輪廻の輪の転生ゼウス~前世知識に基づいてギリシア神話で穏便生存(?)ルートを目指したら…~ 作:oosima
それらに尺が取られて、今回は大人向けシーンはございません。
○神代 黒海某沿岸 アマゾン国 王都 城下町付近○
「きゃー! 助けて!」
「逃げろー!」
「戦士たちは前へ!」
神族の少年ゼウスもとい魔術師ユピタがヘラクシアを庇ったもののそのダメージで尻を痛めて、同じく女神アフロディーテとしての素性を隠している女魔術師ヴィーナに治療してもらっていた頃、アマゾン国の王都の城下町とそれを守る城壁は騒然となっていた。
城壁とは言っても土に灰や藁などを混ぜて上から積み重ねて突き固めただけのものだが、これまでケンタウロスの襲撃や略奪に悩まされていたアマゾネス達にとっては、ユピタが伝えたこれは周囲の地形と合わさって防衛線として大きく助けになる代物であった。
「うふふふ♪ 馬に跨ってケンタウロスみたいになってる珍しい娘の後を追ってみたらこんなにも人が大勢いる場所に着くなんて…♪ それでこんな壁で岩山の間を塞げばケンタウロスの野蛮な雄共なんかは目じゃないわねぇ♪ でもまあ、私には効かないけどぉ♪」
その城壁に立てこもっている状態でも恐れの色を隠しきれなくなっているアマゾネス達に嘲笑混じりの言葉をかけているのは、身体自体は曲線美が取れた長躯だが4メートルという高い異常さで四肢は昆虫で特にカマキリを思わせる異形の緑基調の外骨格のような皮膚が篭手やロングブーツのように付き、背中からはカマキリを思わせる長く巨大な鎌が二本生えてニョキニョキと動き、片足は青銅のような色をしていてもう片方の足はロバを思わせる痣が浮き出て、面貌は妖艶な美貌が浮かんでいたが通常の両眼の他に側頭部にはカマキリのような大きな目を覗かせ 他にもアホ毛のように同じくカマキリのような触角を生やした異形の美女であった。
「な、何ですかーあれはー!?」
「あれは
そこで子供達を引き連れて山から戻ってきたヘスティアが子供達を王都の一番守りが堅い場所へ避難させて大きな石斧を持った状態で現れるが、彼女に他のアマゾネス達はその現れた怪物を思わせる美女
「ふふふ♪ ここにも美味しそうな子供の匂いがするわぁ♪ 十人くらい差し出せばぁ他は見逃して上げなくもないけどぉ…!?」
その
「…記憶も持たず何処の生まれかもわからん流れ者であるこの身を受け入れてくれた者達を差し出すわけがないだろう。ここの人達を食いたいのなら俺を食い殺してからにしろ!」
魔物の襲撃を聞いて駆けつけてきたアテナが、その長躯を生かして豪速で知槍を投げつけてきたのだ。
「…へえ! 中々生きのいい娘がいるじゃない! 本当に美味しそうでそれを味わっている時は良い悲鳴を上げそうねぇ!」
「!」
それを見た
(…以前にユピタと共に森の中で作業中にケンタウロスに襲われた時、彼から魔物との戦い方は色々と教われた。特にこうした大型の魔物が戦う時はその巨躯を生かせない場所にまず引き込むこと…!)
自分を追ってくる
「…っ! 中々にしぶとそうな子ねぇ! 本当においしそうだわぁ!」
(…よし! この木がたくさん生えている環境ではあの怪物の一番の武器である大鎌は全力では振り切れそうにない! だったら次に俺がやるべきなのは…!)
大木で防がれたことに
『アテナ、どれだけ強い相手でも弱点がある。長所というのは時として短所になりえるんだ』
『長所が短所?』
『例えば体が大きくて筋力が強い敵というのは、それを支える体には大きな負担がかかっているんだね。特に足腰辺り…そして、どんなに鍛えても体を動かさなくちゃいけない都合で関節辺りは他と比べて脆いことが多い…』
その教えを思い返してアテナはその長躯以上の剛力で周囲に存在する大岩や大木を蹴り飛ばすか切り飛ばすかして、
「あははは! 無駄よ無駄ぁ! こんなのじゃあ私は倒れはしないわよ…!?」
それらを
「ッァアアアア!?」
すると膝の裏側の比較的柔らかい外殻を良質な黒曜石で且つ魔術で強化された大槍の穂先は穿ちぬき、内部の肉を抉って
「…見た目はカマキリに近いが、血の色は我らと同じなんだな…アア!?」
それを見てアテナは笑みを浮かべるが、まだそこまで戦闘経験は詰めていない彼女は、
「…アア…ぐぅ…!」
「…全く! やってくれるじゃない! ふふふ…この傷の分はあんたの血肉で治すしかないわねぇ…!?」
後頭部と背中に受けた痛恨で蹲るアテナに、
「…全く、非常時だからって赤ちゃんがお腹にいる身まで働かせようだなんて…あなたのお父さんは困った子でちゅねー」
「あ、あなたは…!」
痛みが引いて瞼を開いたアテナが目にしたものは、まだ初期とはいえ妊娠している身で、魔術で強化された皮革製鎧を見に付けているヴィーナが自らの下腹部を撫でつつももう片方の手で自身の頭を撫でてきている姿であった。
どうやら大きなシャボン玉状の泡はヴィーナが掛けた防御障壁魔術のようである。
「…へえ、まだ赤ちゃんが中にいる状態でわざわざ来てくれたんだぁ? だったらお腹の中にいる赤ちゃんもろとも美味しくいただかないと…!?」
その動きに
「ぺペペ!? な、何よこれぇ!? 炭臭いじゃない―――!?」
「“
「“
それに
「―――いババアアアァーーーーー!?」
「うわぁ!?」
すると黒い粉はカッと強い閃光を伴って火がついてそれは連鎖的且つ猛烈な勢いで広がり、爆炎を伴った閃光となって
「…ウゥう、目、目が…何が起きたんだ…!?」
「きゅ…きゅうゥウゥ~~~…」
十秒ほどが経過した後、爆音を伴った閃光が収まって煙が残されたころ合いになるとアテナは閉じていた瞼を開くが、煤で汚れている泡の向こう側で薄れていく煙の中から、全身が真っ黒になって煤だらけとなった状態で目を回している
「…ふ、ふーー(なんかさっきからめっちゃ強いけど何処かビビってる感じのする視線を感じたから、極力大きな魔術や魔力を使わずにそれを小規模にして倒すべく…)大急ぎで作っておいた炭をヘラに魔術で細かくしてもらって粉状にしたけど…上手くいったな“粉塵爆発”…」
「…ふえぇぇ、炭にこんな使い方があったんですねぇ~!」
その倒れた
「ユ、ユピタにヘスティア姉上!?」
「ああ、怪我しているけど大事そうではなくてよかったよアテナ。そしてありがとう。君がこの魔物を引き寄せてくれたおかげで街の被害はほとんどないよ。それに、君がこの魔物の足にダメージを与えてくれたおかげで攻撃も上手く当てられたしね」
「ありがとうございますですよ~。おかげでこの蟷螂さんをメっとするための準備が出来ましたー。まー考えたのはほとんどユピタさんですけどー…?」
驚くアテナにユピタとヘスティアが近づいて礼を述べるが、そこでヴィーナが口を尖らせて割り込んできた。
「ちょっと、魔術で防御力をめっちゃ高い状態にしてもらったとはいえ、君のお願いで身重なのに危ないことをした私を無視しないでよ」
「あーごめんごめん、そしてありがとう。お礼なら今晩の仕事が終わったらすぐにするから…!?」
詰め寄られたユピタは仰け反りつつ謝ってお礼を言うが、その途中で我が身が急な浮遊感に包まれて重力に大きく引かれ始めた感覚を覚える。
「「…え!?」」
戸惑うアテナとヴィーナの前で、ユピタとヘスティアは倒れた
次回より、この世界の秘密の一端に触れつつも、ギリシャ神話では珍しいくらいにピンクなエピソードが乏しい(もしくはまだ発見されてない)あの子が、本作主人公とこの世界で色々となっちゃう予定です。