックの協力者を増やして、帝国が敵対しないようにする事が目的なのだ。
今のモモンガさんだと、帝国が少しでも反抗的な態度を取ると『なら、滅ぼすか』って即断しそうだし、デミウルゴスも嬉々として滅ぼしに来そうだからな。
俺は世界平和のために頑張ってるんだ。
決してチンポが気持ち良くなる為ではない。
「話を戻そう。呪いの解呪方法について、
「……そう、ですか」
レイナースは顔を強張らせた。
まぁ、
帝国四騎士だけあって高級取りだろうし、自前で様々な解呪アイテムを集めていただろうが意味もなかったのだろうし。
それだけ強力な呪いを解呪できるアイテムがあるとすれば、国宝級以上のアイテムでレイナースには手も届かない……とか、考えてそう。
実際、ユグドラシル産のアイテムは、この世界の住民がどれだけ金銭を捧げても手に入らないような凄まじいアイテムばかりだ。
ちょっとした低位のポーションですら、王族が大金叩いて買いたがるレベルだし。
だからこそ、解呪できる可能性があると聞いても、レイナースは手に入れらないと悔しそうな顔をしているのだ。
「ナザリック内の呪いに詳しい者への相談と、アイテムの選別も含めて……そうだな、三日程くれないか?」
「……え?」
「ん?」
俺の言葉にレイナースが驚いたような顔を浮かべている。
「私では……ベリアル様が納得のいくようなお返しは用意できませんわ。それでも、構わないのですか?」
「見返りは不要だ……なんて言うつもりはないが、それほど高くは求めないさ。レイナース殿が心を込めた『お返し』なら、きっと俺も納得するだろう」
言外に『金銭は別にいいよー、気持ちがこもってれば』と含める。
俺の目的はレイナースに恩を売り、彼女をナザリックの協力者にする事だ。
帝国の中枢にアインズ・ウール・ゴウン魔導国の協力者が用意できれば、ジルクニフも無視出来ないだろうし。
そう考えて口にした言葉に、レイナースは少し顔を強張らせた。
「……分かりましたわ。もし解呪して頂けるのであれば、私の全てを貴方に捧げる事を誓いますわ」
い、いや……だから、そこまで気負わなくても良いって。
でも、全てを捧げるって……なんかちょっと、こう、エッ……ん゛ん゛っ!
すー、はー、深呼吸。
ふー……よし、邪念は心の奥底にしまっておこう。
「その気持ちは嬉しいが、そこまで気負わなくていい。解呪出来ると決まった訳でもないしな……取り敢えず、三日後にまた屋敷まで来てくれ。予定があるならば、別日でも構わないが」
「いえ、三日後で構いませんわ。お邪魔させて頂きます」
……ま、三日後じゃなくてもアイテムの用意ぐらい一日も掛からないんだけどね。
ちょっと転移して回収し、また転移して戻ってくるだけだから。
まぁ、手間暇掛けてる感じを出すのが大事だ。
軽く解呪しちゃうと、恩を感じてくれない可能性があるしな。
という訳で、レイナースと今日はお別れだ。
玄関まで見送りに来た。
「今日は屋敷の案内をしてくれてありがとう、レイナース殿」
「いえ、こちらこそ相談に乗って頂き感謝しますわ。ベリアル様」
来た時よりも幾分か明るく、レイナースが笑みを浮かべた。
まぁ、悩んでいた呪いについて解決するかも知れないんだから当然か。
しっかし、ベリアル『様』か……。
「レイナース殿。俺を呼ぶ時に敬称は必要ない。呼び捨てで構わないさ」
なんか距離を感じるんだよな。
ナザリック内でもアルシェやメイド達は俺のことを様付けしてるが、あっちは俺に対する尊敬の念っぽいから良いんだけどな……レイナースは俺に対して尊敬とかしてないだろ?
単純に心の壁を感じるんだよな……まぁ、初対面だから当然だとしても、もう少しフランクに話しかけて欲しい。
「……でしたら、私の事を『レイナース』と呼んで頂けませんか?」
と、思ってたら、そんな事を言われてしまった。
「では、これからはレイナースと呼ばせて貰うとするかな」
「はい、構いませんよ。ベリアル『様』」
「……わざとやっているのか?」
「いえ?ですが他国の偉い方に、騎士の身である私が軽々しく話せる訳もありませんから」
……なら仕方ないか。
俺が不服そうな顔を浮かべると、レイナースは少し笑った。
何だか、先程までの笑みとは違う自然な笑みだ。
「では、また三日後に来させて頂きますわ。またお会いしましょう、ベリアル様」
「あぁ、また来てくれ。レイナース」
レイナースは俺に手を振って、止めてあった
まぁ、中々、仲良くなれたんじゃないかな。
うん。
ちら、とラズロを見ると俺の顔を見て苦笑いしていた。
「……なんだ?」
「いえ、何でも。父上って女たらしの才能ありますよねー、って」
「……いや、そんな事ないだろ。過大評価だ」
ジルクニフみたいに上手くはいかない。
もっとこう、誰からも好かれるような色男になりたいよ。
その為には、この溢れんばかりの性欲を何とかしなければならないな。
チンポで物事を考える癖を直さなければ……。
「じゃあ、ラズロ。メイド達の仕事の割り振りやらを考えて貰って良いか?」
「はい。あと、諜報目的の者や、危害を加えようとする者がいないかも調査しておきますね」
「ん?あぁ、そうか……そうだな、頼む。俺は一旦、ナザリックから荷物の搬入でもしておこう」
まぁ、何人かはそういう目的の奴が混ざってるだろう。
対処をどうすべきか考えておかないとな……。
「父上。魔法で記憶を読み取った所、全員が諜報でした。ハニートラップという奴です」
ラズロの言葉に、俺は荷解きをしていた手を止めてため息を吐いた。
「そうか」
そして、天を仰いだ。
まぁ、天といっても、天井だが。
「そうか……」
全員か……全員ね。
そうか、全員……。
「………」
ジルクニフ〜っ!!!!
何が綺麗どころのメイドを用意した、だ。
舐めやがって!
「といっても、あわよくば父上と親身な関係になり、情報を抜き出して実家に報告するという目的程度ですが」
「あ、そう」
まぁ、暗殺とか狙われていないだけマシか。
それに、機密情報を盗もうとか、重要なアイテムを盗もうとか、そういう目的ではなさそうだし。
ジルクニフとしては、少しでも俺から情報を抜いたり、帝国内にお気に入りの女を作らせて帝国に危害を与える可能性を減らしたいとか、そういう目的なんだろうな。
……まぁ、許してやるか。
モモンガさんだったら、絶対ブチギレていただろうが。
俺は心が広いのだ。
「それで、父上。如何しますか?全てのメイドを断首して、実家に贈り返しましょうか?」
「いや、待て待て待て待て」
ここにもキレてる奴が一人居たわ。
ラズロは人間に友好的なのだが、俺やナザリックと敵対したり侮辱したり、舐めた真似をした奴には容赦がない。
その辺は他のNPCと一緒なんだよな。
忠誠心の現れだし、嫌ではないが。
俺はラズロに視線を戻す。
こっわ、笑顔だが目が笑ってない。
「ラズロ。そのメイド達も望んでこんな事をしている訳ではないだろ?実家……というか、皇帝からの指示だろうし、仕方ない」
「……そうですか?」
「そうだ」
あれだよな。
親会社の社長の命令なんだ。
子会社の平社員が断れる訳もない。
俺は息を深く吐いて、ラズロの視線を戻した。
「それに、ラズロ。別にこちらを害そうとしている訳じゃないんだ。許してやれ」
「……父上がそう言うのであれば」
不服そうだ。
しっかし、どうするかな。
メイド全員が諜報目的か。
変に情報を皇帝に届けられても……まぁ、困るような情報を口にしなければ良い話だが。
信頼できないメイドを屋敷内に囲うのも疲れるしなぁ……どうすべきか。
そんな、俺に対しての忠誠心で上書きする方法なんて──
いや、あるわ。
全員、俺の<性奴隷作成>スキルで洗脳すれば良いんだ。
次回はクリアーナ・アクル・アーナジア・フェレックです。