※この作品はR-18です。

【R-18】オバエロ:至高の淫魔がスケベする話   作:口だけの淫魔

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連載再開。性的なシーンを含みます。


#97 夢、うつつ、性欲

夜、聖王女の寝室。

 

 

ぬち……♡ぬち♡

 

「は、う……♡んっ♡」

 

 

カルカは甘い声を漏らしながら、自身の秘部を弄っていた。

 

 

ぬちぬち♡

 

「ベリアル、様……♡」

 

 

好きな男の名前を呼びながら、身悶える。

自身の指を膣口に少し入れて、浅くて気持ちいい所を押し潰す。

 

 

ぬぢ♡ぬぢ♡♡

 

「んっ♡ふぅ……♡」

 

 

愛する男に抱かれる夢を思い出して、カルカは自慰に耽っていた。

 

あの夢を見なくなったからだ。

旦那様に抱かれる夢も、魔皇バアルに犯される夢も、どちらも見なくなった。

前者は寂しくて、後者は安堵したが……しかし、物足りないと思ってしまっていた。

 

カルカは今まで夢の中で何度も絶頂していた。

それが当たり前となり、次第に性欲が強くなっていた。

 

だから今は、ただ……持て余している。

誰かに言える訳もなく、自らを慰めるしかない。

 

 

ぬちぬち♡ぬちぬち♡

 

「はぁ……っ♡あ、んっ♡♡」

 

 

ベッドでうつ伏せになり、膝を曲げて……情けない格好で自慰に耽る。

腰をへこへこ♡と浮かせて、自らの指に押し付ける。

 

 

ぬちぬちぬち♡♡♡

 

「あ……♡イク……♡イク……っ♡♡」

 

 

必死にGスポを押し潰し、腰をへこへことさせる。

漏れる嬌声を枕に押し付けて──

 

 

ぬぢっ♡♡♡♡

 

「イ……っ♡♡♡」

 

ぷしっ♡♡

 

 

カルカは絶頂した。

体を痙攣させ……大粒の汗で身体を濡らす。

 

 

「ふぅ……♡ふー……っ♡」

 

 

視界がボヤける。

息も荒い。

 

凡そ、聖王女らしからぬ様相。

誰に見られても幻滅される、そんな情けない自信がある。

 

誰にも見られたくはない。

ケラルトにも、レメディオスにも。

それでも……。

 

 

 

「……ベリアル、様♡」

 

 

それでもまだ、カルカは満足していなかった。

絶頂したばかりの、敏感な秘部を弄り始めた。

 

 

すりすり……♡

 

「ん……っ♡」

 

 

脳内で、夢で見たベリアルとの逢瀬を思い出しながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寝て起きて。

汗に濡れた肌に、生活魔法で作り出した水で流す。

肌触りのいい布でその肢体を拭き、カルカは息を深く吐いた。

色白の手足を服に通し、白金色の髪を櫛でとく。

美容魔法を行使して、体の調子を整えて……聖王女の証である(サークレット)を身に付ける。

 

そして、鏡を見た。

そこには少し浮かない顔をしたカルカ(じぶん)の姿があった。

 

カルカは美しい。

ローブル聖王国の至宝と呼ばれる程に、美しい。

百人の男性に美しいか?と問えば、百人が是と答えるだろう。

その美しさは生まれつきの才能でもあるが……努力によって維持されているものでもある。

 

得意とする信仰系の魔法、生活魔法、それらを組み合わせた所謂(いわゆる)、美容魔法と言うべきもの。

その行使によって容姿を整えている。

 

艶のある髪も、きめ細やかな肌も、美容効果によって維持されている。

カルカが持つ本来の美しさを損なわず、輝かせていた。

 

何故、そこまで拘るのか。

 

カルカは結婚願望が強い。

年齢にすればまだ若く、結婚しようと思えば相手を選ぶことも容易な容姿を持っている。

“相手を選ばなければ”だ。

 

結婚願望は強いが、それだけ相手に求める物も高い。

カルカは幼い頃から権力争いに揉まれていたため、人並みの、権力者としては人並みの、人間不信となっている。

 

聖王女という地位に向けられる欲深い視線。

整った容姿に対する下卑た視線。

 

悪人であろうと、なかろうと、聖王女カルカ・ベサーレスという肖像越しに見られてしまう。

そんな相手を、どうして好きになれようか。

 

カルカが望むのは、ただ一つ。

「糸の一切ついていない“私”という人間を愛してくれるお婿さんを」だ。

 

それは一人の女性が持つには『我儘』とすら呼べない切実な願い。

しかし、聖王女が持つには度が過ぎた『我儘』だ。

 

カルカは聖『女』王ではなく、聖王『女』だ。

女である前に、王である。

そう自身でも強く自覚していた。

 

それでも心の奥底で、捨てきれぬ夢はある。

御伽話に出てくる王子に夢見る、少女のように。

 

 

「……ダメね」

 

 

カルカは聡い。

ただ、夢を見るだけの思慮なき女であれば、己の夢の愚かさに気付く事も無かっただろう。

 

だが、彼女は聡い。

己が見ていた夢……現実から掛け離れた、思考を蝕むような甘い妄想の根源を自覚していた。

 

魔導国から来たベリアルという男。

彼の姿と声を模した理想の“旦那様”は、カルカの心を蝕んでいた。

 

馬鹿馬鹿しいほどに優しく、愚かなほどに理想的で。

偶像に憧れる民衆よりも深く、彼女の心は彼にのめり込んでいた。

 

 

「……はぁ」

 

 

鏡に映る少し落ち込んだ表情を、カルカは笑顔に変えた。

そうして、部屋を出た。

 

 

「っ、カルカ様!おはようございます!」

 

「ええ、おはようございます。ご苦労様です」

 

 

部屋の前に立っていた女の騎士に頭を下げる。

前までは護衛などなかったが、今は過保護なほどに場内を警備している。

何かあればいつでも助けられるように、とのことだ。

室内から悲鳴でもあがれば、すぐに助けに来るだろう。

……カルカは、室内の物音が聞こえないよう防音用の魔法道具(マジックアイテム)を使用しているが。

 

 

そうして、護衛が並ぶ居心地の悪い廊下を抜けて、カルカは自身の執務室まで来た。

そこは自身に割り当てられた部屋であり、その部屋の主は自分である。

だというのにカルカは少し緊張しつつ、ドアをノックしてから……中に入った。

 

 

「おはようございます」

 

 

そう口にすれば、室内に居た一人の女性が席を立った。

 

 

「おはようございます、カルカ様」

 

 

ケラルトだ。

聖王女である自身の側近であり、神官団の団長であり……執務の補佐までしてくれている多忙な人物だ。

 

そして──

 

 

「おはよう、カルカ」

 

 

もう一人、応対用のソファに男が座っていた。

その人こそ、カルカが想いを寄せているベリアルであった。

 

カルカは心臓が高鳴るのを感じながら、ベリアルへ目を向けた。

 

 

「珍しいですね? 朝からベリアル様が来られているのは」

 

「……ん? まぁ、確かにな。ここに居ても手伝える訳じゃないからな……悪いな、邪魔だったか?」

 

「い、いえ! そういう訳ではありません!」

 

 

慌てて否定したカルカに、ケラルトも頷いた。

 

 

「そうですよ、ベリアル様。確かに国の内緒話などし辛くなりますが、ベリアル様が居るならば居るなりに、進む仕事もあるんですよ」

 

「……俺が居て? 何かあるのか?」

 

「はい。例えば……魔導国関連の仕事とか、ですね」

 

「……ん?」

 

 

ケラルトの言葉にベリアルは首を傾げた。

カルカには何となく分かっていたが、黙っておくことにした。

 

 

「聖王国と魔導国の交流は未だ殆どありません。魔導国の風土、宗教、民衆、文化についてを知らなければ、どこかで軋轢が生まれてもおかしくはありません」

 

「……あぁ、なるほど。俺から魔導国の情報を聞きだしたいという訳か」

 

「その通りです。ぶっちゃけると諜報活動ですが……勿論、言いたくないことは言わなくても結構ですよ?」

 

「言いたくない事なんて無いさ……だがまぁ確かに言えない事はあるか」

 

 

ベリアルとケラルトは楽しそうに会話している。

その様子を見てカルカは、どこか羨ましく感じてしまう。

 

ベリアルのケラルトやレメディオスに対する対応と、聖王女である自身に対する立ち振る舞いにはどこか壁がある。

嫌われている訳ではないだろう。

尊重してくれているのだろう。

それでも、どこか存在する心の壁。

 

それがどうしようもなく邪魔で、疎ましい。

密着して肌を触れ合わせて、心を通わせたい。

だけど、そんな事をすれば嫌われてしまうのは確実で……もどかしい。

 

カルカは己の指と、指を絡めて……少し視線を落として──

 

 

「なら、そうだな。良ければ、今日は俺が魔導国について話そうか?」

 

 

ベリアルがそう口にした。

そして、その視線の先には自分がいた。

 

気を遣ってくれているのか。

そう思えば、カルカは己を恥じつつ、その優しさに感謝して頷いた。

 

 

「はい、お願いしてもよろしいでしょうか?」

 

 

カルカの言葉にベリアルは頷き、魔導国について語り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで語られた情報はまるで、御伽噺のようだった。

多種多様な人間、亜人種、森妖精(エルフ)までもが共存しているというのだ。

街中は様々な文化が混じり合い、交流を深めているとも。

ドワーフが作った家に、亜人種が用意した家具を置き、人間種が作った魔法道具(マジックアイテム)を備え付け……そこに森妖精(エルフ)が住んでいる事がある。

 

それはカルカにとって驚愕に値するものだった。

 

亜人種とは野蛮な種族だ。

罪のない子供の亜人種に慈悲を与えようと思う事はあれど、人を食らう大人の亜人に対しては嫌悪感を持ってしまう。

建国から今手に至るまで、民草に被害を与えてきた亜人。

良い感情を持つには難しい相手だ。

 

そんな亜人をも国民として迎え入れて、国として成り立っているという。

 

思わず、カルカはベリアルに声を掛けた。

 

 

「あの、ベリアル様? 失礼な質問だとは思うのですが……何故、そのような多種族で国家として成り立っているのですか?」

 

「あぁ、それは……身も蓋もない言い方になるが、国主があまりにも強過ぎるから、だな」

 

「国主……魔導王陛下、ですか?」

 

 

カルカは考察する。

魔導王、アインズ・ウール・ゴウン。

彼はアンデッドであり、凄まじい魔法詠唱者(マジックキャスター)だと耳に聞いていた。

しかし、それ程までの強者なのか。

 

不思議に思うカルカに対して、ケラルトが頷いた。

 

 

「カルカ様。魔導王陛下の力は尋常ではありません。この目で見ましたから」

 

「そう、なの? あっ、申し訳ありません。ベリアル様、その力を疑っている訳では──

 

「いや構わないさ。その頃、カルカは寝ていた訳だからな」

 

 

カルカは申し訳なく思いつつも、頷いた。

対して、ケラルトは腕を組みつつ息を吐いた。

 

 

「しかし、圧倒的な強者による支配ですか。それは聖王国では真似できそうにありませんね」

 

「まぁ、特殊な環境だな。普通、王の政治は己の後継者に渡っても、国が滅ばぬよう個人の力量を反映させない方が正しい。だが、魔導王陛下はアンデッドだからな……未来永劫、その支配する力は変わらない」

 

「……そうですね。支配層が代替わりしない、する必要がない、というのは人間には真似できません」

 

 

ケラルトの言葉にカルカも頷いた。

賢王は自身の没後の政治すら考えるという。

魔導王は賢王ではあるが、その必要がないという訳だ。

決して失う事もない人材とは、それだけで価値があるというものだ。

 

そして、その人材が魔皇バアルを滅ぼせるほどの魔法詠唱者(マジックキャスター)であるのならば。

 

 

そうしてベリアルは、魔導国について話した。

子供達が通う学校があるとか、馬車は馬ではなくゴーレムやアンデッドが引いているとか、農村ではスケルトンが労働力して働いているとか。

 

どれも信じがたい話だったが、ベリアルがそのような嘘を吐く理屈もないため、二人は信じて頷いた。

 

そして──

 

 

「他国の人間にウケる話だと……そうだな、魔導国では氷菓子が普及していてな」

 

「氷菓子……あいすくりーむ、というやつですね?」

 

「そうだ。魔導国では魔法道具(マジックアイテム)が比較的安価に手に入る。屋台の商人が冷凍効果を持つ魔法道具(マジックアイテム)を購入して、アイスクリームを売り歩いているという訳だ」

 

「成程、魔法効果付与技術の発展によって民衆が魔法道具(マジックアイテム)を……それは凄いですね」

 

 

ケラルトは感心して頷いていた。

莫大な力と技術、魔法知識によって生み出される国民への恩恵だ。

聖王国では真似できない芸当だ。

 

 

「ドラウディロン……竜王女も魔導国のアイスクリームにハマってたぞ。滞在中、毎日せがまれてた」

 

 

ベリアルの言葉に、思わずカルカは問いかけた。

 

 

「……あの、ベリアル様って竜王女様とも面識があるのですか?」

 

「竜王国と魔導国とは協力関係にある。俺は直接的な面識もあるし、個人的にも仲良くさせて貰ってる」

 

「そう、なのですね」

 

 

若干の嫉妬心を自覚しながらも、竜王女が幼い少女である事を思い出した。

一度面会した事があるが、舌足らずに喋る保護欲を擽られる少女だった。

あの年齢ならばベリアルと恋仲になるような事はないだろう。

 

そう自分で納得したカルカは、そのままアイスクリームについて考え始めた。

以前、確かに王宮で出された事がある。

しかし、あまり美味しいとは思えなかったのだ。

目新しさはあったが、甘くもない冷たいだけのボソボソした菓子……それがカルカの考えるアイスクリームだった。

 

だというのに、国主でもあるドラウディロン竜王女が好んでいるというのは……どういうものなのか。

不思議に思う。

 

そんなカルカの表情を見て、ベリアルは目を瞬いた。

 

 

「カルカはアイスクリーム、そんなに好きじゃないのか?」

 

「え、いえ……はい。そうですね。一度、王宮で頂いた事があるのですが……あまり」

 

 

カルカの言葉に、ベリアルは目を頷いた。

 

 

「そうか。もしかして、甘くないアイスクリームを食べたか?」

 

「……ええ、はい? しかし、それが普通なのでしょう?アイスクリームとは、家畜の乳を凍らせたものだと思っていましたが」

 

「……違う、という訳ではないが、少なくとも魔導国のアイスクリームとは違うな」

 

「そうなのですか?」

 

「魔導国のアイスクリームは砂糖や果実で味付けされているからな。単純な家畜の乳とは違う」

 

「それは……一度、食べてみたいですね」

 

 

カルカは頷いた。

王宮で出されたアイスクリームは、確かに冷たい食感は面白かった。

対して味は、ただ牛の乳を煮て固めた味だった。

それが美味しく味付けされているのであれば、確かに気になる話だ。

 

 

「なら、出そうか?」

 

「え?」

 

 

ベリアルの言葉にカルカは目を瞬いた。

隣にいるケラルトを見れば……やれやれ、という呆れた顔をした。

 

直後、ベリアルが虚空に手を伸ばした。

黒い渦のようなものに手を入れて……そして、中から白磁の皿ごと何かを取り出した。

 

そして、机にアイスクリームの乗った皿を三つ出した。

銀のスプーン付きで、だ。

 

カルカは困惑して、ベリアルへ目を向けた。

 

 

「な、なにをしたのですか?」

 

「何って、アイスクリームを出しただけだが」

 

「そうではなく……! どこから出したのですか……?」

 

 

思わず声を荒げそうになる。

だが、ケラルトに肩を軽く叩かれて……納得いかぬまま座り直した。

 

そんなカルカに対して、ケラルトは達観したような顔をしていた。

 

 

「カルカ様。ベリアル様が突拍子もない行動をするのは今に始まった事ではありません。こんな事で驚いていると身体が持ちませんよ」

 

 

なんて事を言うケラルトに、思わずベリアルが口を開いた。

 

 

「いや、俺をそんな非常識人みたいな扱いをするのは──

 

「非常識でしょう。悪いとは言いませんが、ベリアル様の常識と我々の常識は異なります」

 

「うっ……そうか、そうなのか……?」

 

「そうです」

 

 

言い返されて少し凹んだ様子のベリアルを見て、カルカはそう……少し、可愛いと思った。

夢の中にいた理想の男性としてのベリアルでは見られなかった姿だ。

その姿を見てカルカは幻滅せず、それを人間味なのだと感じて嬉しく思った。

 

対してベリアルは自分に対して微笑むカルカを見て、馬鹿にされてる──とは思わずも、複雑な感情を抱いていた。

 

 

「……まぁ、とにかく、だ。アイスが溶けるし食べよう。ほら、ケラルトも食うだろう?」

 

「勿論、いただきます」

 

 

カルカとケラルトの前にアイスクリームが乗った容器が置かれた。

黒い粒々が混じった薄い黄色のアイスクリームを……カルカは見つめていた。

これは何なのか。

焦げているのか。

何故、薄く黄色なのか。

 

対してケラルトは深く考えず、口にしていた。

 

 

「……あー、美味しいです」

 

 

そして、しみじみと頷きながら感想を述べた。

 

そんなに美味なのか。

カルカはすぐに手元のアイスクリームへスプーンを入れて……口にした。

 

 

「……あ」

 

 

感じたのは甘みだった。

砂糖だけではなく、乳の甘み……そして、爽やかな匂い。

舌触りのよいクリームのような感触と、冷たさ。

それが口の中から溶けて、消えていく。

 

カルカは硬直した。

あまりの美味に驚き、反応すら出来なかった。

 

 

「美味かったか?」

 

 

ベリアルの言葉に、カルカはようやく現実に戻って来れた。

 

 

「は、はい。大変、美味で……」

 

「なら、よかった」

 

 

カルカの言葉にベリアルは嬉しそうに笑みを浮かべた。

打算などなく、ただ、自分が喜ぶ姿を見て笑ってくれている。

 

 

「…………」

 

 

嬉しくて、心臓が高鳴った。

顔が熱くなる。

そんなカルカを見て、ケラルトは少しニヤついた笑みを浮かべていた。

 

その笑みに、カルカは覚えがあった。

何か含みのある、何かを考えている時の笑みだ。

南部の貴族相手によく、あんな笑みを浮かべていた。

 

悪い事にはならないだろうと思いつつも、カルカは少し警戒をしていた。

 

 

そんなカルカを見て、ベリアルは首を傾げた。

 

 

「……食べないのか? 溶けるぞ?」

 

「あ、は、はい! 食べます!」

 

 

カルカは羞恥を悟られないよう、アイスクリームを口に含んだ。

心を溶かすような甘みを……幸せを、カルカはただ味わっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうしてアイスクリームを食べ終えて、色々と魔導国についての話を済ませて。

カルカはふと思い出した。

 

 

「そういえば、魔導王陛下が私達と面会したいと仰られていた……わね? ケラルト」

 

 

ケラルトに目を向けると、頷いた。

 

 

「はい、カルカ様。日程などは決まっていませんが、聖王国と魔導国の今後について話したいそうです。ベリアル様も何か聞いていますか?」

 

「ん? まぁ、ある程度は……聖王女陛下も目覚めたばかりで辛いだろうからと、落ち着いてからで良いらしい。なるべく早くに面会したいそうだが」

 

「……でしたら、カルカ様もこうして安定しましたし、いつでも面会できるという事、ですか?」

 

 

ケラルトの言葉に、ベリアルは少し首を傾げた。

 

 

「いや、カルカの事を考えれば、今すぐにという訳には……」

 

「わ、私は大丈夫ですよ……?」

 

 

カルカは思わず口に出した。

実際、目が覚めた直後も、別に体調が悪かった訳ではない。

寧ろ普段よりも調子が良かったぐらいだ。

 

故に、こうして魔導王との面会を遅らせるのは、悪手に思えた。

 

人智を超えた力と計略、政治を司る魔導王。

そんな相手を待たせられるほど、聖王国は力のある国ではない。

その認識はカルカとケラルト、共通の認識だった。

 

 

「……まぁ、カルカが良いと言うなら良いんだが。ケラルトはどう思う?」

 

「私としては、確かに……あまり引き伸ばすのは得策だと思えません。魔導王陛下を待たせるという事は……その、失礼となりますし」

 

「あー、いや? 魔導王陛下はそんな事は気にしないと思うが……いや、守護者は……うーん……確かに、早めの方がいいか?」

 

「はい。魔導王陛下の都合が合うのであれば」

 

「あー……なら、七日後ぐらいならどうだ? 色々と予定決めはあるが、俺の方でも準備しよう」

 

 

ベリアルの言葉にカルカは頷いた。

 

 

「七日後……という事は、明後日には聖王国を出発しなければなりませんね」

 

 

魔導国と聖王国の間にある距離を考えれば、明後日にでも馬車で出なければ間に合わない。

そう考えての発言だったが、周りの誰も同意しなかった。

 

 

「……どうしたのですか? 二人とも」

 

 

困惑するカルカに、ケラルトが耳打ちする。

 

 

「魔導王陛下は転移魔法を使用できます。軍隊のような多人数での転移は難しいでしょうが、数人程度なら転移可能です。恐らく、それを頼りにしているのかと」

 

「そ、そうなの……? それはすごいわね……?」

 

「はい、凄い……凄いで片付けて良いのかは分かりませんが、凄いです」

 

 

カルカは高位の信仰系魔法詠唱者(マジックキャスター)だ。

転移魔法は専門外ではあるが、それでも多人数の転移がどれ程の高難度なのかは理解しているつもりである。

 

だからこそ、逆に反応が鈍くなっていた。

まるで神話のような力であり、現実味が湧かなかったからだ。

 

対してケラルトは達観していて、もう諦めているように見えた。

 

そんな二人にベリアルが視線を向けた。

 

 

「そうだな……俺が魔導王陛下から借り受けた魔法道具(マジックアイテム)で連絡を取り、予定の日に転移門を開いてもらう。だから移動にかかる時間は無いし、用意だって前日までにしておけばいい」

 

「でしたら、カルカ様の予定も提出しましょう。私が取り決めますが……優先は、魔導王陛下の示す日付で構いません」

 

 

ケラルトの言葉にカルカは頷いた。

魔導王は魔皇バアルを一撃で殺した魔法詠唱者(マジックキャスター)だ。

聖王国の勝手など配慮させられる相手ではない。

 

 

「……分かった。なら魔導王陛下にこっちから連絡を入れておこう。日程が決まれば連絡はするが……そうだな。どうせなら面会だけではなく、視察もするか?」

 

 

前にも言っていただろう?とベリアルがケラルトに目線を向けた。

 

 

「はい。私としては嬉しいです。魔導国へ向かうのは私とカルカ様の2名でよろしいですか?」

 

「……いや、レメディオスも連れて行こう」

 

 

ベリアルの言葉にカルカとケラルトは目を合わせた。

 

 

「レメディオスを?」

 

「姉様を、ですか?」

 

 

聖王国の代表である聖王女カルカ。

神官という立場ではあるが聖王国の重鎮であるケラルト。

 

この二人が魔導国へ向かう理屈は、二人にもよく分かっていた。

 

対して、聖騎士団長レメディオスはどうか。

カルカは考えた、トラブルを起こしそうだ、と。

ケラルトは考えた、トラブルを起こすだろうな、と。

 

彼女は潔癖であり、アンデッドが支配する魔導国に入国した場合、どうなるか分からない。

それを二人は懸念しており、何故ベリアルがそんな事を言うのかと疑問視したのだ。

 

そんな二人の疑念に対してベリアルは──

 

 

「いや、仲間はずれは可哀想だろ」

 

 

悩む様子もなく、そう口にした。

 

 

「そうですね……確かに、そうですね」

 

 

カルカは自分を恥じた。

保身を優先するあまり、親友を除け者にしようとしていた事に。

 

 

「え? そうですか……?」

 

 

対して、ケラルトは呆れていた。

ベリアルが甘い事はよく知っていたが、無駄なトラブルを抱え込む気なのかと呆れたからだ。

 

二人の様子を見てベリアルは苦笑しつつ、カルカに目を向けた。

 

 

「……で、いいか? カルカ」

 

 

ベリアルの言葉にカルカは頷いた。

 

 

「はい、構いません。レメディオスも一緒に来て貰いましょう」

 

 

対してケラルトは納得していないような顔をしながらも、頷いた。

 

 

「はぁ……私も構いません、ベリアル様が言うのであれば。姉様にはしっかりと言い聞かせますし」

 

 

そして、ケラルトは自身の姉を想い、遠い目をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くしゅん! 何だ、誰か私の噂話でもしてるのか」

 

「……はは、そうかもしれませんね」

 

 

レメディオスの言葉に、副団長であるグスターボは愛想笑いを浮かべた。

 

彼女が風邪を引くとは思えない。

理由は言わずもがな……故に、噂話をされた所為だという方が根拠としては信憑性があったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、その晩。

 

 

カルカは自分の身体に美容魔法を行使していた。

身体を洗い、潤わせ、それを維持するためにコーティングする。

これを夜と朝に行う事が、カルカのルーティンだ。

 

生まれ持った才覚による美貌を維持して、老化を防ぐ。

身体を最高の状態にして、それを損なわないように整える。

 

今までは、いずれ現れると信じていた「自分を愛してくれる婿」の為だ。

無論、自分自身を磨くという事は他人の為だけではなく、己の為でもあったが……本質にあったのは、自分を愛してくれる人に愛されたいという願いだった。

 

これから出逢うであろう誰か。

その誰かに愛してもらうために容姿を整えてきた。

 

だが今は少し違う。

誰か、ではなく……その努力は特定個人へと向けられていた。

 

 

(ベリアル様と今日は……上手く、話せたわね)

 

 

夢の中に居た理想の男と、現実に存在する彼。

全くの別人であるとは理解している。

理解しているからこそ、カルカは夢中になっていた。

 

何故なら、夢に居た己の理想を体現した男より……現実のベリアルの方が好ましかったからだ。

 

 

(あの人はいつも、私の知らない事を教えてくれる……それに、優しいし)

 

 

優しく、思いやりがあり、容姿端麗で、力もある。

だが、女好きで、少し抜けている所もあり、万能ではない。

 

完璧ではなく、欠点もある。

だが、そこが好ましかった。

 

超越した存在ではなく、ただ一人の男性として手の届く範囲に居ると思えた。

 

もっと強く、賢く、美しく、欠点のない男であれば……カルカは我慢できた。

自分には手の届かない相手であれば、夢を夢として終わらせる事ができた。

 

だが、ベリアルならば……。

 

 

(……もっと仲良くなって、お近付きにならないと)

 

 

自分を愛してくれるかも知れない。

聖王女としてではない、ただ一人の女である自分を愛してくれるかも知れない。

 

そう期待してしまう。

 

だからこそ、カルカはベリアルに思慕の心を募らせている。

いつか夢のように、いや夢以上に愛されたいと。

愛し、愛されて、恋仲になり……いずれ夫婦になりたいと。

 

 

しかし、その願いには致命的な綻びがあった。

 

 

(……でも、どうしたら良いのかしら)

 

 

カルカには恋愛経験がない。

物語のような恋愛に憧れてはいたが、実際に誰かを好きになった経験などなかった。

故に、どうアプローチすれば良いのか全く分からなかった。

 

 

(素直に、『貴方が好きです』とでも言うべき?でも、それで引かれたら……もう少し段階を踏んで……でも、どうやって踏むの?)

 

 

頭の中でぐるぐると思考を回しながら、カルカはベッドに倒れた。

少し唸りながら、枕に頭を埋める。

 

 

(……そうね、ケラルトに聞くのはどうかしら。ベリアル様と親しそうだし、私がベリアル様を好きだと言えば協力してくれそうだし……うん、名案ね)

 

 

そうして結論付けて、枕に顔を埋める。

 

カルカにとってケラルトは親友であり、良き相談相手でもある。

自分の知らない事、思いつかない事も提案してくれる聖王国の頭脳でもある。

 

彼女ならば自分に協力してくれるだろう。

そう、根拠のない信頼をカルカは抱いていた。

 

彼女の協力があれば、ベリアルとの関係も……自分の望ましいものになってくれるかも知れない。

 

親しい友人となり、恋仲となり、やがては夫婦へと……。

 

 

「…………」

 

 

もぞもぞと、ベッドの上で……カルカは寝巻きの中の、自分の秘部へと手を伸ばした。

 

これもまた、日課だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、王宮。

ベリアルの寝室にて。

 

 

ぱちゅっ♡ぱちゅっ♡ぱちゅん♡♡

 

「あっ♡あんっ♡あぅっ♡♡」

 

 

ケラルトはベッドの上で裸となり、ベリアルとまぐわっていた。

仰向けとなり、上から抱きしめながらの正常位で……身と心を重ねていた。

 

 

ばちゅ♡ばちゅ♡ばちゅ♡♡

 

「はっ♡あ♡ベリアルさまっ♡♡」

 

 

汗で濡れたケラルトの身体がベッドで跳ねる。

ぎしぎしと音を鳴らして、激しく抱かれる。

 

 

(奥っ♡奥まで届いてるっ♡太くて長ぁい男性器(おちんぽ)がっ♡子宮押し潰してくるっ♡♡)

 

 

子宮口(ポルチオ)を押しつぶされて喘ぐケラルトを、男が抱き締めた。

 

 

「ケラルト、そろそろ……」

 

ぱちゅぱちゅ♡ぱちゅっ♡♡

 

「は、はいっ♡♡いいです、よっ♡♡いっぱい、射精()してください……っ♡♡」

 

 

ケラルトがおねだりすると、男はより激しく腰を振り始めた。

 

 

ばちゅばちゅばちゅばちゅッ♡♡♡♡♡♡♡

 

「あっ♡あ゛ぁっ♡はげし、い……っ♡♡」

 

 

膣奥を何度も押し潰されるような激しいピストンに、ケラルトは身体を震わせた。

激しい快楽に膣内が収縮し、子宮が降りて陰茎とキスをしている。

 

 

ぱちゅッ♡♡ぱちゅッ♡♡♡♡

 

「あ♡イク♡イきますっ♡イクっ♡イクイクイク……っ♡♡」

 

 

そして、男はケラルトの深い部分に陰茎を押し込み──

 

 

びゅるるるるるッ♡♡♡♡♡♡

 

「イ゛っ、ク……ぅっ♡♡♡♡♡♡」

 

ぷしゃっ♡♡♡♡♡

 

 

子宮にたっぷりと射精されて、ケラルトは絶頂した。

潮を噴きながら身体を痙攣させ、男に抱きつく。

 

身体を密着させて、汗をぶつけあい……愛を確かめ合う。

 

 

ちゅぽっ♡♡♡

 

「あぅっ……♡」

 

ぷしっ♡♡

 

 

陰茎を抜かれた反動で、ケラルトはまた潮を噴いた。

絶頂した直後の女性器(おまんこ)の浅くて気持ちいい所が擦れたからだ。

 

男の身体が離れるのを見て、ケラルトは少し喪失感を抱いて──

 

 

ちゅっ♡♡

 

「あ、んむっ♡♡」

 

 

唇を重ねられて、喪失感は霧散した。

 

ずるい男だ、とケラルトは思った。

自分のして欲しいことを全てしてくれる。

気持ち良くて幸せで、身も心も満たされてしまう。

 

こんなの好きにならない女は居ない。

 

 

れろ♡れる♡♡♡

 

「んっ……♡んむ……♡」

 

 

こんなの手放せる訳がない。

夢中にならない訳がない。

 

 

れら♡れろぉ……♡♡

 

「んぁ♡あぇ……♡♡」

 

 

女という性別に生まれたのなら、仕方ない事だ。

舌を絡めてキスをし続ける。

 

このまま貪るように愛を確かめ合って──

 

 

 

「お、おい。ケラルト、はやく代わってくれ……もう満足しただろ」

 

「んっ……む……姉様」

 

 

余韻が損なわれた。

 

ベリアルとまぐわっているベッドの上に、姉でレメディオスも全裸で座っていた。

ケラルトとベリアルの性行為(セックス)を横目に、女性器(おまんこ)をぐちょぐちょに濡らしながら自分の番を待っていたのだ。

 

そんな姉にケラルトはジトっとした目を向ける。

 

 

「姉様、私まだベリアル様とキスしている最中なのですが……」

 

「うっ、それはそうだが……」

 

 

我慢できないのだろう。

ケラルトにも気持ちが分かった。

自分も同じ立場なら急かしてしまうだろうとも。

 

だが、まぁ、それはそれ。

これはこれ、だ。

 

 

「少しは我慢してください、姉様は……ん、ぁ♡♡」

 

ちゅっ♡れろれろ♡♡

 

「んっ♡ん……ぅっ♡♡」

 

 

また舌を絡めてキスをする。

そんなケラルトとベリアルの様子を見て、レメディオスは貧乏ゆすりをしていた。

 

嫉妬心だ。

はやく自分も気持ち良くなりたいという欲求だ。

愛されたいという情欲でもある。

 

流石に可哀想に思えて、ケラルトはキスを辞めた。

 

 

「っぁ……♡ベリアル様、そろそろ姉様も……♡」

 

「ん? あぁ、そうだな」

 

 

身体を離して、ケラルトはベッドの縁に座った。

対してベリアルはレメディオスへと向かい合った。

 

 

「待たせたか? 悪かったな、レメディオス」

 

「あ、あぁ! まったくだ……っ」

 

 

そんなレメディオスの手をベリアルは引っ張り、そして──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぱんッ♡ぱんッ♡♡ばちゅんッ♡♡♡♡

 

「お゛ッ♡♡おぉっ♡♡お、ほッ♡♡♡」

 

ぷしっ♡ぷしっ♡♡

 

 

レメディオスはベッドで四つん這いにさせられて、後ろから激しく突かれていた。

膣奥を乱暴に突かれて、絶頂し、潮を撒き散らしながら、獣のような嬌声を漏らしていた。

 

 

ばちゅばちゅばちゅッ♡♡♡♡♡♡♡

 

「お゛ぉッ♡♡お゛きゅっ♡♡あ゛ひっ♡♡♡」

 

 

ケラルトとの性行為(セックス)に比べて、明らかに激しい。

まぐわうというよりは、犯すという言葉が近いような性行為(セックス)だ。

 

 

ばちゅんッ♡ばちゅッ♡♡

 

「お゛っ♡イク゛♡これイク゛♡♡イ゛っ……ッ♡♡♡」

 

 

これはケラルトに比べてレメディオスが……ほんのちょっぴりマゾであり、それを見越した男が敢えて激しくしているのだ。

 

 

どちゅどちゅどちゅどちゅッ♡♡♡♡♡

 

「イグ♡イク゛ッ♡イク♡イグイク゛♡イ゛、っき゛ゅッ♡♡♡」

 

ぷしゃぁっ♡♡♡♡♡

 

 

絶頂したばかりの女性器(おまんこ)を乱暴にどすどすと突かれて、レメディオスは潮を噴いた。

腰を掴まれて膣奥突かれる度に身体が揺れて、胸も揺れる。

 

そんなレメディオスの様子を無視して、男は激しく犯し続けた。

 

 

ばちゅんッ♡♡♡♡ばちゅんッ♡♡♡♡

 

「っく゛♡お゛♡お゛ぉお……っ♡♡♡♡」

 

 

汗がぽたぽたと垂れてベッドのシーツにシミを作る。

手足に力が入らなくなってがくがくと揺れる。

 

そんなレメディオスに対して、男のピストンはより激しくなって行く。

 

 

どちゅどちゅどちゅどちゅどちゅッ♡♡♡♡♡

 

「お゛ッ♡お゛〜〜〜っ♡♡♡お゛ぉお゛♡♡」

 

 

腕の力が抜けて頭を枕に押し付けるレメディオスを逃さないよう、男は腰を掴んで激しく犯し続ける。

そして──

 

 

びゅるるるるるるるるるるるるッ♡♡♡♡♡♡

 

「お゛♡うぉ゛♡お゛ぉ〜〜っ♡♡♡♡♡♡♡」

 

ぷしゃぁぁあっ♡♡♡♡

 

 

たっぷりと射精されて、レメディオスは絶頂(アクメ)した。

身体を激しく痙攣させ、獣のような喘ぎ声を漏らして……そのままベッドに沈んだ。

 

 

「お゛……♡お……♡ぉほ……♡」

 

 

筋肉質な身体を痙攣させ、膣口から濃厚過ぎてゼリー状になっている精液を僅かに垂らしながら……転がった。

絶頂後の痙攣ではくはくと膣口が開いていた。

 

 

「ん、お゛……♡♡♡」

 

 

焦点の合わない目で舌を口から出しながら、絶頂(アクメ)顔を晒しつつ……レメディオスは幸せを噛み締めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば、ベリアル様はカルカ様のことをどう思われているのですか?」

 

「ん?」

 

 

ベッドの上、裸のままケラルトが問いかけて来た。

久々の3Pの後、ピロートーク中だ。

 

ちなみにレメディオスは気を失っている。

眠っているという訳ではなく、あへあへ言いながらベッドに転がっているだけだ。

気をやっているとも言うか。

 

視線をケラルトに戻す。

質問の意図が分からないので首を傾げると、ケラルトが少し呆れたようにため息を吐いた。

 

 

「鈍感なフリをするのはよくないですよ。どう考えてもカルカ様、ベリアル様に気があるじゃないですか」

 

「……あー、いや、それは夢で見ていた理想の男性像に俺を重ねているだけだろ?」

 

「……フリじゃなくて、本気で鈍感なのですか?」

 

 

カルカの俺に対する好意は、夢の影響だ。

あくまで夢の延長線上であり、俺自身を見ている訳ではない。

と、俺は思っている。

 

 

「いや、俺のことを今は好意的に見ているかも知れないが、現実の俺をよく知れば幻滅される可能性だってあるだろ」

 

「……まぁ確かに、ベリアル様は女好きで抜けている所もありますからね」

 

「……まぁ、うん」

 

「幻滅されるかもしれません」

 

「…………まぁ、そうだな」

 

 

俺から話を振ったが、火力が高すぎる。

事実だから反論できない悪口はやめろ。

俺がちょっと返事に困っていると、ケラルトが意地悪そうな笑みを浮かべた。

 

 

「私はそういう所も含めて好きですけど」

 

 

……まぁ、そんな事を言われると何を言われても許せてしまう。

元々、別に怒ってはいないのだが。

 

 

「はぁ……まぁ、なんだ? 俺はカルカをどうこうするつもりはない。傷付けたい訳じゃないしな」

 

「……そういう話ではなく、ベリアル様はカルカ様をどう思っているのか答えて欲しいのですけれど」

 

「どうって……何が?」

 

「……異性としてどう思うか、ですよ」

 

 

何とか話題から逃げようとしていたが、回り込まれてしまった。

こういう話術というか駆け引きになると、俺よりケラルトの方が数枚上手だ。

そりゃ策謀渦巻く聖王国の南部貴族とバチバチにやり合ってる才女なのだから、俺みたいな奴に勝ち目がないのは当然なのだが。

 

 

「そりゃ可愛いとは思ってるさ。美人だしな。スタイルも良いし、性格も良い。弱者を思いやれる優しさも評価点だな」

 

「……随分と褒めますね。やはり、狙っているのですか?」

 

 

ケラルトがジトっとした目で見てくる。

不機嫌そうだ。

 

そりゃそうだ。

目の前で別の女性を褒められたら、誰でもそうなるか。

 

宥めるべく、俺は否定する。

 

 

「いや、そういう訳じゃないさ。あくまで客観的な意見として──

 

「え? 何ですか? カルカ様が魅力的ではないと言うのですか?」

 

 

またジトっとした目で睨まれた。

これ白と言っても黒と言っても怒られるじゃないか。

 

 

「じゃあ逆に聞くが、ケラルトはどうなって欲しいんだ。俺とカルカの関係をどうしたい?」

 

「それは……」

 

 

ケラルトは少し悩むような、言いづらそうな顔をしてから頷いた。

 

 

「神官団の団長、そして聖王国の政治に携わる者としては、ベリアル様と関わる事すら反対です。聖王女が他国の男の、沢山いる中の一人の女になるなど……南部から批判されるのは間違いありません」

 

「そうだよな。俺もそう思っ──

 

「しかし、カルカ様の友人として、私はベリアル様との恋を応援したいと考えています」

 

「……ん?」

 

 

思ってた回答と違う。

俺はケラルトの顔を見る。

普段の少し腹黒そうな含みのある顔ではなく、何かを想う顔をしていた。

 

 

「カルカ様は今まで、己の幸せを捨てて、一国の主として生きてきました。国のため、民のためにと我が身を削っていたのです」

 

「……そうだな」

 

「であれば、愛する男との恋ぐらい応援するのが友の役目だと思いませんか?」

 

「……それは、そうか? いや、でも相手は俺だぞ?」

 

 

確かにケラルトの言葉には同意なのだが、その愛する男ってのが俺ならば同意できない。

いや、決してカルカを恋愛対象として見ていない訳ではない。

可愛くて優しくて魅力的で、権力者としても尊敬できる部分が多々ある。

可愛らしいところもある。

 

ここ何日か関わって、彼女が真の意味で慈悲深い王女なのだと理解できた。

思慮深く、志も高く、魅力的な女性だ。

 

そんなカルカを……というのはこう、ちょっと、申し訳なさがある。

本人が好きなのは理想の男性像を上書きした夢の中の俺であって、現実の俺じゃないからだ。

 

 

「確かにベリアル様は女誑しの女好きですが……一夫多妻の国など歴史上に多々ありましたから。甲斐性を見せて下さい」

 

 

女誑しの女好き?

確かに女好きではあるが、女誑しの自覚はないぞ。

反論すれば話が拗れるし、しないが。

 

 

「あー……ケラルトは随分、俺とカルカをくっ付かせたいんだな」

 

「ええ……まぁ、ベリアル様ならカルカ様を幸せにしてくれると思ってます」

 

「……随分と俺の評価が高いな?」

 

「はい。実際に私は今、凄く幸せですから」

 

「……なら良いんだが」

 

 

ケラルトが俺の胸板に触れた。

撫でるように滑って、熱と柔らかさを感じる。

 

 

「ベリアル様はもう少し、自分の価値を認めるべきです。貴方は凄く優良物件なんですよ?」

 

 

……そう言いながら、ケラルトが俺に顔を近づけてきて──

 

 

「んっ」

 

 

キスをしてきた。

柔らかな感触を唇に感じつつ、俺はケラルトを抱き留めた。

 

彼女は自分が幸せだと言ってるが、それは俺も同じだ。

自分のことを愛してくれる女に囲まれて、不幸せな訳がない。

 

まぁ、しかし、そうだな。

 

カルカに関して、俺も考え直してみようか。

なんて、思いながら……このプラトニックな雰囲気を壊さないよう、俺は必死に自分の陰茎が勃起しないよう抑えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

が、無理だったので、この後普通にエッチした。

気持ち良かった。

 

アルシェの話

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