※この作品はR-18です。

【R-18】オバエロ:至高の淫魔がスケベする話   作:口だけの淫魔

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幕間です。エッチなシーンはありません。


#9 幕間・ナザリック

薄暗い空から酸性雨の降る中、俺は両親が死んだ事を知らされた。

企業の幹部だった父母はアーコロジーの外で融和政策の食事会に参加していたらしいが、そこで自爆テロが発生した。

あれはアーコロジーの外の人間の仕業なのか、それとも企業内部の過激派の仕業か。

 

それは分からない。

 

莫大な遺産を残された子供の俺に、親戚を名乗る大人が絡んできた。

どいつもコイツも、俺じゃなくて遺産が目当てだ。

 

子供だからと舐められていたが、幸いにも俺は普通の子供ではなかった。

 

自分自身で財産を管理し、俺は親戚達を排除した。

 

両親が残してくれた高層ビルの一室。

そこで俺は遺産を食い潰していた。

 

将来に希望が見えず、ただただ、惰性で学校に通う。

 

 

そんな中、俺に恋人が出来た。

初めての恋人だった。

両親の居ない俺を憐れんで、慰めてくれた。

彼女はアーコロジーの中でも底辺の家庭で、貧しい家だった。

ほんの少しのキッカケで、アーコロジーから出ていかなければならない程に。

 

俺はその女が幸せになれるなら、と金を注ぎ込んだ。

それでずっと一緒に居てくれたら、と。

 

幸せだと思った。

それで良いと思った。

 

 

だが……違った。

 

 

女は俺を捨てて、他の男に乗り換えた。

 

彼女の目的は俺の資産だった。

家族が路頭に迷わないように、騙しやすい男を掴んだに過ぎない。

本命は別に居て、俺はただの財布だった訳だ。

 

 

別に、恨んではいない。

生きるために仕方なかったのだと、今でも納得している。

 

だが、俺は人を信用出来なくなった。

人の好意が信用出来なくなった。

 

俺は魅力のない人間だ。

ただ金だけ持っていた。

俺を「好き」だなんて言う奴は全員、嘘吐きだ。

どいつもコイツも、どいつもコイツも。

 

 

顔も知らないゲームの中で、本当の俺を知らない奴の好意だけが本物に感じられた。

ユグドラシルの、アインズ・ウール・ゴウンの奴らだけが俺の友人だった。

 

それだけが、俺にとって本当の──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を開く。

 

薄暗い闇の中、ベッドの上から窓を見る。

月明かり、星……それは本物なんかではない。

ブルー・プラネットさんが用意したプラネタリウムだ。

 

人工の光が部屋を照らしている。

 

 

「…………」

 

 

ベッドの上で全裸の俺は……すぐ横で眠る存在に目を向けた。

金髪のボブカット、色白の肌。

整った顔立ちは……今はただ眠っている。

 

あんなに警戒心が強くて安眠できないとか言っていたのに、こうして俺が隣にいても眠っている。

 

手を伸ばして……髪を撫でる。

 

 

「…………」

 

 

ちょっと笑った、そんな気がした。

 

クレマンティーヌは俺のことが好きらしい。

それは言動で、振る舞いで……仕草で、そう教えてくれる。

信用できると思っている。

だが、それでも……一歩、深くには踏み入れられない。

 

俺は根本で人を信用できていない。

俺は人を食い散らかして、我儘に振る舞う屑だ。

この世界に来てからは、さらにもっと。

 

そんな俺すらも、クレマンティーヌは許容してくれた。

その事実に俺は……嬉しかった、のだろうか。

本当は否定して欲しかったのかも知れない。

嫌われた方が楽だったかも知れない。

 

だけど、好きと言われた。

 

ならば、俺はその気持ちに応える必要がある。

 

 

「…………」

 

 

将来的に俺はクレマンティーヌをどうするべきなのか……いや、どうしたいのか。

 

俺は彼女と恋人になりたいのか?

彼女に子供を産んでほしいのか?

 

……分からない。

違う、とも言えない。

そうだ、とも言い切れない。

 

ただ、分かるのは……彼女に嫌われたくないという、浅はかな俺の感情だけだ。

 

 

「…………」

 

 

俺は再び、ベッドに転がった。

 

 

 

憂鬱な感情だっていうのに、ちんぽがバキバキに勃起していた。

つらい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝、クレマンティーヌも目が覚めて身支度をしていると……部屋にメイドが入ってきた。

人間型の妙齢のメイドだ。

 

彼女は朝食を持ってきてくれた。

机に皿が置かれ、そこには柔らかなパンとバターやら何やらかんやらが置かれていた。

なんかこう、ホテルの朝食みたいな感じだ。

 

 

「では、私は失礼致しま──

 

「いや、待て。お前も一緒に食わないか」

 

 

俺の言葉にクレマンティーヌはちょっと驚いた。

いや、まぁ、彼女はまだナザリックでの歴が浅い。

知らないメイドと食事をするのは怖かろう。

 

俺の言葉にメイドは片眉をあげた。

 

 

「よろしいので?ベリアル様」

 

「構わないとも。クレマンティーヌにお前を紹介したい」

 

「……では、食堂まで行き、私の食事も持ってきましょう。しばし、お待ち下さい」

 

 

妙齢の女性が頭を下げて、退席した。

言葉の通り、朝食を持ってくるのだろう。

 

そう思ってると、クレマンティーヌに脇腹を突かれた。

 

 

「ちょちょちょっと、いきなり何?そういうのビックリするから、予め言ってて欲しいんですけどー」

 

「悪いな。だが、丁度良い機会だ。彼女を紹介しておきたい」

 

 

首を傾げるクレマンティーヌに俺は言葉をかける。

 

 

「彼女は俺が──

 

「お待たせしました。ベリアル様」

 

 

先程の妙齢のメイドが食事を持って来た。

机に朝食が三つ並べられる。

 

 

「随分と早かったな」

 

「はい。事情を話せば最優先で用意してくれましたので」

 

 

普通のナザリックのメイドなら、至高の御方と並んで食事など……とか何とか謙遜するが、彼女は別だ。

 

なぜなら──

 

 

「ラズロ、いつも通りの姿でいい」

 

「……よろしいので?」

 

「あぁ、クレマンティーヌにお前を紹介したい」

 

 

クレマンティーヌが妙齢のメイドと、俺を交互に見る。

今後も長い付き合いになるんだ、紹介はしておきたい。

 

 

「では……失礼して」

 

 

ドロリ、とメイドの顔が溶けた。

その瞬間、クレマンティーヌが俺の後ろに隠れた。

まだちょっと異形種が怖いんだろうな……いや、まぁ俺も異形種なんだが。

 

メイドの顔が溶けて、現れたのは卵のように凹凸のない顔だ。

そうして黒い空洞のような目と口が現れた。

 

 

「クレマンティーヌ、紹介しよう。お前の知っている言葉で言うと……そうだな、俺の従属神である『ラズロ』だ。ドッペルゲンガーのラズロだと覚えておけ」

 

「よろしくお願いします、クレマンティーヌ様」

 

 

上位(グレーター)ドッペルゲンガーのラズロ。

まだナザリックに他の面々が活動していた頃に、俺が作ったNPCだ。

こっちの世界に転移する事を想定して、性格が良好だとか、人間に差別意識がないとか、創造主に対して物怖じしないとか、色々な設定を盛りに盛った有能メイドだ。

 

 

「え、えぇー……う、うん、よろしくー?」

 

 

クレマンティーヌがラズロと握手する。

ぶよぶよとした触覚にちょっとビビっているようだ。

 

 

「ラズロ、いつもの姿になっていいぞ」

 

「では、失礼して」

 

 

ドッペルゲンガーはレベル一つに付き、一つの外装を持つ。

ラズロの二重の影(ドッペルゲンガー)のレベルは15、上位(グレーター)二重の影(ドッペルゲンガー)のレベルは10。

合計で25の外装を保存できる。

 

妙齢のメイド姿は客人を持て成す時の姿だ。

彼女本来の姿は──

 

 

「これでよろしいですか?父上」

 

 

小学生ぐらいの女の子だ。

……いや、あのね?

俺は別にロリコンとかじゃなくてね?

仲の良かったペロロンチーノのアホが、美少女ロリメイドっしょ!とか何とか熱弁しまくった所為でね……俺が依頼してた外装をロリキャラに書き換えられちゃってね……。

 

まぁ、今となっては良い思い出だ。

 

 

「……あのー、ベリちゃん?父上って言ってるけど……」

 

「あぁ、俺が作ったからな。誰かに産ませた訳じゃないが、父親みたいな物だろう」

 

「へ、へー……なんというかさ、倫理観の違いってのー?突きつけられてる気がするんですけど」

 

 

クレマンティーヌの言いたい事は分かる。

俺だって『父上』とかではなく『ベリアル様』とか呼んでほしい。

だが、この世界に来て割とすぐに「父上と呼んでもよろしいですか?」とか何とか、上目遣いで言って来たから……俺は折れた。

 

 

「とにかく、ラズロは人間に対して悪感情はないし、性格も温厚だ。俺が居ない間、ナザリックを出歩きたかったら案内して貰うといい」

 

「はい、任せて下さい。このラズロ、命にかけてクレマンティーヌ様の安全を保障致します……いざと言うときは蘇生します」

 

「ベリちゃん、今、この子凄い物騒なこと言わなかったー?気の所為?」

 

 

俺は苦笑する。

 

 

「まぁ、気にせず……朝食を食おうか」

 

「はい、父上。ラズロはペコペコです」

 

「……まぁ、いいけどさー」

 

 

三人で並んで、朝食を食べた。

強姦魔と連続殺人鬼と二重の影(ドッペルゲンガー)で囲む食卓……だが、側から見れば幸せそうな食卓だった。

 

 

「あぁ、そうです。クレマンティーヌ様、一つお聞きしたい事があるのですが」

 

「ん、なーにー?ラズロちゃん」

 

 

クレマンティーヌはラズロにちょっとビビっているようだが、それでも表面上はいつもの態度だった。

見た目がか弱い女の子だってのが影響しているのだろう。

 

 

「母上と呼んでよろしいですか?」

 

「ごふっ」

 

 

吹き出したのは俺だ。

食べていたパンを飲み込んで、俺はラズロへ視線を向けた。

 

 

「ラズロ。何故、クレマンティーヌが母親になる」

 

「一度、母親という物が欲しかったんですよ。父上」

 

「だからと言って、何故──

 

「クレマンティーヌ様は父上と、乳繰り合っていますよね?いずれ結婚するのではないかとラズロは邪推しているのですが」

 

 

……ラズロの設定に『創造主相手にも物怖じしない』って書いたやつは誰だ?

俺か?俺だった。

 

彼女の言葉にクレマンティーヌはちょっと引いてる。

半笑いになってるし。

 

 

「結婚……結婚……」

 

 

顔を赤くして、ラズロの言葉をリフレインしている。

そんなにショックを受けたのか?

 

俺はため息を吐いて、ラズロへ目を向ける。

 

 

「まぁ確かに、そういう事はしている」

 

「ですよね、父上」

 

「してはいるが、まだそういう関係ではないんだ」

 

「えぇ?そうなのですか?でも将来的に、『そーいうかんけー』になるなら問題ないのでは?」

 

 

こ、こいつ……!

答え難い事を……いや、悪気はないのだろう。

悪気はないが、それが一番面倒だ。

 

俺が目を泳がせていると、ラズロの視線がクレマンティーヌへ向いた。

 

 

「クレマンティーヌ様はどう思いますか?母上と呼ばれる件に関して?」

 

「え?えー……べ、別に良いけどー?」

 

 

内心、俺は暴れそうになった。

味方だと思っていたクレマンティーヌに裏切られたからだ。

 

 

「おぉー。母上から許可は頂きましたよっ、父上」

 

 

早速、クレマンティーヌの事を母親みたいに扱っている。

俺は頭を抱えて……ため息を吐いた。

 

 

「好きにしろ。だが、公の場では彼女を母親と呼ばないように」

 

 

他の配下共がブチギレては堪らん。

モモンガさんに見られたら、絶対根掘り葉掘り聞かれるし。

 

 

「承知致しました、父上」

 

 

女の考える事はよく分からん。

未婚なのに母親呼ばわりされる事を許容するなんて。

 

だが、しかしまぁ……クレマンティーヌはラズロとの距離が近付いたようで、少し親しそうにしていた。

 

まぁ、いいか。

ラズロも、クレマンティーヌと打ち解けたくて提案したのだろう。

中々、よく出来たメイドだ。

 

……だよな?

自分の願望を満たすために、母親呼びした訳じゃないよな?

 

俺は苦笑しながら、朝食を口に運んだ。

その頃にはもう、早朝の嫌な感情は消えていた。

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

「ずるいっす!」

 

 

ナザリック第九階層、食堂にて戦闘メイド『プレアデス』の一人、ルプスレギナは激昂していた。

机に置かれた朝食を前に、フォークを手に持ち振り上げていた。

 

 

「落ち着きなさい、ルプー」

 

「ユリ姉はことの重大性が分かってないっす!」

 

 

姉に注意されても落ち着かないルプスレギナに、ユリ・アルファはため息を吐く。

ここ最近、彼女の機嫌は最低値を下回り続けていた。

 

それでも最も邪悪な一面が露呈しない限り、『怒っている』パフォーマンスでしかないため、そこまで深刻には感じていなかった。

 

 

「ナザリック内に至高なる御方の後宮が出来たんすよ!?なのに、そこに配属されてるのは人間一名なんて、ずるいっす!」

 

「あら、ルプスレギナ。それはベリアル様への批判かしら?」

 

 

横から金髪の美女、ソリュシャンが顔を出した。

 

 

「違うっす!そんな訳ないっすよ、ソーちゃん!問題なのは──

 

 

ルプスレギナはバターにフォークを刺し、ぐちゃぐちゃに潰した。

 

 

「ナザリックのメイドの中、誰もお情けを貰っていないこと。違う?」

 

 

そして、ルプスレギナは真顔になった。

いつもの笑みは控えて、真剣な表情でソリュシャンへ目を向けた。

 

 

「……それはそうね。でも、それはベリアル様に対する不敬では?何かしらの理由があって、私達に手を付けてない筈よ」

 

 

その言葉に、ルプスレギナは顔を顰めた。

 

 

「そんな事は関係ない。外部の人間には手を付けるが、私達には手を付けない……それは、自分達の努力が足りていない証明。なーんて、そう思わないっすか?ユリ姉も」

 

「えぇ、まぁ……そうね」

 

 

至高の御方、そのうちの一人はモモンガ……現、アインズ様はアンデッドであり、子を為す事は望めない。

しかし、もう一人のベリアルは淫魔(インキュバス)……世継ぎを作る事も可能である。

 

プレアデス、いやナザリックの配下達は、自身の創造主を失う恐怖をすでに経験している。

故に、残った至高の御方への忠誠心は凄まじい物であり、女であれば身体を捧げたいとも考えている。

そして、今後、自身が支えるべき主人として、至高の御方のご子息が増えれば……そして、その母体になれれば……そう思う事が、程度の差はあれ皆が思っている。

 

今まで、ベリアル様はメイドに一度も手を付けた事がなかった為、『そういうこと』に興味がないのだと思っていた。

ならば、主の意向を汲んで、はしたない真似はしまいと自制していたのだ。

 

しかし、外部から人間がやって来て事情が変わった。

ナザリックの外の女、それも人間を抱く……という事は、ナザリック内の女に魅力がないことの証明となったのだ。

 

現在、ナザリックの女性陣では激震が起こっている。

どうにかして、ベリアル様のお手付きにならなければならない。

どうにかして、気を引いて抱いていただかなければならない。

そうしなければ、自身の創造主の方々のように、我々を捨ててしまうかも知れない……と。

 

 

「とにかく、まずはラズちゃんを囲んで、ベリアル様の好みを聞くっすよ!」

 

「やめておきなさい、ルプスレギナ。ラズロ様は口が硬い御方……ご自身の創造主に関しては何一つとして話して下さらないわ」

 

 

ラズロ。

ベリアル様直轄のメイドであり、プレアデスとは異なる管轄に配属されている。

戦闘能力は階層守護者を少し下回るが、それでもプレアデスに比べれば遥かに上回る。

 

地位としては上下などないが、ソリュシャンは彼女の事を上に見ていた。

ナザリックに在籍している至高なる御方の直属メイドとは、それだけ羨ましい立場なのだ。

 

 

「ソーちゃん、既に試してみたっすか?」

 

「ええ、昨日ね。言葉通り煙に巻かれてしまったわ」

 

「あー。ラズちゃん、忍者っすからね」

 

 

実際に『忍術』を使用したのだろうと、ルプスレギナは想像した。

そして、周りの姉妹、そして聞き耳を立てている一般メイド達に目を向けた。

 

 

「……兎にも角にも!これは大変で、すぐに解決しなければならない問題っす!颯爽と解決すべく、他のメイド達も名案があれば教えて欲しいっすよ!」

 

 

ルプスレギナの言葉に、メイド達があーだこうだと反応し出す。

その様子を見て、ユリは再びため息を吐いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くしゅんっ」

 

 

ベリアルがくしゃみをした。

その姿を見て、クレマンティーヌは笑った。

 

 

「何今のー?ベリちゃんってさ、そんな可愛いくしゃみすんのー?」

 

「……放っておけ」

 

 

気恥ずかしい思いをしながら、ベリアルは腕を組んだ。

そして、首を傾げた。

状態異常耐性スキルにより、風邪なんて引かない筈なのにな……と、思案した。

 

 

「父上、風邪にはネギが効くとペロロンチーノ様が言っていました。お尻に刺すと良いそうです」

 

「……あのクソ鳥、ゴミみたいな情報を教えやがって」

 

 

少し苛立った仕草をしながらも、内心は少し喜んでいた。

去ってしまった友人の影が、ほんの少しでも見えたからだ。

 

青の薔薇で書くべきキャラは?

  • ラキュース
  • イビルアイ
  • ティア(TSレズエッチ)
  • ティナ(ショタ化おねショタエッチ)
  • ガガーラン
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